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    『天使の分け前』(The Angels' Share)「グビグビ飲んで酔っ払って喧嘩するだけじゃねーな」という感想【2013年3月26日たまむすび】

  1. スタジオ  赤江珠緒(フリーアナウンサー) 山里亮太(お笑い芸人、南海キャンディーズ)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    ホロ酔いの町山さん、妬みマックスです。

    赤江 時刻は3時をまわりました、『赤江珠緒たまむすび』。山ちゃんが先ほどのメールを食い入る様に読んで・・・。眉間に皺を寄せながら読んでますけど。
    山里 だからこれ・・・略奪成功ってこと?略奪って言い方したら悪いか。
    赤江 うん・・・だから、そういうことか。
    山里 は~・・・。
    赤江 「いや、そんなこと無いよ。」って今ね、我々ちょっと、慰めモードに入ろうとしたら、
    山里 うん。
    赤江 スカーっと裏切られましたよねえ。
    山里 スゲー、いるんだ、こういう人・・・。
    赤江 ねえ!じゃ、その愛は実った、ということですか。成就した、と。それはそれでね。
    山里 そっか・・・だから、誰かのものになったからって諦める必要は無いんだね。
    赤江 え~?そういう展開じゃなくて。1回、別れようとしたのが良かったのかな?
    山里 オレ、赤江さん!
    赤江 はい。
    山里 取り敢えず、ダンスを覚えようと思う。
    赤江 なんで(笑)?ダンス?
    山里 うん・・・オレの大好きな人がさあ、
    赤江 うん。
    山里 ダンサーのものになっちゃったから。
    赤江 あ~!そうですねえ!
    山里 だって、そうして、ちゃんと戦えば、ひょっとしたらオレのものにまた、なるかも知れないんでしょ?
    赤江 あのダンスはねえ・・国民的、あのダンスはなかなかですよ。
    山里 ものに出来るな、そしたら。
    赤江 20年ぐらいかかればなんとかなるよねえ・・・。
    山里 オッケー、オッケー。20年後!
    赤江 頑張っていきましょ・・・。
    山里 待っててね!彩ちゃん!
    赤江 (笑)・・・待っててくれるかな?・・・さてさて、まいりますよ、山ちゃん。
    山里 きた。
    赤江 ここからの時間、『たいしたたま』ということで、日替わりのゲストを迎えるトークコラムコーナー。
    山里 はい。
    赤江 毎週火曜日はアメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんということで、
    山里 うん。
    赤江 先週は中国の芸術家、アイウェイウェイさんのね、ドキュメンタリー映画をご紹介頂きましたけれども、今週はまたガラリと変わりまして、ウイスキーにまつわる映画だそうですよ。
    山里 ねえ・・。
    赤江 ウイスキーって飲んだりします?山ちゃん。
    山里 うん、ハイボール!ハイボール大好き、オレ。
    赤江 なるほどね・・・。
    山里 そこら辺の話でしょ?
    赤江 そういう話になるのかな?この後、町山さん御登場です。
    赤江 3時台はコラム『たいしたたま』、毎週火曜日はアメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんです。今週もカリフォルニア州バークレーの御自宅からお電話での御出演です。もしもし~、町山さ~ん。
    山里 もしも~し!
    町山 はい、もしもし、町山です。どうもです、よろしくお願いします。
    赤江 よろしくお願いしま~す。
    町山 いや、今聴いてたんですよ、お話を。
    赤江 ええ、ええ。
    町山 なんか、踊りを踊る男達がいろんな可愛い子ちゃんをどんどん、どんどん、嫁に獲っていっちゃうって話でしょ?
    山里 (笑)。

    赤江 そうそう、そう(笑)。
    山里 そこまで広げて(笑)・・・。
    町山 で、どうしてこんな世の中になっちゃったですかねえ?
    赤江 (笑)。
    町山 昔はさあ、出世する、ちょっと勉強が出来る人とか会社を上手くやっていける人とかさあ、
    赤江 うん、うん。
    町山 なんか、そういう人がモテた・・・と思うんですけど。現代社会では。
    赤江 そうでしたねえ。
    町山 いつの間にか、踊りを踊る人がモテる、ってそれ、未開の部族社会だよ、それ!
