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    『インサイド・ディープ・スロート』(INSIDE DEEP THROAT) ハリー・リームスを訪ねて・・・【2005年9月13日ストリーム】

  1. スタジオ  小西克哉(国際ジャーナリスト) 松本ともこ(フリーアナウンサー)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    映画祭取材でトロントの街から・・・

    小西 TBSラジオ、ストリームです。さて、ここからは、2時の「コラムの花道」でございますね。火曜日のコラムニストはサイゾーやTVブロスなどでお馴染み、映画評論家、町山智浩さんです。えー、町山さん、今日はですね、カナダのトロントからの出演ですが・・・町山さ~ん!
    町山 はい、はい。
    小西 あ~、どうも、どうも。ご無沙汰してます。
    町山 よろしくお願いしま~す。
    松本 お願いしま~す。
    小西 なんか今日の方が、声がクリアに聞こえてしまうような気がするんですが・・・。
    町山 え?そうですか?遠くなったんですけどねえ・・・ハイ。
    小西 ねえ。え~、トロントは、どうしてなんですか?今日は。
    町山 あの、トロント映画祭っていう非常に有名な映画祭に取材に来てるんですよ。
    小西 あ~!ほうほう、ほう。どうですか?トロントの街は。
    町山 今日はねえ、ダコタ・ファニングちゃんに会いましたよ。
    松本 あ~!そうなんだあ・・・天才・・・。
    町山 うん・・・サインももらいましたよ。・・・って喜んでどうすんだ(笑)・・って。
    松本 (笑)・・。
    小西 あ、そう。
    町山 ・・いや、全然感動が無いですね、小西さんは・・・(笑)。
    小西 ちょっと・・・あまりあの、お子様はあまり感動が・・(笑)。
    町山 あ、そうですか。ま、大変な、あの・・・まあ、女優なんですよ、もう。
    小西 ねえ。
    町山 今、アメリカの女優で1番・・・女優っていうか、男優も含めてですね、
    松本 ええ。
    町山 確実に、お金を稼ぐ俳優でトップですよ、彼女は。
    小西 確実に稼ぐの?へ~。
    松本 なんか賢そう・・。
    町山 マネーメイキングスターのトップですよ、今。
    小西 へ~。
    町山 誰も勝てないの、彼女に。
    小西 なんか、目がギョロッとしてんですよねえ。
    町山 いや、そんなことはない、可愛かったですよ。
    小西 そんなことはないですか。
    松本 だから、実物に会うとやっぱり、なんかちょっと違うんじゃないんですか?私達がスクリーンで見るのとはねえ・・可愛かったの・・・。
    町山 ねえ、ハイ。

    小西 でも、トロントの街は・・・キレイな人、多いですよねえ?
    松本 そうなんですか?
    町山 いや、トロントは結構ヒッピーの街ですよ。みんな、野暮ったい格好してますよ。
    小西 あ、野暮ったい格好してますか。
    町山 普段は。
    小西 あー、そうですか。
    町山 ただ、今は映画祭ですから、
    松本 はい。
    町山 もう、街中モデルだらけですよ。
    小西 ほら!・・・(笑)。
    松本 今だから(笑)。
    町山 今は。だから要するに、プロデューサーのお目にかなったら、ってことでモデルの女の子がそこら中を歩いてて、
    小西 ええ。
    町山 もう、いきなりポーズとかとってますよ、そこら中で。
    松本 あ、なるほど。そこでもしかして、声をかけらりたりとか、何か・・・・アピールして、ってことで・・・。
    町山 そうそう、そう。そんな感じですよ。
    小西 それ、町山さんに声かけないよね(笑)?でも。
    松本 (笑)。
    町山 オレはどうでもいいですけどね(笑)。
    小西 (笑)。
    町山 いや、でも、スゴイですけどね。・・・カフェに行ってもモデルみたいな子ばっかりだし。
    小西 あ、そう。
    町山 ま、映画祭ってそういうとこですけどね、はい。
    小西 映画祭の雰囲気ですねえ。
    松本 あ~、行ってみたいなあ・・。
    町山 はい、はい。
    小西 ホント、羨ましいですよねえ。
    松本 うん!羨ましい!
    町山 (笑)。

    ~Conflict~
    『ディープ・スロート』とハリー・リームス

    小西 さて、今日は?
