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    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    『NO(ノー)』 またまた実話の映画化、チリ映画版『アルゴ』はプロのCMマンのお話【2013年3月5日たまむすび】

  1. スタジオ  赤江珠緒(フリーアナウンサー) 山里亮太(お笑い芸人、南海キャンディーズ)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    「イエス・ノー枕」の説明からお話は始まりますが・・・?

    赤江 町山さ~ん、もしも~し!
    山里 もしも~し!
    町山 はい、どうも町山です。よろしくお願いします。
    赤江 よろしくお願いいたします。
    山里 お願いしま~す。
    町山 どうもで~す、ハイ。
    赤江 先週はスタジオに来て頂きまして、
    町山 ハイハイ。
    赤江 楽しかったですね~。
    山里 楽しかった~。
    町山 ハイ、どうも・・・たまにしか行けなくてスイマセン、ハイ。
    赤江 いえいえ、いえ。どうですか?
    町山 飛行機代がメチャクチャ高いですよ、最近もう・・・。
    山里 え?変わったんですか?
    赤江 あ、そうなんですか。
    町山 スゴイ上がってるんですよ、もう・・・・。もう、当分行きませんから、ハイ。
    赤江 燃料代とか、そういうのも上がってるからかなあ・・。へ~・・・。
    山里 ちょっとねえ、日本の会社、いろんな、町山さんにオファーしてなんとか呼び寄せて、そのついでに寄ってもらいましょうよ、また。
    赤江 そうです、そうです、うん。
    町山 いやもう、なんかねえ、飛行機全体がもう、ダメなんですよ。
    山里 へ~、燃料がですか?
    町山 今・・・いくつかがですね、合併してですね、
    赤江 あ~。
    町山 今まで、安いちっちゃい飛行機会社がですね、競争してて値段を下げてたんですけども、
    赤江 うん。
    町山 石油も高いしね、飛行機会社は段々、数が少なくなってきてですね、寡占市場になってきて、これ、どんどん上がりそうでね、大変ですよ。もうホント、関係無いですけどね、ハイ。
    山里 (笑)。
    赤江 あ、そうですか。あの、フェミニスト押しで行く、っていうのは、どうですか?その後。
    町山 え?
    赤江 フェミニスト押しで行く、っていうのは・・・?
    町山 そんなこと言ったっけ?
    山里 あ、女性をね、もっと尊敬するっていう・・・。
    町山 あ、そっか!(笑)・・・スイマセン。
    山里 先週はね。先週はあの問題がちょっと・・・。
    町山 タイヘンですよ~、もう・・・ホントに・・。
    山里 ちょっと赤江さん、それ、掘り下げないであげて。
    赤江 ま、それはいいですよね(笑)。
    山里 町山さん、そこ今、デリケートゾーンだから。
    赤江 (笑)。
    町山 ホントにもう・・・見張ってる人がいるから・・・大変です(笑)、ハイ。
    赤江 さあ、それでは今日の話題、町山さん、お願い致します。

    町山 今日はですね、あの、昔・・・『新婚さんいらっしゃい!』っていうテレビ番組があったんですけど、
    山里 三枝師匠の。
    赤江 はい。今でも。
    町山 あ、覚えてます?「いらっしゃ~い!」ってヤツですけど。
    山里 (笑)。
    赤江 今でももちろん、私の、ABC、古巣でございます。
    町山 え、まだやってる?
    山里 まだやってますよ、やってます。
    町山 あ、あれって、あの・・・商品でですね、
    山里 はい。
    町山 「イエス・ノー枕」っていうの、まだやってます?
    yesno.png
    赤江 「イエス・ノー枕」ね、はい。
    山里 あります、まだありますよ。
    赤江 あ、「イエス・ノー枕」はね、もう無くなったと思います。この春から。
    山里 あ、そうなの?
    町山 あ、もう無いんですか?
    赤江 スタッフに聞いたところ「あれ、変えます。」って言ってましたから。
    山里 え?!
