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    『華麗なるギャツビー』(The Great Gatsby) 哀しい男ギャツビーにアメリカ人の歴史を観る【2013年5月14日たまむすび】

  1. スタジオ  赤江珠緒(フリーアナウンサー) 山里亮太(お笑い芸人、南海キャンディーズ)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    ディカプリオの新作は、1度も映画化が成功していない『グレート・ギャツビー』

    赤江 毎週火曜日の『たいしたたま』はアメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんです。今週もカリフォルニア州バークレーの御自宅からお電話での御出演です。もしもし~、町山さ~ん!
    山里 もしも~し!
    町山 はい、町山です。よろしくお願いします。
    山里 お願いしま~す。
    赤江 町山さん、お元気そうで。
    町山 (笑)・・・ハイ、大丈夫ですよ、ハイ。
    山里 完全復活。
    赤江 うん。・・・ということで、良かったでございますけれども。今日ご紹介いただくのは、町山さん?
    町山 ハイ。え~、今日はですね、レオナル・・・ド、言いにくいな(笑)、レオナルド・ディカプリオ主演のですね、
    赤江 うん。
    町山 『華麗なるギャツビー』、原題『グレート・ギャツビー』(The Great Gatsby)をご紹介します。ハイ。
    赤江 ほう・・。
    町山 これはですね、アメリカの作家、F・スコット・フィッツジェラルドがですね、1925年に発表したんですけど、その頃、フィッツジェラルドはまだ、30前だったんですけれども。
    山里 うん。
    町山 今ではですね、アメリカの小説の中で、文学の中で、最も偉大な作品のうちの1つと言われてるものなんですが、
    山里 うん。
    町山 え~、何度も映画化されてるんですけど1回も成功したことが無いんですね。
    山里 え?!
    赤江 へ~。
    町山 そうなんです。それにですね、ディカプリオとですね、ディカプリオと昔組んでですね、『ロミオとジュリエット』、シェークスピアの『ロミオとジュリエット』を映画化した、バズ・ラーマン監督が挑戦したのが、今回の映画化です。
    赤江 ふ~ん。

    町山 はい。で・・・『ロミオとジュリエット』って観ました?ディカプリオの。[*1]
    山里 現代風になってるやつでしたっけ?
    町山 そう。あの、現代のブラジルのですね、ギャング団2つの戦いにしちゃってるんですよ、話を。
    赤江 あ~・・ごめんなさい、観てないですねえ。
    山里 僕、観た!
    町山 あ、そうですか。ま、元々は昔のイタリアの話ですよね?
    山里 はい。
    町山 で、決闘する時も剣で決闘するわけですよね。
    山里 うん。
    町山 それを、現代のブラジルのギャングにしてるから、2丁拳銃でバンバン銃撃戦をする話にしちゃったんですよ。
    赤江 あ、もう・・そんな、全然違う世界観なんですね。
    町山 全然違う。しかもディカプリオはアロハシャツ着てるし。
    赤江 アロハシャツ着てるの?へ~。
    町山 だってブラジルだもん。
    赤江 あ~、そっか・・・。
    町山 ねえ。それでもう、音楽も現代の音楽で。
    赤江 うん。
    町山 で、やったら大当たりしたんですよ。
    赤江 へ~。
    町山 そういう監督がこのバズ・ラーマンて監督で、とにかく何でもかんでもド派手でですね、
    赤江 うん。

    ~Conflict~
    「ギンギラギンにどぎつい」最新ギャツビーの過剰演出を楽しめ!

