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    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    『セデック・バレ』(賽德克·巴萊 、Seediq Bale) 日本軍による実際の異文化衝突を描いた戦慄の映画【2013年2月5日たまむすび】

  1. スタジオ  赤江珠緒(フリーアナウンサー) 山里亮太(お笑い芸人、南海キャンディーズ)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    2つの理由でテンションが低い町山さん

    赤江 もしもし、町山さ~ん。
    山里 もしも~し。
    町山 はい、町山です。よろしくおねがいします。
    赤江 よろしくおねがいいたしま~す。
    山里 お願いしま~す。
    町山 どうもです。
    赤江 町山さん。
    町山 はい。
    赤江 テンション下がってらっしゃるんですか?
    町山 いや、ちょっとね、今月ね、あの、もう2月に入ったんですけど、
    山里 はい。
    町山 「ニッパチ」って言って、映画、良いの無いんですよ。
    赤江 あ~、そうなんですね、2月、8月は。
    町山 そうなんですよ。あのね、アカデミー賞が2月の終わりに決まるんですけど、
    山里 うん。
    町山 だから、それまであんまり新作映画は公開されないんですよね。
    赤江 う~ん。
    町山 本数自体が少なくて、1番儲からないから、この時期を避けて、
    赤江 うん。
    町山 こう・・・アメリカは新作映画が無いんで、ちょっとね、困ってるんですけど。
    赤江 なるほどなるほど。いや、なんかね、町山さん情報としてはスーパーボウルでスゴク盛り上がってたんだけども・・・・
    町山 負けた!から!
    赤江 (笑)
    山里 もう、いじってくれるな、と。(笑)・・・
    町山 負けたから!
    赤江 いじってくれるな、と。テンション下がってるぞ、と。(笑)。
    町山 もう、だって・・・逆転勝ち寸前で、1回のタッチダウンで逆転するところで・・・・ダメでしたからね。最後2分でね。
    赤江 あ~・・・。
    町山 もう、うちの近所からみんな、「Haaa...」っていう、気の抜けた声が聞こえましたけど・・・ハイ、そんな感じで。
    赤江 (笑)そうですか・・・
    町山 で、今日はだから、代わりにちょっと、台湾映画を紹介します。

    ~Conflict~
    日本軍による異文化衝突が起こした悲劇「霧社事件」

    赤江 台湾?はい。
    町山 はい、これね、台湾映画なんですけど、中国語が一切出てこないんですよ。
    赤江 へ~。
    町山 ていうか、中国人が画面に出てこないんです。
    山里 え?
    町山 これねえ、中国の人達が台湾に移ってくる前から台湾に住んでる人達の話なんですよ。
    赤江 ふ~ん。
    町山 だから、アメリカだとインディアン、て言われてる原住民がいますよね。
    赤江 あ、はい。
    町山 そういう人達の話なんですよ。
    赤江 は~・・・。
    町山 中国の人達が来たのはだいぶ後なんでね。
    赤江 ええ。
    町山 だから、中国の人達が出てこない、奇妙な台湾映画でですね、『セデック・バレ』(賽德克・巴?、Seediq Bale)というタイトルです。
    赤江 え、じゃ、いつぐらいの時代になるんでしょうか?