    町山 あ、そうなんですか・・・。
    赤江 伝統の枕でしたけどねえ。
    町山 ねえ。あれ、僕、子供の頃、何だかわかんなかったんですよ、「イエス・ノー枕」って(笑)。
    赤江 そうそう。
    山里 僕らも、大人になってわかった(笑)。
    赤江 うん。
    町山 ねえ。あれ要するに、新婚さんが・・・ま、「今日は、しましょう(*´∀`*)」っていう時に、
    山里 そうそう、そう。
    町山 口で言うのも恥ずかしいから、枕の裏と表に「YES」と「NO」が書いてあって、
    赤江 そうそう、そう。
    町山 「今日はしてもいいわよ(^^)」っていう時に「YES」の方を上にして置いとく、っていうね。
    山里 そう、「イエス・ノー枕」。
    町山 それが「イエス・ノー枕」なんですけども・・えっと、今日、紹介する映画はですね、
    山里 え!関係してくるんですか?
    町山 え・・『NO』っていうタイトルの映画なんですよ(笑)、ハイ。
    赤江 (笑)。
    山里 町山さん、オレ絶体、今ね、『新婚さんいらっしゃい!』の話、要らなかったと思うよ(笑)。
    町山 いやいや(笑)、いるんですよ。後で効いてきますから。
    山里 ホント?
    町山 後で効いてきますから、ハイ。

    ~Conflict~
    チリの恐怖政治と戦ったのは、業界人のCM屋さん。

    TitleNo.png

    赤江 『NO』っていう映画ね。
    町山 『NO』っていうね、「イヤ」っていう「NO」っていうタイトルなんですけど、
    山里 はい。
    町山 えっとこれ、チリの映画なんですね。
    山里 チリで、はい。
    町山 チリって言うと、まあずっとですね、1970年代から90年代ぐらいまでですね、まあ酷い軍事政権の国だったんですよ。
    山里 はい。
    町山 軍事独裁政権で。それで、これは僕も記憶があるんですけど、73年にですね、物凄いクーデターが起こったんですよ。
    山里 ふん。
    町山 それでもう、世界的に報道されて。
    赤江 ええ。
    町山 どういう風に酷かったか、って言うと、とにかく軍隊が首都に殴りこみをかけて、
    山里 ふん。
    町山 大統領を殺して・・・まあ、自殺したと言われてますけど、大統領官邸を砲撃してですね、
    赤江 ええ。
    町山 で・・・その大統領側の人達を3千人皆殺しにしたんですよ。
    赤江 うわ~・・・。
    町山 で、政権をまあ、いきなり獲っちゃったんですけど。あの、ピノチェト将軍ていう人がですね。
    赤江 ええ。
    町山 この人、名前は可愛いんですけど物凄い悪いヤツだったんですね。
    赤江 ピノチェト大統領・・。
    町山 ピノチェト(笑)、っていう人でね。これね、1970年に、選挙によって社会主義政権が当選してですね、大統領になったんですけれども、
    赤江 うん。
    町山 その時に世界は冷戦状態でですね、ソ連と・・・要するに共産勢力とアメリカ側が冷戦で、世界中で戦争をしてたんで、
    山里 ふん。
    町山 CIAがですね、アメリカのCIAが「これは困った。」と。
    赤江 うん。
    町山 いうことで、お金を大量に反社会主義政権側に渡してですね、
    山里 ほう。
    町山 クーデターを起こさせたんですね。
    赤江 へ~。
    町山 ま、こういうことをアメリカは散々やっててですね、
    赤江 ええ。
    町山 エジプトのカイロでの演説でオバマ大統領が謝ってましたけど。「昔、悪いことをやりました。」と。アメリカは。
    山里 はあはあ、はあ。
    町山 あの、『アルゴ』(Algo)って映画が、元々そこから始まりますよね。
    山里 あ、そうだ。
    町山 あれは、イランで、イランの石油をイランの人達が使うようにしよう、っていう政権が民主的な選挙で成立したら、アメリカ側が「バカヤロー!」って言うんで、
    赤江 うん。
    町山 CIAを使ってクーデターを起こして政府を転覆させてるんですよね。
    赤江 うんうん。
    町山 で、それに対して怒ってイスラム革命が起こったんで、アメリカ人たちは殺されそうになる、っていう話が『アルゴ』でしたけども。
    山里 はい。
    町山 ま、世界中でやってるわけですよ。
    赤江 そうなんですねえ。
    町山 これねえ、「敵の敵は味方理論」ていうやつでですね、
    山里 はあ。
    町山 どんなに悪い奴でも、共産主義の敵にまわってたり、イスラム原理主義の敵にまわってくれれば、どんなに悪い奴でも支援してたんですね、アメリカはずっと。
    山里 なるほど。
    赤江 は~、徹底してますねえ・・・。
    町山 徹底しててね、そいつらが物凄い軍事独裁の、もうモノスゴイ独裁者であっても、「共産主義は敵だ!」って言ってくれたり、「イスラム原理主義は敵だ!」って言ってくれたら何でも援助しちゃう、っていうのがアメリカだったんですけども。
    赤江 う~ん。
    町山 それでまあ、チリはですね、CIAの援助によってクーデターが起こってですね、反体制勢力の人達は徹底的に殺されてですね。・・・これ凄かったのは、外国に外交官としてチリの人が行ってたりするでしょ?