    町山 この『グレート・ギャツビー』って映画はですね、1920年代のアメリカ・・・ちょっとまだ喘息が残って、スイマセンね。(笑)。
    赤江 うん。
    町山 20年代のアメリカってのは物凄かったんですよ。
    山里 ふん。
    町山 ていうのはね、アメリカって1900年代までは、世界第2位の国だったんですよ。GNPがね。
    山里 うん。
    町山 お金が無かったんですね、それまではそれほど。
    山里 ふん。
    町山 イギリス、大英帝国がトップだったんですよね。
    赤江 あ~、そっか。
    町山 世界最大の国っていうのは。金持ちの国は。
    山里 はい。
    町山 ところが1900年代に逆転するわけですよ。
    赤江 うん。
    町山 で、アメリカ中に物凄い金持ちがたくさん増えていくんですね。
    山里 ふん。
    町山 一番有名なのは石油王になったロックフェラーですね。
    赤江 うん。
    町山 それまで石油っていうのは一番のエネルギーじゃ無かったんですよ。それまでは蒸気機関だったから。
    山里 あ~、そっか、そっか。
    町山 ところがガソリンの時代になって、
    赤江 うん。
    町山 で、大金持ちになりますね、ロックフェラーがね。
    赤江 ええ。
    町山 で、世界の石油産業の中心になっていくんですけど、アメリカは。
    山里 うん。
    町山 もう一つは鉄ですよ。
    山里 鉄・・うん。
    町山 鉄は、鉄道と、自動車と・・・ビルの鉄骨に使うじゃないですか、
    山里 はい。
    町山 現代の世の中ってのは鉄で出来てますよね。
    赤江 まあ、そうですねえ。
    町山 その鉄鋼王のカーネギーって人がまた、大金持ちになるんですよ、アメリカで。鉄を作って。
    赤江 ええ。
    町山 それであと、フォードですよね。少し後になりますけど。
    赤江 うん。
    町山 自動車を作って・・・で、大金持ちになる、と。
    山里 はい。
    赤江 アメリカがもう、めざましく、伸びていった時期ですねえ。
    町山 もう、スゴイんです。1900年からですね1929年にかけて、アメリカの株価ってのは物凄い勢いで上がっていくんです。
    山里 ふ~ん。
    町山 どんどん、どんどん上がっていくんで、もう何でもとにかく株を買っとけば、みんな大金持ちになっちゃったんですよ。
    赤江 ほお~・・・景気いい話ですなあ。
    町山 スゴイ景気いいから、20年代ってのは金が余ってしょうが無いから、
    山里 ふん。
    町山 セックス、ドラッグ・・・その頃まだロックンロールが無いんで、ジャズの時代だったんですよ。
    山里 ふん。
    町山 で、朝から晩までパーティーやって、その当時も、大量のドラッグをやってですね、
    赤江 ええ。
    町山 セックスしまくってたんですね。みんな。
    赤江 は~・・・・。
    山里 は~・・・、乱痴気だ。
    町山 もう、朝から晩まで踊って騒いで。
    赤江 うん。
    町山 で、その中でですね、このグレート・ギャツビー・・・ギャツビーって男、ディカプリオが演じるギャツビーは、
    山里 うん。
    町山 物凄い、突然大金持ちになって、毎日、毎日、凄いパーティーをしてる、っていう男の話なんですね。豪邸で。
    赤江 ええ。
    町山 このバズ・ラーマン監督はですね、その豪邸でのディカプリオのパーティー・・・ディカプリオのパーティーじゃねえな(笑)、
    山里 (笑)。
    町山 (笑)、ギャツビーのパーティーをですね、
    赤江 はい。
    町山 彼独特の、物凄い豪華絢爛のですね、酒池肉林のですね、
    赤江 酒池肉林!
    町山 もう・・・幾ら金かけてんだよ!っていうねえ、
    赤江 ええ。
    町山 モノスゴイ映像で見せるんですよ。
    山里 へ~・・・。
    赤江 うわ~・・・。
    町山 で、しかもそれを、凄く見せるために、3Dなんですよ、この映画。
    赤江 へ~。
    町山 飛び出してくるんですよ。
    赤江 ええ。
    町山 で、物凄い豪邸があるんですよ。お城を建ててるんですね、このギャツビーって男は。
    山里 はい。
    町山 そのお城の中に人をバーって入れて。要するに誰でも入っていいんですよ。招待状があればタダでみんな入れるんですね。
    山里 ふん。
    町山 中にバンドとかオーケストラが入ってて、
    赤江 ええ。
    町山 ダンサーがいっぱいいて、
    赤江 うん。
    町山 で、そこら中にお酒が置いてあって、
    山里 ふん。
    町山 そして、噴水があってですね、あの、部屋の中にね。
    赤江 うん。
    町山 みんながもう、踊って騒いでやってるのを、カメラがですね、彼らの頭の上をブーン!と飛んでいって撮影するんですよ。
    山里 ほお~。
    町山 この、バズ・ラーマン監督はね、クレーン撮影とかですね、カメラがブーン!と飛んでいくってのがやたらと多いんですけど、
    山里 うん。
    町山 3Dだから、凄いわけですよ。立体映像で。
    山里 なるほど。
    町山 だから、観ている人は、その凄いパーティーとか凄いお城をですね、中を飛んでいくみたいな感じなんですよ。
    赤江 は~!
    町山 しかもホントにこれ、凄い建築してですね、撮影用にセットを作って、
    赤江 ええ。
    町山 これ。確か100億円以上かかってるんですけど、製作費が。
    山里 うわ~・・・。
    赤江 かけてますねえ・・・。
    町山 スゴイんですよ(笑)。
    赤江 うん・・。
    町山 で、全部、CGじゃなくて人なんですよ。
    山里 ええ?!
