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    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    故・深作欣二監督インタビュー【ウエイン町山のモンドUSA2003年2月配信】

     今回の記事は、今からちょうど10年前、2003年の2月、深作欣二監督御逝去直後に『モンドUSA』で配信された音源です。記事内の深作監督へのインタビューはその更に2年前、2001年、セプテンバーイレブン以前のハリウッドでのものです。

     インタビュー部分の音源の録音状態が悪く聞き取り不能な部分が多かったので、同伴者の英語質問の部分は通訳部分のみに割愛させて頂きました。―― 部は通訳の方の発言、町山さんの質問部分だけ明示いたしました。

     また、音声中には故人への批判となる発言や、今現在、町山さんが心の師と仰ぐビート某さんへの批判もありましたが、当時の日本(映画界のみならず日本全体)を覆っていた不穏な空気への町山さんの憤りが表れていると思い、あえてそのまま文字におこしました。(深作監督が亡くなられた直後ということもあり、かなり感情的になられている部分もあったのではではないかと推察されますが・・・)

     ただ、深作監督と町山さんの対談、それ自体が非常に貴重であり、特に深作監督のメッセージと、それを代弁する町山さんの解説には胸を打たれるものがあり、個人的には、町山さんのコラムの中でもベスト3に入るものだと思っております。

     前半のゴールデングローブ賞の解説も面白く、最近は一般メディアへの出演も増えて超ご多忙な町山さんですが、またこういった『モンド』なじっくりトーク物も復活させて欲しいですね~。(映画特電もすっかり御無沙汰ですし)

                  ― 2013/02/10 aCuriousuMan ―

    ~Setup~
    2003年第60回ゴールデングローブ賞発表

    アカデミー賞とゴールデングローブ賞の違い

     はい、町山智浩です。今週もよろしくおねがいします。・・というわけで、アメリカではゴールデングローブ賞が発表になったんですけれども、ゴールデングローブ賞というのはニューヨークの映画批評家が選んだ賞で、これが、大体まあ、これから発表されるアカデミー賞の目安になるんじゃないか、って言われてるんで、結構注目されてるんですが。

     ま、アカデミー賞っていうのは、ハリウッドの映画業界の人達が内輪で選ぶ賞なんで実はあんまり当てにならないんですよ。1番有名なんですが、別に、良い映画が選ばれるわけじゃないんです。

     内輪で人気のある人。要するにハリウッドの俳優とか、監督とか、プロデューサーとかの中で人気がある人が賞を獲っちゃう、っていうね。だから、あの、ホントに良い映画で、結構難しい映画だったり、ハリウッドに対して批判的だったりする映画ってのはなかなか賞を獲りにくかったりするんですね。ホントに内輪な賞なんで。

     で、それに比べてこのゴールデングローブ賞っていうのは、批評家が選ぶんで、もうちょっと客観的なんで、少し、内容的には信用できる、って言われてるんですが。日本ではゴールデングローブ賞を獲ったかどうか全然わからない、というか、ゴールデングローブっていったい何なのかが全然わからない、っていう人が多いんですけども。

     グローブ、ってのは手袋じゃないですからね。これは、あの、地球の形をしてるんですが、グローブってのは地球のことで「金色の地球」、なんですね。それでも何言ってるかわからない(笑)ですが。

    ゴールデングローブ達

     ということで、今年、何が賞を獲ったか、ちょっと見ていきますね。

     これは、アカデミー賞と違って、作品賞が2部門に分かれてるんですよ。ドラマ部門とコメディー・ミュージカル部門というのに分かれてまして。ドラマ部門の方は、、『アワーズ』(『めぐりあう時間たち』(The Hours))っていう映画が獲りましたね。3世代に渡る、3人の女性がいるんですね。メリル・ストリープが現在の女性で、終戦直後の女性を演じてるのがジュリアン・ムーア。それで19世紀の女流作家で、ヴァージニア・ウルフを演じてるのがニコール・キッドマン。で、その3人の話を同時進行で描いていく、という映画なんですけども。非常にテクニカルな脚本で、これが、作品賞を受賞しました。

     次にミュージカル部門ていうのは『シカゴ』(Chicago)。えーと、『シカゴ』はブロードウェイの結構大ヒットしたミュージカルの映画化で、シカゴがアル・カポネに仕切られてた1930年代の、ギャング時代を舞台にしたミュージカルなんですけども。

     ドラマ部門の主演男優賞はジャック・ニコルソン。これは『アバウト・シュミット』(About Schmidt)って映画で。これはねえ、アレクサンダー・ペインていう、僕が非常に好きな監督がいるんですけど、その人の監督作品で。ま、定年になったビジネスマンがジャック・ニコルソンで、定年退職して、娘の結婚式に行こうとすると娘から嫌われちゃって。それで自分自身は凄く立派なビジネスマンだと思ってたのに、実は何にもしてなかった。で、奥さんも死んじゃって、自分に何も残されてない、ってことに気付いて愕然とする、っていう話で。

     これはね、おそらく黒澤明の『生きる』に影響を受けてるんですね。あれもまあ、癌で、もうすぐ死ぬっていう宣告をされた、役所に勤めてる男が志村喬なんですけども。今まで自分は何もしてこなかった。自分は実は、ご飯を食べるために働いてただけで、何も、人間として、世の中に残る大事なことを、何もしてなかった、ってことに気がつく、っていう映画だったんですけども。