    山里 はい。
    町山 社会主義政権のね。
    赤江 ええ。
    町山 で、その後、クーデターで政府がピノチェト政権になった後に、外国に取り残された外交官を暗殺しに行ってるんですよ、わざわざ。
    山里 え!
    赤江 え~!
    山里 根絶やしにしようと・・・。
    町山 わざわざ殺しに行ってんですよ(笑)、外国まで行って爆弾とか使って。
    赤江 うわ~・・・。
    町山 もう徹底的に殺しまくったんですけども。
    赤江 ええ。
    町山 国内では言論統制をして、何も自由に喋れないし、反対勢力は次々と誘拐して、
    赤江 うん。
    町山 あの・・・ま、拷問したりですね、どっか行っちゃうんですよ。
    赤江 ふん。
    町山 これねえ、多分ねえ、埋められてるか。バラバラにされてるか、わかんない・・・死体が出て来ないんですよ、一切。
    赤江 え~・・・。ヒドイことをしてますねえ。
    町山 もう次から次に行方不明になっちゃうんですね。
    赤江 うん。
    町山 もう徹底してやってて、どうしようもなっちゃうんですけども。あの・・・やっぱり段々そういうことをやってると、世界中が注目してくるじゃないですか。
    山里 はいはい。
    町山 ね。で、アメリカの政府は援助してますけど、その頃。ま、ニクソンとかレーガンは援助してたんですけども、普通の人達はやっぱり、「チリはとんでもない」って話になってきて。
    山里 はい。
    町山 で、国際的な目がですね、「これは、ちゃんとした選挙をやらせるべきじゃないか。」と。
    山里 ふん。
    町山 このピノチェトって人を、チリ国民が本当に支持してるかどうか、
    赤江 うん。
    町山 ちゃんと選挙をさせて、それを全世界で監視しよう、って話になるんですね。
    赤江 う~ん、そうですね。
    町山 はい。で、選挙が行われるわけですよ。
    赤江 ええ。
    町山 レファレンダム【referendum】って言うんですけども、信任選挙ですね。このピノチェトを信任するか、しないか。「YES」か「NO」か、っていうのを国民に問う、と。
    赤江 はあはあ。
    町山 という選挙が1988年に起こるんですよ。
    赤江 88年。
    町山 これ、やらされることになるんですよ、政府がね。
    赤江 ええ。
    町山 で、その時に「NO」の側に、要するに「ピノチェトはもう、我慢ならん!」と。
    赤江 うん。
    町山 という「NO」の側に投票させようとする話が、この『NO』っていう話なんですね。
    山里 あ、は~・・・。
    赤江 ふ~ん・・・。
    町山 ハイ、やっと「NO」に行きましたが(笑)。
    山里 辿り着きました!
    赤江 うんうん。
    町山 ただ、これ、だけど、非常に政治的な話のように思うじゃないですか。
    山里 はい。
    町山 違うんですね。これ、主人公はね、テレビマンなんですよ。
    赤江 ええ。
    町山 て言うか、電通の社員みたいな人で、
    山里 日本で言うと・・。
    町山 あの・・・テレビCMを作る、プロの人なんですよね。
    山里 ふんふん。
    町山 CM屋さんなんですよ。
    山里 はい。
    町山 「ホイチョイ・プロダクション」のような人なんですけど・・・あの、言ってももう、わかんないと思いますが(笑)、ハイ。
    山里 「ホイチョイ・プロダクション」。
    町山 ま、要するにテレビCMマンで。その人が、この「NO」っていう方に投票しよう、っていう運動に参加することを決めるとこから映画は始まるんですよね。
    赤江 うん。
    町山 で、テレビCMをやっていいことになるんですよ。
    赤江 やっていいんですか?
