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    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    『メリダとおそろしの森』(Brave) 母娘一緒に観て欲しい、中世スコットランドが舞台の現代風お姫様アニメ【2012年6月26日たまむすび】

  1. スタジオ  赤江珠緒(フリーアナウンサー) 山里亮太(お笑い芸人、南海キャンディーズ)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    ピクサーのアニメーションの作り方と作品のテーマに隠された秘密

    赤江 もしもし~、こんにちは、町山さん。
    町山 はい、町山です。よろしくお願いします。
    山里 お願いします~す。
    町山 はい、どうもです。
    赤江 え~、いつも町山さんに近況を伺ってるんですが、今週は特に、「無い」という風に、業務連絡、伺っております。
    町山 (笑)
    赤江 これでよろしかったでしょうか?
    町山 いつももう、ホントに、締切に追われてるだけで、何も無いです、ハイ。
    山里 今、バタバタしてる時期なんですよ、町山さん。
    赤江 ねえ。大変お忙しい、ということですけれども。町山さん、そんな中で、今週ご紹介頂ける映画というのは、どんな映画なんでしょうか?
    町山 あのね、ピクサーの新作ですね。
    山里 はい。
    町山 『メリダとおそろしの森』(Brave)っていう日本語タイトルがついてますが。ハイ、アニメーションです。
    赤江 あ~、はいはい。
    山里 今、日本でもCMがバンバン流れてますよね?
    町山 あ、そうなんですか?
    山里 結構流れてます、今。
    赤江 ええ、流れてます、流れてます。
    町山 こっちはねえ、えっと・・・先週公開が始まって、娘と行って来ました。
    赤江 あ!
    山里 なるほど、娘さんと。
    赤江 ねえ。
    山里 Kポップ大好きな娘さん。
    町山 (笑)・・・、これねえ、女の子向けのアニメなんですよ、今回。
    山里 へ~。

    町山 あのね、ピクサーって映画会社は、ずっとアニメーションを作ってきて、もう12作目ってなるんですけれども、
    赤江 はい。
    町山 今回初めて、女の子が主人公のアニメですね。
    山里 あ、そうなんだ。
    赤江 ピクサーっていうと、これまで・・・
    町山 ピクサーって、『トイ・ストーリー』(Toy Story)で始まるんですけれども、その後、『モンスターズ・インク』(Monsters Inc.)とか『カールじいさんの空飛ぶ家』(Up)とか、順番めちゃくちゃですけども(笑)・・・
    赤江 あ~、そっかそっか。
    町山 『Mr.インクレディブル』(The Incredibles)とか『WALL・E/ウォーリー』(WALL-E)とかずっと作ってきたんですが、『カーズ』(Cars)とかですねえ、
    赤江 はい。
    町山 全部、男が主人公なんですよ。
    赤江 そうですねえ。
    町山 これはねえ、理由がハッキリあって、
    山里 はい。
    町山 ピクサーって会社がディズニーと徹底的に違ったのは、作り手の人達自身の持っているテーマを映画に盛り込む、っていうことをやってきたんですね、積極的に。
    山里 はい。
    町山 だから、子供のために話をでっち上げるってことをしなかったんですよ。
    赤江 は~・・・
    町山 で、作ってる人達は、30、40の、コンピュータグラフィックスをするアニメーターの人達ですけれども、
    山里 はい。
    町山 その人達自身が個人的に抱えている問題を子供向けの話にしていく、っていう作業をするんですね。
    赤江 あ、そういうことなんですか。
    町山 そうなんですよ。僕はこれ、直接インタビューを何度も・・・って、家の近所にあるんですよ、ピクサーって会社は実は。
    山里 (笑)・・・そうなんですか。
    町山 僕は前、引越す前はエミリービルっていうとこに住んでたんですが、家はピクサーの本社の真裏にあったんですよ。
    赤江 え~!物凄いご近所さん。
    町山 ホントに。
    赤江 はい。
    町山 それでまあ、取材に行ったりしたんですけども、例えば、彼らの作り方ってのは『トイ・ストーリー』って話はおもちゃが主人公なんですね。