    町山 はい、今日はですね、ハリー・リームスという俳優さんのお話をしたいんですが。
    小西 ハイ、ハイ。もう、70年代の、伝説のポルノ俳優。
    町山 はい、はい。僕ねえ、彼の家に行ってきたんですよ。
    小西 いや~(笑)、スゴイですねえ!なんで、思い立ってそんなことするんですか?
    町山 思い立って、ってことは無いんですけど(笑)、
    小西 ええ、ええ。
    町山 えっと、今度ですね、『インサイド・ディープ・スロート』(INSIDE DEEP THROAT)っていうタイトルのドキュメンタリー映画が日本でも公開されるんですね。
    小西 あ~、そうなんですか。
    町山 秋なんですが。
    小西 秋に。うん。
    町山 それはですね、「インサイド・ディープ・スロート(INSIDE DEEP THROAT)」、「ディープスロートの内側」っていう意味でですね、
    小西 うんうん。
    町山 「奥深く」とかそういう意味で。『ディープ・スロート』(Deep Throat)っていう映画があるんですよ、元々。
    小西 はい。
    町山 で・・・、小西さんはご存知ですよね?
    小西 いやもう、それは我々の世代は、ま、男の子だったら絶体にはねえ。
    松本 「我々の世代」・・・私はわからない。
    小西 40代後半ぐらいからかなあ?おそらくは。
    町山 そうですね。1974年の映画なんで、
    小西 うん。
    町山 日本に情報が伝わったのは75年なんですよ。
    小西 ふんふん、ふん。
    町山 だから・・・40代後半しか知らないと思いますね。
    小西 そうですね。後半以降の人はね、大体わかってるでしょうけどねえ。
    松本 ふ~ん。
    町山 はい。で、この映画は、どうして『ディープ・スロート』って映画が重要か、って言いますとですね、
    小西 はい、はい。
    町山 これはいわゆるその・・・ハードコアポルノが、普通に劇場でかけられて、皆が観れるようになった、最初のアメリカのハードコアポルノ映画なんですよ。
    小西 あ、ハード・コアで、劇場で・・・皆が観られるようになった、最初のものなんですか。
    町山 そうです。ま、それまでは要するに、「ブルーフィルム」って形で、
    小西 あ~。
    町山 あの・・・まあ、日本でも温泉とかでやってましたよねえ(笑)。
    小西 温泉・・・(笑)。
    町山 もう、密かに観るものだったんですけど。
    小西 あー、はあ、はあ。
    町山 それを劇場でかけて、みんなでワイワイ観る、っていうのを、初めてやったのが『ディープ・スロート』だったんですよ。
    小西 えっと、それはアメリカで、っていうことですか?
    町山 アメリカで、です。
    小西 アメリカで、ね。ふんふん。
    町山 まあ、それまでもピンク映画とかポルノ映画ってのはあったんですけども、
    小西 はい、はい。
    町山 ま、ハード・コアっていうのはですね、何かって言うと、
    小西 うん。
    町山 要するに・・・本当にセックスをしちゃうんですよ。
    小西 うん、ソコを、その・・・出す、という。ノーカットで出す、という事ですよね?
    町山 そうなんですよ。それをアメリカで最初に劇場で公開した映画が『ディープ・スロート』だったんですね。
    小西 はあはあ、はあ。
    町山 はい。で・・・それが、まあ、大変な問題になりましてですねえ、
    小西 はい。
    町山 政府とかですね、ま、各地方自治体は、なんとかこれを上映禁止にしよう、と。
    小西 うん。
    町山 で、犯罪化しよう、ということで弾圧をしたんですけれども。
    小西 うん、うん。
    町山 ま、ワイセツ裁判ていうのは昔からそうなんですけど、何を以て猥褻と言う、っていう決まりがハッキリ無いんですよね。
    小西 まあ、そうです。どこの国もねえ。
    町山 そうなんですよ。ま、これは決められないんでねえ。
    小西 決められないですよねえ。
    町山 はい。で、まあ、いろいろ揉めてですね。結果的にこれが、既成事実になって、アメリカはハードコアポルノが解禁されたんですよ。
    小西 ふんふん、ふん。
    町山 それまでは日本と同じで、セックスそのものは見せちゃいけなかったんですよ。
    小西 うん。
    町山 性器も、まあ・・・あまり見せちゃいけなかったんですね。
    小西 うん、うん。
    町山 はい。
    小西 そう言えばそうですよねえ。実際に、それ以前の日本に入ってきたような、いわゆるブルーフィルムみたいな物も、ヨーロッパの物とか結構多かったですよね?スウェーデンとか・・・。
    町山 そうですね。スウェーデンなんですよね。
    小西 うん。
    町山 ま、スウェーデンて言うだけで、あの・・・・なんていうか、興奮する人もいますけどね。
    松本 (笑)。
    町山 あの・・・40以上の人は「スウェーデン」て聞いただけで興奮すると思いますよ(笑)。
    松本 あ~、話してみよう、聞いてみよう(笑)。
    小西 大体、40代以上の男はね、「スウェーデン」て聞くとねえ、必ずそういうイメージを持っててねえ、
    松本 (笑)。
    小西 あの・・同じく「トルコ」と言えば、アル場所しか想像しないような、ねえ?