    町山 やっていいことになる・・・それまではずっと、ピノチェトに反対する人達は一切の、言論とか出版とかもう、全部禁じられて、テレビに出ることは許されなかったんですけれども。
    赤江 うん。
    町山 今回、信任投票ってことでもって世界が注目してるんで、取り敢えずテレビCMはしていい、ってことになるんですね、反対側も。
    赤江 はあ。
    町山 初めて自分達の意見を言えるチャンスになるわけですよ。
    赤江 ええ。
    町山 で、その、ピノチェト反対派の人達が最初に作ったCMっていうのは、警官隊とか軍隊民間人を殴ったり殺したりしてる映像に、
    赤江 うん。
    町山 「NO!」っていうのを入れて、「我々はこんなに殺されてきた!」っていうのが入ったりですね、
    赤江 うわ、命がけですね。その、コマーシャルを出すのも。
    町山 そうなんですよ。
    赤江 それまでに・・・散々殺されてるんですもんねえ。
    町山 散々殺されてるんですよ。それとか、自分の子供達を殺されたお母さん達が次々と自分の子供の写真を持って、
    山里 うん・・。
    町山 「私の子供達は学生運動をやって、殺されました。」っていうのを次々と言っていく、とか、そういうコマーシャルだったんですね。
    赤江 は~。
    町山 で、それを見た広告マンがですね、主人公の広告マンのレネっていう人がですね、
    赤江 うん。
    町山 それを見て「こんなんじゃ駄目だ!!」って言うんですよ。
    山里 ほう。
    赤江 ダメ?
    町山 「こんなコマーシャル作ったって勝てねえぞ!」って言うんですよ。
    山里 ほう。
    町山 その、反対派の人達に。
    山里 はいはい。
    町山 で、みんなビックリしちゃうんですね。「何でだ?」と。「我々はこんなに殺されてきてて、ピノチェトが酷いってことを訴えられるチャンスなんだぞ!」って言うんですけど、
    赤江 うん。
    町山 「こんなんで、みんな投票に行くと思うの?」って言うんですね、広告マンは。
    山里 ふんふん。
    町山 「オレ、マーケティングをずっとやってっからわかってんだよ!」って言うんですよ。
    山里 すごい、ビジネスな感じですねえ。
    赤江 それ凄いですね。そこでちゃんとマーケティング理論を持ってこれる冷静さがあるんですねえ。
    町山 そう。「オレ、プロだから。」って。要するに、電子レンジとか化粧品の広告を作ってた人なんですよね、その人は。
    赤江 うんうん。
    町山 ま、僕も見ててわかるんですけども、物凄く怖いわけですね。反対的なことを言うと殺されちゃうような世界だから。
    赤江 はい。
    町山 こういうコマーシャルを見せても、ただ怖がらせるだけですよ。
    山里 あ~、そっか。
    町山 こんな、「怖いから反対投票なんか行けない。」ってなっちゃうだけですよ。
    赤江 なりますね、うん。心情的には。
    町山 あと、みんな諦めちゃってるんですよね、もう。
    山里 は~、なるほど。
    町山 その中で暮らしていこう、っていう風に思って、もう心が、15年ぐらい独裁が続いてるから。
    山里 うん。
    町山 独裁しか知らない子供達もいるし。
    赤江 う~ん。
    町山 もう、そっちに慣れちゃって。例えば、北朝鮮で今もし、北朝鮮の政府を、金正日から続く独裁体制に対して「YES」か「NO」かっていう風に聞いたら、多分「YES」なんですよ、みんな。
    赤江 うんうん。
    町山 そういう風に慣れちゃって、そういう風に育てられちゃって、そういう風に頭が完全にセットされてるから。
    赤江 はい。
    町山 ね。だから、これを普通にやっても駄目なんだ、と。
    赤江 うん。
    町山 だからどういう風にやるか?つったら、「楽しくやりましょうよ!」って言うんですよ、その広告マンが。
    赤江 楽しく・・・はあ・・・。
    町山 「楽しくやりましょうよ!」(笑)って言うんですよ。
    赤江 ええ、ええ。
    町山 「ピノチェトなんか許せない♪」って、「歌作りましょう!」つってCMソング作って。
    赤江 うん。
    町山 で、コカ・コーラのコマーシャルとかMTVみたいな楽しいコマーシャルを作っちゃうんですよ。
    山里 へ~!
