スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。
    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    『42』 キング牧師よりも遥か前に耐え忍ぶことで人種差別と闘った、メジャーリーグ初の黒人選手がいた!【2013年4月23日たまむすび】

  1. スタジオ  赤江珠緒(フリーアナウンサー) 山里亮太(お笑い芸人、南海キャンディーズ)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    高熱でボーっとしながらも、何故か朦朧(もうろう)度はいつもと同じ?

    赤江 さて、3時台はコラムコーナー「たいしたたま」。毎週火曜日はアメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんです。今週はカリフォルニア州バークレーの御自宅からお電話での御出演です~。もしもし~、町山さ~ん。
    山里 もしも~し!
    町山 はい、町山です。よろしくお願いします・・。
    赤江 あれ?
    山里 あら?なんか、しっとりしてます、町山さん。
    赤江 町山さん、ちょっと・・・元気ない感じじゃないですか?
    町山 あの、ちょっと・・・実は昨日から・・一昨日か。熱が下がらなくて。風邪なんですけど。
    山里 え・・?
    町山 今・・、さっき計ったら38度ちょっとあって、
    赤江 ちょっと・・・、
    町山 スミマセン・・・。
    赤江 え?
    山里 あ、結構・・・大変・・・。
    町山 ちょっと・・・ボーっとしてます、ハイ。
    赤江 あらららら・・。
    山里 いやなんかちょっと、いつもより色気がある声ですよ・・。
    町山 いえいえ・・・(笑)、それは喉が潰れてるからです・・・。
    山里 あ、そっか・・・スイマセン。
    赤江 いや~・・・ホントですか、町山さん・・・。
    町山 まあ、いつもまあ、お酒入ってるんで、朦朧(もうろう)度は同じぐらいです・・。
    赤江 (笑)・・・そんな暴露、今されたら、ビックリしましたけども(笑)・・・。
    山里 隠し事解禁されましたねえ。
    町山 心神耗弱度は同じぐらいです、ハイ。
    山里 (笑)。
    赤江 そうですか・・・なんかちょっと今日は、弱めなね、町山さんということで。
    山里 ちょっとキュンとさせる声出すんだよね。町山さん、病気だとこんな・・・
    町山 (咳)
    山里 あ、むせてる・・。
    町山 スイマセン、時々咳が出ると思いますが・・・。

    山里 いや、いいですよ、いいですよ。
    赤江 大丈夫ですか?そんな・・・ねえ。
    町山 ごめんなさい、ホントに。・・・・ハイ、電話だと感染りませんから、ハイ。
    赤江 (笑)。
    山里 そんな、体調が悪い時も、僕達は情報を欲しがりますからね。
    赤江 そうそう、そう。
    町山 いえいえ、イエ(笑)、仕事ですから・・・。
    赤江 そしてなんか、町山さんが弱っている、っていうのがちょっとなんかこう・・・ね。
    山里 あ、わかる。
    町山 なんで?
    赤江 なんだろう・・・。
    山里 ちょっと僕ら、変に優位に立ててるような・・・。
    町山 鬼の撹乱?(笑)・・・。
    赤江 (笑)・・・。
    山里 鬼の撹乱(笑)。
    赤江 そうそう、笑い事じゃ無いのにねえ、ごめんなさい、なんか・・。
    町山 いえいえ・・・。
    赤江 なんかちょっと・・・可笑しみにすら感じる町山さんですけれども・・。
    町山 (咳)・・・ゴメンナサイ・・。
    赤江 町山さん、ね、山ちゃんちゃんとねえ、町山さんが先週ご紹介くださった、キム・ギドク監督のDVD、映画も買ったんですって。
    町山 あ、何?
    山里 買いました!『悪い男』(나쁜 남자)!
    町山 あ、『悪い男』、悪いやつでしょう?
    山里 悪いやつですね、あれ!
    町山 でも、アイツ、童貞ですよねえ?
    山里 いや、そうなんですよ。
    町山 (笑)。
    山里 ホント、あのね、女の娘を見る目とか態度とかね、
    赤江 うん。
    山里 あの、女の子が逆にこっちに来た時のね、あのドギマギ具合、あれ、イイ童貞ですねえ!
    町山 イイ童貞・・・悪い童貞ですよ、あれは!(笑)・・・。
    山里 (笑)・・・あ、そっか、最終的には酷いですから・・・。
    町山 他の男に抱かせるんですから。
    山里 あ、そうそう・・・。
    町山 最悪の童貞ですねえ。
    山里 あのねえ、こじらせてんなあ、ってのが、すぐわかった。
    町山 こじらせてますよ~。ハイ。
    山里 ハイ。
    赤江 で、今日ご紹介する映画は、また、全く違うタイプの映画ということですね。