    町山 でもアメリカでもねえ、ポルノショップとかは「スウェーデン」て名前だったりするんで、アメリカ人にとってもそうなんですよ。
    松本 お~。
    小西 あ~。アメリカでもやっぱりそうなんだなあ。
    町山 はい。で、それは置いといて、ですね(笑)。
    松本 勉強になるなあ・・・(笑)。
    町山 えーと、で、『ディープ・スロート』って映画なんですけども、
    松本 ハイ。
    町山 コレ自体に、そのハリー・リームスって俳優さんが出演したんですけども。
    小西 うん。
    町山 それで彼に会いに行ったんですね。
    小西 ふんふん。
    町山 彼は今ですね、パークシティって所に住んでるんですよ。
    小西 どこなんですか?それは。
    町山 これはねえ、ユタのねえ、ソルトレイクシティから1時間ぐらいの所のスキーリゾート地なんですね。
    小西 あ~、そうなんだ。
    町山 凄い優雅な所でねえ。
    小西 ええ、ええ。
    町山 まず驚いたのは、僕が街に着いたらですねえ、
    小西 ええ。
    町山 アジア人、ていうか有色人種は1人だけでした、僕の。
    小西 あ、ユタ州ってのは98%ぐらい白人ですよねえ?
    町山 そうなんですよ。それはモルモン教のせいなんですけれども。
    小西 はいはい。
    町山 そこ(パークシティ)が白人ばっかりなのはモルモン教のせいじゃ無くてですね、
    小西 うんうん。
    町山 大金持ちしか住んでないからなんですよ(笑)。
    小西 あ!金持ちだということで・・(笑)。
    町山 そうなんですよ(笑)。宗教と関係無いんですよ。
    小西 ああ、はあ。
    町山 で、いろんな州の金持ちが集まってるんですよ、そこに。
    小西 はあ、はあ。
    町山 だから、軽井沢みたいな所ですね。
    小西 ああ、軽井沢もねえ(笑)。
    町山 で、そこに行って、「何しにきたんだ?!」って聞かれるわけですよ、酒場に入ったら。まあ、僕、どこの街に行っても必ず酒場に行くんですけど、1番最初に。
    小西 ああ、ハイハイ(笑)。
    町山 その街の噂とかを聞けるんでね。
    小西 はいはい、はい。
    町山 で・・・酒場に行ったら、もうみんな「ジロ!」っと見るんですよ、こっちを。
    小西 (笑)。
    町山 「スキーシーズンでもないのに、何しに来たんだ?!このアジア人は?!」って感じで。
    小西 あ、そうかそうか。夏の・・・避暑に来た、みたいな、そんな感じで行ったんですか?じゃあ。
    町山 いやいや、もう、だって・・・いきなり変じゃないですか、アジア人が来るの。1人でですよ。
    松本 1人でね。
    町山 避暑だったら友達と一緒に来るじゃないですか。
    小西 それは、バーのカウンターかなんかに入ったんですか?