    NoCm.png
    町山 「我々は~、ホントは自由が好きだ~♪」みたいなことで、「イエ~イ!」みたいなコマーシャルを作っちゃうんですね。
    赤江 うん。
    町山 明るいコマーシャルを。
    山里 はい。
    町山 で、みんなを元気づけるように、自由に向かって希望を持たせるようなコマーシャルを作ろう、ってことで作るんですけども。
    山里 はい。
    町山 それを作ったら、まあ反対派の人達はまあ、頭の堅い左翼が多いんでねえ、
    山里 うん。
    町山 「こんな商業主義の、資本主義的なやつは、オレは我慢ならん!」つってね、みんな怒り狂っちゃうんですよ。
    山里 ほ~、なるほど。
    町山 こんなもんやってらんない、と。
    山里 うん。
    町山 それであとね、奥さんもね・・・奥さんも凄い、ゴリゴリの運動家でですね、何度も捕まってるんですけども。
    赤江 ええ。
    町山 奥さんもね、「私はこんなのは、もう、商業主義的でたまらないわ。私は全然、賛成できないわ。」って、奥さんの心も離れちゃうんですよ。
    山里 ふん。
    町山 その、CMマンの。
    赤江 はい。
    町山 でもね、段々それがね、成功していくんですね、流してみたら。
    赤江 へ~、そうですか・・・。
    町山 ・・ていうのはねえ、ピノチェト側のCMっていうのは、ま、いわゆる独裁政権のCMって大抵そうですけども、
    山里 うん。
    町山 あの・・・プロパガンダってのは。「ピノチェト大統領、バンザーイ!!」みたいなのばっかりなんですよ。
    赤江 うん、うん。
    町山 「我々の国はスバラシイー!!」とかなんか言ってるCMでですね、
    赤江 うん。
    町山 もう、全然、話になんないわけですね。
    山里 うんうん。
    町山 まあだから、北朝鮮の放送みたいなもんですから。
    赤江 なるほど、面白くもなんとも無いわけですね。
    町山 面白くもなんとも無いんですよ。
    赤江 うん。
    町山 で、こっちは面白くしたんで、そっちの方が人気が出てきちゃうわけですよ。
    山里 ふん。
    町山 で、みんな、「やっぱり、ピノチェトは許せないよな。」みたいなことを、軽い気持ちで言えるようになってくるんですね。
    山里 ふ~ん、なるほど。
    町山 で、結構イケるかな?と思うと、もう、凄い弾圧が入ってくるわけですね。
    赤江 ええ。
    山里 あ、やっぱ、そうなんだ・・・。
    町山 まず家に電話がかかってきて。ま、秘密警察とかからですね、
    山里 うん。
    町山 「オマエ・・・オマエの息子って、可愛いよなあ?」とかいう電話がかかってくるんですよ。
    山里 お~!ベタな脅迫が。
    町山 もう、脅迫が。
    赤江 うん。
    町山 それで、家に落書きされたり、あともう、いろんな人に、歩いてると尾行されたりですねえ。
    山里 うわ~・・・。
    町山 でもう、凄い、ま、攻撃がかかってきて、まともに暮らせなくなって、子供とも一緒に暮らせないし奥さんとも別れちゃうし。
    赤江 うん。
    町山 で、どんどん孤立していくだけでなくて、広告代理店の仕事も続けてるんで、
    赤江 ええ。
    町山 すると、上司の方が圧力をかけてくるんですね。
    山里 は~。
    町山 「オマエ、反ピノチェトのCMを作ってるみたいじゃないか。」と。
    赤江 うん。
    町山 ・・で、圧力をかけてきて、どんどん、どんどん、居場所が無くなっていくんですけど、そのレネっていう主人公が。
    赤江 ええ。
    町山 でも、CMの方は段々上手く行くんですね。例えばだから、さっき言った「イエス・ノー枕」のコマーシャルも出てくるんですよ。
    赤江・山里 え?
