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    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    『ジョーズ』(Jaws)天才スピルバーグの原点 全てがここにある【2013年1月町山智浩の映画塾】

    【予習編】

    この映画から “ジョーズ”=サメとなった

     ハイ。映画塾を御覧の皆さん、映画評論家の町山智浩です。今回ご紹介するのは、もう皆さんお待ちかね、『ジョーズ』(Jaws)です。

     えー、『ジョーズ』、僕、子供の頃観ましたけどねえ、これはもう、大変なもう・・・、「ジョーズ」っていう言葉がいつの間にか「サメ」って意味になっちゃいましたからね。

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     あの(笑)・・・、「JAW」っていうのは、単に、こう・・・口があって、上の歯のとことか、下の歯のとこが「JAW」ですよね。で、2つ上と下で、両方で「JAWS」っていう。だから、「あご」っていう意味なんですけども。いつの間にか「ジョーズ」っていうと「サメ」って意味になっちゃいましたけど(笑)。全然関係無いんですけども、それぐらいまあ、英語を変えちゃう、アメリカでも「JAWS」っていうと「サメ」の意味になっちゃってますから、1つの言葉を変えちゃったぐらいの大ヒットだったですね。

    弱冠28歳にして世界を制覇! 天才スピルバーグ伝説の幕開け

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     で、とにかくこの映画が凄いのは、スティーブン・スピルバーグ監督ですね。当時28歳ですか、ハイ。28歳でこの映画を撮った、というね。

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     もう、それこそオーソン・ウェルズの再来、と。オーソン・ウェルズが『市民ケーン』(Citizen Kane)を撮った時にですね、やっぱり20代でですね、世界中がビックリしたんですけども、これももう、世界中がホントにビックリした映画ですね。

     やっぱりね、これ、スティーブン・スピルバーグ自身がやりたくてやった企画じゃなくて、渡されて仕方無くやった企画にもかかわらず、スティーブン・スピルバーグのですね、その後の長い映画人生の中での原点みたいな映画になっている、と。いう点が面白いですね。

     この映画の中に隠されているスティーブン・スピルバーグ的なものとは何か?っていうものを見ながらですね、考えながら観ていくと、まあ面白いんですけど。

    スピルバーグ永遠(?)のモチーフ “怪獣映画”

     まあ、誰にでもすぐ解るのは、スティーブン・スピルバーグ的なもの、怪獣ですね。怪獣大好き少年ですから(笑)、怪獣が出てくる、と。で、怪獣から逃げるオッサン、ていうのがスピルバーグ映画に必ず出てきます(笑)。

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     スピルバーグはこの前に撮った映画がですね、『激突!』(Duel)という映画でした。映画ではなくてテレビムービーとしてテレビ用の、1時間半ぐらいのものとして作られたんですけども。それは、巨大なタンクローリーを1人のセールスマンが追い抜いたら、それで恨まれてですね、砂漠のど真ん中でそのタンクローリーに追い掛け回されて殺されそうになる、というですね、映画を撮りまして。映画っていうかテレビムービーを撮りまして。

     それがまあ、あまりにも面白い、っていうかあまりにも怖かったんで、全世界で劇場公開される、と。いうことで、
    「じゃあ、お前。ちょっとそのトレーラーを怪獣みたいにして撮ったんだから、お前、サメ映画撮れるだろう!」
    みたいな(笑)、安易なことでですね、これを撮らされることになったんですけれども。

     「怪獣に追われる男」っていうのは、その後ずっと、スピルバーグは撮り続けるということになって、非常に面白いなと思いますね。

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     有名な、っていうか、ま、1番みんなが思いつくのは『ジュラシック・パーク』(Jurassic Park)ですね。『ジュラシック・パーク』は恐竜に追っかけられ続けるオッサンの話ですけども。あの・・・オッサンは最初、ただ逃げまわってるだけなのに、だんだん、子供達を抱えてですね、逃げてく内に成長していくと、いう話が『ジュラシック・パーク』でしたけども。