    赤江・山里 (爆笑)。
    町山 未開の部族では踊りを踊って、いっぱい身体にいろんな羽とかをつけて踊ってる人がモテるんだもん。
    赤江 もう・・・妬みマックスになってるじゃないですか、町山さん・・・お願いしますよ。
    町山 いや、ちょっと飲んでるんですけど、もう既に。
    山里 もう飲んでる!確かに、今日、ウイスキーの話だから。オレも今の話を聞いたら飲みたくなったもん。「町山さん、そうなんだよ・・・。」つって。(笑)。
    町山 (笑)・・ねえ。「何なんだよ!」と思いますよ、ホントに(笑)。ハイ。
    赤江 (笑)。
    山里 (笑)・・・まさかここまで引っ張って頂けるとは思わなかった。
    町山 盆踊りで女をコマスっていうのとあんまり、全然発達して無いですね、日本はね。
    赤江・山里 (笑)。
    町山 ホントに・・・ハイ。
    山里 そうなんだ・・・目を覚ましてくれ、みんな!
    町山 ハイ。近代社会なんだから今は!資本主義なんだからって言いたくなるんですけど。
    赤江 いやいや(笑)、そんな願いは届きませんよ!もう・・・ねえ。
    町山 ハイ。
    山里 (笑)。
    町山 ・・ったくね。もうそんな、50過ぎて60過ぎりゃ、踊れなくなるんだから!
    赤江・山里 (爆笑)
    町山 そっからが勝負だから!
    赤江 (笑)・・まだ言ってる・・・。
    山里 あれ?町山さんもあの子が好きだったのかなあ?(笑)。
    町山 いやいや、いいんです、いいんです(笑)。腰とかキレ無くなるからね!50になると。
    赤江 うん、そうそう、そう。キレも悪くなるしね。(笑)。
    町山 関節も痛くなるしね。
    山里 あれ?町山さん、酔ってます(笑)?
    町山 あ、酔ってます、ハイ。スイマセン、ハイ。
    山里 (笑)・・え?!
    赤江 今日はお酒の話なんですよね?
    町山 お酒の話なんですよ、ハイ。
    山里 ・・だから飲みながら?
    町山 いや、ま、いつも飲んでますけどね、ハイ。
    赤江 いつもなのか(笑)!
    山里 ちょっと、大問題だよ、町山さん!
    町山 だって、いつも夜10時とか11時なんだもん、こっち。
    山里 そっか。
    町山 しょうがないじゃないですか。
    赤江 (笑)。
    町山 50過ぎた男が、夜10時、11時にシラフでいるわけ無いでしょう!!
    赤江・山里 (笑)。
    町山 それ・・!
    赤江 開き直った・・・町山さん・・・。
    山里 町山さん、こっち、昼なのよ!
    町山 ・・あ、スイマセン(笑)、ホントに・・・。
    赤江 おやつの時間だから。3時なんですよ(笑)!
    町山 不謹慎でスイマセン、ホントに(笑)。
    山里 (笑)。
    町山 いや~、もうねえ。それで、いつも日本酒を飲んでたんですよね、僕ね。
    赤江 うん。
    町山 あの・・・「菊水」っていうね。(笑)・・・銘柄を出すことはないんですけど(笑)。
    山里 (笑)、そうですよ。
    町山 あの、純米吟醸のスゴイ美味しいお酒があって。
    赤江 はい。
    町山 それをよく飲んでたんですけど。
    山里 町山さん、何の話をしてんですか?
    町山 あの、関節炎になっちゃったでしょ?
    赤江 あ、そう。それは先週仰ってたじゃないですか。そうだ、そうだ。
    町山 そうそう。そうしたら、お医者さんに、「日本酒とかビールとかはもう、やめなさい。」って言われちゃって。
    赤江 ええ。
    町山 糖質が・・・甘いものは全部駄目で。「関節の、軟骨の所が硬くなっちゃうから。」って言われて。
    赤江 ほう。
    町山 で、「何だったら飲めるんですか?」って言ったら、「焼酎とかウイスキーだったら大丈夫だよ。」って言われて、
    赤江 へ~。
    町山 蒸溜酒だったらね。
    赤江 うん。
    町山 糖質が無いから。
    赤江 うん。
    町山 でねえ、ウイスキーにね、ちょっとね(笑)、移行しようとしてる時だったんですよ。
    山里 あ、繋がった!
    赤江 (笑)。
    町山 繋がってるんですよ。それで、今日紹介する映画はウイスキーの映画なんですよね。
    赤江 ね。
    町山 だから、ちょうど良かった、って感じなんですけど。
    山里 あ、そっか、そっか。それならね。ずっと酒の話するから、町山さんホントに酔ってんのかな、と思ってね(笑)。
    赤江 (笑)。

    ~Conflict~
    ウイスキー映画を語りつつ、更にお酒は進んでるようで・・・

    町山 (笑)・・・それで、今日紹介する映画はですね、
    赤江 ハイ。
    町山 『天使の分け前』(The Angels' Share)っていうタイトルの映画です。
    赤江 はい。・・・わかりますよ。
    町山 ハイ。「天使の分け前」って知ってる人いますよねえ?