    山里 はい。
    町山 おもちゃが喋ったりして、おもちゃの労働組合みたいな話なんですけども、
    山里 (笑)・・・ちょっと夢が無くなる表現だけど、今の・・・
    赤江 おもちゃの労働組合(笑)・・・
    町山 そう。だから、子供を楽しませるのが仕事でしょ?おもちゃって。
    山里 はい。
    町山 だから労働組合ですよ、おもちゃの。
    山里 ま、確かに・・・(笑)そうなんだけどなあ・・・
    赤江 そうですね、まあそうですね。
    町山 それは、彼ら自身が、アニメーターとして、子供を楽しませるのが仕事だ、ってことを反映してるんですよ。
    赤江 あ~、娯楽を、することを仕事にしてるという、ね。
    町山 ま、娯楽ってのは、子供を喜ばせること、子供を育てること、っていうのを仕事としてるから、アニメーターの仕事とおもちゃの仕事は同じだ、って考え方から、彼らの中に入って行くんですね、キャラクターの中に。
    山里 へ~。
    町山 作り手が。
    山里 なるほど。
    町山 で、もう一つはその、親ですから、子供を抱えてる世代なんで、子供が生まれたばっかりで、まだ親になることに慣れてない。しかも自分達はコンピュータオタクでもって、アニメオタクだから、そもそも大人になれてるんだろうか?ってとこがあるわけですね、作り手側に。
    赤江 うん。
    山里 なるほど。
    町山 手探りで親になることを学んでいく、というテーマもあるんですよ、『トイ・ストーリー』には。
    赤江・山里 へ~!
    町山 で、『トイ・ストーリー3』っていうのは、この間公開されたやつは、もう、そうやってたら子供が大きくなって、家を出て行ってしまう、と。
    赤江 はい。
    町山 で、おもちゃとしての仕事が終わる、と。で、今度は、親が子離れはどうやったら出来るだろうか?っていうテーマだったんですね。
    赤江 あ~!そうやって観ると、また全然違いますねえ、へ~・・・
    町山 毎回それでやるんで、2つ良い点があって、作り手が子供のためにでっち上げた、嘘の話じゃ無いんですね。
    山里 うん。
    町山 ピクサーの人達、作ってる人達自身の非常にその、個人的なテーマを描いてる、本当の話になる、ってことと、もう一つは、アニメーションてのは、子供向けの映画ってのはみんなそうですけど、親が連れて行くじゃないですか。
    山里 はい。
    町山 親にも、心に迫るように作るんですよ。
    赤江 ふ~ん。
    町山 そうすると、「いや、良い映画だったね」となるから、またピクサーの映画に行く、っていうシステムですよね。
    山里 はい。
    町山 これは子供向け映画ではホントに大事なことで、子供向けでナメて作ると絶体失敗する、ってのはこういうことなんですよ。
    山里 へ~・・・
    町山 で、例えば、『ミスター・インクレディブル』っていう映画があって、ピクサーが作った映画で、これ、スーパーヒーローもののお父さんの話なんですけども、
    山里 はい。
    町山 お父さんがスーパーヒーローだったのに、スーパーヒーローを辞めて真面目にサラリーマンに働け、って言われて、
    赤江 うん。
    町山 どんどん精力が減退していく、って話なんですよ。
    山里 え?そんな話だった?
    赤江 アニメーションで?
    町山 そうなんです。どんどん男としての男性性が失われていくんですよ。
    赤江 あれ?
    町山 サラリーマンになって。・・・で、それまではスーパーヒーローだったのに、奥さんの言う通りに真面目に働いてるんだけども、男としてのアイデンティティみたいなものが崩壊していく、って物語だったんですね。
    山里 へ~・・・そんな話なんだ。
    町山 そういうことをちゃんと描いてるんですよ。だから、酒飲んだりするシーンも出てきたりして、非常にその、子供向けとしてはギリギリのとこまでやってましたね、『ミスター・インクレディブル 』は。
    赤江 あー、そうですか、へ~・・・
    町山 でねえ、途中からまたスーパーヒーローにこっそりと戻るんですけども、
    赤江 ええ。
    町山 一番先に変化が出るのは、奥さんに対してセクシーに戻っていくんですよ、主人公の男は。
    赤江 ふん。・・・え?
    町山 男性性を取り戻すからですね。
    赤江 え、そんな・・具体的に?・・・そんな、お話?
    町山 具体的に奥さんの尻を、撫でるシーンがあるんですよ。
    赤江・山里 へ~!