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     『ジョーズ』も全くそういう話で、この主人公のロイ・シャイダーが警察署長なんですけれども、田舎町の海水浴場の警察署長で、元々はニューヨークの警察官だった、と。でも暴力があんまり多いんで嫌だから、つって、何にも起こらない、海水浴場のある所に逃げてきたという、非常にですね、腑抜け男なんですね。それがですね。そこへせっかく逃げてきたにもかかわらず、怪物に襲われて、しかも自分達の子供が危なくなる、と。それで父親として戦わざるを得なくなるということで、自分の恐怖と立ち向かう、という物語ですね。

     特にその、ロイ・シャイダー演じるブロディーは、海が怖いという設定になってるんで、自分自身の海が怖いっていうことを克服すると、いうことで大人になる、っていう物語で、まさにスティーブン・スピルバーグが『ジュラシック・パーク』で描いているものの原点がここの中にあります。

    お馴染みの ジョン・ウイリアムズタッチもここから・・・

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     あとですね、スティーブン・スピルバーグ的なものの原点ていうと、ジョン・ウイリアムズの音楽なんですね。ジョン・ウイリアムズっていうと今はもう、みんな、『スター・ウォーズ』の人と思ってるんですけども、実は、この頃はまだ、そういうオーケストレーションの人じゃ無くて、この人は元々、ジャズ畑の人なんですよ。これをやる前とかは、結構、ジャズ的な映画をやってたんですけども、この辺からですね、どんどん、いわゆる「ジョン・ウイリアムズ的」な世界に入っていくんですけども。

     とにかくこの映画で1番、映画を観た人達が、
    「あっ!!」
    って感じでこの映画にのめり込んでったってのは、1番冒頭の、サメの視点で海の中を泳いでいく、というですね(笑)。よく考えるとものすごくバカバカしいシーンでこの映画は始まるんですね(笑)。有名なあの、ジョン・ウイリアムズの音楽で、
    「ドゥードゥ、ドゥードゥ、ドゥダドゥダドゥダドゥダ・・」
    って音楽で、サメの視点でカメラがずっと、水中を動いていくんですけれども。

     あの音楽っていうのは、スピルバーグ自身が、こういう感じで、ってことで指示してるんですね。だから、今のジョン・ウイリアムズっていうのは、実はスピルバーグによって生み出されたものでもある、と。

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     で、どういうものを指示したか、って言うと、ディズニーの映画で『ファンタジア』(Fantasia)ってのがあるんですよ。『ファンタジア』ってのは、いろんなクラシックの名曲にアニメーションをつけた物なんですけれども。

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    その中で『春の祭典』(原題フランス語:Le sacre du printemps, 英語:The rite of spring )ていう、ストラヴィンスキーのバレー音楽が使われるですね、恐竜がメチャクチャ暴れる、っていうシーンがあるんですね。その中であの、ティラノサウルスが出てくる時にかかるのが、ストラヴィンスキーの『春の祭典』の中の、
    「ドゥードゥ、ドゥードゥ、ドゥダドゥダドゥダドゥダ・・」
    っていうシーンで、ティラノサウルスが出てくるんですよ。

     ・・・そこを使ってるんですよ、そのまま。でもアカデミー作曲賞を獲ってるんですよ。・・・トンデモナイ奴ですよ、コイツ(笑)。パクリですから!ハイ(笑)。(いいのか?!)と僕は思いますけど。ホントに聴き比べると全く同じです。ハイ。

    ディズニー『ファンタジア』から スピルバーグ作品への連環

     ただ、これで面白いのは・・・スピルバーグが、ストラヴィンスキーの『春の祭典』で【ティラノサウルス】が、襲ってくるシーンの、音楽を使ったってことですね。『ジュラシック・パーク』を予言してるんですよ。

     だから、映画っていうのは面白いな、と思って。押し着せの企画であっても、やっぱり作家性っていうものは出てくるんですね、最初の方の映画には。ハイ。

    もしもあのスーパースターが 主演だったら…

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     ロイ・シャイダーの役はね、元々、スティーブ・マックイーンがやる予定だったんですね。で、スティーブ・マックイーンにスピルバーグは実際に会ってるんですけども、スティーブ・マックイーンは、スピルバーグが考えた、臆病な警察官が怪物と戦うことで大人になっていく、っていう話を聞いて、
    「オレ、そんな奴じゃねーから。」
    つって断った(笑)、という、非常に有名な話があって。ま、スティーブ・マックイーンだと最初から、
    「サメか・・・殺ってやるぜ!!」
    みたいな話になって全然違うストーリーになってましたね(笑)、ハイ。