     このアレクサンダー・ペインてのは非常に黒澤明の大ファンで、まあ、『生きる』に多分、影響を受けて作ったんだろうな、と思うんですが。で、それにしょぼくれオジサンの役で主演したジャック・ニコルソンが、何度目かなあ?、もう。わからないですけど、また主演男優賞ですね。ま、本人はね、全然そういう人じゃなくて、もう60を過ぎてるのに若いオネーチャンと付き合って、遊び呆けてる人ですけど。

     で、主演女優賞の方はニコール・キッドマン。これは『アワーズ』なんですけど。これはなんて賞を獲ったか、って言うと、彼女が演じてるのはヴァージニア・ウルフなんですが、ヴァージニア・ウルフってのは、ちょっと鼻がデカくて寄り目で、決して美人と言える人じゃ無かったんですね。で、それをあのニコール・キッドマン、あんな美人が特殊メイクで、自分の顔を徹底的に変形させて演じてるんですよ。

     これで問題だなあ、と思うのは、ニコール・キッドマンみたいな美人が、そういうブスの女の人の役まで取っていっちゃったらブスの人はどうしたらいいんだ?っていうねえ・・・。そんな、独占禁止法違反じゃねえの?って問題があるんですけど。また、もう1つの問題は、ニコール・キッドマンて鼻のところが魅力的でしょ。あの・・鼻のところがね、不思議な鼻をしてるんですよね。鼻の真ん中がちょっと割れててね。それを隠しちゃってるんで、全然ねえ、ニコール・キッドマンの意味が無い、っていう気もするんですが・・・。そのニコール・キッドマンが『アワーズ』で獲りましたねえ、主演女優賞を。

     えっと、主演女優賞のコメディー・ミュージカル部門は、レニー・ゼルウィガーが獲りましたね、『シカゴ』で。これ、まあいいか、って気がするんですね。あの・・・ま、レニー・ゼルウィガーはホント、ブスですからねえ。こんなブスの子が主演女優賞を獲っちゃうんで、ま、ニコール・キッドマンがブスの役をやっても・・ま、いいか、っていう。

     で、コメディー・ミュージカル部門の主演男優賞はリチャード・ギア。『シカゴ』ですね。この人、実は似たような映画で昔、『コットンクラブ』(Cotton Club)って映画で、やっぱりギャング物で、1930年代のギャング物でミュージカルみたいな映画に出てたんですけども。

     助演男優賞はクリス・クーパー。これ、『アダプテーション』(Adaptation.)て映画ですね。助演女優賞も『アダプテーション』のメリル・ストリープです。「アダプテーション」てのは脚色って意味なんで、ま、脚色についての苦労話です。シナリオを書くことについての物語なんですが。

     主人公はシナリオライターで、ハリウッド的なセックス、ドラッグ、バイオレンスを盛り込め、っていうハリウッド的な、いかにもハリウッド的な商業主義が嫌で、なかなかシナリオが書けないんですが、後半どんどん、彼自身の人生がセックス、ドラッグ、バイオレンスに巻き込まれていくんですよ。その中でメリル・ストリープが、メリル・ストリープってちょっと、ま、ホントに地味なおばさんの役が多いんですけども、セックス、ドラッグ、バイオレンスを、1人でやっちゃうんですね。で、みんなビックリ、っていう(笑)・・。あの・・・オチを言うとね、勿体無いんで言わないですけど。メリル・ストリープのセックス、ドラッグ、バイオレンスが見れる、っていう・・。嬉しいのか嬉しくないのかよく分からない、っていう展開が『アダプテーション』て映画でしたけど。

     で、監督賞がなぜかね、マーティン・スコセッシなんですよ。『ギャング・オブ・ニューヨーク』(Gangs of New York)ですねえ。この『ギャング・オブ・ニューヨーク』、大コケしましたね。客、誰も来なかった、っていう。あれだけお金かけて、ねえ。ま、酷い話でしたけどね。

     アメリカ人でも日本人でも怒ってる所はおんなじで、結局、父の復讐をするレオナルド・ディカプリオが、父の仇が男として非常に立派な人間なんで、それをまあ、倒して乗り越えて、成長していく、っていう物語なんですよ。普通まあ、そうですよねえ。ところが最後に決闘しないで終わっちゃうんですねえ。なんか、偶然が重なって、勝手に父の仇が死んで終わっちゃう、っていう。客がみんな、
    「ふざけんな、バカヤロー!」
    って怒った、っていう。・・・ま、普通、怒るわな(笑)・・・。

    空っぽになったハリウッド

     ・・・以上がまあ、大体のゴールデングローブ賞の受賞作品なんですが。候補作としてあがった映画っていうのは、ま『ギャング・オブ・ニューヨーク』ですね、『アバウト・シュミット』、さっき言いましたね。『シカゴ』、『アワーズ』、これも言いましたね。で、あと、『ピアニスト』って映画ですね。これは日本では『戦場のピアニスト』(The Pianist)ってタイトルで、いわゆるホロコースト、ユダヤ人大虐殺の中に巻き込まれたクラシックピアニストの話ですね。ヨーロッパですね、舞台は。で、あとは、『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』(The Lord of the Rings: The Two Towers)ですね。それと『アダプテーション』ですね。