    赤江 知ってる!
    町山 けっこう・・。
    赤江 うん。
    町山 昔、コマーシャルでやってましたからね、テレビでねえ。
    山里 へ~。・・・オレ、わかんないです。
    町山 あの・・・ウイスキーを樽に入れとくじゃないですか。
    山里 はい。
    町山 で、熟成させてる間に、樽って、やっぱり木で出来てるから少しづつ蒸発してって、
    山里 ふん。
    町山 年間に、なんか2%ぐらいウイスキーが失われるらしいんですよね、中のね。
    赤江 そうそう、結構なね、量を蒸発しちゃうんですってね?
    山里 ふ~ん。
    町山 そうなんですよ。・・で、それを「天使の分け前」って、天使が飲んで行ったんだ、っていう風にちょっとオシャレな言い方をするらしいんですけど。
    赤江 オシャレな言い方よ~、山ちゃん。
    山里 オシャレね、それは。ウン。
    町山 ちょっとこう、なんか、バーでナンパするみたいな話ですけどね。
    赤江 ウン。
    山里 (笑)。
    町山 それでこれは、そのスコッチウイスキーの原産地のですね、スコットランドを舞台にした映画ですね。
    赤江 うん。
    町山 映画自体は、スコットランドの映画です、ハイ。
    赤江 うん。
    町山 で、これは主人公はですね、グラスゴーっていうスコットランドの街にいる若者達なんですけど。
    山里 はい。
    町山 全員、犯罪者なんですよ。
    山里 え?
    町山 あの(笑)・・・全員ですね、泥棒とかいろんな事をして。あと、酔っ払って電車の進路を妨害したとかですね、
    赤江 うん。
    町山 喧嘩したとかで、全員が逮捕された、バカな若者達が出てきてですね。
    山里 ほう。
    町山 それで、更生をしよとするんですけども、更生出来ないんですね。
    山里 ふんふん。
    町山 バカ過ぎて。
    赤江 うん。
    町山 (笑)・・あの・・・まず、遅刻してくるから、「今何時だかわかってんのか?!」つったらボーっとしてるんですよ。
    赤江 うん。
    町山 で、「わかった!じゃあ、今日は何日だか当てたら・・・いいよ!」って言ったら、「そんな難しいこと聞かないで。」
    山里 (笑)・・・スンゴイおバカさんな・・。
    町山 そのぐらいの人達なんですよ。
    山里 ふん。
    町山 ホントに貧しくて、勉強とか全然出来なくて、
    赤江 うん。
    町山 もう、ドン底の若者達なんですね。
    山里 ふん。
    町山 スコットランドって言うと、スコットランド王国っていうのがあって、元々イギリスと全く関係のない、ケルト人ていう民族の王国があったんですけど、
    山里 ふんふん。
    町山 そこのお城に行ってもですね、「アレは何だろう?」とか言ってるんですよ。
    赤江 え?
    町山 自分の国の、国王の住んでた城もわからないんですよ、教育が無くて。
    山里 え~?
    町山 凄いドン底で。そのグラスゴーって街はですねえ、失業率が最悪らしいんですよね、イギリスの中でも。
    赤江 へ~。
    町山 イギリスじゃないですけども(笑)。イングランドじゃないですからスコットランドですけども。
    赤江 うん。
    町山 その・・・大英帝国全体の中でもかなりヒドイ所らしいんですよ。
    赤江 うん・・・。
    町山 仕事が無くて。
    山里 うん。
    町山 で、しかも彼らは犯罪者で。それで、1人、主人公の男の子は、顔をケンカでざっくり切られて、ヤクザみたいな傷があるんで、
    山里 うん。
    町山 もう、就職とか出来ない状態になっちゃってるんですね。
    山里 ふんふん。
    町山 ところが、その主人公、ロビーっていう男の子なんですけど、彼女が妊娠するんですね。
    赤江 うん。
    町山 で、子供ができる、と。
    山里 うん。
    町山 それで、裁判所も、「君もお父さんになるんだから更生しなさい。」つって、罪を、ま、情状酌量してくれてですね、執行猶予になるんですけども、
    赤江 うん。
    町山 さあ、どうやって暮らしていくのか?って話なんですよ。
    赤江 確かにねえ。
    町山 これ、スゴイ厳しいスコットランドの現状みたいなものが描かれててですね、
    山里 うん。
    町山 例えば、主人公の男の子がなんとか更生しようとするんですけど、チンピラのですね、敵の一族が襲ってくるんですよ。
    赤江 う~ん・・。
    町山 仕事してる所とか、彼女と一緒に暮らし始めたアパートとかに。
    赤江 は~・・・。
    町山 これ、凄く不思議なのは、「敵の一族」ってのがいるんですよ、現代なのに。
    山里 え?