    町山 あのね、ベッドに入って、旦那さんが奥さんにねえ、「ねえ~、今日イイだろ、イイだろ~?」って言うんですよ。
    赤江 ふん。
    町山 あの・・・「ヤラせてよ~。」とか言うんですよ。
    山里 ふんふん。
    町山 すると奥さんがね、「NO!!」って言うんですよ。
    山里 ふん。
    町山 で、「みんなもピノチェトにNO!」っていうオチがつくんですけど。
    山里 え?!そんな・・・ボケた感じのCMでいいの?
    赤江 え~?!そんなCM?
    町山 そんなCM作るんですよ(笑)。
    赤江 まさに、『新婚さんいらっしゃい!』の・・・。
    町山 ベッドで・・・(笑)。。
    赤江 へ~!
    町山 そういうノリのをいっぱい作るんですね。
    山里 へ~!
    町山 面白いのを。
    山里 うん。
    町山 あと、歌も作ったりいろいろするんですけども。で・・・やってくとですね、とうとうその上司が、自分の広告代理店の上司が、ピノチェト側に雇われちゃうんですよ。
    赤江 うん。
    山里 お?
    町山 それで、その主人公のレネが作ったコマーシャルの、パロディをやってくるんですよ!
    山里 うわ~・・・仕掛けてきた。
    町山 それで、彼がせっかく作った、「ピノチェトにNO!」っていう歌を全くそのまま使って、
    赤江 うん。
    町山 ただ、それを歌ってる人達が、怖い、覆面をしたテロリストだったり、胸にソ連のマークをつけた、モロに共産主義者だったり・・・、
    山里 うわ~・・・。
    町山 そういう、悪いイメージを植え付けるコマーシャルを向こうが作ってくるんですね。
    赤江 うわ~・・・。
    町山 「彼らは民主主義者じゃなくて、共産主義者なんだ!」とか。
    赤江 うん。
    町山 いうようなものを作ってきて。で、さっき言った、ベッドで「いいじゃね~か、いいじゃね~か、」とか言ってるやつで、
    赤江 うん。
    町山 奥さんが「NO!」って言うコマーシャルのあとにオチを付けて、
    山里 はい。
    町山 「やっぱりYES!」とか言って2人がエッチして、
    山里 え?
    町山 「やっぱりYESの方がいいですねぇ。」とか言うんですよ(笑)。
    山里 スゴイな(笑)・・・横取り。
    町山 (笑)・・・横取りなんですよ。
    赤江 そういう、なんか、CM合戦になってくるんですね。
    町山 そう。それで、上司と主人公が、コマーシャルのプロ同士が、コマーシャルの泥沼合戦に突入していく、っていう話なんですねえ(笑)。
    赤江・山里 へ~!
    町山 スゴイ、ヘンな展開なんですけど(笑)。
    赤江 ええ。
    町山 これは面白いなぁ、と思いましたねえ。

    ~Resolution~
    日本の業界人方々も、今こそ・・・

    山里 面白い・・。
    赤江 でも町山さん、やっぱりこれ、事実のそういう・・・時代があって、実際にそういうこと・・・?
    町山 これねえ、使われてるCMは、実際にあったやつを使ったりしてるらしいんですよ。
    山里 え~!
    町山 当時に。
    山里 実際にあった話なんだ。
    町山 はい。だからねえ、この映画ねえ、その当時のCMの画質に合わせるために、
    赤江 うん。
    町山 わざわざ当時の・・・1988年頃の、カメラを使って撮影してるんですね。
    赤江・山里 は~。
    山里 そっか、『アルゴ』のような・・・うん。
    町山 だから、物凄く画質が悪いんですよ(笑)。
    赤江 そうなりますわねえ、どうしてもねえ。
    Canera.png
    町山 そう。当時のカメラって言うと、いわゆるその・・・「シブサン」って言うんですね(笑)、「ユーマティック」(ユーマチック、U-matic)っていうソニーの企画があるんですけど。
    山里 はい。
    町山 アナログビデオカメラなんですね。
    山里 ふん。
    町山 それで撮影してるんですよ。
    赤江・山里 へ~。
    町山 だから最初ねえ、オレ、「なんでこんなに画質が悪いんだろう?」(笑)と思ったら、
    赤江 ええ。
    町山 そういうことだったみたいですねえ。
    山里 そっか。雰囲気出ますもんね、その方が。
    赤江 うんうん。
    町山 そう。
    山里 『アルゴ』の時もそうでしたもんねえ、ちょっと。
    赤江 そうか・・・。
    町山 でも、何十年も前のカメラとか「今動くやつあるのかよ?」って思いましたけど・・(笑)。
    山里 見つけてきて、やってるんですよねえ。
    町山 わざわざ探してきて、それで撮ってるんですねえ。
    山里 スゴイなあ・・・。
    町山 はい。で、これねえ、やっぱり面白いなあ、と思うのは、普通だったらこれ、反ピノチェトで戦う人達が主人公になるじゃないですか。
    山里 はい。
    町山 ねえ、それで、いっぱい殺されてるわけですし・・・。
    山里 うん。
    町山 そうじゃなくて、その、全然関係無い感じの、業界の人ですねえ。
    山里 うん。
    町山 だから日本だったら、なんて言うか・・・ポロシャツの襟立てて、金のネックレスをしてたりするような人達でしょ?