     これ、見て、(あれ~?)って思うのはねえ、ハリウッド映画が1本も無いんですねえ。多分アカデミー賞もねえ、これと殆ど同じ面子になると思うんですよ。

     ハリウッド映画が1本も無い・・・で、ハリウッド映画っていったい何か、っていう話をしますと、ハリウッド映画っていうのは・・何だかわかります?・・・ハリウッドで作ってる映画ですよね、普通に考えると。具体的には、何をハリウッド映画か、って言うと、いわゆる、ハリウッドにはスタジオ、ってものがあったんですね、撮影所。どういうのがあるか、って言いますと、20世紀フォックス(Twentieth Century Fox Film Corporation)、ワーナー・ブラザーズ(Warner Bros.)、コロンビア(Columbia Pictures Industries Inc.)、ユニバーサル(Universal Pictures)、MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー:Metro-Goldwyn-Mayer Inc.)、ユナイテッド・アーティスツ(United Artists Entertainment LLC)、っていうとこですね。あと、パラマウント(Paramount Pictures)。・・・パラマウントが1番有名ですけど(笑)。ていうのは、パラマウントだけなんですね、実はハリウッドの中にスタジオがあるのは。他はみんな、ハリウッド周辺に散らばってるんですが。でも、総称してハリウッドって呼んでるんですね。

     ま、それはいいとして、今回、アカデミー賞候補になるだろうと思われるゴールデングローブ賞候補作品をズラッと見ると、1本も、今言った、パラマウント、FOX、コロンビア、ワーナー・ブラザース、こういった会社の映画が1本もないんですよ。

     『アバウト・シュミット』ってのは、ニューライン(ニュー・ライン・シネマ:New Line Cinema)ていう新興の会社ですね。昔この、ニューラインて会社は、『ピンク・フラミンゴ』(Pink Flamingos)とかゲテモノ映画を作ってたちっちゃい会社なんですよ。それで、『エルム街の悪夢』(A Nightmare on Elm Street)シリーズでお金持ちになって大きくなったんですけども、そこの映画ですね。『アバウト・シュミット』はそれで。

     

     ま、『ロード・オブ・ザ・リング』もそれですけど、『ロード・オブ・ザ・リング』にいたっては、撮影を全部ニュージーランドでやってて、全然ハリウッドに関係してない、っていう。スタッフも全員ニュージーランドの人、っていう。ま、アメリカ映画ですら無いんですねえ。

     で、『ギャング・オブ・ニューヨーク』。これはまあ、ニューヨークっていうタイトルがついてますけど、ニューヨークの映画会社、ミラマックス(Miramax Films)の映画です。ミラマックスっていう映画会社は、ニューヨークに本社があって、ま、ミラマックスってマークが出る時にニューヨークの摩天楼が出ますよね。それでわかるように、
    「ニューヨークの映画なんですよ!」
    「我々はハリウッドじゃないんです。ニューヨークの映画会社なんです!」
    ってことを非常に主張してる映画会社なんですが、そこが作ったのが『ギャング・オブ・ニューヨーク』。しかも撮影が全部イタリアでやってる、と。

     で、『アワーズ』。この映画もミラマックスの映画ですね。これも撮影をかなり、ヨーロッパでやってるんですねえ。で、もう1本ミラマックスがはいってるんですねえ。『シカゴ』。この『シカゴ』ってのはシカゴを舞台にしてるにもかかわらず、シカゴで撮影してないんですねえ。カナダのトロントなんですよ。カナダのトロントってのは実はシカゴとスッゴい近いんですけども(笑)、カナダなんですね。湖を渡って向こう側なんですよ。

     あと『ピアニスト』。これは外国映画ですからね。これ、ヨーロッパ映画ですね。

     で、『アダプテーション』。今はソニーって名前になっちゃったコロンビア映画が配給してるんですが、配給だけなんですねえ。お金を出してるのはカナダとか、まあ、アメリカ国外の映画会社と、アメリカの中の小さなプロダクションなんですよ。

     全然、いわゆるハリウッド映画が無いんですねえ。しかも、ハリウッドで撮影をした映画はこの中に『アダプテーション』だけ、っていうねえ(笑)。『アダプテーション』はさっき言った、脚本家の話なんで舞台がハリウッドになるんですけども。

     撮影すらハリウッドで、もう全然やってないんですよ、もう。で、映画会社も全部ハリウッドの外。ハリウッド映画は何も無い(笑)。それでアカデミー賞。アカデミー賞を選ぶのはハリウッド人種が選ぶんですねえ。いわゆる俳優とか、プロヂューサーとか・・・。非常に奇妙な事態になりましたねえ。

     ハリウッドてのはあの・・・ホントにもう、空っぽになっちゃってるんですね。さっき『シカゴ』の撮影をトロントでやった、って言ったんですけども。トロントとかバンクーバー。アメリカ映画ってのは最近、カナダで撮影してますし、あとニュージーランドでも撮影してますねえ。

    ハリウッド映画ではないスターウォーズ

     1番面白いのはねえ、例えば『スター・ウォーズ』(Star Wars)シリーズってありますねえ。『スター・ウォーズ』ってのはハリウッド映画だと思ってる人はいっぱいいるんですよ。全然!ハリウッド映画じゃ無いんですねえ。ハリウッドに何の関係も無し。『スター・ウォーズ』を作ってる映画会社のルーカス・フィルム(Lucasfilm Limited)っていうのは、家の近所にあるんですよ。サンフランシスコの北側のマリーンていう所にあるんですけども。で、撮影は全部ニュージーランドでやってるでしょ。編集とかそういうのも全部サンフランシスコ周辺でやってるんですよ。全然、ハリウッドは関係無い。ただ20世紀フォックスっていう会社を通して配給してるんで。配給だけ、20世紀フォックスがしてるだけ。