    山里 ジョークの1つぐらいじゃ無いんだ、それは。ちゃんとメッセージがあったんだ。
    町山 (笑)・・・それは、要するに、「今日、一発どうだ?」ってことですからねえ。
    山里 (笑)・・・いや、あの・・・ピクサーが作った、ね、オブラートをどんどん剥がしていかないで、町山さん。
    赤江 (笑)・・・
    町山 そいういうこともあれば、『カールじいさんの空飛ぶ家』って話はね、子供向けアニメにもかかわらず、年を取った老人で、奥さんを失ってしまった老人が、奥さんを失った後、どうやって生きていくのか?って話をテーマにしてるんですよ。
    赤江 そうですよねえ。
    山里 あ、そうだ、そうだ。
    町山 物凄い、大人のテーマですよね。
    山里 確かに。

    ~Conflict~
    ピクサー初の女の子向けアニメはディズニードル箱のお姫様路線

    町山 そいうことをやってたピクサーが、じゃあ何故女性向けの物を作れ無かったのか?っていうと、これはハッキリ言って、女性がクリエータースタッフに、ほとんど居なかったからですよ(笑)。
    山里 あ、シンプルにそういう理由なんすか(笑)・・・
    町山 シンプルにそういうことだったんですよ(笑)。
    赤江 ピクサー側の事情だったんですねえ。
    町山 個人的なテーマを描くから、・・・だから、女性向けの物は作れないわけですよ。
    赤江 へ~・・・
    町山 女性がいないから。
    赤江 ふん。
    町山 で、まあ、いるんですけど、何人かはね。でもまあ、今回は結局その、女性監督を連れてくるって形をとりましたね。
    赤江 は~・・・
    町山 で、『カーズ』から参加して、元ディズニーからずっとやってきてる、もうすごい、『リトル・マーメイド』(The Little Mermaid)の頃からずっとやってるですね、ベテランの、アニメ映画作家の人をですね、連れて来まして、
    山里 はい。
    町山 ブレンダ・チャップマンて人を連れてきて、その人に監督をさせてます、今回。
    赤江・山里 へ~・・・
    町山 でねえ、舞台はですね、え~・・・ストーリーを話しますと、この『メリダとおそろしの森』っていうのは原題がですね、『ブレイブ(Brave)』っていうタイトルなんですね。
    赤江 はい。」
    町山 『ブレイブ』ってのは「勇気」って意味ですけど、これ昔、『ブレイブハート』(Braveheart)って映画があったの、覚えてます?
    赤江 『ブレイブハート』・・・・あったような気がしますが・・・
    町山 『ブレイブハート』ってのはメル・ギブソンが監督・主演した映画で、
    赤江 はい。
    町山 スコットランドを、その・・・ま、イングランドに侵略されたりしてたんで、そのスコットランドって国を独立させようとした実際の男を主人公にした、映画だったんですね、『ブレイブハート』っていうのは。
    赤江 はい。
    町山 スコットランドっていうのは、イギリスの島のですね、上半分ですけども、ま、別の国だったんですよ、イングランドとはね。
    山里 はい。
    町山 元々。・・・でも侵略されたりですね、、統一されたりいろんなことがあって、それで最終的にですね、『ブレイブハート』って映画が公開された後に、独立運動が凄く激しく起こって、ま、それまでもずっと起こってた、続いてたんですけれども、
    赤江 うん。
    町山 今はスコットランドってのは、自治権を獲得して、まあ、独立した、みたいな感じになってるんですよ。
    赤江 はい。
    町山 あの・・・スコットランドって国があるんですよ、今。昔は無かったんです(笑)。
    山里 はい。
    町山 グレートブリテンから、ま、自治権を獲得したんですけども、そういった国なんですね、スコットランドって国は。
    山里 はい。
    町山 で、あの・・・・ま、そのスコットランドが舞台のですね、10世紀のスコットランドを描いてるんですが、10世紀ってのはまだイギリスに・・・まあ、侵略されてない時代の話ですね。
    山里 ふんふん。
    町山 で・・・それが舞台でですね、主人公はお姫様なんですよ。
    赤江 はい。
    町山 スコットランド王国のお姫様なんですけども、
    山里 はい。
    町山 これはね、お姫様路線てのは、ずっとディズニーから続いてるんですけども、
    赤江 ええ。
    町山 あの、これはね、ディズニーっていう会社が、一度会社がホントに潰れそうになった時期があるんですよ、昔。
    山里 え~?