    ~Conflict~
    永久欠番「42」の由来はメジャーリーグ初の黒人選手、その物語

    町山 えっと、今日はね、アメリカ映画なんですけども、
    赤江 ええ。
    町山 えーと、これ、日本語タイトルがどうなるかわかんないんですが、原題が『フォーティートゥー』、『42』っていうタイトルの映画です。
    赤江 はい。
    町山 日本では秋公開ですけども、これね、背番号なんですね、野球の。
    赤江 ええ、ええ。
    町山 これ、この間4月15日はね、この「42」の日だったんですよ、アメリカは。
    赤江 あ!ニュースで、日本でも流れましたよ。皆さんが背番号42で、みんな「42」ってつけてる、っていう日で・・・。
    町山 そうそう、メジャリーグの各球場で、全米の。で、全選手が背番号42のユニフォームをつけて、
    赤江 うん。
    町山 これは、4月15日・・・50年ぐらい前のですね、1947年の4月15日がですね、メジャリーグで初めての、アフリカ系黒人選手が試合に出た日なんですよ。
    山里 ほう。
    町山 で、それを記念して、その人、ジャッキー・ロビンソンていう人の背番号42をみんなが着る、と。
    赤江 そうそう、イチロー選手とかもつけてましたもん。
    町山 そうなんですよ。これねえ、永久欠番になってるんで、普段は絶対に着れない背番号なんで、
    山里 あ、なるほど。
    町山 すごく意味があるんですけど。
    赤江 うん。
    町山 はい。で、この『42』っていう映画はですね、この1947年のワンシーズンだけを描いた映画なんですね。
    赤江 ええ、ええ。
    町山 この・・・ジャッキー・ロビンソンが出た1シーズンだけを描いた映画なんですけども。
    山里 はい。
    町山 でねえ、これがいかに大変だったか、って言うとですね、
    山里 はい。
    町山 この1947年ていう時代は、アメリカでは、南部の方では、黒人の人を白人から完全に隔離して・・・・学校から、公衆トイレから・・・公園のベンチ、レストラン、バスの座席・・・全てにおいて黒人と白人を完全にきっちり分ける、人種隔離法っていうのがあった時代なんですね。
    山里 ほうほう。
    町山 1947年・・・。
    赤江 うん・・・。
    町山 で、これに対して、「これを撤廃しよう!」っていう運動が始まったのって1955年なんですよ。
    赤江 あ、じゃ、それより前ですねえ・・。
    山里 大分前ですね。
    町山 撤廃運動が始まるよりも更に8年も前で、しかも、撤廃運動から実際に撤廃されるまで9年かかってるんですよね。
    赤江 うん・・・。
    町山 実際はその・・・・えっと・・熱が出てて上手く計算出来ないんですが、
    赤江 (笑)。
    町山 17年も前、実際に撤廃されるよりも17年も前に、
    赤江 うん。
    町山 その人種の壁を突破した男がいた、っていう話なんですよね。
    山里 へ~。
    赤江 え、じゃ、まだまだ、本当に風当たりがね、黒人の方には強かったという時ですか。
    町山 そうなんですよ。でね、これ、まずどうやって始まったか、って言うと、ブルックリン・ドジャースっていうチームがあって。これ、ドジャースって、今ロサンゼルスにありますけど。
    山里 はい。
    町山 元々は、「ドジャース」ってのは、「ドッジする人」っていうのは、ドッジボールのドッジと同じで、「避ける人」っていう意味なんですね。
    赤江 うん、うんうん。
    町山 これは、ブルックリンっていうのは下町で、車とか路面電車がバンバン走ってるんで、避けないと歩けないんですよ。
    山里 ほう。
    町山 だから、「ブルックリンに住んでる人」っていう意味なんですね、「ドジャース」っていうのは。
    山里 へ~。
    町山 はい。それで、ブルックリン・ドジャースのジェネラル・マネージャー、会長の、ブランチ・リッキーって人がですね、突然ですね、「うちのチームに誰か黒人を入れろ!」って言うんですね。
    山里 はい。
    町山 で・・・みんな反対するんですけども。
    赤江 うん。
    町山 どうしてか、って彼が説明すると・・・まず、ブルックリンには黒人の人達がいっぱい増えている、と。労働者として。
    山里 はい。
    町山 「彼らが客として呼べるだろう。」と。で、他の地域に行っても、黒人の人達の中産階級化が始まってるから・・・戦争が終わったんで。
    赤江 うん。
    町山 「彼らが客で来るから、儲かるぞ!」って言うんですね。
    赤江 あ、話題性みたいな感じで・・・。
    町山 話題性も上がるし・・・儲かるぞ、と。
    赤江 うん。
    町山 しかもそれで、強いやつを入れたら勝てるから、「ますます儲かるじゃないか!」って言うんですね。
    山里 うん、うん。
    町山 で、みんな凄く反対して。特に、「南部に行ったら大変なことになりますよ。」って言うんですね、みんな。
    山里 うん。
    町山 もう・・・「試合なんかできないですよ!」と。
    山里 うん。
    町山 で、選手もみんな反対してですね、選手達・・・ドジャースの選手達は署名運動をして。「一緒に試合をする、っていうことは、着替えや、シャワーも一緒に浴びるってことだから、そんなことは黒人とは出来ない。」っていう署名を提出するんですけど。そうすると、そのリッキーっていうGMはですね、