    町山 騒いでるダンサーとか、裸の姉ちゃんとかが。ま、裸に近い人達がですね。
    赤江 うん。
    町山 で、もう、シャンパンとかバンバン開けてるんですけども。それを3Dで見せるという、非常にですね、「デカダン」な感じですねえ。
    赤江 うん。
    町山 良くない娯楽、みたいな感じなんですけど。
    赤江・山里 (笑)。
    町山 ハイ。それでねえ、
    赤江 うん。
    町山 スゴイのはね、ディカプリオがね・・・初めてギャツビーとして姿を現すわけですね。
    山里 はい。
    町山 で、「僕の名前は・・・ギャツビー。」って言うんですけど、
    山里 はい。
    町山 カメラに向かって。
    赤江 はあ。
    山里 するとカメラが3Dでグーン!と動いて、
    山里 ふん。
    町山 周りの人が一斉にシャンパンをバババン!て開けて、
    山里 ふん。
    町山 で、音楽がですね、ラプソディ・イン・ブルー[*2]のファンファーレのとこで、「パパパパーン!」てかかると、そこら中で花火がバンバンバンバーン!て上がって、お城の向こうの海からも、花火がバーン!って上がる、っていうですね、
    山里 ふん。
    町山 それがディカプリオ初登場シーンなんですよ。
    山里 (笑)。ド派手な!
    赤江 (笑)・・ド派手だけど・・・、
    町山 「ボクの名前は・・・ギャツビー♪!」って「バババババババーン!バン、バンバババ△☆?※!!☆ババーン☆☆!!」ってなるんですよ。
    赤江 ちょっと、バカっぽいですけどね。「ボクの名前はギャツビー♪」って言って・・・(笑)。
    町山 そう。アホかと思いましたけどね(笑)。
    赤江・山里 (笑)。
    赤江 (笑)・・・そうですよね・・・。
    町山 スーゴイんですよ、異常に派手なんですよ。
    山里 へ~!
    町山 で、全編、そういう異常に派手な感じでですね、
    山里 うん。
    町山 もう、「コレでもか、コレでもか、」っていう感じでねえ。で、ディカプリオは何故・・ディカプリオじゃねえや(笑)、
    山里 (笑)。混ざっちゃう・・。
    町山 (笑)。ギャツビーはなんでそれをやってるか、って言うと、
    赤江 ええ。
    町山 要するに、貧乏だったんですよ、彼は。
    赤江 へ~。
    町山 で、みんな、なんでギャツビーはあんなに金持ちなの?ってわかんないんですよ。
    山里 うん。
    町山 その、パーティーに来てる人達も。
    赤江 うん。
    町山 「なんか、悪いことヤッてんじゃないの?」とか言ってるだけで、
    赤江 うん。
    町山 「まあでも、タダで酒飲めるからイイや。」とか言ってるんですね。
    山里 うん。
    赤江 群がってくるんですねえ。
    町山 そうなんですよ。でも、昔は貧乏で、
    赤江 うん。
    町山 その時に好きだった女の娘でデイジーって子がいてですね、
    山里 うん。
    町山 キャリー・マリガンていう女優さんが演じてますが。あの・・ちなみにAV女優の小坂めぐるさんにソックリなんですけども、[*3]
    赤江 (笑)。ちょっと、わかんないよ!
    山里 (笑)・・・ああいう感じ・・。
    赤江 町山さん、私わかんないよ・・・(笑)。
    町山 (笑)・・その、イギリスの小坂めぐるにディカプリオは惚れてですね、
    山里 (笑)。
    赤江 分かる人は分かるのかな?(笑)。
    町山 (笑)・・・なんだか言ってるうちに良くわかんなくなるという・・。
    山里 可愛い系だな・・ウン。
    町山 ここから聴いた人は、多分非常に混乱すると思いますが(笑)・・・。
    赤江・山里 (笑)。
    町山 (笑)・・・その、デイジーちゃんに惚れたんですけども、
    赤江 ええ。
    町山 デイジーは、金持ち男のトムっていう大金持ちの方に行っちゃったんですよ。
    山里 あら・・。
    町山 で、ディカプリオは物凄く・・ディカプリオじゃない(笑)、ゴメンナサイ。
    山里 (笑)・・・混ざっちゃう・・・。
    町山 ギャツビーは物凄く傷ついて(笑)。で、なんかちょっと、汚いことをして大金持ちになって、
    赤江 うん。
    町山 そして、彼女をもう一回振り向かせようとしたんですね。
    赤江 ほう。
    町山 で、そのためにわざわざお城を作って、
    赤江 うん。
    町山 毎日パーティーをやってるんですよ。
    山里 へ~。
    赤江 は~。じゃ、屈折した想いがあるわけですね。
    町山 物凄いコンプレックスなんですよ。
    赤江 うん。
    町山 で・・・この、お城がある所の、湾を挟んだ向こう岸の方に、そのトムと自分の好きだったデイジーが住んでる豪邸があるんですけども、
    山里 うん。
    町山 そこをディカプリオは、いっつも見てるんですね、向こう側を。(あそこにいる、デイジーが家に来ないかな・・・)みたいな気持ちでですね、
    赤江 女々しいねえ・・。
    町山 すると、ディカプリオの視線になってカメラがその湾の上をブワー!っと飛んでって、ヨットの帆とかの上を飛んでって向こうの家まで辿り着くんですよ。
    山里 ほう。
    町山 これはコンピューターグラフィックスなんですけども、
    山里 うん、うん。
    町山 とにかくカメラが、やたらと飛び回るんですよ、クレーンとかで。
    山里 (笑)。
    赤江 うん。
    町山 この映画ね、公開が延びたんですね。
    山里 はい?