    町山 「忍者なのか、君たちは?」とか思うんですけど(笑)。
    山里 (笑)。
    町山 これねえ、この主人公のロビーの一族・・・何家ってのが出て来ないんですけど、例えばマクドナルド家っていうのは、
    山里 うん。
    町山 ハリス家っていうのと永遠に戦い続けてるんですよ、スコットランドって。
    赤江 へ~。
    町山 これ、田中さんの家と鈴木さんの家は永遠にケンカしてる、みたいな世界ですよ。
    赤江 (笑)。
    山里 なるほど。
    町山 これね、「しぞく」っていう、「氏族」って書くんですけども、
    赤江 はい。
    町山 「クラン(Clan)」て言うんですけど、スコットランドでは。
    山里 ふん。
    町山 そういう制度があってですね、その「クラン」同士が延々と戦ってるんですね。
    山里 へ~。
    町山 代々戦ってるんですよ。おじいさん同士も戦ってたし、みたいな(笑)。
    赤江 ふ~ん。
    町山 で、延々と暴力沙汰を続けてるんで、彼女の方のお父さんから、「お前らはもう、延々と戦ってて、何にもここからは生まれないだろ!」と。
    山里 ふん。
    町山 このどうしようもないサイクルに、「孫を巻き込まないでくれ!」つって、子供を取り上げようとするんですよ。
    赤江 ふん。
    町山 で、もう、勉強は出来ないし、刑務所に入ったりの繰り返しじゃないか、と。
    山里 うん。
    町山 「ここには何も無いぞ!」って言われるんですね。
    赤江 ふん。
    町山 で、でも何とかしなきゃ、と思ってる所に、その更生の手伝いをしてたオジサンがですね、
    山里 うん。
    町山 「ちょっと、お前、ウイスキーって飲んだことあるか?」って言うんですね。
    山里 うん。
    町山 「ロビー君。」と。
    山里 はい。
    町山 そうしたら、「え?ウイスキーって飲んだこと無いですね。」って言うんですけど。
    赤江 うん。
    町山 これちょっと、ビックリなんですけど、
    赤江 ええ。
    町山 この主人公達、男の子も女の子もいるんですけど、この4人の主人公は1人もウイスキーをそれまで飲んだことが無いんですよ。もう、結構いい歳なのに。
    赤江 え?スコットランドなのに?
    町山 スコットランド人なのに。
    赤江 お酒は・・・そんな、飲みそうな人達なのに。
    町山 あのね、とにかく貧乏だから、酒飲んで酔っ払うことしか考えてないから、
    赤江 はい。
    町山 ビールをがぶ飲みするんですけど、スコッチウイスキーを味わって飲む、っていうかスコッチウイスキー自体を飲む、っていう経験が無かったそうなんですね。
    赤江 ほ~。
    町山 そういった伝統からも切り離されてる人達なんですよ。
    赤江 ふん、ふん。
    町山 で、「ちょっと飲んでみろ。」って言うと、「ゴクン!」と飲んじゃうんですけども、
    山里 うん。
    町山 「そうじゃないよ、そうじゃないよ。」と。
    赤江 うん。
    町山 まずウイスキーっていうのは、鼻で、「鼻をグラスに突っ込んで匂いを嗅ぐんだよ。」って言うんですね。
    赤江 うん。
    町山 「酔えばいいんじゃないんだから、少し口に含んで、口の中をぐるぐる回してごらん、飲み込まないで。」って言って、それをやると、「ちょっとアルコールがキツイんです。」って言うんですね。
    赤江 うん。
    町山 すると、「あ、これは大事なことなんだけども、アルコールが強すぎると刺激が強くて味がわからないから水を入れよう。」って言って、水を入れるんですよ。
    山里 うん。
    町山 で、今度口に含むと、「あ、なんとなく・・・何か磯の香りがします。」って言うんですね。その男の子は、ロビーっていう子は。
    赤江 うん。
    町山 すると、「お前は天才だ!」
    山里 え?