    赤江 うん。
    町山 「じゃあ、早くここのチームを辞めろ!」って言うんですね。
    赤江 へ~。
    町山 で、今度は、リーグ全体の会議になったら、ドジャース以外のチームが全部反対するんですよ。
    赤江 うん。
    町山 そうしたら今度は、リーグの会長が「いや、これは、やろう!」って言ってくれて助けてくれたんで、実際にその・・・契約が進むんですね。
    山里 うん。
    町山 ジャッキー・ロビンソンとの。ただね、1つ問題があって・・・ジャッキー・ロビンソンていう人は物凄く正義感の強い人だったんですよ。
    山里 ほう。
    町山 で、選手としては一流だったんですけれども、兵隊に行ってる時にですね、南部のテキサスに仕事で行っててですね、部隊があるんで。
    赤江 うん。
    町山 その時にバスの運転手から、「オマエちょっと、黒人席に移動しろよ!」って言われたんですね。
    赤江 うん・・・。
    町山 そうしたら、頑として動かなかったんですよ、彼は。
    山里 ほう。
    町山 ジャッキー・ロビンソンは。それで、逮捕されちゃったんですよ。警察に。
    赤江 うん。
    町山 そういう人だから、このリッキーっていうGMはですね、「1つだけ約束してくれ。」って言うんですね、ジャッキーに対して。
    山里 うん。
    町山 「君は、メジャリーグで初めての黒人選手ということで、酷い攻撃を受けるだろう。」と。「色んな所で、あらゆる所で攻撃を受けるだろう。」と。
    赤江 うん・・・。
    町山 試合会場だけじゃなくて家でも攻撃を受けるし、もう、「全ての所で攻撃を受けるだろう。」と。
    赤江 うん。
    町山 「でも1つだけ約束しろ。」と。「絶対に怒らないと。」って言うんですね。
    赤江 え~。
    町山 そうしたらジャッキーは、「え?そんなことをされて怒らないような根性無しを、選手として欲しいんですか?!」って言うんですね。
    赤江 うん、そうですよ、あまりに理不尽な・・・。
    町山 そう。そうしたらね、リッキーはこう言うんですね。「どんなことがあっても我慢し抜く根性が欲しいんだよ!」って言うんですよ。
    山里 お~・・・。
    町山 これはだから・・・このリッキーっていう人は物凄いキリスト教徒なんですよ。
    山里 ふんふん。
    町山 彼が言ってることは、「右の頬を打たれたら左の頬を差し出すキリスト」的な根性なんですね。
    山里 ふん。
    町山 もしやり返したら、すぐに「黒人は野蛮だ!」って叩かれてしまうし。
    赤江 うん。
    町山 ジャッキーも考えてて、もしそうなったら、この後どんどん続いてくるはずの黒人の選手達のチャンスも奪うことになるし、
    山里 うん。
    町山 黒人の子どもたちの夢も奪うことになる、と。
    赤江 あ~・・・。
    町山 だから、「絶対に怒らない」って誓うんですね。
    山里 うん。
    町山 それからそのツアー、っていうかシーズンが始まるんですけども。
    赤江 ええ。
    町山 こっからがもう、大変なんですよ。
    山里 え?
    町山 まずね、全員が敵なんですよ、もうとにかく。
    赤江 え?チームメイト・・・も?
    町山 チームメイトも全部、全て敵ですね。
    山里 そっか、まだ認めてないんだ・・・。
    町山 まず、そのドジャースの、自分の球場に行くわけですけども、
    山里 はい。
    町山 そこでもって、白人客、全部、物凄い怒号ですよ、もうみんな。
    赤江 うわ・・・。
    町山 「黒人の来るとこじゃyねーぞ!とっとと帰れ~!」ってくるわけですよ。「ニガー!」とか。
    赤江 うん・・
    山里 味方なのに、本当は・・・・。
    町山 で、今度は、バッターボックスに立つと、ピッチャーがバンバン、ピンボールを投げてくるんですね。
    山里 危険球・・・。
    赤江 うわ・・・。
    町山 危険球。ただね、この当時、ヘルメットが無いんですよ。
    赤江 え?
    山里 うお!
    町山 そうなんですよ。この当時、デッドボールで何人も死んでんですよ。
    赤江・山里 え~?!。
    町山 野球選手は。ハイ。・・・だからもう、殺す気で投げてくるんですよ、バンバン。・・・頭狙って。
    山里 うわ・・・。
    町山 で、今度、塁に出ると、明らかにセーフなのに、塁審は「アウト!」を宣言するんですね。
    山里 え~?!
    赤江 え、ルールまで?!
    町山 審判も全員、敵なんですよ。
    山里 いや・・酷い・・・。
    町山 今度、彼はファーストになって、ファーストを守備するんですけども、ファーストに来たボールをキャッチした時に、もう、アウトになってるのに、ファーストに向かって来たランナーがそのまま走り抜いてですね、
    赤江 うん。
    町山 ジャッキーのふくらはぎを狙って、スパイクでカットするんですよ。「バー!」つって。切り裂いてくるんですね。
    赤江 え~・・・。
    町山 アキレス腱の辺りを狙って。
    山里 アストロ球団みたい・・・・。
    町山 アストロ球団ですよ、まさしく!
    山里 そうですよねえ。
    町山 殺人野球ですよ(笑)。
    山里 殺人野球!
    町山 アストロ球団ですよ・・・ホントに(笑)。