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     ロイ・シャイダー自身も実はニューヨークのタフな警官ていうんで、『フレンチ・コネクション』(The French Connection)に出てるんですけども、この映画の中では、腑抜けな警察官を上手く演じています。

    “逆ズーム”と“スピルバーグ・フェイス”

     他にですね、スピルバーグの原点というと、「逆ズーム」ですね。もう、スピルバーグ映画っていうと必ず「逆ズーム」。「逆ズーム」っていうのは、これちょっと、説明しますとですね、

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    「ズームアップをしながら、トラックバックをする」もしくは、
    「ズームダウンしながら、トラックアップする」っていうやり方があるんですね。なんていうかね・・・ズーミングをしながらですね、カメラ1台動かすんですよ。それで、画面の中での、人の顔を固定するんですね、フレームの中で。

    13PERS.png

     それをやると、背景のパースペクティブだけが変わるんですよ。

    Zoom.png
     この映画の中で非常に有名なのは、サメがとうとう、海水浴場で人間をバクバク喰いまくる、というところで。



    ロイ・シャイダーが浜辺で愕然として動けなくなる、っていうシーンで、ロイ・シャイダー自身は動かないんですけど背景だけはグーって動く、っていうシーンがあって。



     それはその「逆ズーム」によって撮られてるんですが、スピルバーグの映画っていうと必ずこれが出てきますね(笑)。ハイ。


    それともう一つは、「スピルバーグ的、顔」っていうのがあるんですけど。

    SpilBergFACES.png

    スピルバーグの映画に必ず出てくるのは、ま、今の「逆ズーム」のシーンでもそうですけども、トンデモナイことが起こって主人公達が
    「・・・・・」
    って見てる、っていう(笑)・・・。それは、ま、『未知との遭遇』でもやってますし、まあ・・・いつも、やってます(笑)、ハイ。どの映画も全部出てきます! 14MICHI.png
    あの、
    「うわ~・・・」
    っていう、「スピルバーグ・フェイス」とか言われてるもので、それも原点はこの映画の中にありますね。はい。


     ということで、まあ世界一の、はっきり言って、ま、世界一の映画作家であるスピルバーグの原点、全てが詰まってる映画が、この『ジョーズ』です。ハイ。

     詳しい話はネタバレになりますんで、「復習編」でもっと詳しく解説します。ハイ。それでは、『ジョーズ』、是非、ご覧ください。

    【復習編】

    天才スピルバーグ出世作の裏側 現場は大混乱・・・

     ハイ。えー、『ジョーズ』、皆さん、どう御覧になりました?

     ま、本当に面白い映画で、面白くて深くてですね、とても・・現場でメチャクチャだったとは思えないんですけども(笑)。この映画、実は現場、メチャクチャだったんですね。

     どういうふうにメチャクチャだったか、っていうと、スピルバーグがまだ若すぎて、20代・・ま、28歳だったんで、誰も言うことを聞かなかった(笑)と。

    15SHOW.png

    「こんな小僧の演出とか、冗談じゃねーよ!」
    って感じで、ロバート・ショウとかメッチャクチャ態度が悪くてですね、話聞かなかったらしいんですよね。言うことを聞いてくれたのは、同年齢のリチャード・ドレイファスだけだった、というですね。まず、演出家の言うことを誰も聞かない、と。

     で、もう1つはその、「サメ」。あの、ジョーズちゃんですけど、「ブルース」っていう名前で呼ばれてたんですけども。これがですね、ロボットで作られてんですが、これが全く動かなかったんですね。機械仕掛けなんですけども、
    「グワーッ」
    とかいって水辺から出てきて、そのまま止まっちゃったりとかですね、全然動かない、と。故障ばっかりで。しょうがないからスピルバーグは、
    「じゃあ、これ、殆ど画面に出さないで行こう」
    と、決めたんですね。だから画面に殆ど出てこないんですよ。

     かえって面白くなったんですね。出さない。怪物をなかなか見せない。見えたくてもボロくて(笑)見せられなかったという、ただそれだけのことだったんですけどもね。

     でも、現場ではとにかく・・・これで止まっちゃうもんだから、撮影が進まないから、みんなイライラ、イライラしてですね、もう雰囲気最悪だったみたいですね。それでスピルバーグ自身も、この映画が成功するとは全然思ってなかったんですね。