    町山 これね、1930年でですね、その頃台湾は、日本が日清戦争で勝って、日本のものになったんですね、台湾は。
    山里 はい。
    町山 で、そこに入ってきた日本軍と、セデック族という原住民の1部族との話なんですよ。
    赤江 へ~。
    町山 でね、言葉がね、半分ぐらい日本語です。
    山里 え?あ、そっか、日本人兵士の・・・
    町山 セリフが。はい。で・・・半分ぐらいセデック語なんですよ。
    山里 セデック語・・・・
    町山 中国語、ほとんど無し状態です。ハイ。
    赤江 へ~。
    町山 スゴイ不思議な映画ですよ、はい。
    赤江 ふ~ん。
    町山 でね、セデック族っていうのがいてですね、その人達が映画の最初でですね、狩りをしてるとこから始まるんですけども、
    赤江 はい。
    町山 こう・・・凄いジャングルで。あの、台湾て日本よりも山が高いんですね。
    山里 へ~。
    町山 富士山より高い山があってですね、
    赤江 え、そういうイメージ無かったですね、そうなんですね・・・。
    町山 「ニイタカヤマノボレ」ってのは真珠湾攻撃の時の暗号ですけど、
    赤江 あ、そっか、そっか、。
    町山 あれは富士山より高いんですよ。
    赤江 そっか、富士山より高いんですもんねえ。
    町山 それで、そこをですね、その・・・ま、ジャングルになってるんですよ、その高い山が。しかも絶壁なんですね、全部。
    赤江 ふ~ん・・・。
    町山 そこをね、裸の男達がね、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん跳んでくるとこから始まるんですよ。
    山里 へ~。
    町山 す~ごい長いライフルを持ってですね、物凄い断崖絶壁をですね、岩とか木の間をヒョンヒョン、ヒョンヒョン跳んでくとこから始まるんですね。男達が。
    赤江 ふんふん。
    町山 それがセデック族という、高地民族なんですよ。
    山里 ふ~ん。
    町山 で、まあ、インディアンの人達みたいな感じなんですけども、狩猟民族なんですね。
    山里 うん。
    町山 で、日本ではこの人達を「高砂族」って呼んでました。
    山里 はい、高砂族・・・・。
    町山 でねえ、肌が褐色で、彫りが凄く深くて、顔のねえ。
    赤江 うん。
    町山 で、目が大きくてまつ毛が濃い人達なんですよ。
    山里 ふ~ん。
    町山 多分遺伝子的には、琉球の人とか、アイヌの人達と同じ系列で、フィリピンの方から北上してきた人らしいんですね。
    赤江 ええ。
    町山 で・・その人達がまあ、狩りをしてるとこに、日本軍が入ってくるわけですね。
    山里 ふん。
    町山 すると、どうなるか?って、日本軍は、やっぱり彼らを軍事的に占領しないとなんないわけですけれども、
    山里 はい。
    町山 そのセデック族を。
    山里 うん。
    町山 どうなると思います?
    山里 やっぱ、ぶつかりますよね。
    赤江 押さえつけようとする・・・。
    町山 それはそうなんですけど。
    山里 うん。
    町山 要するに、日本軍は兵隊さんだから、山道を登ってくる時に、1本道を行進してしてくるしか無いじゃないですか、1列になって。
    山里 はいはい。
    町山 これ、ただの的なんですよ。
    山里 あ、そっか、そっか。
    町山 彼らハンター達からすると、
    赤江 うん。
    町山 単に、なんか鹿よりも撃ちやすいものがゆっくり来た、みたいな感じ(笑)なんですよね。
    赤江 は~・・・。
    町山 だから、ボコボコにやられちゃうんですよ、日本軍は。
    山里 ふん。
    町山 彼らはもう、ホントにハンターなんですね。
    赤江 ええ。
    町山 で、そこから映画が始まるんですけども、
    赤江 うん。
    町山 それで、結局でも、セデック族も村があるから、村を日本軍に抑えられて、
    赤江 うん。
    町山 その、まあ、女子供がいるんで人質に取られて、結局降伏するんですけども。
    赤江 あ、じゃあまだ、日本軍が統治をしていない村、という事だったんですね。
    町山 そうなんです。入ってきた時の、1910年ぐらいの・・・話が1番最初に出てくるんですね。
    赤江 うん。
    町山 で、話の本当の舞台は、それから20年後なんですよ。
    赤江 ええ。
    町山 1930年。・・・で、あの・・これ、タイトル、『セデック・バレ』っていうのはですね、えーと・・・これ、「バレ」っていうのはねえ、「本当の」って意味なんですね。
    山里 はい。
    町山 で、「本当のセデック」ってのは、「セデック」ていうのは「人」って意味なんですけど、「成人男子」って意味なんですよ。
    赤江 ふん。
    町山 で、だから・・・1つの通過儀礼を終えて、いわゆる成人になった、男の中の男、「1人前の男」って意味が「セデック・バレ」なんですね。セデック語で。
    赤江 うんうん。
    町山 で、これ、通過儀礼っていう儀式を行うんですけども、何をすると思います?彼ら。
    山里 なんか・・・よく、歯、抜いたりとかしたり・・・
    赤江 なんか、その・・・大事なとこを、ちょっと、切ったりとか。
    山里 バンジーとか。
    町山 そうそう、バンジージャンプとかね。大人の男として、
    山里 うん。
    町山 これね、彼らね、首狩り族なんですよ。
    山里 え?
    町山 首を狩って来たら、1人前の男になれるんですよ。
    赤江 え~!
    町山 童貞捨ててもダメですよ!