    町山 実は撮影中に、カメラをブンブン振り回してたら監督の頭に当たって、監督が大怪我をしたんで、
    山里 え~!
    赤江 (笑)。
    町山 撮影が中止になりました。一時。
    赤江・山里 (笑)。
    町山 (笑)。(ホントかよ?!)と思いましたよ、それを聞いた時に。(バカじゃねーの?)と思いましたけど(笑)・・・。
    山里 (笑)・・・こういうの得意なはずなのに・・。
    町山 得意なはずなのに(笑)。「行け行け~!」とか言って、「カメラ回せ!」つってる時にガキン!!て当たって、
    赤江 (笑)。
    町山 くるくるくる、っていうね(笑)。そういう監督がバズ・ラーマンなんですけども。
    赤江 バズさん・・・はい。
    町山 で、まあ、パーティーやってたら、みんな遊びに来るんじゃないか、(オレの好きなアノ娘も遊びに来るんじゃないか)っていう、『泣いた赤鬼』みたいな男が、ギャツビーなんですね。
    山里 わ・・大好きな話・・・。
    赤江 うん・・うん、うん。
    町山 で、そのギャツビーを見ていく人、っていう物語の語り手はキャラウェイって男なんですけども、
    赤江 はい。
    町山 ま、30ちょっと前の男で、この人は、ミネソタっていうアメリカの凄いド田舎から来て、で、作家になろうと思ったんだけれども、凄く株価がガンガン上がるから、
    赤江 うん。
    町山 株取引に手を出して大金持ちに・・・ま、大金持ちってことはないけど、ちょっと小金持ちになって、
    赤江 うん。
    町山 浮かれてる男、ってのがキャラウェイなんですね。
    山里 ふんふん。
    町山 で、これはこのフィッツジェラルドって人自身なんですよ。
    山里 あ・・原作者の。
    町山 フィッツジェラルドも本当にミネソタの・・貧乏ってことは無い・・あ、貧乏だったか、家が破産したから。
    山里 うん。
    町山 その、まあ田舎から出てきて、ニューヨークに行ってみたら、もう凄い、狂乱の20年代だったんで、
    山里 うん、うん。
    町山 それを見た時の素直な気持ちを、この小説に書いてるんですね。
    赤江 ふ~ん。
    町山 だから、この小説は、アメリカの20年代の、もう凄まじかった時代。アメリカが世界一の大金持ちの国になった時代っていうものを物凄くリアルタイムで書いた小説としても、非常に貴重なんですよ。
    山里 ふ~ん。
    町山 でねえ、とにかくねえ(笑)、演出が凄くてですね、この映画ねえ(笑)。
    赤江 ええ。
    町山 その・・ギャツビーがですねえ、
    赤江 ええ。
    町山 あ、そう!言うのを忘れてたんですけど、これ、音楽は元々はジャズなんですよね。
    赤江 ええ。
    町山 ジャズの時代だから、この時代は。
    赤江 うん。
    町山 ところがこの映画はね、バズ・ラーマンは全部ね・・・ヒップホップを使ってるんですよ。
    赤江 あ、現代版に変えて。
    町山 現代版に変えてるんですよ。
    山里 ふん。
    町山 この人は前にね、『ムーラン・ルージュ』っていう映画で、[*4]
    赤江 ええ。
    町山 昔のフランスを舞台にしてるにもかかわらず、現代のロックの歌を、そのまま、歌詞をそのまま歌わせる、っていうミュージカルにしたんですけども。
    山里 ほう。
    町山 で、今回は、全部ヒップホップで・・・やってるんですね。
    赤江 ふん。
    町山 だからねえ、そこでもね、「こんなんじゃねえんだろ!」って怒ってる人もいるんですけども。
    山里 ふん。
    町山 それでしかも3Dですから。
    赤江 うん。
    町山 で、もう・・・異常に派手な映画なわけですよ。
    山里 うん。
    町山 ギンギラギンなんですよ。
    赤江 へ~。
    町山 全然、さり気なく無いんですね。
    山里 (笑)。マッチのやつじゃ無い。
    町山 ただ「ギンギラギンにどぎつく」って映画なんですけども。