     で、やっぱり何ヶ所か足りないシーンがある、ってことでもって、全ての撮影が終わってから自費でもって、撮り直しとか撮り足しとかもしてるんですね。ホントに苦労して作った映画なんですね、『ジョーズ』っていうのは。

    後の映画にも大きな影響!? “傷見せシーン”

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     この映画はですね、ロイ・シャイダー扮する警察官、主人公ブロディーと、鮫獲りのプロのロバート・ショウ。爺さんですけども。それと、サメとかを研究してる海洋学者のリチャード・ドレイファスって、この3人の3世代ですね。だから、ロイ・シャイダーで40ぐらいで、リチャード・ドレイファスがまだ20代後半、30手前ぐらいですね。で、ロバート・ショウがまあ、60ぐらい、っていう、この3世代が、最初ものすごく仲が悪いんですよ。

     ところがですね、一緒に鮫獲りをしてる・・鮫獲りっていうかジョーズと戦ってる内に仲良くなるんですが、1番仲良くなる決定的なシーンてのは、自分達で傷を見せ合う、っていうシーンがあるんですね。船の上でね。
    「ここ、喰われてさあ・・・」
    みたいな。で、あれで仲良くなるんですけども、あのシーンてのはいろんな映画にね、その後使われてますね。

    16RWEAPON.png

     1番有名なのは『リーサル・ウェポン』の中で、メル・ギブソンが好きな女刑事と2人でですね、
    「私はここを撃たれたのよ。」
    「オレはここを骨折して・・・」
    とか言って、互いに自分の身体のですね、撃たれた傷とかを見せ合ってるうちに興奮してセックスする、っていうとんでもないシーンがありますけれども(笑)、ハイ。あれの原点これですから!『リーサル・ウェポン』の、ハイ。
     ま、だんだん傷をですね・・こういうとこを見せててね、そのうちにね、
    「ウ~ッ!!」
    ってムラムラしてね、ヤッちゃう、っていうシーンがありますが(笑)。あれはまあ。これが元ですけれども、ハイ。

    17SMITH.png

     あとですね、この3人の関係とか、『クラークス』(Clerks.)とかの監督をしてる、ケビン・スミスっていう映画監督がいて、彼は『ジョーズ』が大好きで、主人公達の名前を、ブロディー、クイント、フーパー、っていう『ジョーズ』の主人公達の名前にしたりですね、この傷見せシーンとかをパロディにしたり。

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     傷見せシーンのパロディはですね、『チェイシング・エイミー』(Chasing Amy)って映画の中で出てきますが、セックスしてる時にあった嫌なことを互いに自慢しあう、っていうシーンで、これのパロディをやってます、ハイ。ろくな物が無いですが(笑)。ハイ。

    インディアナポリス号の悲劇

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     それであとですね、シーンの中で、「インディアナポリス号」っていう軍艦が、日本軍によって沈められて、沈められた乗組員たちがサメに喰われて皆死んでしまった、っていう話をするシーンがあるんですけども。あれは、ま、原作にもシナリオにも無くてですね、あれはジョン・ミリアスっていうスピルバーグの友達の、軍事オタクの映画監督がいて、彼が提供したエピソードなんですね。

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    ジョン・ミリアスって人は、軍事的な歴史については、それこそアメリカ軍の戦史だけじゃなくて、モンゴルの戦史とかですね、日本の戦国武将の戦史まで知ってるですね、どうしようもない軍事オタクなんですけども、彼が、そのインディアナポリス号の話をしたんですね。

     インディアナポリス号の事件ていうのは、すごく重大な事件になってですね。つまり、戦艦が沈められた時に乗組員たちがサメに喰われてしまう、と。で、そのサメをどうするか?っていうことでですね、サメに喰われないようなクスリを開発するとかですね、その後、いろんなことになって、それも映画になってますね。
    「いかにしてサメに喰われないか」
    っていう映画があるんですよ(笑)。それも面白いなと思いますけど。