     で、俳優もねえ、全然ハリウッドの人はいないんですよ。まずユアン・マクレガー。あの人はスコットランドのひとでしょ。ナタリー・ポートマン。あの子はイスラエルの子でしょ。ヘイデン・クリステンセンは、カナダの子ですね、確かね。・・・全然あの、ハリウッド人種が出てない、っていう。

     それでも、日本人はよくわかってないから、『スターウォーズ』っていうとなんとなく、ハリウッドの映画かな、と思ってるんですねえ。あの・・20世紀フォックスのマークが出てくるんですね、最初に。
    「パンパカパーン、パパパパーン」
    つって、あれの背景がハリウッドなんで、そう思うんじゃないかと思うんですけども、全然関係無いんですよね。

     ま、今回、もうすぐアカデミー賞候補が発表になりますけれども、見てて思うのは、とにかく、
    (ハリウッドって、もう、どっかに行っちゃってるな)
    (空っぽだな)
    って思いましたね。

    ~Conflict~
    ハリウッドインタビュー『深作欣二 バトル・ロワイアル 町山智浩』

    インタビューまで

     今週のハリウッドインタビューは、ハリウッドでおこなった、深作欣二監督のインタビューをお送りしたいと思います。先日お亡くなりになりまして、その追悼の意見を込めまして、一昨年、2001年春にハリウッドで行いました、深作欣二監督のインタビューをお送りしたいと思います。

     ハリウッドにある、エジプシャンシアターって、昔からある映画館なんですけれども、そこを改造して現在ですね、ハリウッドシネマテークっていう、文化上映をする場所になってるんですね。

     キューレーターがですね、もう、深作欣二の大ファンでですね、深作映画ばっかり上映してるんですよ。あの(笑)・・・好きモンで。で、『バトル・ロワイアル』が出来た、っていうんで、これはもう上映しなきゃ、っていうんで、アメリカで最初の上映をしたんですが。

     1回きりの上映だったんですね、ハリウッドでもね。ていうのは、まあ、あまりにもバイオレンスの内容なんで、これ、成人指定になっちゃう、と。アメリカの映画会社のいくつかがこれを買おうと思ったんですけども、成人指定になっちゃうと公開できる劇場が限られてくるんで、元が取れないんで、どこもちょっと・・・手を出さなかったんですね。

     その時に深作監督もアメリカにいらっしゃって。で、僕らも、これは絶体行かなきゃ、っていうんで行ってですね。・・え、僕ら、っていうのは、サンフランシスコに住んでる、いつもこの番組に登場するパトリック・マシアスっていう日本映画評論家と、アルヴィン・ルーっていう、一緒にやってる編集者なんですけども。えーと、彼と3人でですね、ハリウッドに行って、深作監督にインタビューしたんですね。その時のテープです。

    深作欣二自ら語る、『バトル・ロワイアル』論争

    (↓インタビュー部分)

    通訳の女性:こちらがパトリック・マシアスさんでこちらがアルヴィンルーさんです。

    深作監督:ハイハイ。

    ―― 今日はインタビューさせてくださってありがとうございます。えー、この映画が呼び起こした論争、というようなことを説明していただけますか?・・・で・・・アメリカでは、教室の中で先生を刺す、とか、そいうようなことを、あまり聞いたことが無い・・・

    深作監督:聞いたこと無い?お互いに殺しあうことはあるけれども、先生を傷つけることは無い?

    ―― ・・・自分たちの怒りを、先生にぶち当てる、ということはあまり無い・・。

    深作監督:無い?Why?

    ―― ・・あの・・先生は、もう、権威とかそういうのも無いから・・・的(まと)にもならない・・・

    深作監督:的にもならない。相手にしないわけか。先生は何をしてる?それじゃ。

    パトリック:...We don't know.(Laughing)

    深作監督:・・それで、生徒のことには知らん顔か

    ―― ・・非常に、こう、ビクビクしてます。

    深作監督:うん。まあ、そうだろうね。

    ―― ・・で、この映画の論争、について、ちょっと背景を教えていただけますか?

    深作監督:背景。背景は、原作・・・という物が別にあって。・・・原作というのは、例えば今の、北朝鮮。というような全体主義国家を想定して書かれている。という、独裁政権の中の出来事だから、例えば、「バトル・ロワイアル」というゲームも、何年にも渡って、行われていて、誰も不思議に思わない。・・・だから、今の日本は、そういう状況に置かれてないから、もっとこの・・今の日本がいつ、そういう状況になってもおかしくない。というような、状況設定を、まず、考えた。

    深作監督:経済崩壊が原因で、日本という国が崩壊した。・・・そうすると、大人の、この・・・社会、つまり、世の中の、態勢が崩壊する。あらゆるものに対して大人が自信を失う。ことに、子供に対して、自信を失う。そうすると、子供が大人をバカにする。大人が怯える。そういう不安に耐えられなくなって、大人がある法律を、考えだした。

    深作監督:まず、保守層政権にテコ入れをして、そして、今の子供達、なんとかならんか?よし、脅かせ。脅かすという意味で、「バトル・ロワイアル」法という、新しい教育法案を、実行しよう。