    町山 「このウイスキーを作った醸造所、蒸溜してる所は、海の近くにあるんだ。」と。
    赤江 ほ~。
    町山 「お前はその匂いを嗅いだんだ!」って言われるんですよ。
    山里 へ~。
    町山 生まれて初めて褒められたんですよ。
    赤江 ふん。
    町山 何をやってもダメだったロビー君が。
    山里 ふん。
    町山 「お前は、細かい匂いを嗅ぎ分ける能力があるね。」って言われるんですよ。
    山里 ふん。
    町山 それから、そのロビーっていう男の子は、今まで飲んだことの無かったウイスキーを勉強して、テイスティングする技術を磨いていく、っていう話なんですね。
    赤江 は~。
    町山 ハイ。でね、これ、観てて面白かったのは、僕もよく知らなくて、後からちょっと調べたり、近くの酒屋のオッサンに聞いたりしたんですけども(笑)、
    赤江 はい。
    町山 ウイスキーって、シングルモルトとかで通の人が飲む時はストレートで飲め、とか言うじゃないですか。
    赤江 はい、はい。
    町山 アレは嘘なんですって。
    赤江 え?!
    町山 水割りでいいんですって。
    赤江 そうなんですか?
    町山 ウイスキーってのはそもそも、ある程度水で割った状態で売られてるんで、それに多少水を加えようがどうしようが、基本的に変わらないんですって。
    赤江 あら!私も最近ちょっと、ウイスキーの飲み方を教えてもらったんですけど、
    町山 はい。
    赤江 なんか、ストレートで飲んで、舌の上に乗せたまま、水を口に含んで、口の中で水割りをしろ、みたいな・・・。
    町山 あ、それでもいいみたいですけども。
    山里 え~?汚くない?それ。
    赤江 (笑)。
    町山 ハイ。だから、アルコール度が強すぎると刺激が強すぎて舌の感覚が悪くなるから、
    山里 ふん。
    町山 ちょうどいい感じで、水をちょっとだけ足せ、って言うんですってね。
    赤江 あ~、なるほど。ちょっとずつ足す、と。
    町山 そう。それとあとねえ、ロックは、この映画の中では出て来ないですけど、ロックはダメなんですって。
    山里 え?
    町山 氷で冷やしちゃうと、ウイスキーってのは揮発した香りを楽しむものだから、
    赤江 うん。
    町山 揮発する量が減っちゃうから、ウイスキーは基本的に常温で飲むんですって。
    赤江・山里 へ~。
    赤江 じゃ、山ちゃんの好きなハイボールはどうですか?
    町山 (笑)・・ハイボールとか、僕も大好きですけどね、
    山里 はい。
    町山 アレはだから、要するにまあ、居酒屋の、飲むためのものですよね。
    赤江 (笑)。
    町山 こう・・・味わって飲む、っていうもんじゃないですよね。僕も大好きですけどね。
    山里 だって、町山さんね、今、香りを楽しむ、って言ってたじゃないですか。
    町山 そうそう。
    山里 僕、思いっきりレモンを絞りますからねえ。
    町山 そうでしょ(笑)?ね?
    山里 (笑)。
    町山 でもね、香りはねえ、僕も気をつけてやるとわかるんですけど、
    山里 はい。
    町山 あの、今ここにあるのはねえ、一番日本で簡単に手に入るお酒で・・・「グレンフィディック」ってやつですけども、
    山里 はい。
    町山 12年物ですけど。あのね、これねえ・・・・鼻に通すとね・・・・ハチミツの匂いがするんですよ。
    赤江 ハチミツの匂い?
    町山 ハチミツの匂いがするんですよ。
    山里 はい。
    町山 これ結構、僕でもわかるから誰にでもわかると思うんですけど。
    赤江 へ~。
    町山 (笑)・・これ、不思議なもんですよ。だって・・・ハチミツの匂いがするなんて思ってウイスキーを飲んだことは無かったですよ、今まで。
    赤江 何でだろう。その木に、ハチが巣を作ってたことがある?
    町山 いや、あのね、ウイスキーってね、非常に複雑な、フルーツの匂いとかハチミツの匂いとかがね、作られていくらしいんですよね、いろんな物を混ぜていくうちに。
    赤江 へ~。
    町山 作っていく過程で。
    山里 オシャレ・・・。
    町山 自然に。
    赤江 へ~。
    町山 で、それをコントロールするのはねえ、なんて言うか、ウイスキーの作り方のポイントらしいんですけども。
    赤江 うん。
    町山 これ、あとねえ、洋梨の香りもしますよね。
    赤江 あら!ホントですか?町山さん・・・?
    町山 それぐらいは、わかるんですって。素人にも。ただ、もっと細かくなるとわからなくなるらしいんですけど(笑)、この主人公はわかるんですよ。
    山里 これあれ、説明してるテンションで酒を飲みたいだけじゃないですか?町山さん!