    山里 ナハハ・・今いるんですかねえ?
    町山 (笑)、今いねーか、そんなヤツは。
    赤江 (笑)、いや、それは町山さん、偏った認識かも知れないんですけど(笑)・・・。
    町山 今そんなヤツいないか(笑)。
    山里 バブリーな頃じゃないですか。
    町山 「なんとかちゃんサ~( ゚∀゚ )」とか言って(笑)・・・。
    山里 (笑)・・・
    町山 そういうヤツ、いるじゃないですか。もう、いないか?!(笑)。
    山里 絵に描いたような業界人ね。
    町山 ねえ。そういう感じの人なんですよ、最初は。
    赤江 そういう感じの・・・争いになってくるんですね。
    町山 でも、「ここで戦わなきゃなんない」と。「広告マンの腕が試される時だ」と。それが世の中を変えるかも知れない、っていった時に、彼は、自分の人生とか生活が全部犠牲になっても、その技術を使って、チリを良くしようとするんですね。
    赤江 ふ~ん・・・。
    町山 しかもそれで、反対派仲間からも孤立して、っていう話でねえ。だからこれ、政治的な話っていうよりは、そういうプロフェッショナルがいったい、世の中を変えなきゃなんないチャンスに、どう動くか?っていう話になってるんですね。
    赤江 は~・・・。面白そうですねえ。
    町山 これ、面白いなあ、と思いますよ。
    赤江 しかもその、残虐とか非道な政権に対抗する時に、むしろポップな感じで行く、っていうその方法も、あれ?っていうとこですねえ。
    町山 そうなんですよ。だから彼はプロだから。
    赤江 うん。
    町山 「ポップな方でやんなきゃ絶体ダメだ!」っていう、「みんながノッてこないから!」っていう。「暗い、暗いコマーシャルをやったって駄目なんだよ!」って言うんですよ。
    赤江 ふ~ん・・・。
    町山 ダンサーを雇ってダンサーに踊りをさせてですねえ(笑)、
    赤江 うん。
    町山 ・・・やるんですけど。そういうとこがねえ、面白いなあ、と思いましたねえ。
    赤江 なるほど・・・。
    町山 こういう時って日本には無いですけども、
    山里 うん。
    町山 はっきり言ってまあ、あの・・・大震災とか原発事故とかで、いろいろ実は、やるチャンスってのはあるんですけども、
    赤江 うん。
    町山 こういう時に初めてその・・・今まで、チャラチャラしてると(笑)、言われてた人達のですね・・・試される時だな、と思うんですけども、
    赤江 本領発揮ですよねえ、うん。
    町山 その一方でですね、実はこれと同じ時代、1988年ていう時代はですね、
    山里 はい。
    町山 アメリカでは逆に、CMによる中傷政治CMが始まってる年なんですよ!
    山里 ほう。
    町山 アメリカでは、ブッシュの父親が大統領選に出てるんですけども、この時代に。そこからアメリカではプロのCMマン達が選挙に入ってって、
    山里 ふん。
    町山 その・・・敵陣営に対する、誹謗中傷、デタラメCMを大量に作るような時代になって、
    山里 ふん。
    町山 それから現在までアメリカっていうのは、ホントのプロの・・・広告とかテレビマン達が政治に参加するようになってるんですよね。
    赤江・山里 ふ~ん!