    山里 え・・・
    赤江 あ、そうなんですか。
    町山 首狩って来ないと!
    山里 はえ~・・・。
    赤江 じゃ、首を狩るって、それは人を・・・ってことですよね?
    町山 人を襲って首切って持ってくると、「お前は男だ!」って言われるんですよ。
    山里 うお~・・恐ろしい成人式。
    町山 そういう世界なんですよ。
    赤江 うん。
    町山 ところが日本軍に占領されて、「やめろ」って言われるわけですね、そんなことは。野蛮だから。
    山里 うん。
    町山 で、日本語を勉強しろ、と。
    山里 うん。
    町山 で、日本人になるんだ、と。これはもう日本だから、ここは、と。
    赤江 うん。
    町山 ということで、野蛮な風俗も全部捨てて、普通に勉強して、近代化するんだ、っていうふうに言われて・・・・教育を受けるんですよね。
    赤江 うん。
    町山 で、それから20年経った、っていう話なんですけども。
    赤江 うん。
    町山 はい。で、これ、主人公がですね、モーナっていう名前の、セデック族のリーダーなんですね。
    山里 はい。
    町山 あの、山本モ・・さんじゃないですよ。
    山里 (笑)・・スキャンダラスな?
    赤江 後輩になりますけども・・・
    山里 絶体いないですよ、セデック族に。
    町山 はい、男ですから。オジサンですから。
    赤江 ええ、違いますね(笑)、ハイ。
    町山 ハイ。(笑)50才のリーダーのモーナっていう人が、一応セデック族のリーダーなんですけども、上に日本軍がいて、ま、その下に入ってるから、リーダーとしてのプライドとか、物凄い傷つけられてるわけですね。
    山里 うん。
    町山 で、しかもね、日本軍はね、その山岳民族の人達のことを、「生蛮(セイバン)」て呼んでるんですよ、その頃。
    山里 セイバン・・・。
    町山 「セイバン」ていうのは、バンていうのは・・・「野蛮」の「蛮」なんですよ。「蛮人」て意味で呼んでんですよ。
    赤江 あ~・・・ちょっと侮蔑的な意味で・・・。
    町山 で、そういう風に呼ばれるから、凄く傷つくわけですよ、彼らは。
    山里 うん。
    町山 「俺達にもちゃんとした文化があってやってるのに」と。
    赤江 うん。
    町山 で、その中でその、逆に日本の人達の中にも、「彼らにも彼らの文化があって、それは尊重すべきだ」と思ってる人達がいっぱいいるんですね。
    山里 うん。
    町山 実際そういう・・・その頃ですね、そういった少数民族達の文化を研究するブームもあったんですよ、実際に。
    赤江 ふ~ん。
    町山 特にその、アイヌや琉球の人と共通する部分が多いんで、日本人のルーツ探しみたいなことも含めてですね、研究しよう、ってする人達もいて、
    赤江 ええ。
    町山 で、日本人の俳優さんで安藤政信さんて人が出てるんですね。
    山里 はい。
    町山 その人が日本の、警官なんですけども、その・・・山岳民族の中に入って、彼らの言葉を覚えて、彼らの習慣を身につけて、彼らの話を聞いて、彼らの辛さとかも全部聞いて、理解しようとしてる日本人も出てきます。
    赤江 ふ~ん。
    町山 はい。で、実際にいたんですけど、そういう人達が。それと、「お前らは野蛮人だ!」とか言って「日本語を喋らないぞ!」つって、その子供達がセデック語を喋るとビンタをしてるような先生もいるわけですよ。
    赤江 あ~・・・。
    町山 で、そのまあ、2つの日本人がいてですね。でも結局、彼らセデック族っていうのは、その・・・狩猟が魂なんですね。
    赤江 はい。
    町山 だからその、銃を取り上げられて、許可が無い時は銃に触れないんで、
    山里 うん。
    町山 それで、林業とかやらされて、やりたくないことをやってるわけですよ。
    赤江 うん・・。
    町山 で、プライドがどんどん傷つけられていって、もう、「お前ら、早くそういう生活を捨てろ」と言われるわけですね。
    山里 うん。
    町山 しかもその、モーナさんはですね、東京に1回行ってるんですね。
    山里 へ~。