    赤江 (笑)。
    町山 (笑)。
    赤江 クピクピ行ってるんじゃないんでしょうねえ?
    町山 (笑)・・・ハイ。でねえ、そういう話なんですけど、これ、監督がケン・ローチっていう監督なんですね。
    赤江 はい。
    町山 この人はねえ、イギリスのもう、巨匠中の巨匠で、現在76歳なんですけども。
    赤江 うん。
    町山 イギリスの内部の、イギリスが隠してきた問題ばっかりを描いてきた監督なんですよね。
    赤江 へ~・・・じゃあ、社会派の。
    町山 はい、社会派ですね。日本でも結構、普通に公開されてカンヌ映画祭でも大賞を獲った映画はですね、
    赤江 ええ。
    町山 『麦の穂をゆらす風』(The Wind That Shakes the Barley)っていう映画があるんですけど、
    山里 ふん。
    町山 これは、1920年代にアイルランドがイギリスから独立しようとして戦争をしたんですけども。あの、アイルランドってのはイギリスにずっと併合されててですね、日本が韓国を併合したみたいに、ずっと併合されてたんですけど、
    山里 うん。
    町山 独立戦争を起こして、イギリスから独立する、と。
    山里 ふん。
    町山 その時に、イギリス連邦の中で独立するっていう暫定的独立か、完全な独立か、っていうことで、せっかく独立したのに、アイルランド人同士が、それで戦争になっちゃうんですよ。
    赤江 ふ~ん。
    町山 せっかく独立したのに。
    赤江 ええ。
    町山 で、その完全独立派と、暫定的な妥協派との間で戦争になって。主人公の兄の方は妥協派で、弟の方は完全独立派でですね、最後はその兄貴が弟を射殺して終わるんですよ、映画は。
    赤江 え~!
    町山 もう、何の救いも無いんで(笑)・・愕然とする映画なんですけど。
    赤江 うん。
    町山 こういうのをいっぱい作ってる監督なんですね。
    赤江 へ~。
    山里 いましたよね、前も。そんな辛いのばっか撮ってる監督・・・。
    赤江 あ、あの『愛、アムール』(Amour)の監督・・・。
    町山 そうそう!ミヒャエル・ハネケみたいな監督なんですよ。
    赤江 はい。
    町山 でねえ、僕が子供の頃に観て、結構ショックだった映画で『ケス』(Kes)って映画があってですねえ、
    赤江 はい。
    町山 これは、ヨークシャー地方っていう、やっぱり貧しい炭坑の街で、炭坑で働くしかない、未来の無い所で、いじめられてる主人公の男の子がですね、
    赤江 うん。
    町山 友達も誰もいないし、お母さんも酷いし、自分の兄貴は自分をいじめるし、で。
    山里 うん。
    町山 ところが、親にはぐれたハヤブサの子をですね、「ケス」っていうんですけども、
    山里 うん。
    町山 ・・・見つけて、大事に育てて可愛がるんですね。
    赤江 うん。
    町山 で・・・ハヤブサに芸を教えたりして、っていう、ほのぼのとする友情モノになっていくんですけども。
    赤江 うん。
    町山 最後にその兄貴がですね、腹いせにですね、自分が炭坑で働いてて辛いから、自分の弟が可愛がってたハヤブサをぶっ殺しちゃうんですよ。
    赤江 え?
    町山 いきなり。
    赤江 うん。
    山里 え~・・・。
    町山 で、わ~!って終わるんですけども、
    赤江 え?終わり?
    町山 終わっちゃうんですよ、そこで(笑)。
    山里 え・・・。
    町山 (笑)・・何の救いも無いんですよ。
    赤江 え~・・・。
    町山 で、凄いのはですね、この、ハヤブサが死んだ撮影っていうのをする時に、ハヤブサに眠り薬を打ってですね、眠った状態でもって、死んだってことにして撮影をしてるんですが、
    赤江 はい。
    町山 監督のケン・ローチは、この、主人公の男の子は素人なんですね。
    赤江 うん。
    町山 で、彼に迫真の演技をさせるために、撮影中ずっと、「この映画のラストシーンは、ハヤブサの死ぬとこだけども、実際に殺すからね!」って言ってたんですよ、ずっと。
    赤江 うわ~。
    町山 「本当に殺すからね!」って言って、で、眠り薬を打って眠らせた状態で、「はい!死んだぞ!」つって撮影してるから、この男の子は本当に監督が許せなくて、「バカヤロー!!」って物凄い怒り狂って泣き叫んで演技をしてるんですよ。
    赤江 へ~。
    町山 演技じゃないんですよ、だから(笑)・・。
    山里 へ~!