    町山 だからこれはコワイ・・・諸刃なんですよね、諸刃の剣なんですね。
    赤江 は~・・・。
    町山 プロパガンダのプロ達だから、彼らは。
    山里 う~ん。
    町山 人の心をどれでも操れるんで、彼らが正しい方向に動かないと非常に危険だ、っていうね。
    赤江 いや、ホントに。ちょっとしたイメージで、世論がガッ!と変わったりするわけですもんねえ。
    町山 変わっちゃうんですよ。だからこれ、その彼の、主人公の上司が、対抗CMをぶつけてくる時は、やっぱりコワイんですよね。
    赤江 へ~・・・。
    町山 あ、これはどっちにも動くんだ、っていうねえ。
    山里 うん。
    町山 どっちにもできるんだ、この人達は、っていう・・・だから放送業界とかですね(笑)、
    赤江 うん。
    町山 広告業界の人達ってのは実はね、コワイ人達だな、と思いますけどね。
    赤江 は~!
    町山 いい方向に動いて欲しいな、と。
    赤江 ホントですねえ・・・。
    町山 思いますけどね。
    赤江 なんか、いろんな発見がありそうな映画ですねえ。
    町山 いろいろありますよ・・・ホントに。ハイ。
    赤江 またアメリカもいろんなとこに火種を・・・みたいなことも思いますしねえ。
    町山 日本だってずっと、原発のCMをずっとやってたじゃないですか(笑)。
    赤江 あ~・・・。
    山里 そうだ・・・。
    町山 そういうようなことは皆やってるんで。ただやっぱりねえ、作ってる側が意識をちゃんとしないと駄目だな、と。金儲けだけじゃなくて、っていうねえ。
    赤江 う~ん。
    町山 ・・・気がするんですけど。あの・・この映画ですねえ、ただ、日本公開はねえ、えーと・・・映画祭でやったらしいんですけども、
    山里 はい。
    町山 ・・・非常に画質の悪い!映画なんで(笑)・・・。
    赤江 あ~・・、そうなんですね・・。
    山里 それが理由で・・
    町山 これを劇場公開してくれるようなですねえ、日本の映画的状況はあるんだろうか?っていうとこがスゴイ心配なんですが(笑)。
    山里 うわっ!観たいな、コレ・・・。
    赤江 観たいけど、まだ残念ながら日本公開の情報は今のところ、無い、と。
    町山 難しいかな、と思いますね、ハイ。
    赤江 ふ~ん。
    町山 ただねえ、もう、最後の方はもう、『アルゴ』みたいな感じでねえ。もう、ウワー!っと盛り上がりますけどね。
    山里 うわ~!そうだそうだ。だってね、実際に起きた話だから、ちゃんといろいろ、結末もちゃんとあるわけですよね。
    町山 はい。
    山里 今のチリの状況とか考えても。
    町山 もう、これもだから・・・歴史的事実なんでオチを言ってもいいと思うんですけども(笑)。ま、勝ちますからね(笑)、ハイ。
    赤江 そうですよね。
    山里 そうなんですよ。どう勝っていくのか?そこまでどんな苦労があるのか?っていうのがまた、『アルゴ』の時もそうでしたけど・・、
    町山 そうなんですよ。
    山里 ワクワクドキドキ出来るんでねえ。
    赤江 へ~。
    町山 はい。・・・という映画がねえ、チリ映画『NO』でした、ハイ。
    赤江 はい。
    町山 ちゃんと「イエス・ノー枕」の話に繋がってましたからね!
    赤江 繋がりました!確かに、うん。
    山里 繋がった!町山さん。ごめんなさい、オレ、すぐ突っ込んじゃって・・・。
    赤江 (笑)。
    町山 ハイ(笑)・・・。
    山里 また町山さんがさあ、フザケてると思っちゃってスイマセン(笑)。
    町山 ちゃんと考えてますから!・・・(笑)、ハイ。
    山里 (笑)。
    赤江 (笑)・・・、ありがとうございました。今日の『たいしたたま』は、アメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんに、チリ映画『NO』をご紹介頂きました。町山さ~ん、ありがとうございま~す!
    山里 ありがとうございました~。
    町山 どうもでした~!

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