    町山 これはねえ、「生蕃」て言われてた、現地の人達に日本の近代化を見せて、圧倒的な近代の凄さってものを見せることでもって、彼らを屈伏することを狙ったらしいんですよ。
    赤江 は~・・・。
    町山 ところが逆に彼らは、「これは、俺達は滅ぼされてしまう。」っていう恐怖感に襲われるんですよ。
    赤江 えー、そういう作用になっちゃったんですねえ・・・。
    町山 あのね、モーナさんは日本に行った時に、とにかく人口の多さに驚いたらしくて、
    赤江 ええ。
    町山 「これだと、もう、滅ぼされる。」と。
    山里 ふんふん。
    町山 という気持ちになって、どうしよう?と。
    赤江 ええ。
    町山 「何とかしなければ。」と思ってるとこで、事件が1つ起こるんですね。
    赤江 うん。
    町山 地元でエバッてた日本人の駐在員に、その、結婚式があって、セデックの村の。
    山里 ふんふん。
    町山 で、めでたいから酒でも飲め、つって、酒を駐在におごろうとしたら、駐在が「こんな汚い物、飲めるか!!」ってやっちゃうんですよ。
    赤江 あ~・・・。
    町山 で、どうしてか、って言うと、セデック族は「口噛み酒」っていうのを作ってるんですね。
    赤江 「口噛み酒」、はい。
    町山 これはねえ、昔のお酒っていうのは、穀物とか果物を、口でクチュクチュ噛んで、唾と一緒に出すんですよ。吐き出すんですよ。
    赤江 あ、口の中で醗酵させる、みたいな。
    町山 そうそう。唾の力でもって、糖化させて醗酵させてお酒にするんですね。
    赤江 あ~。
    町山 昔はみんな、お酒ってそうやって作ってたんですよ。
    赤江 ええ。
    町山 で、それをセデック族が作ってることを知ってるから、その駐在さんは、「お前らなんかの唾なんか飲めるか!!」つって、せっかく奢ってもらったのに払いのけてぶっちゃうんですね。セデック族の人を。
    赤江 うん。
    町山 それでセデック族は、「なんて失礼な!」つって怒って、そこから、その駐在を袋叩きにしちゃうんですよ。
    山里 うん。
    町山 すると今度は、日本軍が入ってくるかもしれないわけですよ。それで、ま、暴力事件だ、っていうんで。
    山里 うん。
    町山 で、「どうしよう・・・」って悩んで、彼らは。
    赤江 うん。
    町山 逆に、「やられる前にやれ!」ってことでもって、反乱を起こすんですよ。
    赤江 うわ・・・段々、大きな戦いになっていってしまいますねえ・・・。
    山里 溜まってた分がね。
    町山 そうなんですよ。これがねえ、凄く有名な、「霧社事件」ていう事件なんですね。
    山里 はい。
    町山 はい。でねえ、これあの・・日本の学校が山の上の方に作ってあって・・あ、そうだ、そのセデック族ってのはどの位高い山に暮らしてると思います?
    山里 だって・・・さっき、富士山よりも高い、って言ってましたよねえ・・・。
    町山 そうなんですよ。あのね、雪が降るんですよ。
    山里 雪?・・あ、じゃ、相当上の方?
    町山 台湾て、沖縄より南にあるのに、雪が降るんですよ。
    山里 あ、そうだ、位置的には。
    町山 物凄い標高の高い所に(笑)、いるんですよ。
    赤江 もう、2千メートル、3千メートル・・・ぐらいのところ?
    町山 そうそう(笑)・・・空気メチャクチャ薄いんですけど。
    赤江 ええ。
    町山 そこにいるんですけど。ま、そこに日本人達が学校を作って、セデック族の子達と一緒に勉強を教えたりしてるんですけども。
    赤江 うん。
    町山 そこで運動会がある、っていうんで、地元の警官とか兵隊とか、皆集まってるところに殴りこみをかけるんですよ、セデック族が。
    山里 おお。
    町山 で、日本人を140人殺した事件があるんですよ。
    赤江 うわ・・・。
    町山 本当に。・・・で、これでねえ、ま、凄いのはね、女も子供も全部殺しちゃうんですよ、日本人の。
    赤江 えー・・・。
    町山 でねえ、小学校とか中学校の子達は、男になるために、自分の級友の首を狩るんですよ。
    山里 あ、そっか。
    赤江 え?級友の?友達だったのに?