    町山 1970年代の初めぐらいは、ディズニーは殆ど崩壊寸前だったんですよ。
    山里 え~!
    赤江 そうなんですか~。
    町山 作品が全く当たらなくて。
    山里 はあはあ、はあ。
    町山 で、そこに入ってきた、カッツェンバーグっていうプロデューサーの人がですね、ディズニーを蘇らせた作品ていうのがあって、それが、2つの人魚姫物語なんですね。
    山里 はい。
    町山 で、1本は実写で作った、『スプラッシュ』(Splash)って映画を作りまして、それが当たったんですね。人魚姫のはなしですね、ニューヨークに人魚姫が来るって話ですね。
    山里 はい。
    町山 もう1本は『リトル・マーメイド』(The Little Mermaid)なんですよ。
    赤江 あ~、はい。
    町山 人魚のお姫様の話ですね。
    山里 アリエール。
    町山 この2つでディズニーは蘇るんですよ。
    赤江 へ~・・・
    町山 で、プリンセス物でディズニーってのは蘇ってきたんですね。その後もずっと、『美女と野獣』(Beauty and the Beast)であるとか、『ポカホンタス』(Pocahontas)であるとか、『ムーラン』(Mulan)であるとか、ずっとプリンセス路線てのがあるんですよ。
    赤江 そうですね。
    町山 お姫様路線が。
    赤江 はい。
    町山 で、これでずっと当たってきたんですが、最近作られてなかったんですね。あの・・・この間、『プリンセスと魔法のキス』(The Princess and the Frog)って映画が作られて、ま、それは、実際のプリンセスじゃなくて、殆ど最近のアメリカの(笑)、ニューオーリンズを舞台にした話でしたけども、
    赤江 うん。
    町山 で、ピクサーはそれをやってなくて、プリンセス路線ていう、非常に儲かる、ドル箱の路線をやってなかったんですよ。
    赤江 プリンセス路線、ええ。
    町山 どうしてプリンセス路線が儲かると思います?
    赤江 女の子の夢、憧れ・・・
    山里 女の子が・・・買う、とか、いろいろ・・
    町山 おもちゃが売れるんですよ。
    山里 そうですよねえ。
    赤江 あ、おもちゃがね。
    町山 おもちゃが売れるんですよ。コレねえ、日本でもそうですけど、魔法少女モノっておもちゃが売れるから続いてるんですよ、あれ。
    赤江 あ~、そうですねえ、道具がいろいろ出てきてねえ。
    町山 変身グッズとかあるでしょ。
    赤江 はいはい。その度にステッキ買ったりとかねえ。
    町山 そうそう、そう。で、ディズニーの方は、お姫様のものが描いている、食器であるとか、まあ、そういったものをちっちゃい子が買うじゃないですか、女の子が。
    山里 はい。
    町山 あれでメチャクチャ儲かるから、お姫様路線てのはやんなきゃいけないんですけど、ずっとやってなかったんですよ、最近。当たんなくて。
    赤江 (笑)・・・いやいや、ま、夢があるからいいじゃないですか、町山さん。ね。
    町山 久々にやることになったんで、で、まあ、スコットランドの王国ってのは、実在する王国がモデルになってるんですけど、これ、アルバ王国ってのがあったんですね。
    山里 はい。
    町山 スコットランドってのは、いくつかのクランて言われてるですね、氏族がですね、すごい、闘争を続けてて、なかなか統一されなかったんですけども、
    山里 はい。
    町山 あの・・・スコットランドの人達ってのは、1番パッと思いつくのって、アレじゃないですか、スカート履いてるオッサン達でしょ。
    赤江 ~、はいはい。
    町山 あのスカートのあの・・ま、バーバリーの柄みたいになってる、キルトってチェックの柄じゃないですか。
    赤江 はい、タータンチェックみたいなね。はい。
    町山 そうそう。あれは全部その氏族ごとに模様が違うんですよ。
    赤江 あ、そうなんですね、へ~・・