    山里 ありましたね、そんなシーン、いっぱい・・・。
    町山 ねえ!いい話出ましたねえ、ハイ(笑)、「アストロ球団」、ハイ。
    山里 あ、ありがとうございます・・・。
    町山 ゲッホ・・(咳)・・・ゴメンナサイ、興奮すると咳が出るんで、やめます。
    赤江 (笑)。大丈夫ですか?・・・あの・・・力、あんまり入れ過ぎずに、町山さん・・・。
    町山 ハイ・・・(咳)・・ゴメンナサイ・・・。
    山里 いえ・・・。
    町山 で、最初は、これでもまだ、差別の少ない所を廻ってるんですけども。
    山里 うん。
    町山 フィラデルフィアとか。
    山里 はい。
    町山 どんどん、どんどん、差別の酷い南部の方に入って行かなきゃなんないんですね、ツアーだから。
    山里 うわ・・・。
    町山 もう・・・大変な事態になって行くんですけども。
    赤江 ええ。
    町山 特に、最初に・・・2軍で、ファームで試合をする所で凄い事が起こるんですけども。
    山里 はい。
    町山 彼がホームスチールに成功するとですね、
    山里 はい。
    町山 保安官が銃を構えてフィールドに入って来るんですよ。
    山里 え?
    町山 で、「盗塁したから、逮捕する!」って言うんですよ。
    山里 え?!
    赤江 えー?!!
    町山 (笑)・・・もう、そういう世界なんですよ。
    山里 「塁を盗んだ」ってこと?
    町山 そう。
    赤江 もう、野球をやろう、という気は無いんですか?
    町山 「オレの目の前で黒人と白人が野球をするのは許せん!!」とか言って、逮捕しに来るんですよ(笑)。
    赤江・山里 え~??!!!
    町山 保安官が。もう、無茶苦茶なんですが。でまあ、これは試合の上だけなんですけども、今度は泊まんなきゃなんないじゃないですか、ホテルに。
    山里 はい。
    町山 するとホテルでは、「黒人お断り」、「君だけ出て行け!」って言われるんですね。
    山里 うわ・・・ひっどいなあ・・・。
    町山 で、しょうがないから、どっか郊外の方の知り合いの家とかに泊めてもらうと、今度、そこを嗅ぎつけた白人達が、リンチしようとして集まって来るんですよ。
    山里 え~!
    町山 スゴイんですよ・・・「白人に恥かかせやがって!」つって。
    赤江 うん・・・。
    町山 もう、これは・・・スゴイですよ、コレ・・・。
    赤江 いや・・・それは・・・さすがにどっかでキレそうですけどねえ。
    山里 そっか、でも、約束・・・守るんですよねえ?
    町山 これね、映画の中で1回、キレるシーンがあるんですね。
    山里 はい。
    町山 キレて、ダッグアウトのとこでですね、バットを振り回して暴れるシーンがあるんですよ、ジャッキーが。
    山里 はい。
    町山 ところがね、これもねえ、映画監督がテレビで言ってたんですけども、
    山里 はい。
    町山 「どうしてもジャッキーがキレないと、観客も辛いだろう、と思ってキレるシーンを入れたんだけども、実際はジャッキーは1回もキレて無いんだ。」つってるんですよ。
    赤江・山里 え~!!
    町山 「これ、フィクションだから。」って言ってて、(え!スゴイな!)と思いましたよ。というのは、ジャッキー・ロビンソンていう人は、それまでは、理不尽な事があると全部闘ってきた人なんですよ。
    山里 はい。
    町山 文句言って。
    山里 はい。
    町山 それが「止めろ!」って言ったら、ピタッと止まったんですね。
    山里 は~・・・。
    町山 これは凄いですね。彼は、自分自身にかかってる責任とかを考えたんですね。
    赤江 ふ~ん。
    町山 「オレがここで喧嘩したら、全ての黒人選手がこの後の道を、跡継ぎ出来なくなるんだ。」と。
    赤江 うん・・。
    町山 「少年たちの夢も、全部崩してしまうんだ。」つって、もう、どんなことがあっても耐える、って決めたんですね、彼はね。
    山里 は~!
    町山 これがね、スゴイんですよ。それでもやっぱりね、孤立無援なんですよ。結構・・・チームの中でも。
    赤江 ええ。
    町山 チームの人達は皆、ほら、「オマエなんか入って来んな!」って言った人達だから。
    山里 はい。
    町山 例えばシャワーを浴びる時も、全員がシャワーを浴びるまでじーっと黙~って待ってるんですよ。誰にも話もしないで。ジャッキーは。
    山里 辛いなあ・・・・。
    町山 で、全員がシャワーを浴びた後、1人だけシャワーを浴びるんですよね。
    赤江 ええ。
    町山 だからもう・・・別に、自分の辛さを誰にも打ち明けられないし。ま、奥さんにだけは話しますけど。
    山里 はい。
    町山 もう、そういう、スゴイ、ホントに孤立無援の闘いを続けるんですよ、彼は。
    赤江 いや・・・辛いな・・それは・・。
    町山 これ、スゴイんですけど・・。
    赤江 ええ。
    町山 ただね、1人だけ味方がいて。それはさっき言ったリッキーっていうね、
    山里 はい。
    町山 球団のオーナー・・会長なんですね。
    山里 はい。
    町山 で、これを演じてる人がね、ハリソン・フォードなんですよ。
    山里 あら!
    町山 インディー・ジョーンズとかハン・ソロのハリソン・フォードなんですよ。
    赤江 ええ、ええ、ええ。