    町山 これ、ヒドくない?っていうねえ。
    赤江 うん。
    山里 酷い・・・。
    町山 これ、人として大分間違ってるんじゃないか、この監督?と思うんですけど。
    赤江 なかなかの・・・・ねえ、演出方法ですね、それ。
    町山 (笑)・・演出方法として、ちょっとオレは許せないよ、と思うんですよ。
    赤江 うん。
    町山 まあ、後で男の子に、撮影が終わった後に、「死んでないよ。」つったらしいですけどねえ。
    山里 ドッキリ・・・(笑)。
    町山 もう、大人を一生信じないと思いますけどねえ。
    山里 そうでしょうねえ(笑)。心の傷が・・・。
    赤江 あ~、そんな映画を撮ってきた人なんですか。
    町山 そういうのばっかり撮ってきた人が、今回はですね、コメディなんですね、この映画は。
    山里 あ、
    町山 この『天使の分け前』って、コメディなんですよ。
    赤江 へ~。
    町山 さっき言った、バカな(笑)、何にも知らないボンクラの4人組が、ドジばっかり踏む、っていうコメディになってるんですね。
    山里 ふんふん。
    町山 でまあ、悲惨な状態ではあるんですけれども、
    赤江 ええ。
    町山 この人達が珍道中をしてですね、
    赤江 うん。
    町山 このどうしようもない状況から抜け出すための、ある作戦をする、っていう話なんですね。
    赤江 ふ~ん。
    山里 面白そう。
    町山 ルパン三世のような、ハイ(笑)・・よくわからないですけど(笑)。
    赤江 へ~。
    町山 ハイ。
    赤江 なんかそういう、ベテランの監督さんが、ガラッと作風を変える、って、あるんですね。
    町山 なんかやっぱり、年取って、このまま死ぬと天国に行けねえんじゃねえか?とか思うんじゃないかなあ(笑)、というねえ。
    赤江 (笑)。
    山里 罪悪感から??!
    町山 (笑)・・・そういう気がするんですよ。
    赤江 ちょっとハートフルに・・・。
    町山 あとはやっぱり、孫がカワイイからとかね、なんかねえ、人が変わっちゃうのかな?って気がするんですけど。
    赤江 へ~。
    町山 この、ケン・ローチ監督っていうのは、息子さんも映画監督になってるんですね。
    赤江 ふ~ん。
    町山 それで、この息子さんも、凄い映画を撮ってる人なんですよ。
    山里 ふん。
    町山 やっぱりもう・・・なんて言うか強烈な映画で。『オレンジと太陽』(Oranges and Sunshine)っていう映画をジム・ローチっていう監督が撮ってるんですけど、息子さんが。
    山里 ふん。
    町山 これがまた酷い話で、イギリスって、階級社会で、労働者階級の人とかってホントに貧しくて、絶体に社会の上に上がれないような社会だったんで、
    山里 うん。
    町山 その・・・貧しすぎて子供を育てられない子とかを、どんどん孤児院に入れちゃうんですね。
    山里 ふ~ん。
    町山 それとか、あと、まあ非常に保守的な社会なんで、お父さんがいない子、とかもみんなそういう所に入れられちゃうわけですよ。
    赤江 ふん。
    町山 要するに、私生児の子も。
    赤江 うん。
    町山 で、そういう孤児院に入れた子達を、開拓時代のオーストラリアに送って、奴隷のように労働させてた、っていう事実があるんですね。
    山里 あ、事実・・・うん。
    町山 13万人の子供達がオーストラリアに送られて、
    赤江 え!そんなに・・・。
    町山 労働者としてこき使われてたんですよ。
    赤江 え~・・・。
    町山 これも実話なんですけど。まあ、それを暴いたりしてんですよ。その『オレンジと太陽』って映画では、その息子さんは。
    赤江 ふ~ん。
    町山 ただね、これはちょっとね、希望のある映画になってて、
    赤江 はい。
    町山 あの・・・最後は、酷い、酷い、だけでは終わらせてないんでね、息子がなんか、少し良い事をしてるから、「オレもしなきゃな」と思ったのかもしんないですけど(笑)・・・。
    赤江 (笑)・・・息子さんの影響かも知れないんですねえ・・・。
    町山 影響かも知れないな、と思いましたけど(笑)。
    赤江 へ~。

    ~Resolution~
    ウイスキーのように、ゆっくりと味わう人生・・・

    町山 最後は結構ね、まあ、ほのぼのと終わるんですが。しかし、この終わり方はまた、「コレでいいのか?」っていうとこもあるんですよ、『天使の分け前』って映画は(笑)・・・。
    山里 え?