    町山 そうそう、そう。ま、酒場なんですけど。ま、昔の西部の町みたいなとこなんですね。
    小西 はい。
    松本 へ~。
    町山 で、そこに入ったら、「何しにきたんだ?!」って、周りのオジサンとかが聞くわけですよ。
    小西 うん。
    町山 お姉ちゃんとかも聞くわけですよ、バーテンの。
    小西 うん。
    町山 で、「ハリー・リームスに会いに来たんだ。」って言ったらですね、
    松本 (笑)、うんうん。
    町山 オジサン達が「お~!!ハリー・リームス、この街に住んでんだよなあ!!」とか言うんですよ。
    小西 (笑)。
    町山 ところが、そのバーテンの女の子はですね、「誰?それ・・・?」っていう感じなんですよ。
    小西 あ~。(笑)、なるほど。やっぱり、世代でもってねえ。
    町山 要するに、20から30ぐらいの娘なんですね、女の娘は。
    小西 うん。
    町山 知らないわけですよ。40・・・後半しか知らないから。
    小西 はい。
    町山 そうしたら、いきなりそのオジサンがですね、「いや、ハリー・リームスってのはこういう人で・・・」って説明し始めましたけどね(笑)。
    小西 (笑)。
    町山 「昔は、『ディープ・スロート』って大変な映画があって、それまでオレたちはなあ、セックスっていうものを見れなかったんだよ。」と。
    小西 (笑)。
    町山 「ヤクザが見せてくれるブルーフィルムでしか見れない物だったんだ!」とか言い始めたんですよ。
    小西 あ~・・・なんか、世代間の会話が盛り上がって、良いことですよねえ、それは。
    町山 良いですよねえ。
    松本 ねえ。
    町山 「それまでは・・・アダルトビデオとか、そんな物は存在しなかったんだ!」と。
    小西 あ~、そうなんだ・・・。
    町山 それでその、ハリー・リームスって人が、住んでる、と。
    小西 うん。
    町山 ハリー・リームスって人は結構有名で、どうしてか、って言うと、不動産屋さんをやってるんですね、そこで。
    小西 うん、その前にですね、町山さん、『ディープ・スロート』という映画を、ちょっと簡単に説明してもらえますか?
    町山 あ、スイマセン、ハイ。
    小西 日本のリスナーの皆さんに。
    町山 『ディープ・スロート』はさっき言ったみたいに、ポルノ・・・ま、なし崩し的にハードコアポルノとして作って、セックスを見せてしまった、ってことでもって連邦政府とかが怒り狂うんですね。
    小西 はい。
    町山 その当時はベトナム戦争をやった後でですね、
    小西 うん。
    町山 ニクソン政権だったんですよ。
    小西 うん。
    町山 共和党なんで、もうとにかく保守的なんで、こういった物は絶対に許さない、と。
    小西 うん。
    町山 あの手この手でですね、いろんな罪状をつけて、なんとか逮捕しようとするんですね、彼らを。
    小西 うんうん。
    町山 作った人達を。
    小西 ふんふん。
    町山 ところが、作った人達は、なんでこんな騒ぎになってるんだか全然わかってないんですよ(笑)。
    小西 あ~。
    町山 監督も女優も、今まで作ってたのとちょっと違って、普通の劇場でかけられるようなフィルム、35ミリフィルムで撮っただけだったり、
    小西 うん。
    町山 今までは、その・・・セックスシーンだけだったのを、コメディ的なストーリーをつけて映画にした、っていうとこだけが、その『ディープ・スロート』の、それまでのポルノと違う所だったんですね。
    小西 はいはい、はい。
    町山 ブルーフィルムと。
    小西 うんうん。
    町山 ところが、それが非常にウケてですね、
    小西 うん。
    町山 その頃はちょうど、セックスの・・・なんていうか、セックス開放の時代だったんですよ。
    小西 うん。
    町山 いわゆる、セックスレボリューション、セックス革命と言うんですけれども。
    小西 ええ、ええ。
    町山 ピルが出来て、女の人が避妊が出来るようになって。自分の意思でですね。
    小西 はい。
    町山 ゲイの人達の人権が認められるようになったりとかですね、
    小西 ええ。
    町山 そういったことで、あの・・・セックスを開放しようとする動きが進んでたんですね。
    小西 だから、つまり・・・
    町山 いわゆる、フリーセックスってのが流行ってたわけですよ!スバラシイですけども(笑)。
    小西 いわゆる、括弧、括弧閉じ、ですよねえ。
    町山 はいはい(笑)。
    小西 だからアメリカでは、いわゆる「ピルの解禁」。
    町山 はい。
    小西 それから、人工妊娠中絶をですね、合法として認めた、というのが最高裁の判決が、この70年代の前半に出て、
    町山 そうなんですよ。
    小西 それまで、いわゆる中絶ということがキリスト教的に良くない、という風潮だったのが、
    町山 はい。
    小西 ま、非常にリベラルな所に一旦振り子が振れた、一番リベラルな時の、リベラルな時代の社会風潮ですね。
    町山 そうですね。みなさんご存知無いと思うんですが、日本で中絶が合法化されたのは、確か50年代なんですよね。
    小西 そうですねえ。
    町山 アメリカってのは70年代なんですよ。
    小西 そうです、そうです。ええ。
    町山 どれだけアメリカが遅れてたか、っていうことなんですよね。
    小西 ええ。今また、寄り戻しですけどねえ。
    町山 ま、そうなんですけども。それで、その時に、この『ディープ・スロート』が公開された時に、まあ、『ディープ・スロート』っていうタイトルからわかる通りですねえ(笑)、
    小西 うんうん。
    町山 え~・・・ま、お口を使う映画なんですねえ。ハイ。
    小西 これ、あの、リンダ・ラヴレースという女優ですよねえ?