    深作監督:1年にいっぺんだけ、見せしめのように、ある学級の40人を・・・孤絶された島の中へ連れて行って殺し合いをさせる。そこで、この、残酷なメルヘンが始まった、ということです。

    ―― この映画の中で、なんで日本でああやって騒がれる、どこが騒がれる理由だったんでしょうか?政治家なんかに。

    深作監督:えー、政治家があの、映画の場合に、登場しない。しかし、政治家がそれを決めたんだ、ということはハッキリしてる。そうすると、政治家自身が、非常に不安な感情に襲われる。大人が、もっと大人だって一生懸命いろんなことを考えてるんだ、ということを、なんかかんか言いたい。急に言いたい。

    深作監督:ホントはその、子供を、放り出してる。誰もギブアップしてたんだけれども、みんな急に、大人の存在を、主張し始める。政治家がそうであり、PTAがそうである。そういうシチュエーションのドラマに対して、子供は見たがる。ゲーム感覚で見たがるんだ。

    深作監督:そうすると、そういう子供に対して大人は、それでなくても子供を恐れ始め、気味悪く思い始めてるから、子供にはとても観せられない、観せるべきではない。という、論争になった。こちらの、計算に、上手く、そういう政治家や、PTA、偉い人達が、ハマっちゃった。ハマってきた、っていうことですね。

    深作監督:何を、政治家達は恐れているのか。自分達が怠惰だと思われてることを恐れているのか。それから、政治家達は今、一生懸命、規制しようとしてるから。青少年の教育に名を借りて。青少年に害をもたらす、テレビとか雑誌とか、映画も含めて。そういうものを規制しようとしている。ちょうどそういう時期だったから、余計、政治家が、神経を尖らせた、ということ。

    (↑インタビュー部分)

    映画の力

     で、あの・・・僕はですね、『バトル・ロワイアル』を初めて観たのは、あの、バカな!政治家がいましたねえ。野党議員なのに、
    「『バトル・ロワイアル』みたいな映画は絶体に子供に見せるべきでは無い!」
    「法律で規制すべきだ!」
    って言ってたバカな議員がいて、で、その議員が要求したんで、試写をやったんですよ。議員とかPTA向けに。で・・僕はそこに・・・ちょっと、潜り込んだんですが。

     僕以外は全部、PTAと政府の役人ばっかりで、映画なんかまともに観たこと無い奴ばっかりで。で、始まったら、ま、ああいう映画でしょ、もう。モノスゴイ血しぶき出てねえ。

     で、段々、でもねえ、そのメッセージってのはわかる人にはわかるんですよ。映画が終わった瞬間に、全員敵で、
    「この映画を叩こう!」
    「この映画を禁止しよう!」
    「この映画を取り締まろう!」
    と思って来たはずなのに、自然に拍手が沸き起こったんですねえ。

     やっぱり映画の力ってのはスゴイ、深作欣二監督の力は物凄い、と思いましたよ。

     ただあの、これを規制しようとした、バカなあの石井っていうあの議員は、終わった後もねえ、
    「こんな映画、ツマラナイ。」
    とか言ってましたけど・・・刺されやがってねえ。ザマアミロ!ですねえ。あんなヤツ死ねばいいんだ、と思いましたけど、ちゃんと刺されて良かったな、と。

     『バトル・ロワイアル』って映画は、みなさん御覧になったと思うんですけれども。これから先はもうちょっと突っ込んで、深作欣二監督はいったい、どういう動機で映画をつくってるのか。いったいその奥にはどういうことが秘められてるのか。ということについて聞いていきたいと思います。

    深作欣二が見た、描いた、戦後日本

    (↓インタビュー部分)

    通訳:この映画、これは、日本の今の社会を批判してるものなのでしょうか?それとも、こうあるべきだ、という何かを語ってるんでしょうか?

    深作監督:最後に、最後に残る、つまり勝ち残り戦争というルールを押し付けられたわけだな。・・・その中で、
    「そういうルールだ。・・生き残るためには殺さなきゃなんないんだな。よし、最後まで勝ち残ってやろうじゃないか」
    という人間。あるいは、そいういうゲームを拒否して、自分で死んじまう。いろんな、この・・・方向を、選ぶ人間が出てくる。

    町山:あの・・3つ目の選択があると思うんですね。殺しあうか、子供同士で。自殺するか。もう1つは、そういうシステムを押し付けた大人達の社会を倒すという、方向がありますね。

    深作監督:倒すという方向がある。倒せるかどうかというのは別問題だよ。現実にそれは、極めてまともな、普通の考え方だと思うよ。当然だと思うよ。当然の・・・つまり、他に手があれば、何故その手を選ばないのか。

    深作監督:政府に対して、ある抗議行動を起こした人間。それで、でも、武装勢力をもって、それを実行しようと思った人間、てのは、1970年の半ば頃まで、ある、日本人全体の情緒を駆り立てる存在ではあったわけだけど、みんなやはり、自滅していってしまったね。

    深作監督:学生運動が、まず、挫折してしまった。世の中がどんどん、落ち着くに従って、そういうこの、武力でひっくり返す、そういうグループも、みんな次々に検挙されていったり、国外に逃亡を図ったりした人間がいたけれども、結局国内での・・・そいういう、革命の方式そのものが、瓦解していってしまった。1970年代後半以降に。