    町山 クラスメートでそれまで友達で、一緒に遊んでた日本人の子供の首を狩るんですよ。男の子が。
    赤江 うあ・・
    町山 「セデック・バレ」になるために。
    赤江 なるほど。
    町山 この辺がね、ちょっとね、多分、中国の人も日本の人も、全く理解できない感じになってくると思うんですね。
    赤江 うん。
    町山 これね、セデック族に限らないんですけど、狩猟民族っていうのは、命は永遠だ、と思ってるんですよ。
    山里 ん?
    町山 殺しても魂は死なない、と思ってるんですよ。絶体に。
    山里 ふんふん。
    町山 そう思わないと動物って殺せないじゃないですか。
    赤江 ああ、そうですね。命を頂いていくわけですもんねえ。
    町山 そうそう。アイヌの人達の熊祭りとかもそうですけど、熊を殺すんだけどもその魂を返す、みたいな考え方なんですよね。
    赤江 うん。
    町山 だから、これは人間にも適用されて。だから、人を殺す罪悪感もあまり無いし、
    赤江 うん。
    町山 自分が死ぬ恐怖感も無いんですよ。
    赤江 へ~・・・。
    町山 だって魂は永遠なんだもん。
    山里 ふんふん。
    町山 だから狩りもできるけど。
    赤江 うん。
    町山 だから、物凄く危険な人達なんですよ(笑)!
    赤江 そっかそっか。
    山里 死ぬことは怖く無いんですもんねえ。
    町山 何にも怖く無いんですよ。悪い、とも思ってないから、それほど。
    赤江 う~ん・・・。
    町山 で、ま、140人殺しちゃうんですね、日本人を。
    赤江 うん。
    町山 で、結局日本軍がそこへ入って行くんですけど、日本軍はゲリラ戦やったら勝てない、ってことは判ってるから、
    赤江 はい。
    町山 大砲をバンバンぶち込むんですね、榴弾砲っていう、破片が飛び散るやつを。
    山里 ふんふん、ふんふん。
    町山 それとあと、飛行機で、空からですね・・・毒ガスを撒くんですよ。
    赤江 はあ・・・
    町山 これはジュネーブ協定違反なんですけれども、もう、明らかに協定違反のことを日本軍はやるんですね。
    赤江 うん。
    町山 それで、「やりたくないのにこんなことをやらせやがって!」とか言いながらやるんですよ(笑)。
    山里 俺らも仕方無いんだ、つって・・・
    町山 ジャングルの奥に入ってるから、攻撃できないから。日本軍が。
    赤江 うん。
    町山 で、安藤政信は、さっき言ったんですけども、セデック族とか山岳民族に対してすごく共感を持ってて、彼らを尊敬してる日本人なんですけれども、
    赤江 うん。
    町山 彼の奥さんと子供も殺されちゃうんですよ。
    赤江 うわ・・・。
    町山 それで、急に復讐の鬼になってですね、
    赤江 ええ。
    町山 で、セデック族とかの山岳民族の問題ってのは、山岳民族同士で互いに戦争を繰り返してるんですよね。
    赤江 うん。
    町山 これは狩猟民族によくあるんですけど、小さい部族同士の抗争がすごく続いてるんで、
    赤江 はい。
    町山 結託できないんですよ。彼らって。
    山里 ふ~ん・・・。
    町山 だから、それを利用して、セデックと敵対してる部族の方を、安藤さんが説得してですね、「彼らの首を狩って来い。」と。1つ幾らで買い取る、つって彼ら同士をぶつけあうんですよ。
    山里 へ~。
    赤江 煽っちゃうんですね。お互いに戦わせて。
    町山 そう。狩猟民族、首狩り族同士を、互いに首を狩らせる、っていう作戦に出るんですね、日本軍は。
    赤江 そっかそっか、ゲリラ戦とかに得意じゃ無い場合、そういう感じになるんですかねえ・・・。
    町山 そうそう、ゲリラ戦得意な者同士やらせろ、みたいな話になって、
    赤江 なるほど・・・。
    町山 ま、楠木正成みたいな戦い方なんですけどね。いわゆる。
    赤江 は~。
    町山 あの・・罠とか、待ち伏せ、とか、そんなのばっかり使うんですけども。
    赤江 ええ。
    町山 ・・という、話なんですけども、これはもう・・・これ、映画監督自体は中国系の人なんですけれども、
    山里 うん。
    町山 やっぱり、中国の人も知らなかったんですって、ほとんど。この事件に関しては。
    山里 えー。
    町山 で、たまたまマンガを読んで知って(笑)、
    赤江 ふん。
    町山 ・・・・て、言うんですよ。
    山里 うん。
    町山 それでこれを映画化しようと思った、と言ってるんですね。
    山里 ふ~ん・・・・。
    町山 で、僕もマンガで!初めて知ったんですよ、この高砂族については。
    山里 え?これ、日本のマンガですか?