    町山 それで、それ同士で激しく抗争をしてるんですね。
    赤江 ええ。
    町山 非常にその、『ブレイブ』っていう言葉通りですね、乱暴な人達でですね、
    山里 ほう。
    町山 え~、ま、激しく、斧とかで戦ってるんですけども、
    山里 はい。
    町山 それを少しづつ統一していって、スコットランド王国ってのは出来たんですね。
    山里 はい。
    町山 で、統一する際にどういうことが行われたかっていうと、やっぱりね、これ、政略結婚なんですよ。
    赤江 は~、やっぱり日本とかと一緒ですねえ。
    町山 そう、お姫様と王子様を結婚させていく、っていう、日本の戦国時代と同じですよ、だから。
    赤江 ええ。
    町山 ね、どんどん結婚させてなきゃいけない、と。
    赤江 うん。
    町山 それでこの、主人公のメリダ姫も、結婚しろ、って言われるわけですね。
    山里 はいはい。
    町山 要するに、国を1つにするために。
    赤江 うん。
    町山 ところがね、それがイヤなんですよ、このお姫様は。
    山里 あら・・・勝気な感じだからね・・・
    町山 メリダ姫はそういったものに興味が全然無いんですね。
    山里 はい。
    町山 男の子とかに。
    山里 はいはい。
    町山 で、この子が大好きなのはですね、馬に乗って、弓矢を撃ちまくることなんですよ(笑)。
    赤江 うんうん。
    町山 流鏑馬(ヤブサメ)みたいなことがですね。
    山里 流鏑馬好きな主人公(笑)。
    町山 流鏑馬好き少女ですね。「ヤブサメ少女」ですね(笑)。
    赤江 (笑)・・・いいじゃないですか。
    町山 とにかく、それにしか興味が無いんですけど、その・・まあ、お母さん、お母さんだからクイーンですねえ、
    赤江 はい。
    町山 女王はですねえ、「そんなことやってる場合じゃないの!」、「アナタには責任があるの」と。
    山里 ふん。
    町山 「お姫様なんだから、国のために結婚しなさい」って言うんですけど、それでだんだん仲が悪くなってくるんですよ、お母さんと。
    赤江 ええ。
    町山 で、婿取りの儀式になって、えー・・・まあ、あの、いろんな種族のですね、婿さんが来るわけですね、婿候補として。
    山里 はいはい。
    町山 で、力比べをするんですけど、これ、本当にスコットランドの人達って力比べをするんですよ、昔から。
    山里 あ、そうなんですか・・・
    町山 大きな丸太ん棒を持って、投げたりするんですね。どの位飛ぶか、とか。
    赤江 分り易い、強さの証明ですね。
    町山 これは今でもやってますから。
    山里 あ、今でもやってるんすか。
    町山 今でもやってます、コレもう(笑)・・・今でも、何千年もやっててですね、今、テレビで放送したりしてます、コレ。
    赤江 え~!
    町山 丸太投げとか、ハイ。
    赤江 へ~。
    町山 あの・・・大きい石を、こう、どの位持ってて歩けるか、とか(笑)・・・そんなことずっとやってんですけど(笑)。
    山里 あ~!ビックリ映像みたいなので見たことある。
    赤江 シンプルですねえ。
    町山 これ、テレビで放送してるのを、よく、見れますけど。毎年1回ぐらいやってますが。
    山里 やってます、やってます。
    町山 で、それをやって、婿を選ぶ、みたいなことになるんですね。
    赤江 ええ。
    町山 で、その時に弓矢をやろう、と。競技でね。
    山里 はい。
    町山 ということになるんですが、このメリダってお姫様は、弓矢の競技の中に自分が出て行っちゃうんですよ。
    山里 あら、婿選びなのに。
    町山 で、自分で「パンパンパンパーン!」とですねえ、連続打ちでもって全部真ん中を射抜いてですね、その婿さん候補達に、もう大恥をかかせるんですよ。
    山里 は~。