    山里 (笑)。
    町山 ジェットコースターみたいに。
    山里 へ~。
    町山 それでねえ、どのくらい演出が凄いか、って言うとねえ、
    山里 はい。
    町山 例えばね、ディカプリオが「お前は本当は、成り上がりじゃないか!」って言われるシーンがあるんですよ。
    山里 はい。
    町山 「お前は経歴も詐称してるし、」
    山里 ふん。
    町山 「全部、お前の金持ちなステータスって、でっち上げじゃないか!」みたいなことを言われるんですけど、
    山里 うん。
    町山 で、言われながらディカプリオは黙ってるんですが、もう、爆発寸前なわけですね、怒りが。
    山里 うんうん。
    町山 痛いところを突かれてるから。
    赤江 うん。
    町山 その時にね、後ろで、SEが鳴るんですけど、
    山里 うん。
    町山 そのSEがこういうSEなんですよ。
    山里 ん?
    町山 「ガッシュシュシュシュシュシュ、シュシュシュシュシュシュ」っていうSEなんですよ。
    赤江 ん?
    山里 重いですね・・・なんか、町山さん、蒸気機関車みたいな音がして・・・。
    町山 蒸気機関車の!釜が吹き上がるSEなんですよ。
    赤江 え?
    町山 それが、ディカプリオが怒る、っていうことを表現してるんですよ(笑)。
    赤江 あ~!
    山里 え、そんなマンガみたいな(笑)・・・。
    町山 (マンガかよ?!!)と思いましたよ、オレ。(笑)。
    山里 ポッポ~!って怒るやつでしょ?最後。
    町山 そうそう。ポッポ~!ってなるんですけど(笑)。「マンガですか?!」と、思わずツッコミたくなるね(笑)。
    山里 え~?!
    町山 ここはね、観客も爆笑してましたね。
    赤江 へ~・・・。
    山里 はあ、え~・・・・。
    町山 「本気なの?」みたいなね。何処までが冗談だかわからないんですけどね。
    赤江 うん。
    町山 でねえ、ま、こういう映画なんですけども。

    ~Resolution~
    映画の裏に本当のアメリカの歴史がある

    赤江 え、じゃあその、何回もやっても難しい、って言われたこの作品を・・・、
    町山 はい。
    赤江 見事に・・・完成させてはいるんですか?
    町山 えっとねえ、前半は凄いです。
    山里 前半は(笑)?
    町山 でねえ、この原作が、毎回映画化の度に失敗する理由っていうのは、
    赤江 はい。
    町山 映画の方が悪いわけじゃ無くて、
    赤江 ええ。
    町山 原作自体が、後半はですね、どんどん、ギャツビーの崩壊を描いてるんですよ。
    山里 はあはあ、はあ。
    町山 だから、どんどんどんどん崩壊していく一方だから、盛り上がらないんですよね、映画として。
    山里 なるほど。
    町山 でもそれは、テーマなんでしょうが無いんですよ。
    赤江 うん。
    町山 だから、(前半はあんなに楽しかったのに、後半はナニコレ?)みたいに思う人も多いと、思うんですけど、
    赤江 うん。
    町山 これはこの、原作そのもののテーマなんですよね。
    赤江 うん、うん。
    町山 だからこれは、凄く難しいとこだな、と思いましたね。
    赤江 へ~・・・。
    町山 結局その、ギャツビーが惚れた女、デイジーって、そのためにわざわざ汚いことまでして大金持ちになったわけですけど、彼は。
    山里 うん。
    町山 で、その彼女を取り戻すんですね、結局。デイジーを。
    山里 うん。
    町山  でもこれ、よく考えると、このデイジーっていう女はですね、
    赤江 うん。
    町山 最初、ディカプリオと付き合って・・ディカプリオじゃ無い(笑)、ギャツビーと付き合ってたのに、(笑)
    赤江 うん。
    町山 その、金持ちの方に行っちゃったわけじゃないですか。それと結婚したわけでしょ?