    深作監督:1980年代以降、実際の学生運動は日本から消え去った。大人達は夢の様な金儲け、にばかり狂奮して。金を儲けることが、まず、人間にとっての、何よりの、優先事項になってきた。そうすると、そういう・・・に、置いてけぼりを食らった子供達。ゲームの世界に沈潜する。いあゆるその、みんなでもって何にも統一行動もしようとしない。みんな、この、孤的な生活の中に引っ込んで、ゲームにだけ埋没し、不登校を繰り返し。

    深作監督:強制しようと、強制しようと思うと突然、子供達が、爆発する。ナイフを振るったりする。それで、大人達が、怯え始める。
    「この頃の子供達はすぐキレる。」
    それが、80年代から90年代の間の、特徴的な、学校の、事件である。

    深作監督:誰もが、誰もが何をしていいかわからない。大人も子供も、何をしていいかわからない。そういう状況の中で、突然起こったのが、この、「バトル・ロワイアル法」。それがこの映画。

    深作監督:だから、ホントに限りなく、現実に近いんだけど。だから、不安になる。だから、観客達の中で、大人が1番不愉快を感ずる映画なのよ。
    「こうしたら、いい」
    という、議論にはならない。要するに、
    「こういう映画は不愉快だから、観せるな。」
    「子供には、毒だから観せるな。」
    という、ことにしかならない。そうすると、子供は見たがる。

    深作監督:・・・何を隠そう、何を隠そう・・・・それで、大ヒットになる。今、映画が好きだとは思わないで、みんなこの・・・自分の部屋に引き込んでゲームばかりやってるから。もっとこの、映画というものの面白さ、
    「映画ってのは、そういうゲームとは違った、開放的な面白さを持ってるもんだぜ。」
    と、いうことを、1人でも多く、わかってもらいたくてこの映画を作った。

    ―― あの・・・いろいろその、監督の過去の作品の経緯などを見ていくと、この『仁義なき戦い』などの映画を作ってたころから、こうした暴力ということにつきましても、監督のアプローチなんかが、大分変わってきましたでしょうか?

    深作監督:う~ん、私のアプローチが変わってきたんでなくて、そういうあの・・・私が、そいいうこの、バイオレンスを基調として、作った映画を、受け入れる、社会的な土壌が、変わってきたんだと思う。『仁義なき戦い』の時には、まだ、まだ本人。本人達が、観客自身が、戦争・・・戦後の、いろんな混乱も、戦争そのものも知っている。今、戦争を・・・知らない人達、の方が圧倒的に多くなっていて、この映画に、出てきた、少年少女たちの、母親も父親も戦争を知らない。おじいさん、の世代しか戦争を知らない。

    深作監督:そういうオーディエンス側の、・・年齢の変化。それが、この映画の変質を、物語っているのではないか。

    深作監督:・・・それで、俺自身の中に、作り手である俺自身の中にもある変化はあるかも知れない。ただ、それがどういうふうな変化になってるのかは、オレにはよく・・・気が付かない。

    深作監督:『仁義なき戦い』『仁義の墓場』というのは、第二次大戦が終わった直後、から話が始まる。戦争が、第二次大戦が終わった時私は15才だった。『仁義なき戦い』を撮った時には、40才だった。今は70才だ。

    町山:うわ・・・(笑)・・・

    深作監督:ということは、ということは(笑)・・・オレがひたすら、この映画に出てくる15才、と、おんなじ気に、自分も、下げよう、と。ということは、私が15才であった、・・1945年、まだ戦争が、続いていて、・・・それが終わって、日本という国が、崩壊してしまった。そこの、その時の、私が15才だった、時期に帰ろうとして、作っただけの話。

    深作監督:・・で、今度の撮影の間、オレが、15才の子供達に言い続けてきたことは、ゲームと、違って、実際の、戦争の時には、こんなことがあったぜ、こんなことがあったぜ、と。いうことを、撮影を、進めていく過程の、そのリアクションの中で、それが必要だと思った場合には、その話を聞かせる。ということ・・で、コミュニケーションを、成立させようと思った。

    深作監督:・・とにかく、この、・・・映画が、・・好きな人間を増やしたい。映画ってのは、おもしろいだろう。映画ってのは、同時にまた、我々を取り巻いている社会、大人達、そういうものに対して、その、ある、デモンストレーションを繰り返す、という意味でも、おもしろいぜ、と。いうふうな、いろんな、メッセージを、この中に、盛り込んだ。

    ―― スラムダンクの大ファンだ、って聞きましたけど・・・そうですか?

    深作監督:ハッハッハ・・

    ―― 深作欣二が、スラムダンクのファンである、その理由は何ですか?

    深作監督:う~ん・・・そうねえ。劇画でも、特にあれは、バスケットボールの、劇画だから、すごくこの、カッティングの切り取り方。で、この、面白いか、面白く無いかが分かれてしまう。すごくそれが、エキサイティングだったんですね。

    ―― 他のマンガで、やはりご贔屓(ひいき)にしてらっしゃるのはありますか?

    深作監督:他のマンガでは、そうねえ・・・『ワールドイズマイン』(The World Is Mine)てのがあるけどね。

    一同:お~!(笑)・・・
    町山:『ワールドイズマイン』を、映画化する、ってことはできませんか?