    今や伝説となった決めゼリフ! 「笑え!・・・」

     あとですね、最後ですね、ジョーズ・・・ジョーズって・・サメのことじゃない・・・サメがですね(笑)!・・ええ、ま、爆死しますけども。爆死するとこでですね、ロイ・シャイダーがライフルでもって、彼に咥えさせた圧搾空気のボンベを撃つ時にですね、
    「Smile,You.Son of a bitch.」(スマイル、ユウ。サナバビッチ!)
    って言って撃つんですね。これ、
    「笑え!怪物め!!」
    とかいう訳が、よく、日本では字幕とかで作られてますけど。このセリフもいろんな映画に出てきます。ハイ。

     最後に敵にトドメを刺す時に、
    「Smile,You!」
    っていうのがモノスゴク多いんですよ。
    「笑えよ!貴様!」
    っていうのがいっぱい出てきて、まあ、そういうのの原点になっていますね。

    天才スピルバーグの原点“怪獣映画”

     あとですね、この、ジョーズがですね・・・ジョーズじゃない!って(笑)、サメがですね(笑)、えー、頭が吹き飛ばされながら、
    「ブ~・・・」
    って水に沈んでいく、っていうシーンで、断末魔の悲鳴をあげるんですよ。
    「ウ~ウォワ~~!」
    頭吹っ飛んでんのに、どうして(笑)?!大体、サメ、吠えないだろ、お前、って思うんですけれども、

    22HANGYO.png

    あの、
    「ウ~ウォワ~~ア~~~!」
    っていう、断末魔の声っていうのは、『アマゾンの半魚人』(Creature from the Black Lagoon)っていう、ユニバーサル映画の、怪獣映画の、アマゾンの半魚人が死んでいく時の声を使ってるんですね。

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     スピルバーグ自身は『ジョーズ』を、ユニバーサルスタジオで撮りました。ユニバーサルスタジオっていう会社は、昔々、『ドラキュラ』とか『フランケンシュタイン』とかをやってる頃からですね、世界中の怪獣の著作権をどんどん集めていって、いろんな怪獣映画のキャラクター権を取ることでもって生活していくという、不思議な映画会社で、ディズニーとおんなじですね。ディズニーは『白雪姫』とか『シンデレラ』とか、世界中のいろんなお伽話を映画化することで、それを自分達のキャラクターとして取り込んでいくという会社だったんですけれども、ユニバーサルは、『フランケンシュタイン』とか『ドラキュラ』とか(笑)、いろんな怪獣を取り込んでいくことで、ま、ユニバーサルスタジオっていう遊園地を運営してる、と。

     全く、ホラーのディズニーが、ユニバーサルスタジオなんですよ。運営方法がおんなじです、全く。ハイ。今、だから『フランケンシュタイン』ていう映画を作る時は、ユニバーサルにお金を払わなきゃいけないんですよ。ミッキーマウスみたいな感じでね(笑)。

     それで、その中で『ジョーズ』を作った、ってことは凄く、スピルバーグにとっては誇らしかったことなんですね。つまり、怪獣映画の帝国・・・だから、東宝みたいなもんですよ、ユニバーサルっていうのは。そこでゴジラ映画を任された、みたいなことで、だから、ユニバーサルの怪獣の原点である、アマゾンの半魚人の声を使った、と。

    24GEKITOTSU.png

     その前に『激突!』(Duel)って映画でもって、最後に、襲ってくるタンクローリーが崖から落ちる、というシーンがあるんですが、そのシーンでも、タンクローリーが崖から落ちながらですね、
    「ウォェァ~~!!」
    って吠えるんですよ。タンクローリーは吠えね~だろ!っていうねえ(笑)・・・、問題があるんですけど、それもねえ、『アマゾンの半魚人』の音声を使ってるんですね。

     だから、スピルバーグにとっては、全てが怪獣、というですねえ。ホントに怪獣王子だな、というのがね、この『ジョーズ』から始まってる、と。怪獣も極めていけば、世界一の映画監督になれる、という点で、皆にバカにされてる怪獣オタクの人達もですね、まあ、怪獣オタクっていう穴をどんどん掘っていって、鉱脈を見つけて欲しいと、思いますが、ハイ。

     ということで、まあ、全てのスピルバーグ作品の原点、『ジョーズ』、いかが御覧になりましたでしょうか?ハイ。それでは、映画塾で、また、お会いしましょう。

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