    町山 「コレで終わっていいの??」っていうとこがあって、それは観てください、って感じですけど。
    山里 へ~、普通に成功して終わる、とかじゃないんですねえ?
    赤江 ねえ。
    町山 そう。僕はねえ、「コレじゃマズイんじゃねーの?」と思ったんですけど(笑)。
    山里 え?
    町山 まあ、人それぞれかな?と。
    赤江 そうですか・・・。
    町山 ただねえ、面白いな、と思ったのは、スコットランドに生まれながらも、スコットランドのこと知らない、っていう・・・・。貧しいっていうのはホントにコワイことだな、と思いましたね。
    赤江 ホントですねえ・・・・。学ぶ機会が無い、っていうねえ。
    町山 で、このスコッチを飲むことによって、少しずつスコットランドの歴史を知っていくんですよ。彼ら、スコットランドの人達がいっつも履いているスカートがあるじゃないですか、キルト。
    山里 はい。
    町山 あれの履き方も知らなくて、裏表逆に履いて、キンタマ見えたりしてんですよ。
    赤江 え~!
    山里 (笑)。
    町山 (笑)・・・しょーがねーな、っていう感じですけど(笑)・・。
    山里 ノーパンで履いてたの?アレ・・・(笑)。
    赤江 そういうことになっちゃうんだ・・・。
    町山 しょーがねーな、っていう。伝統に関して全く知らない。だから、貧しいってことはホントにコワイな、と思いますね。
    赤江 うん・・・。
    町山 ま、そういうことはどこの国でも同じだと思うんですけども、貧しい人ほど、その国の歴史とか文化から切り離されて行くんですよ。
    山里 う~ん。
    町山 それがますます、何も背負わないから、
    赤江 はい。
    町山 何も背負ってないし、何も継承してないから、何も生み出せなくなるんですよ。
    赤江 あ~・・・ホントだ。繋がって行かないんですね。
    町山 凄くコワイと思いましたよ。
    赤江 コワイですねえ。
    町山 それはコワイですよ。やっぱり、教育っていうものの大事さとか、伝統ってものは、それを踏まえて上に行くための階段みたいな物なんで、
    赤江 うん、うん。
    町山 そういったことも、いろいろ考えさせられる映画になってますけどね。
    赤江 ふ~ん。あと、ウイスキーを飲まない人でも「ちょっと、ウイスキーを飲んでみたいな。」って思うようなとこもあるんですか?
    町山 あ、そうそう!だからねえ、ウイスキーってのは苦くて嫌だ、っていうシーンがあるんですけど、
    山里 はい。
    町山 そうじゃなくて、「フルーティーで甘いじゃないか!」って言うんですよ。
    山里 ふ~ん。
    町山 「よ~く味わってごらん、少しずつ。」と。
    赤江 へ~。
    町山 「一気に飲むから苦いんだよ。」と。
    赤江 なるほど・・・。
    町山 で、これもねえ、良いシーンで。この人達は、「飲んで騒いで喧嘩して」っていう人生だったんですね。
    赤江 うん。
    町山 で、早く死んじゃう、と。
    赤江 うん。
    町山 そうじゃなくて、「ゆっくりと味わう人生、ってのもあるんだよ。」っていうことを教えるんですよ。
    赤江 は~!なるほど。格好良いメッセージですね、それ。
    山里 確かに。
    町山 そういう、いろんなねえ・・・・。
    赤江 うん。
    町山 やっぱり、50になると、いろいろ考えますんで(笑)、ハイ。
    赤江 (笑)。
    町山 グビグビ飲んで、酔っ払って喧嘩するだけじゃねーな、っていうね、ハイ。
    赤江 そうですよ!町山さん、ね。
    山里 町山さん、グビグビ飲んでるでしょ?まだ・・・。
    赤江 町山さんにその・・・メッセージを返したいですけど・・・(笑)。
    町山 (笑)・・そうですね、自分が一番、「はあ!」とか言ってて・・・。
    赤江 (笑)。
    町山 そのスコットランドのチンピラよりも自分がねえ、感動してる、っていうね。
    山里 (笑)。
    町山 ハイ、そういう感じでしたけどね。ハイ。で、もうすぐ公開なんですよ、この映画、日本でね。
    赤江 そうなんですね。4月13日から、銀座テアトルシネマ他、全国で順次公開、ということで、日本でも観ることができます。ハイ。・・ということで、町山さん、ありがとうございました。
    町山 はい。どうもでした。
    赤江 はい。今日の『たいしたたま』、アメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんには、映画『天使の分け前』、ご紹介頂きました~。

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