    深作監督:う~ん・・・ちょっと、お金がかかりすぎるかな?・・ウフフ。

    (↑インタビュー部分)

    『ザ・ワールド・イズ・マイン』(The World Is Mine)

     読んだことがある人もいると思うんですけれども、とにかく2人の男が、殺して殺して、殺しまくるんですね、日本中で。もう、女だろうと子供だろうと何だろうと。で、そこにあの、ヒグマドンていう超巨大怪獣が襲ってきて自衛隊と大戦闘になって、とにかく街も何でも壊して、何もかも殺すっていう、物凄いバイオレンスの映画(マンガ)なんですけれども。ま、それをとにかくやりたい、と。で、お金があればね、って言ってたんですけども。

     何故この人にこういう映画をやらせてやらないのか!日本の映画会は。

     つっまんない芸術映画みたいな、くっだらない映画でカンヌ映画祭で賞を獲ったとか、どうでもいいですよ!深作欣二に、国家予算を与えて、ワールドイズマインを作らせるべきなんですよ。自衛隊全面協力して。

     そいうことができないんでね、深作監督が亡くなってホントに悲しいな、と思いますけどね。

    町山智浩が語る、深作欣二のメッセージ

     深作監督が言いたいのは、結局、こういうことなんですよ。

     深作監督が、子供の頃、ホントに子供達が銃を持たされて、人殺しをさせられたわけですよ。日本政府によって。
    「人殺しをしなさい。」
    って日本政府が教えて、学校の先生が実際に、
    「人殺しをしなさい。」
    って言ってたんですよ。だから、『バトル・ロワイアル』ってのは別に、不思議な話しじゃなくて、実際に日本が、1940年代にやってたことをもう1回やってるだけなんですよ、現代に。

     深作監督はその時に、中学生だったんですよ。『バトル・ロワイアル』の主人公とおんなじだったんですよ。

     そいうことがわかってこの映画を観ないで、なんか、バカな、バカどもが批判してますけども、それぐらいこれは深くて、キチッとした作家の、映画なんですよ。大傑作ですね。

     で、あの、バカな、議員は、ちゃんと死にやがって、まああの、深作監督、ちゃんと地獄に道連れって感じでね。ま、深作監督は地獄に行ったわけじゃないですけどね(笑)。

     ということであの・・・ホントに、深作監督は、惜しい人を亡くしました。ってか70だから大往生なんですけども、この人が死んでしまったら、もう日本でちゃんとした映画を作る人がいないじゃないですか!世の中と戦う映画を作る人がいないじゃないですか!

     深作監督が最後まで、世の中がもう、ムカつくから。それで、何とかしよう、と。で、ほっといたら自分はテロリストになっちゃうから、映画を作ってる、っていうような、それぐらいの攻撃精神のある映画、じゃなきゃ面白いわけ無いですよ!

     この映画を観て人を殺したくなった、とか・・ねえ、そういう映画は良くない、って、映画を観て人を殺したくなるぐらい強烈な映画が、観たいじゃないですか!

     ということでね、ま、三池崇史監督だけがね、ま、キタノさんは最近・・・えーと、北野武がダメになりましたからねえ(笑)、監督としては。ヘナチョコ映画撮ってて。えー、三池崇史監督だけが、日本の最後の希望じゃないか、と思いますけども。

     っていうことで、あの、ホントに慎んでご冥福を祈りたいと思います。

    ~Resolution~
    「どう考えてもおかしいぞ?この映画」『ジェヴォーダンの獣』(Le pacte des loups)

    髪型がヘン

     というわけで、「どう考えてもおかしいぞ?この映画」。早速メールが来ましたんで読んでみたいと思います。

     のっぴきさんからのメールですね。

    「ハル・ベリーのプレゼント、ありがとうございます。言ってみるものですね。」

    そうですよ、言ってみるもんですよ!

    「ついでに新コーナーへ投稿させていただきます。ちょっと前に『ジェヴォーダンの獣』(Le pacte des loups)って映画がありました。」

    ありましたねえ。

    「17世紀のフランスで100人以上を殺したモンスター伝説になぞらえたストーリーで、バンバンCM打ってた割には、あんまりヒットしなかったアクション映画です。」

    ヒットしなかったんですか?・・結構面白かったですけどね。17世紀のフランスが舞台なのにクンフー出てきてね。そのクンフーを使うのがインディアンでね。
    (なんでインディアンがクンフー使うんだ?)
    っていう、わけわかんない(笑)っていう・・

    「この映画はどう考えてもおかしいんです。登場人物が殆ど長髪なんですが、普段の生活のシーンではちゃんと後ろでまとめてますが、何故か戦うシーンになると、まとめてた髪をパラっとといちゃうんですよ。それが実に邪魔そうなんです。1回や2回じゃないです。戦うシーンでは全部、髪の毛をほどいています。それも、わざわざ長髪の登場人物が、です。どう考えてもおかしいです。」

    いや、これは別に・・・ね、カッコイイから、ってやつじゃないですか。まああの、香港映画は多いですよねえ。必ず髪の毛がほつれてね、顔に絡まってますね。え・・わざとだと思いますよ。

     こんなの別に怒ることないなあ、と思うのはねえ、これ、長髪で許せなかったのはね、『パール・ハーバー』(Pearl Harbor)ですよ。『パール・ハーバー』のジョシュアートネットでしたっけ?名前、よくわかんないですが、あの、チャラチャラしたね、男でね。長髪なんですよ。前髪がパラっと、いつも顔にかかってるんですねえ。