    赤江 そうですよ。
    町山 で、今度ギャツビーがお金持ちになったら、またギャツビーのとこに来たわけですけども、
    山里 はい。
    町山 こんな女ってどうよ?!
    山里 最低でしょう!
    町山 最低でしょ?!!!(笑)。
    山里 はい!
    赤江 (笑)。
    町山 最低ですよ!このオンナ!(笑)。
    赤江 (笑)。
    町山 で、こんな女に惚れて、人生を全部作っちゃった男っていうのも、これ、可哀想ですよね。
    山里 そっか、悲しいよなあ・・・。
    赤江 (笑)。感情移入しまくってますね・・・大丈夫ですか?
    町山 可哀想でしょ?これ・・・。
    赤江 ええ。
    町山 これ、『華麗なるギャツビー』ってタイトルにしてますけども、原題『グレート・ギャツビー』なんですけども、
    赤江 うん。
    町山 これ、セリフの中で出てくるんですけども、「なんて哀れな男だろう・・。」っていうセリフが出てくるんですよ。
    赤江 は~・・。
    山里 そっか、悲しいよ、なんか・・・。
    町山 それに「グレート」っていうのを敢えてつけたのは、このキャラウェイっていう語り手なんですけども、それはギャツビーが好きだったから、可哀想だったから、同情したからなんですよね。
    山里 へ~。
    町山 そういう皮肉なタイトルなんで、本当は「華麗なる」って、あんまりつけるべきじゃ無いんですよ。
    山里 なるほど、邦題は。うん。
    町山 そう。で、やっぱりねえ、これね、恐ろしいことに、この「惚れた女のために城を作った」っていうのは実話なんですよ。
    山里 え?!
    町山 これ、全く同じ時代、1920年代に、新聞王でランドルフ・ハーストっていう人がいたんですね。
    山里 はい。
    町山 結構、成り上がりでお金持ちで。で、アメリカ中の新聞を全部乗っとってですね、
    山里 ふん。
    町山 新聞ネットワークを作って大金持ちになったんですけども、
    赤江 うん。
    町山 ある女優、ハリウッド女優・・・ま、たいした女優じゃないんですよ。全然才能の無い女優なんですけども、
    赤江 うん。
    町山 その女優に惚れてですね、
    赤江 うん。
    町山 彼女を振り向かせたいためにですね、カリフォルニアにホントにお城を作っちゃったんですよ。
    山里 へ~~!
    町山 それも、チャチなお城じゃなくて、
    赤江 ええ。
    町山 建材とか中に飾る物とか全てですね、ヨーロッパのお城から本物を買ってきて作ったんですよ。
    赤江 いや~、いるんだな、そういう人もねえ・・。
    町山 いるんですよ。しかもその中に動物園まで作ったんですよ。
    山里 え?
    町山 ホントに・・・(笑)。僕、行きましたけど、スゴイ!ですよ、ホントに。中にプールもあるし。
    山里 はあ~!
    町山 全てヨーロッパから本物の物を持ってきてるわけですよ。
    赤江 はあ~・・・。
    町山 王様が使ってた物を。
    山里 振り向かせることは出来たんですか?
    赤江 うん、成就したんですか?
    町山 え~・・・、あんまり(笑)・・・、あんまり、ですね、ハイ。
    山里 あら。
    町山 結局その女優さんていうのはですね、まあ、大した人じゃ無かったんですよ。
    山里 ふん、ふん。
    町山 顔もあんまり、可愛く無いしねえ。
    山里 なんで~?_
    赤江 え~?
    町山 だから、みんな、「オカシイんじゃないの?」って言ったんですよ、その時は。
    赤江 うん、
    町山 でも、わかんないんですね、恋した男っていうのはね。
    山里 そっか・・・。
    赤江 やっぱ、恋はねえ・・・。
    町山 わけわかんないんですよ。
    山里 何にも見えなくなっちゃう、周りが。
    町山 でね、このランドルフハーストの話っていうのは映画になってるんですよ。
    山里 へ~。
    町山 それは、オーソン・ウェルズっていう偉大な監督が撮った『市民ケーン』[*5]ていう映画になってるんですけども。
    赤江 ああ、『市民ケーン』。
    町山 『市民ケーン』ていうのは、そのランドルフ・ハーストの話を映画化したものなんですね。
    山里 へ~。
    町山 で、そのだいぶ後に・・・・つまりあの・・最近ですね、
    山里 うん。
    町山 『ソーシャル・ネットワーク』[*6]って映画があったんですよ。
    山里 あ、ザッカーバーグの。
    町山 はい。ザッカーバーグの、そう。
    山里 うん。
    町山 フェイスブックを作って大金持ちになったザッカーバーグっていう青年実業家は、
    赤江 うん。
    町山 実は、大学時代に好きになって振られた女の娘を見返すために、フェイスブックを作ったんだ、っていう映画なんですね。
    赤江 へ~、あ、そう・・。
    山里 そうだ・・。
    町山 それ、実話じゃ無いですよ。
    山里 え?