    町山 これねえ、この事件自体は描いてないですけども、手塚治虫先生が昔、『きりひと讃歌』っていうマンガを描いてるんですね。
    山里 ああ!
    町山 傑作ですが。
    赤江 へー。
    町山 あの中では主人公を助けてくれるのは高砂族の人達なんですよ。
    山里 へ~!
    町山 それで僕初めて高砂族ってものを知ったんですけども。
    山里 ふんふん。
    町山 で、まあ、そういう凄まじい戦闘映画なんですけども、
    赤江 うん。

    ~Resolution~
    4時間半の長尺大作はオリジナルバージョンで日本公開予定

    町山 映画としてはねえ、その、非常に『アバター』(Avatar)に似てるんですよ。
    山里 あー、大自然の中を駆けまわる・・・。
    町山 そうそう、そうそう。縦横無尽に神出鬼没に駆けまわる原住民と、近代兵器の大戦闘なんですね。
    赤江 う~ん。
    町山 で、しかも『ラスト・オブ・モヒカン』(The Last of the Mohicans)にも非常によく似てて、『ラスト・オブ・モヒカン』て、ほら、スゴイ長いライフルを持って野山を駆けめぐるじゃないですか。
    赤江 はい。
    町山 インディアンの人が。
    赤江 ええ。
    町山 あれにも似てて。
    山里 ふ~ん。
    町山 で、あとね、やっぱりやたらと首を狩るところがスゴくてですね、これ『アポカリプト』(Apocalypto)って映画に非常によく似てるんですねえ。
    赤江 あ~、この3つ、確かにどれも、統一感あると言いますか、そうですねえ。
    町山 そうなんですよ。『アポカリプト』はやっぱり、首を狩るシーンが多いんですけど。血まみれのね。メル・ギブソン監督の。
    赤江 はい。
    町山 で、でも、反乱を起こしてプライドのために戦うところとかは、メル・ギブソンの『ブレイブハート』(Braveheart)って映画にも良く似てるんですよね。
    赤江 う~ん。
    町山 でね、この映画ねえ、4時間半あるんですよ!
    山里 うお!だいぶ・・・大作ですね(笑)。
    町山 そうなんですよ(笑)。でね、これじゃ公開出来ねえ、ってんで、アメリカでは短くしちゃったんで、
    赤江 ええ。
    町山 さっき言った、非常に微妙な・・・互いに、実は理解しようとしてた、みたいな部分を全部切っちゃったんですよ。アメリカで。
    赤江 えー!
    町山 編集で、2時間にするために(笑)。
    赤江 そこを切られたら、ちょっと、伝わるものも違ってくるような気がしますけどねえ・・・。
    山里 シンプルにドンパチのシーンばっかり。
    町山 そう。戦闘シーンしか残ってないんですよ。2時間半バージョンて(笑)。
    赤江 えー!
    山里 アメリカだね(笑)。
    赤江 なんかなあ・・・
    町山 だからね、アメリカではあんまり評判が良くなかったんですけど、今度日本で公開されるらしいんですね、ノーカットバージョンが。
    山里 お!
    赤江 はい。あ、ノーカットバージョン、はい。
    町山 はい。そうすると、互いになんとか友達になろうと思ってたものが、だんだん上手く行かなくなってく感じとかもちゃんと描かれてるんで、
    赤江 うん。
    町山 あの、凄く良く出来てると思いますよ。
    赤江 ふ~ん・・・・。
    町山 はい。でね、これ、木村さんも出てます。木村祐一さん。
    山里 あ、キム兄!
    町山 ハイ。出てますよ!
    赤江 へ~。
    町山 あの・・・日本人の警官役で。
    山里 へ~。
    町山 ハイ。あの・・・首切られちゃいますけど(笑)。チュパーン!とね(笑)。
    山里 いや、何、笑いながら言ってんですか、うちの先輩が・・・。
    赤江 (笑)・・・確かに・・・
    山里 先輩が、非業の死を遂げるシーン・・・(笑)。
    町山 あとね、ビビアン・スーちゃんも出てますね。
    赤江 へ~。
    山里 うわ、久しぶり!なんか・・・ビビアン・スーさん。
    町山 あのね、彼女ってすごく、台湾の人だけど彫りが深くて目が大きいじゃないですか。まつ毛が長くて。
    赤江 はい、うん。
    町山 あれは、原住民の人の顔なんですって。
    赤江 あ、その・・・高砂族、ご出身なんですか?