     第二次大戦ですよ?第二次大戦中のアメリカの飛行機乗りですよ。坊主頭に決まってるじゃないですか。クルーカットですよ。必ず、軍隊に入ったら頭、バリカンでバリバリ切られて、クルーカットにされちゃうんですよ。いわゆるスポーツ刈りに。あの時代にね、あんなねえ、前髪パラリなんているわけねーだろ!バカヤロー!っていうねえ、ムカッと来ましたけどねえ。

     昔キムタクが、特攻隊の役をやった時に、髪の毛切るのがやだから、つって、宗教上の理由で髪の毛を切らない日本人の役で出てきた、って・・・アホか!って思いますけどね。そんなことが、日本の軍隊、許してたら、特攻なんてしてねーよ!

     ま、そういうのに比べたら全然ねえ、『ジェヴォーダン』なんてねえ、別に悪くないと思いますけども。

    「まだまだ、この映画にはヘンなとこがあります。」

    っていうねえ、のっぴきさんのメールの続きですね。

    町山智浩は怪獣博士

    「この映画に登場したモンスター。象くらいの大きさで、サイみたいな体の形で、ライオンみたいな鳴き声の化け物なんですが、いったいどうしてこんな化け物がフランスに?化け物を操っていた人間がアフリカ帰りというだけで説明をつけちゃってるんです。アフリカにもこんな生き物いるわけないです!どう考えてもおかしいです。」

     ・・いますよ。アフリカにはいるんですよ、こういうのは。知らないですかね?あの・・有名なのだと、「モケーレ・ムベンベ(Mokele-mbembe)」ってのがいますね。コンゴ奥地にいる怪物で、体長が8メートルから15メートルぐらい。かなりデカいですねえ。で、頭の部分がヘビみたいなんですね、首の部分がね。胴体はカバとか象に似ている、と。結構有名ですよ、これ。1800年代からねえ、ヨーロッパの探検隊によって、目撃例がいろいろ残されてるんですけども。日本のテレビ局とかも、確か、現地に行って調査して、モケーレ・ムベンベを探してたと思いますよ。

     アフリカで他に有名なのは、「インカニヤンバ」(Inkanyamba)ってのは有名ですねえ。インカニヤンバには、この地元の人達が、動物を捧げてたんですよ。その後も結構、ヨーロッパ系の人とかによって発見されてる、と。これはね、頭の部分が馬のような形をしていて、後頭部にたてがみがあって水の中に住んでいる。で、非常に、肉食で凶暴なんですね。10メートルぐらいあると言われてますね。

     アフリカにはほかにもねえ、ベレンベビーバとかねえ、パッパラポッピとかねえ、いっぱいいますけどね。だから、ジェヴォーダンの獣ぐらいいてもね、おかしくないんじゃないかと思いますね。

    (笑)。

     あと、のっぴきさんのメールですが、

    「でもこの映画で1番おかしいのは、ヒロイン役のエミリー・ドゥケンヌという女優です。だって天童よしみに似てるんだぜ。レイプシーンも全然ありがたくないよ!」

    これは許せませんね。あの・・・天童よしみのレイプって。でも、それがいい、っていう人もいますからね。世の中にはいろんな人がいますんで(笑)。

     というわけで、「どう考えてもおかしいぞ?この映画」、のっぴきさんからのめーるでした。みなさんも映画を観てて、「どう考えてもここはおかしい」っていうのがありましたら、どしどしメールください!よろしくおねがいしま~す。

     そんなこんなで、第8回も、無事に終わりました。ハイ。いろんなコーナー、ありますので、是非、どんどん、メールをお寄せ下さい。「映画は嘘つきだ」、映画の嘘を探すコーナー、ね。映画ではなんで、どんなに酷い状況でも、なんとなく化粧をしてるぞ、どの女の人も、とかね。そういったことをね、次々に見つけて、お送りいただきたい、と。あと、「オレだったらこうする」ですね。ま、この、オレの好きなマンガやアニメを、俳優にやらせるとしたら、どの俳優がいいのか、とかですね。このタイトルを聞いて、勝手に想像した内容はこうです、とか。この映画の続編を作るならこんな続編がいいと思います、みたいなことを勝手に想像して送って頂く、と。

     ・・あとですね、「どっかで聞いたぞ、この曲は」、ね。日常の中にいろいろ溢れてる映画音楽とか、映画を観てたら、なんか似たような曲が、聞いたことある、とか。そういったまあ、映画音楽に関することなら、なんでもお寄せ下さい。質問でも結構です、ハイ。あとですね、「ハリウッドスキャンダル」。ハリウッドスキャンダルのところは、ハリウッドの俳優に関する、この人はどういう人なの?とか、そういった質問を是非、お送りいただきたい、と。いうことでですね、次回、メールを送っていただいた方のためにプレゼントを、また提供しないとなんないんですが・・・そうですね、僕の、去年出した本でですね、『映画の見方がわかる本』て本があるんですけれども、これはまあ、『2001年宇宙の旅』とか『時計じかけのオレンジ』の意味が全部わかる、非常にわかりやすい本なんですが。ハイ、売れてますよ。ハイ。次回お送りいただいたメールの中で1番面白かった方にお送りいたします。

     ・・ということで、次回もよろしくおねがいいたします。

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