    町山 はいはい、そうです。
    小西 で、喉に、いわゆる女性の、非常に感じ易い所が付いてる、という、なんかフィクションみたいな・・・。
    町山 SFですね。
    小西 SFですよね?
    町山 はい。サイエンス・フィクションですよ。
    小西 そうですよねえ(笑)。ま、ある意味ではコメディみたいになってるわけですよねえ?
    町山 完全にコメディなんですけども。
    小西 ええ、ええ。
    町山 要するに、子供を作る、ってことと分離した、単にセックス自体を楽しもう、っていう映画なんですね。
    小西 そこですよねえ。だから、「口の方で・・」ということになると(笑)、
    町山 そうなんですよ。
    小西 分離されちゃうわけですからねえ。ええ。
    町山 はい。で、それがまあ、アメリカ人にとっては非常に、ま、キリスト教徒にとっては大変な衝撃だった、と。
    小西 はい・・・。
    町山 というのと、逆にそれは、「セックスっていうものを楽しもうよ」ってことでもって、リベラルな人達にとっては革命的な物だったんで、
    小西 うん。
    町山 この『ディープ・スロート』をめぐって、右と左の戦争みたいなことになるんですね。
    小西 はい。
    町山 それでどうなったか、って言うと、ハリー・リームスが逮捕されちゃうんですよ(笑)。
    小西 はあ、はあはあ。
    町山 これはもう、とにかく『ディープ・スロート』が大ブームになっちゃうから、
    小西 うん。
    町山 おじいさんとかお婆さんまで観に行ったらしいんですよ、当時は。
    小西 いや、ねえ、これはホント、凄かったですよねえ。あの・・・なんて言うか、普通、ポルノなんか観る・・・興味も無いような人が、なんか一つのブームみたいな感じだったですよね?これ・・。
    町山 だって、淀川長治さんが観に行ってますよ。アメリカにわざわざ『ディープ・スロート』を。
    小西 それ・・・それはどういうことなんですか?
    町山 あの人はやっぱり、あの・・・大きい男の人のアレが好きだからだと思うんですけども(笑)。見たかっただけだと思うんですけども(笑)。
    小西 (笑)。
    町山 ハイ。
    小西 ハリー・リームスさんという、この男優さんは、そのいわゆる、モノが、イチモツが大きいということでも、その、問題に・・・あ、問題じゃ無い、話題になった(笑)・・・
    町山 問題(笑)、ではないですけど(笑)・・。
    小西 話題に・・・なったんだよね?確かね。
    町山 はい。武器が物凄く大きかったんですけどもね。
    小西 ええ、ええ。
    町山 それでまあ、アメリカではもう、長蛇の列が劇場の前にできて、
    松本 え~!ホントに?そんなに・・・?
    小西 そう・・・今では考えられない話・・・。
    町山 そうなんですよ。それで・・・夫婦で観に行ったりしたんですよ。
    松本 え?!
    小西 そうそう、そう。
    町山 で、社会現象になってしまったので、
    小西 はい、はい。
    町山 FBIが非常に困ってですね、
    小西 はい、
    松本 困って・・・。
    町山 ハリー・リームスを逮捕するんですよ。
    小西 はい。
    松本 逮捕・・・。
    町山 で、逮捕された罪が一体何なのか?って言うとですねえ、
    小西 うん。
    町山 えーと・・・メンフィス州にポルノを持ち込んだ、っていう罪だったんですね。
    小西 あ~・・・。
    町山 ポルノ密輸の、陰謀の罪だったんですけども。
    松本 いや・・・それで・・・。
    小西 州法違反ですね、じゃあ、ね。
    町山 いや、ところが、連邦法違反ですよ。州を越えたから。
    小西 あ~、そうなんだ。
    町山 州境を越えた犯罪は連邦法になるんですよ。
    小西 あ~、なるほど。
    松本 え?それが役者に?・・役者が逮捕されちゃうの?