    赤江 あ、違うんですか?
    町山 それは、『市民ケーン』ていう映画を元にしてるから、そういう話にしちゃったんですよ、監督が。
    山里 へ~・・・違うんだ。
    町山 違うんですよ。あれは、映画を観てホントに(え、フェイスブックって、1人の女に惚れて、それで作った会社なの?!)って思ったら、それは間違いなんですよ(笑)。
    山里 あ、そうなんだ・・・。
    町山 それは『市民ケーン』が原作だからなんですよ。
    山里 ふん。
    町山 でも、これって凄く面白いのは、アメリカってのは『華麗なるギャツビー』の頃から『市民ケーン』、『ソーシャル・ネットワーク』と、同じ話を繰り返してるんですよ。何度も。
    山里 は~。
    町山 ていうのは、アメリカの金持ちっていうのは、みんな、こうだ、っていうことなんですよ。
    赤江 え?
    町山 アメリカっていうのは上流階級って存在しないんですよね。
    山里 ふん。
    町山 全ての金持ちが、全員貧乏人で、
    山里 うん。
    町山 おじいさんとかひいおじいさんの代まで辿ると、
    赤江 うん。
    町山 字も読めなかったような、いわゆる農奴と言われる人達にまで遡れるんですね、ほとんどが。
    赤江 はあ、みんな自分達で、のし上がってくる、という・・・。
    町山 そうなんですよ。アメリカに元々渡ってこようと思ったのは、みんな小作人で土地を持って無かったからですよ。
    赤江 あ、それはそうですね。歴史から言うとねえ。
    町山 そう。だから、ホントに貧乏人で。それで、ヨーロッパの小作人てのは学校も行けなかったから字も読めなかったんですよね。
    山里 ふ~ん。
    町山 スコットランドから来た人、アイルランドから来た人、イタリアから来た人、ロシアから来た人、イギリスから来た人、みんなそうですよ。
    赤江 うん・・。
    町山 アメリカ人は全員、そういう、もう、ドン底のドン底の、ドン底の人達なんですよ。
    山里 ふんふん。
    町山 それが、急に世界一の金持ちになっちゃったんですよ。
    山里 は~・・・。
    町山 これはみんな、ギャツビーなんですよ。アメリカ人てのは全員、ギャツビーなんですよ。
    赤江 は~、そういうことか!ええ、ええ。
    町山 アメリカって国自体がギャツビーの国なんですよ。
    山里 ふん。
    町山 だから、アメリカ人にとってギャツビーってのは非常に重要だ、って言われてるんですよ。
    赤江・山里 ふ~ん!
    町山 「それ、オレたちなんだよ!」と。お城を作った、って言ったって、代々継続してきた文化の最終的な結晶として作った城じゃ無いでしょ?と。「ハリボテでしょ?」と。
    赤江 うん。
    町山 ね、「ヨーロッパのお城とは違うんだよ。」と。
    赤江 はあ。
    町山 日本のお寺とか江戸の文化とか、そう言ったような、ずっと継承してきて作った物じゃ無いんですね、文化をね。積み上げてって。
    赤江 ええ。
    町山 だって、彼らはヨーロッパから文化を持ってきて無いんだもん。
    赤江 そうだ・・・。
    町山 文化とは全く縁のない・・・ドン底の小作人の人達だから。
    赤江 うん。
    町山 それがいきなりでっち上げたんですよ、いろんな物を。
    山里 は~。
    町山 アメリカに渡ってきて。親から何も文化を伝えられて無いんですよ、彼らには。
    赤江 そうだ・・・・、これ、日本人で共感出来るの、秀吉ぐらいじゃないですか?(笑)。
    町山 秀吉ですよ。秀吉はゴテゴテだったでしょ?
    赤江 ねえ、こてこてで・・。
    町山 それでさあ、好きな愛人のためにさあ、大阪城を作ったじゃないですか。
    赤江 そうそう!お城を作ったじゃないですか。ねえ。
    町山 ねえ。全く!秀吉ですよ。成り上がりの。
    山里 は~!
    町山 だから、愛されないし。
    赤江 う~ん。
    町山 で、このギャツビーはキャラウェイっていう、その男だけに愛されるんですよね。
    山里 ふん。
    町山 彼だけは理解してたんです。ギャツビーの哀しさを。で、そういう話なんで、アメリカ人は、自分のことのように思うわけですよね(笑)。
    赤江・山里 は~!