    赤江 カッコイイじゃないですか。
    町山 カッコイイんだけど、これ政治的にとんでもない行為なんですよね(笑)。
    赤江 (笑)
    山里 そうですよねえ。
    町山 だって、いろんな種族の和平を結ぼうとしてる時にこういうことをやってるわけですから。
    赤江 そうか。
    町山 でもう、お母さんからメチャクチャ怒られて、「アンタ最低だ!」と。
    赤江 (笑)
    町山 言われて、それで家出しちゃうんですね、怒られて。
    赤江 ほう・・・
    町山 お姫様が。
    山里 はい。
    町山 そうしたらですねえ、森の奥にですね、魔女がいるんですよ。
    山里 あ、いいですね・・・
    町山 でね、これねえ、スコットランドの話で、結構日本の人でねえ、良く解るのはねえ、『マクベス』(Macbeth)っていうシェイクスピアの話がありますね。
    赤江 はい。
    町山 あれはスコットランドの王様の話なんですよ。
    赤江 ほう・・ええ。
    町山 で、あれほら、魔女がいっぱい出てくるじゃないですか。
    赤江 そうですね、魔女の予言みたいなので、こう・・・翻弄される、ていうとこありますもんねえ。
    町山 そうそう、そう。で、魔女がなんか、でっかい鍋でグツグツグツグツ、こうやって、なんか煮てたりするじゃないですか、ヘンな薬とか。
    赤江 はい。
    町山 あれってのは、スコットランドってのは、あの・・・キリスト教が入ってくるのがすごく遅れて、元々の土着宗教を信じてたんですね。
    山里 へ~・・
    町山 で、それは、呪いとかまじないとかも入ってて、いわゆるその、なんていうか、まああの、民間の療法みたいなのをやってる、お医者さんだったんですね、魔女ってのは当時ね。
    山里 へ~、はいはい。
    町山 漢方薬みたいな物を作ってたんですけども、
    赤江 あ~。そっかそっか、いろんな野草とか。
    町山 そこにその、メリダが行ってですね、「お母さんに困ってるの」って魔女に言うわけですね。
    山里 ほう。
    町山 「お母さんを、なんとか変えて欲しいの」って言ったら魔女が・・・「ある物」を渡して、お母さんが「ある物」に変わってしまう、と。
    赤江 ん~。
    町山 それで大変な事態になっていく、っていう映画なんですよ。
    山里 プリンセス物に出てくる魔女はホントね、ろくなことをしないのね、毎回。
    赤江 (笑)
    町山 魔女は怖いですけどね、ハイ。
    山里 魔女は怖い、はい。
    町山 でも、この映画に出てくる魔女は結構可笑しいんですけどねえ。
    山里 あ、そうなんですか。

    ~Resolution~
    ディズニーお姫様の変遷、待ってるだけの眠り姫から生意気な現代っ子へ

    町山 あの・・・この映画がねえ、面白いなと思ったのは、
    山里 はい。
    町山 もうホントにお姫様物ってのは昔からどんどん変わってって、もうホントに変わっていったな、と思うんですね。
    山里 はいはい。
    町山 で、『リトルマーメイド』で始まったディズニーのお姫様路線て言いましたけど、その前にも『白雪姫』(Snow White and the Seven Dwarfs)とかあったわけですけどもね。
    赤江 うん。
    町山 『シンデレラ』(Cinderella)であるとか、『眠れる森の美女』(Sleeping Beauty)とか。
    赤江 ええ。
    町山 でも、どのお姫様も、寝てて王子様にキスされるだけなんですよね。
    赤江 そうですよ・・・
    山里 (笑)・・ザックリ・・
    赤江 受け身態勢でしたもんね。
    町山 受け身、超受け身ですよ!
    赤江 ね。
    町山 寝てるだけ、寝てるんですから。
    赤江 寝てるだけでしたもんね。100年間寝てただけ。
    町山 そう、『シンデレラ』とかも選んでもらうわけでしょ?