    町山 この人ね、あの、なんで『ディープ・スロート』に出たか、って言うと、この人元々ね、音声の技師だったんですよ。
    小西 あ~、そうそう。
    松本 ほう・・。
    町山 で、現場に録音技師として入ってって、
    松本 うん。
    町山 現場に行ったら、俳優さんが、男の人が、やっぱり、あの・・・大きくならないんですねえ。緊張しちゃって。
    小西 (笑)・・・うんうん。
    町山 このハリー・リームスさんてのは、それまでちょっと、ポルノに出てたんですけども、
    小西 うん。
    町山 すぐに、戦闘態勢になる人だったんですよ。
    小西 あ~、なるほどね。
    町山 で、「ちょっと君、出てみろよ。」って言われて、出ただけなんですよ。
    松本 え、それで?
    町山 それで、100ドル・・てか、1万円しかギャラも貰ってないんですよ。
    小西 うん。
    町山 で、どういう現場だかもよくわかってなくて、たまたま行ったら、たまたま出させられただけなんですよ。
    小西 うんうん。
    松本 (笑)・・・ウソ・・。
    町山 それなのに、『ディープ・スロート』密輸の罪で連邦法で、
    松本 え~!
    町山 連邦犯罪にされちゃったんですよ。
    小西 ま、一番、見せしめ的な感じですよね?
    町山 完全に見せしめ。
    小西 有名人ですからね、当時のね。
    町山 で、「これは酷い!」ってことでハリウッドがですね、
    小西 うん。
    町山 ジャック・ニコルソンとかウォーレン・ビーティが立ち上がったんですよね。
    小西 はいはい。
    町山 これはどうしてか、って言うと、もし俳優が、ポルノ映画だったり猥褻な物の映画に関わっただけで、俳優が逮捕されちゃうんだったら、
    小西 うん。
    町山 ジャック・ニコルソンやウォーレン・ビーティも逮捕されちゃうかもしんないわけですよ。
    小西 ふんふん、ふん。
    町山 で、多分ね、今の人達は知らないと思うんですが、当時のハリウッド映画ってのは全部、ヌードシーンがあったんですよ。
    小西 うん。
    町山 これはねえ、あの・・・小西さんはご存知ですよねえ?
    小西 うん。
    町山 当時の・・・ウォーレン・ビーティとかジャック・ニコルソンが出てる映画は、普通の映画でも必ず、ヌードシーンがありましたよね?
    小西 あ、ヌードというか・・全ヌードというか、一部見せるということですね?
    町山 裸があったんですよね。
    小西 あ~・・裸は、そう言えば。あまり意識しなかったけど・・・。
    町山 70年代は裸があったんですよ。普通の映画に必ず。
    小西 あ~。
    町山 それは、南部とかではしょっちゅう問題になってたんですけども、
    小西 なるほど、なるほど。
    町山 で、南部にその映画が上映された時に、南部にそのフィルムを持ち込んだ、という罪でもって俳優が逮捕される可能性が出てきたんですよ。
    小西 あ~、なるほど・・・。
    町山 これはどうしてか、って言うと、「それが南部で公開されることを知りながら、その映画に出たから」っていうことなんですよ!