    町山 高砂族なんですよ。お母さんが高砂族なんですね。
    赤江・山里 へ~。
    町山 はい。で、この映画ねえ、高砂族役の人は全員本当の高砂族なんですよ。
    赤江・山里 へ~。
    町山 やっぱりね、顔立ちが全然違うんで、中国系の人は出来ないんですよ。
    山里 ふ~ん・・・・。
    町山 でね、これでねえ、1番キツイ、シーンていうのはねえ、
    赤江 うん。
    町山 高砂族の中で、近代化しよう、と。そうしなければ民族が滅びてしまう、ってことでもって、日本語を勉強して、近代の学問の中に入って行く人達も出てくるんですね。
    山里 うん。
    町山 で、その人達は奥さんも、高砂族ですけども日本人として生活するんですよ。日本語の名前と日本の習俗を習って。
    赤江 ええ。
    町山 天皇陛下を崇拝して、全ての日本の文学をちゃんと勉強して、っていう優秀な、日本人として優秀な、高砂族が出てくるんですよ。
    山里 ふんふん。
    町山 ビビアン・スーちゃんもその役なんですよ。
    山里 ふん。
    町山 ところが反乱が起きたために彼らは、板挟みになっちゃうんですよ。
    山里 あ~、なるほど。
    町山 民族の血と、日本人として生活してる、ってことの中で、
    山里 うん。
    町山 間に挟まれちゃうんですよ、彼らは。
    赤江 あ~・・・。
    町山 で、どうしようもない悲劇が彼らを襲うんですよね。
    山里 うわ・・どっちから、どうされちゃうんだろ・・・。
    赤江 ねえ・・・。
    町山 それをビビアン・スーが演じてるとこも、なかなか良く出来てますけれども。
    赤江 へ~。
    町山 あとね、凄いのはね、これ、最初にほら、女子供が人質に取られたんで日本軍に負けるじゃないですか。
    山里 はい。
    町山 だから、今度戦う時はどうするか、って言うと、
    赤江 うん。
    町山 女子供が・・・足手まといにならないように、って全員自殺するんですよ。
    赤江・山里 えー!!
    町山 戦闘に入る前に。・・・・これ、もう、観てらんないんですけど、もう、死生観が全然違う人達なんですよね。
    山里 へ~!
    町山 全然、悲壮じゃないんですよ。死ぬところが。
    赤江 う~ん・・
    町山 淡々とやるんですよ。
    山里 はえ~・・・。
    町山 でもこれ、1番恐ろしい敵ですよ。全く死ぬのは怖く無いんだもん。
    赤江 そうですねえ・・・。
    町山 て、いうねえ、これは、異文化衝突を描いたねえ、物凄い、恐ろしい・・けれども、本当にあった映画として、ちょっとまあ、是非御覧になっていただきたいと思いました。
    赤江 いや~、この、本当にあった、っていうところがねえ・・・
    町山 スゴイですよ。もう、これ。
    赤江 そうですか・・・。
    町山 ただ、強烈!なんでねえ(笑)。
    赤江 ええ。
    町山 デートとかでは行かない方がいいと(笑)思います。
    山里 そうですねえ。暗~い気持ちになっちゃう・・・。
    町山 覚悟して行ってください。ハイ。
    赤江 わかりました。
    町山 はい。
    赤江 こちらはですねえ、ゴールデンウィークに、渋谷ユーロスペース、吉祥寺のバウスシアター、他で、ロードショーということになっております。
    町山 はい。『セデック・バレ』という映画です。ハイ。
    赤江 はい。町山さん、ありがとうございました。今日の『たいしたたま』、町山智浩さんに、台湾映画『セデック・バレ』、ご紹介していただきました。あ、町山さん、来週はスタジオにお越しいただけるということで・・・。
    町山 はい!行きまーす!
    赤江 はい。
    山里 あ、お久しぶりだ!
    町山 おじゃまします!
    赤江 はい、お待ちしておりま~す。
    山里 お待ちしておりま~す。
    町山 よろしくおねがいします!

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