    ~Resolution~
    ハリソン・フォードに泣かされる映画・・・不覚にも?

    町山 でねえ、ハリソン・フォードって人は、ホンットにねえ、ヤル気の無い俳優さんなんですよ。
    赤江・山里 え?!
    赤江 結構、冒険されてますけど(笑)?
    山里 (笑)。
    町山 これはねえ、僕が直接インタビューして、ハッキリ聞きましたんで。
    赤江 はい。
    町山 「ハリソン・フォードさん、昔は『モスキートコースト』(The Mosquito Coast)とか『目撃者』(Witness)とか、非常に素晴らしい映画で演技をされてますけど、その後はどの映画も、ホントにヤル気が無さそうですね?」って言ったら、「ウン!!」って言ったんですよ。
    赤江 (笑)。
    町山 「僕はあまり、映画に興味が無いし、普段も映画を観ないんだよね。」って言ったんですよ。
    赤江・山里 え~!!!
    町山 それで、「え!僕はスゴク映画を観るんですけど・・。」って言ったら、「他にやることがあるだろう!」って言われたんですよ、僕は。
    赤江・山里 (爆笑)
    赤江 ハリソン!・・・(笑)。
    町山 ハリソン・フォードにハッキリ言われましたよ!テープも残ってますよ!
    山里 へ~!!
    町山 「いろいろあるんだよ!」って言われました。
    山里 アナタがそれを言っちゃダメでしょ!って話ですよね、ホントに・・・。
    町山 そう。だから、物凄い省エネ演技で。竹中直人さんとかがハッキリ言ってますけど、「いつも困った顔で、右往左往してるだけなんです。」と、ハリソン・フォードの演技は。
    赤江 そうですか・・・。
    町山 って、言ってるんですよ。それを20年以上続けて来たんですけど、今回は全然違うんですよ。
    山里 え・・。
    町山 今回は、「黒人をチームに入れたのは金の為だよ。」とか言いながら、徹底的にジャッキーを守り抜く・・・こう、なんて言うのかな、裏と表がわからない男なんですね。
    赤江 へ~。
    町山 例えば他の選手で、ピウイーっていう選手がですね、「これから、僕はケンタッキー出身なんですけど、ケンタッキーに行くんで、ケンタッキーに行く時はジャッキーは出さないでくれませんか。」と。
    山里 ふん。
    町山 「ケンタッキーの人達は、南部の人達は、スゴク黒人が嫌いだから・・」
    山里 うん。
    町山 「僕はケンタッキー出身だから、立場が無いから。」って言うんですね。
    山里 ほう、ほう。
    町山 そうしたら、「ん?そんなことでガタガタ言ってんなよ!」つって、ハリソン・フォードはですね、バーン!と、手紙をバー!っとぶちまけるんですよ。
    赤江 ええ。
    町山 「これを見てみろよ!」つって。「これ、脅迫状だよ!」つって。見ると、「お前ら皆殺し」とかいうのがいっぱい来てるわけですよ。
    山里 ほお・・・。
    町山 「黒人を野球させやがって、殺すぞ!」とかいうのがバーっと来てるんですよ。
    赤江 ふ~ん。
    町山 「ビビってんじゃねーよ!」ってハリソン・フォードが言うんですね。
    赤江 うん。
    町山 そういうとこで、スゴク太っ腹なんですよ。
    山里 ふんふん。
    町山 でも、それをハッキリと見せなくて、「え?何のため?金の為だよ。」って言うんですね。
    山里 あ~、カッコイイな・・・・。
    町山 カッコイイんですよ、結構。
    山里 はい。
    町山 タヌキおやじなんですけどカッコイイ、ねえ。ハリソン・フォード、もう・・・ちょっと、一世一代の名演技・・・ですね、この映画では。
    山里 へ~!
    町山 手抜き、してませんよ、今回・・・(笑)。
    山里 (笑)・・・インディー・ジョーンズも手抜きしてるようには見えなかったけどな。
    赤江 (笑)。
    町山 いつも、スゴイ手抜きをしてますけどね、この人は。
    山里 (笑)。
    赤江 そうだったのか・・・。
    町山 ホンットにね(笑)。
    山里 (笑)。
    町山 でねえ、この人がねえ、やっぱりね、ジャッキーから、「ちょっと、本当の事を教えて下さい。」と。
    山里 うん。
    町山 「金の為、だけじゃ無いでしょ?」と。
    赤江 うん。
    町山 「僕を入れた理由は、本当は何ですか?」と。「こんな、脅迫状まで来てるのに・・・。」と。
    赤江 うん。
    町山 ・・聞いたらリッキーがボソッとですね、「ワシは昔、オハイオで大学の野球部の監督をしてた時に、1人黒人の選手がいたんだが、彼は何処のホテルにもレストランにも、乗り物にも乗せてもらえなかった。」と。
    赤江 うん。
    町山 「ワシは何も出来なかった。」と。これは本当の話なんですけど。