    小西 それはアレですよね~。いつでも、だって、逮捕できちゃいますね~。
    町山 いつでも簡単に逮捕出来るんですよ。ただ、アメリカっていうのは判例主義だから、一回これで有罪にしちゃえば、全員逮捕出来るんですよ、永遠に。
    小西 ええ、ええ。
    町山 これは大変なことだ、ってことでもって、ハリウッドは立ち上がってですね、これを有罪にさせちゃダメだ、って戦うんですけど有罪になっちゃうんですよ。
    小西 うん、うん。
    町山 で・・・ハリー・リームスはですね、刑務所に行くことになるんですけれども。
    小西 うん。
    町山 ・・・ウォーターゲート事件があったんですねえ。
    小西 うん、うん。
    町山 それで、カーター政権が成立して、一番最初にカーター政権がやったことがですね、特赦でハリー・リームスを釈放することだったんですよ。
    小西 ふんふん。
    町山 で、一緒に出たのがパティ・ハーストなんですけどね(笑)・・・。
    小西 うんうん、うん。
    町山 ハイ。それで出てきたのはいいんですけど、その後、まあ、ハリー・リームスはですね、世界的に有名になりましたから、
    小西 うん。
    町山 世界中の、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、世界中に行ってですね、ポルノに出るんですね。
    松本 えっ・・。
    町山 スゴイんですよ。それであとねえ、プレイボーイマンションにも住むようになるんですよ。
    小西 お~、あの・・・、
    町山 ハーレムですけどね。
    小西 ハーレム、はい。
    町山 あの、プレイメイトが住んでるとこで。
    小西 うんうん。
    町山 で、そういう生活をするんですが、段々鬱病になっていくんですね、彼は。
    小西 へ~、どうしたんですか?
    町山 それはやっぱりねえ、本当は彼はね、シェークスピア俳優だったんですよ(笑)!
    小西 え?ホントに?
    松本 舞台?
    町山 彼はニューヨーク国立シェークスピア劇団の俳優だったんですよ、本当は。
    小西 へ~・・・。
    町山 だから、「なんでオレはシェークスピアをやってたのに、こんなことをやってんだろう?」と。
    小西 うん。
    町山 それで自己嫌悪に陥ってですね、
    小西 うん。
    町山 麻薬やお酒に手を出すようになるんですねえ。
    小西 なるほど。
    町山 それで、どんどん、どんどん、自滅的になっていって、80年代終わりにはもう、ある朝気付くと、他人の家で泥酔して目覚める、とかですねえ、
    小西 ほう。
    町山 ある朝気付くと刑務所の中に入ってるとか、拘置所に入ってるとか、
    松本 ボロボロだ・・。
    町山 そういう状況が非常に続いて、
    小西 うん。
    町山 で、最終的にですね、ある朝目覚めたら、今住んでるパークシティにいたんですね。
    小西 あ、そう(笑)・・・、ユタ州に行っちゃったんだ・・・。
    町山 はい。で、どうしてそこにいたかも全然覚えてないんだって、今も。
    小西 覚えてない、へ~。
    町山 全く覚えてなくて。ただ、パークシティってのはまあ、天国みたいなとこなんですよ、ホントに。キレイで美しくて。
    小西 はあ、はあ。軽井沢みたいなね。うん。
    町山 だから、最初、死んだのかと思ったみたいですけどね(笑)。
    小西 ああ、ああ。
    町山 「天国にオレは生まれ変わったのか!」と思ったみたいですけど(笑)。
    松本 (笑)。

    ~Resolution~
    人生大逆転のハリーも日本の女性には・・・

    小西 で、結局その、アルコール依存症ってのは治ったんですか?
    町山 そこでねえ、ま、キリスト教の協会が主催してる、アルコールを抜くですね、AAって言うんですけどアメリカでは、
    小西 はあ、はあ。
    町山 そういった所に入りましてですね、もう何年もかかってアルコールを抜いたんですね。
    小西 うん。
    町山 で、その時にボランティアでやってくれた女の人と結婚してですね、
    松本 お~、良かった・・・。
    町山 で、パークシティで不動産の免許を取って、
    小西 免許を取って。
    町山 はい。そうしたらその後、パークシティがリゾートブームでですね、
    小西 あ~。
    町山 爆発したんですよ!もう。
    小西 お~、ほうほう!