    町山 これ、日本の人が観るのはやっぱりね、(アメリカってのはこういうもんだ)と。
    山里 うん、うん。
    町山 その、デイジーっていう、金のある方にヒョイヒョイ行く女っていうのは、
    赤江 うん。
    町山 アメリカ人が追い求めてる物の象徴ですよね。
    山里 ふ~ん。
    町山 金そのものであったり、その名声であったり。
    赤江 うん。
    町山 ま、アメリカンドリームであったりですね、
    赤江 は~。
    町山 そういう、非常に空っぽで虚しい幻想みたいな物・・・の象徴がデイジーなんですよ。
    赤江 そっか、凄い成功しているようで、実は1人の女性の愛を求めてる、みたいな・・。
    山里 哀しい話なんだ・・。
    町山 そうなんですよ。しかもその女がまあ、空っぽな女だった、というね。
    赤江 (笑)。
    町山 もう・・・こんなに哀しい話は無いんで、
    赤江 ええ。
    町山 敢えてそのキャラウェイは彼に、可哀想過ぎるから、ギャツビーに「グレート」ってつけた、っていうことなんですよね。
    赤江 は~・・・!
    山里 へ~・・・!
    町山 しかもこの小説を書いたフィッツジェラルド自身が・・・その後、大恐慌って形で、大狂乱の景気が、良い時代が去って行くんですね、アメリカから。
    赤江 はい。
    町山 で、ドン底に堕ちて、そのままギャツビー以外のですね、成功作の無いまま、アル中で死んでいくんですよ。
    山里 へ~・・・。
    町山 だから、ほとんど本当の話に近い(笑)・・・。
    赤江 ふ~ん。
    町山 で、このキャラウェイって語り手自身もアル中なんですよ。
    赤江 あ、そうですか。
    町山 そうなんですよ。・・・だからね、これはね、この映画だけ観て、「あ、こんな話?」っていうんじゃ無くて、
    赤江 うん。
    町山 これ全部、ある程度の本当の話の上に作られた話なんだ、ってことを考えて観ると、非常に深い映画だと思いますよ。
    赤江 なるほどねえ・・。
    町山 はい。
    山里 そっか・・・ドキュメントに近い・・・。
    赤江 うん・・。
    町山 はい。
    赤江 そっか。
    町山 でも、ド派手ですけどね。
    山里 映像がねえ、トンデモナイ・・・。
    町山 ディカプリオが怒ると、ヤカンが沸き上がる音がしますけどね。
    赤江 (笑)。
    町山 シュッシュッシュッシュッ・・
    山里 そこ・・・(笑)。
    町山 (笑)・・なんだろう?って。(赤塚不二夫ですか??)とか思いましたけど(笑)。
    赤江 (笑)。
    町山 なんだろう?と思いましたけど(笑)。ま、そういう映画ですけども、ハイ。
    赤江 そうですか。日本ではねえ、来月、6月14日に劇場公開ということで。
    町山 はい。
    赤江 日本でも観ることができますねえ。
    町山 はい、ま、是非、御覧になってください。ハイ。
    赤江 はい。え~、ちなみに、今週開催されるカンヌ国際映画祭のオープニング作品にもなっている、ということだそうですねえ。
    町山 あ、そうなんですか。
    赤江 ええ。
    町山 みんな、ヤカンの音で大笑いだと思いますけど。
    山里 (笑)。
    町山 ハイ。(笑)・・・。
    山里 そこ、観たいなあ・・・。
    赤江 もれなく御覧頂きたいと思います。
    町山 ハイ。
    赤江 町山さん、ありがとうございました。
    町山 ハイ!どうもでした。
    赤江 はい。今日はレオナルド・ディカプリオ主演最新作の『華麗なるギャツビー』、ご紹介頂きました。で、町山さんね、そうだ!来週、日本にいらっしゃるんですよね?
    町山 そう、来週日本に行きます。
    山里 お!お久しぶりですね、じゃあ。
    町山 スタジオにおじゃましますんでよろしくお願いします!
    山里 はい!お待ちしております~!
    町山 はい!どうもです。
    赤江 よろしくお願いします~。今週もありがとうございました。
    山里 ありがとうございました。

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    [*2] ラプソディ・イン・ブルー ⇒ TSUTAYA(視聴可)

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    [*4]『ムーラン・ルージュ』(Moulin Rouge!)⇒ TSUTAYA作品情報

    [*5] 『市民ケーン』(Citizen Kane)⇒ TSUTAYA作品情報

    [*6] 『ソーシャル・ネットワーク』(The Social Network)
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