    赤江 ええ。
    町山 「それで私は野球が嫌いになった・・・。」
    山里 うん。
    町山 「でも、ジャッキー、君のお陰で、また野球が好きになってきたよ!」って言うんですよ。
    山里 あ、カッコイイ・・。
    町山 ハリソン・フォードが。
    赤江 そういう想いもあったんですね・・・。
    町山 もう・・・泣けるんですねえ。
    山里 うん・・・。
    町山 ハリソン・フォード、珍しいですねえ。ハリソン・フォードに泣かされるとは思わなかったですねえ。
    山里 いやいや(笑)。町山さん、言い過ぎじゃないですか・・・。
    赤江 (笑)。
    町山 いつも(ヤル気無さそうなオヤジだなあ~)と思ってましたからね。
    山里 (笑)。
    町山 ハイ。それでねえ、段々こう・・・ジャッキーはただ耐えてるだけなんだけど、やっぱりそれを見てる内に、みんなの気持ちが変わってくるんですね、選手達の。
    山里 あ、チームメイトが。
    町山 チームメイト達が。でねえ、フィラデルフィア・フィリーズとの試合で、これ、凄く有名な事件なんですけど、実際にあった、
    山里 うん。
    町山 ジャッキーが打席に入る度に、フィリーズの監督のベン・チャップマンていう南部出身の監督がですねえ、
    赤江 うん。
    町山 「ニガー!ニガー!黒人、帰れ!!」ってやるんですよ。
    赤江 うん・・・。
    町山 毎回、毎回。
    山里 うわ・・・。
    町山 で、もう・・・ただ、ジャッキーはそれにずっと耐え忍ぶんですけれども。そうするとですね、今まで、何を・・・ジャッキーがヤジで酷いことを言われても、ピンボールを投げられても、大して反応しなかったですね、
    赤江 うん。
    町山 ドジャーズのチームメイトのうちの1人の、セカンドのエディー・スパンキーって人がすくっと立ち上がって、
    山里 うん。
    町山 ズカズカと敵チームのベンチまで行って、チャップマンの正面に立って言うんですね。「ジャッキーが何を言われても言い返せない、ってことを知ってるだろ、オマエ!それなのにこんなことを言うなんて、この卑怯者!!」って言うんですよ。
    赤江・山里 お~!
    町山 でね、それがきっかけみたいな感じになって、チームメイトの気持ちがどんどん、ジャッキーに集まっていく所もね、なかなか泣かせるんですよ。
    山里 うわ、イイ!
    町山 その・・・ピウイーっていう選手、その人はショートなんですけど、
    山里 うん。
    町山 ・・が、ビビってた、シンシナティの試合では、もう客席がですね、もう、「ニガー帰れ!ニガー帰れ!!」って、「黒人に野球やらせるな!!」っていうヤジで、もう騒然となって試合始められないぐらいになっちゃうんですよ。
    赤江 うん。
    町山 そうしたら、そのピウイーがですね、ジャッキーのとこまで歩み寄って行って、彼の肩をガッチリ抱いてですね、
    山里 うん。
    町山 観客席に向かって微笑むんですね。
    山里 うん!
    町山 何も言わないんですけど、もう、(コイツはオレの仲間だ!文句あるか!!)っていうのが、もう、わかるわけですよ!
    山里 ほ~!!
    赤江 うわ~!
    町山 それまで凄いヤジを飛ばしてた観客がサー!っと静まり返るんですよね。恥ずかしくなって、自分が。
    赤江 は~・・・。
    町山 こういうとこも、ホント泣かせるんですけどねえ。
    赤江 へ~・・・。
    町山 そういう、ねえ・・・ま、イイ映画なんですよ。『42』って映画ですけどね。
    赤江 しかも、実話ですもんね。
    山里 そう!
    町山 実話なんですよ。これ、ジャッキーって人がヒーローだった、って映画じゃ全然無いんですよ。
    山里 うん。
    町山 ジャッキーはただ耐えてるだけで、
    赤江 うん。
    町山 まわりの白人の人達が、どんどん変わっていく、っていう映画なんですよね。
    山里 すごい・・・。
    赤江 ・・いや、でもやっぱり・・・やっぱりヒーローだったんでしょうね。なんかあの・・・町山さんのお話を伺ってるとね、そうやって社会が変わっていく時って・・・強い者の方が歩み寄るべきだな、と思ってたんですけれども、歩み寄れる人が・・・強いな、っていう感じが、凄く、しましたね。
    町山 これはねえ、60年代に実際に、公民権運動っていうので、人種隔離政策、隔離法は撤廃されますけど、それの運動をやった人はマーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師っていう人なんですね。
    山里 あ、はい。キング牧師。
    町山 この人がやった作戦ていうのが、戦略っていうのは、徹底した無抵抗と非暴力なんですよ。