    町山 で、不動産がバカバカ売れまくって、
    小西 はいはい。
    町山 2億、3億の豪邸をバンバン売ったんですよ、彼は。
    小西 なるほど。
    町山 で、僕が行ったハリー・リームスの家っていうのは、1億円の豪邸でしたよ。
    松本 うわ~。
    小西 人生、大逆転ですね、これは。
    町山 大逆転ですよ(笑)。
    小西 う~ん。
    町山 本人はそのままアルコール中毒で死ぬ寸前まで行ったんですよ。
    小西 ・・・までねえ。
    町山 それが今、1億円の家に住んで優雅に暮らしてましたよ。
    小西 スゴイですねえ・・・なかなか・・・。
    町山 大変な人生でしたねえ(笑)・・・。
    小西 そういった、いわゆる、ま、彼の、ハリーの人生の盛衰というか、そういう物をこの『インサイド・ディープ・スロート』っていうのは描いてるのですか?ドキュメンタリーとして。
    町山 えっと、『インサイド・ディープ・スロート』っていう映画はですね、もっと、アメリカ全体を描いててですね、
    小西 ほう。
    町山 このハリー・リームス自身は、その登場人物の1人に過ぎないんですよ。
    小西 あ~、そうなんだ。
    町山 はい。で、まあ、このインタビューは、またどっかで書きますけれども、
    小西 あ~、なるほど、なるほどね。
    町山 ま、非常に面白かったのは、彼は日本でも映画に出てるんですよ。
    小西 え!どんな映画なんですか?
    町山 山本晋也監督の東映映画で、『生贄の女たち』って映画に出てるんですよ。
    小西 あ、そうなんだ。あの、例の山本監督の?
    町山 そうです、そうです。
    小西 ほうほう!
    町山 で、日本に呼ばれて行ってるんですよ、彼は。撮影に、ハリー・リームスは。
    小西 へ~!相手の女優は誰なんですかねえ(笑)?
    町山 相手の女優はね、飛鳥裕子さんて人でしたけども。
    小西 へ~・・・。
    町山 あの・・・その後、戦隊モノに出てた人ですけども。
    小西 (笑)。
    町山 あのねえ、彼は、「日本の女の人となんかアリましたか?」って聞いたんですけどね、
    小西 うん、うん。
    町山 やっぱりねえ、あの・・・ま、そういうお店に連れて行かれたよ、と。あの・・ナントカお風呂っていう所に。
    小西 あ、夜の・・・。
    町山 はい。
    小西 ほうほう、ほう。
    町山 で、「どうでした?」って聞いたら、
    小西 ええ。
    町山 「日本の女性はとにかく上手で・・、」
    小西 うん。
    町山 あの・・・なんて言うか、アメリカ人とかと違って、
    小西 違って、
    町山 「繊細で、」
    小西 うん。
    町山 「非常に絶妙で、」
    小西 絶妙で、
    町山 あの・・・・「早くデチャッタ。」って言ってました(笑)。
    松本 (笑)。
    小西 あ、昇天話をね。
    町山 ハイ。
    小西 (笑)・・・そんな話してくれちゃったの?(笑)・・・。
    町山 で、「え?」つったら、「何度ヤロうとしても女の人が上手過ぎて、」
    小西 うん。
    町山 あの・・・・先に沈没しちゃうんで、
    小西 あ、先に・・・、
    町山 爆発しちゃうんで、
    小西 ええ。
    町山 「デキなかった。」って言ってましたからね(笑)。
    小西 あ~、そうなんだ!
    町山 だから、世界でも最高峰の巨砲の持ち主も、
    小西 ええ。
    町山 日本の女性には勝てなかった、っていう(笑)・・・。
    松本 (笑)。
    小西 あ~、風俗産業・・・。
    松本 誇らしいの?私達・・・(笑)。
    町山 ま、「日本の女性は最高!」って言ってましたよ(笑)。
    小西 ホントですか(笑)?
    町山 「デキなかったけど。」って(笑)。
    小西 日本全体の話じゃなくて、その、日本の、風俗産業の女性ですよね?
    町山 (笑)・・・いや、よくわかんないですけどね、ハイ。
    小西 なるほど・・・。
    町山 褒めてましたけど・・・、ハイ。
    小西 あ~、そうですか。
    松本 褒められちゃった(笑)。
    小西 いやいや、ま、そのインタビュー、ちょっとね、まだお話足りない所、あるかもしれませんが、またの機会にちょっと、詳しいとこもじっくりと・・・。
    町山 ハイ。いつもこんな話でスイマセン!
    小西・松本 (笑)。
    町山 ハイ、お昼時に!
    小西 (笑)。ま、トロント映画祭では楽しんでください。
    町山 ハイ。
    小西 またいろいろ、リポートをお願いします。
    町山 わかりました。
    小西 ハイ。失礼しま~す。
    町山 どうも、失礼します。
    小西 え~、ということで、今日の火曜日の「コラムの花道」は、カナダのトロント映画祭からね、
    松本 ハイ。
    小西 ちょっとアップビートな感じの(笑)、町山智浩さんでした!

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