    赤江 うん。
    町山 ただ訴え続けるんですね、「これは差別である。」と。
    赤江 うん。
    町山 すると、それに対して、警官隊であるとか白人とか、暴力でデモ潰しに来るわけですよ。
    山里 うん。
    町山 それを、ずっと見せて行くことで、段々、白人の人達が、「俺達は酷いことをしている。」っていうことに気がつく、と。
    赤江 うん。
    町山 ・・という戦略を採ったんですけども、
    赤江 うん。
    町山 それよりも、遥かに前に、ジャッキーがやってたんですね、それを。
    山里 あ、前だ・・・。
    赤江・山里 は~・・・!
    町山 ・・・ていう物語、だなあと思いました、僕は。そうは言ってないですけど(笑)、映画の中ではね。
    赤江 う~ん・・・。
    町山 明らかに、キング牧師の戦略を・・・まあ、期せずして、やったことになるんですね。
    赤江 は~!
    町山 ただね、笑えるシーンも結構あるんですよ。
    赤江 ええ。
    町山 あの・・・シャワーを浴びないで、いつもじーっとしてるから、
    山里 はい。
    町山 それを心配したラルフ・ブランカっていうピッチャーがですね、
    山里 はい。
    町山 「ジャッキー・・・もう、気にすんなよ。みんなもう、嫌がってないから、一緒にシャワーを浴びようよ。」って言うんですね。
    山里 はい。
    町山 すると、ジャッキーはやっぱり、ずっと浴びないできたから照れて、「いいよ、いいよ。君が先に入ってくれよ。」って言うんですけど、
    赤江 うん。
    町山 するとブランカは、「ねえ・・一緒にシャワーを浴びようよ!ねえ、一緒にシャワーを浴びようよ!」って言うんですね。
    山里 はい。
    町山 そうすると、ジャッキーは「いいよ、いいよ。」って言ってるんですけど、言ってる内に2人がハッ!と気づくんですよ。
    山里 はい。
    町山 (この会話、まるで、発展場のナンパじゃん!)て。
    赤江 (笑)。
    町山 (笑)・・・そこがメチャクチャ可笑しかったですけどね。
    赤江 へ~。
    山里 そういう、ちょっとしたギャグも・・・散りばめられながら。
    町山 そう。そういうギャグも入っててね。でも、ホントに全部、結構、実話を元にしてるんでねえ、
    赤江 うん。
    町山 例えば、リッキーっていう・・・ハリソン・フォードがねえ、酷い差別を言われた時に、こう言うんですよ。
    山里 うん。
    町山 「君は、死んで神様に会って、天国に行くか地獄に行くか決められる時に、今と同じ事を言える?」と。
    赤江 うん。
    町山 「『黒人帰れ!』って言いました、って、神様に言えるの?君?」って言うんですよ。
    赤江 お~!
    町山 これも、スゴイなあと思いましたねえ。
    赤江 ホントですねえ・・。
    町山 差別的なことを言ってる人とかは、(自分は正しい!)と思ってるかもしれないけど、それ、神様に、そんなことを言って、天国に選んでもらえる??
    赤江 うん。
    町山 ・・・ていうことは、ちょっと、考えた方がいいな、と思いますね。
    山里 は~・・・。
    赤江 うん・・・、ホントですねえ・・。
    町山 ハイ。
    赤江 じゃあこの、「42」という背番号を、今でも皆さんがつける、っていうのは・・・やっぱりそれだけのねえ・・・。
    町山 だからみんな、「オレも、ジャッキー・ロビンソンなんだ!」ってことなんですよ。
    山里 は~!
    赤江 なるほど~・・・。
    山里 観たい・・・これ!
    町山 はい。・・・という映画が『42』(フォーティートゥー)でした。ハイ。
    赤江 はい。
    町山 秋、公開です、日本では。ハイ。
    山里 うわ!良かった、日本でやる。
    赤江 日本でね。
    町山 ハイ。
    赤江 町山さん・・・なんか、段々、元気に(笑)・・・なってこられましたけど・・。
    山里 良かった、最後、元気になってきて・・・。
    町山 ハイ。でも、熱は多分、もっと上がってると思いますよ・・。
    山里 (笑)。
    赤江 (笑)・・・いや、お大事にね、なさってくださいね・・。
    町山 ハイ(笑)・・・。
    山里 お大事にです!
    赤江 ありがとうございます。
    町山 はい。
    赤江 はい。今日は、近代メジャーリーグ初の黒人選手を描いた映画、『42』、ご紹介いただきました。日本では今年の秋に公開予定だそうです。町山さん、ホント、くれぐれもお大事に!
    山里 お大事に~!
    赤江 また来週、お願いしま~す。
    町山 はい、どうもでした~。

    スポンサーサイト
    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    コメント

    いつもご苦労様です。
    この回とても良かったです。「42」早く見に行きたい!
    Re: タイトルなし
    訪問ありがとうございます。
    『42』、面白そうですよね。
    ハリソン好きな僕も、今から楽しみにしております。
    あと、町山さんの風邪も心配ですが、面白い放送でしたね。
    これからもよろしくお願いします。
    「映画ベース」のご案内
    まちおこし 管理人様

    はじめまして。紀平と申します。

    私は現在「映画ベース」という映画のレビューサイトを開発しており、
    是非映画に関心のある方からレビューの投稿や、
    サイトをご利用頂いてのご意見やご感想などを頂ければと思っております。

    「映画ベース」
    http://kota.lolipop.jp/eigabase/


    まだまだ立ち上げたばかりの未熟なサイトですが、
    一度サイトにお越し頂き、
    ご利用をご検討頂けますと幸いです。

    どうぞよろしくお願い致します。

    //----------
    // 映画ベース
    // http://kota.lolipop.jp/eigabase/
    //
    // 紀平 光太
    // kihira@kota.lolipop.jp
    //----------
    No title
    こんにちは
    基本的に音で聞くより文字で読む方が好きな人間なので、このブログはとてもありがたいです!
    「『インセプション』とリープ・オブ・フェイス」と「『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と『ジーザス・キャンプ』がわかる『エルマー・ガントリー』」の話がとても好きなので、いつか挙げていただけたら嬉しいです!

    Re: No title
    訪問ありがとうございます。
    リクエスト、お受けいたしました!
    映画特電のコラムは、内容が濃く情報量が多いので、若干時間かかるかも・・・ですが、早速取り掛かりますのでお楽しみにお待ちください!

    コメントの投稿

    非公開コメント



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。