    山里 そうですねえ。
    町山 自分は何もしないわけですよ。
    山里 そりゃ、お姫様だから。
    赤江 (笑)・・お姫様に手厳しい、町山さん。
    山里 お姫様に肉食系を求めちゃダメでしょ。
    町山 もう、それがどんどん変わってってるんですよ。
    赤江 あ~。
    町山 『リトルマーメイド』の頃もねえ、結局、王子様が活躍するんですけども、
    赤江 そうですね。
    町山 『ポカホンタス』も、結構受け身で、でも、戦争をやめさせたりして、このへんからどんどん変わってくるんですよ。
    赤江 う~ん・・・
    山里 あ、ちょっと攻め気味に・・
    町山 『ムーラン』だと、中国が舞台ですけど、女の子なんですが、武装して鎧を着てですね、戦場に出るんですね、男として。
    山里 あ、はいはい。
    町山 で、『プリンセスと魔法のキス』だと、王子様は出てくるんですけども、ただの女ったらしのですね、役立たずなんですよ。
    山里 はいはい。
    町山 で、プリンセスの方が一生懸命働くんですよ。
    山里 うん。
    町山 だから、どんどんどんどん、変わってきてるんですよ。
    赤江 ねえ、お姫様像が変わってますねえ・・そう言われれば。
    町山 ディズニー系列のその・・・お姫様像が。これはもう、現代っていう時代に合わせて変わってきてるんですけども。でもう、今回は完全に、男よりも強いお姫様、っていうね、話になってるんですけども。
    山里 そっか・・・逆転しちゃったんだ。
    町山 でもねえ、実際、待ってるだけの女の子が出てきて、それを、なんていうか、親が「この人みたいになりなさい」って言うのはおかしいですからね。
    山里 (笑)
    赤江 う~ん。
    町山 で、最近公開・・日本では公開されてる『スノーホワイト』(Snow White & the Huntsman)なんて白雪姫の話なんですけども、
    山里 そうだ。
    町山 あれ、白雪姫が鎧を着て戦場にでますからね。
    赤江 あ、そうですね。
    山里 戦う、っていう、ねえ。
    赤江 CMでも流れてますねえ、はいはい。
    町山 はい。そういう、ねえ、時代はどんどん変わっていって、このメリダはですね、ホントのテーマは母と娘のですね、葛藤なんですよ。
    赤江 はあ・・・
    町山 でもう、是非これはですねえ、娘さんを持つお母さんは、一緒に観に行くとですねえ、非常にその後の会話とかもですね、非常に深いものが出来るんじゃないかと思います。
    赤江 あ~、そうですか。母、娘で行くと、なお、良いと・・・
    町山 これはもう、母、娘、で是非観ていただきたいというですね、
    赤江 へ~・・・
    町山 この娘がホントに生意気で、反抗的で、どうしようもないんですねえ。
    赤江 (笑)
    山里 メリダ。
    町山 それがね、「ごめんなさい」を言えない女なんですよ。
    赤江 あら!それねえ、反抗期の1番多いとこですねえ。
    町山 「アイム・ソーリー」が言えなくてねえ、大変な事態になっていくという、ねえ、点でねえ、ウチの娘もその辺はね、観てらんなくて目を半分隠しながら観てましたよ。
    赤江・山里 (笑)
    町山 「観てらんない、これ!」・・・自分にこう、いろいろ跳ね返ってくるものがあったんだと思いますが。
    山里 なるほど。
    赤江 へ~。
    山里 いい教材としても観れるんだ。
    町山 前の日に宿題しない、って怒られてたしね。
    赤江・山里 (笑)
    町山 それとか思い出してね、「あー!観てらんない!アタシだ、これ。」とか思いながら観てたと思います、ハイ。
    山里 あー、じゃ、子供はそういうシンクロさせながら。
    赤江 親近感はものすごく近いお姫様かも知れないですねえ。
    町山 いやもう、どこにでもいる(笑)、女の子の話だと思いますね、ハイ。
    赤江 へ~・・・
    山里 そっか、今、お姫様もそう変わってきてるんですね、どこにでもいる、投影しやすくなってる・・・
    町山 こう、リアルになってきてますね、ハイ。
    山里 へ~。
    町山 これ日本公開はすぐですよね?
    赤江 はい。日本ではもう、7月21日から全国ロードショー、ということで。
    町山 あ、そうですか。もう、是非、娘さんがいる家庭は、是非観ていただきたい、と。
    赤江 はい。町山さんね、そのメリダ役が、日本語版吹き替えでは、山ちゃんの大好きなAKB48の大島優子さん・・。
    山里 そうなんですよ。
    赤江 声優を務めるんですよ。それでも話題になってるんです。
    町山 あ、そうなんですか。物凄い、前半、生意気な女ですよ(笑)。
    山里 あ~、生意気な女を演じれるのかな、優子さんが。
    赤江 ねえ。
    山里 ・・・演じれそう。
    赤江 (笑)・・・ということで、今日の、ご紹介頂きました『メリダとおそろしの森』は、もう間もなく7月21日から全国ロードショーということで、日本でも観ることが出来ます。
    町山 これ、CGで作られた、赤毛の巻き毛の動きもスゴイですから、その辺も注目してください。
    山里 映像的なのは、そう、ピクサーですから。
    赤江 ピクサーね。その辺もまた面白い、と。
    町山 これ全部CGとは信じられないですよ、これ。
    山里 へ~。
    町山 スゴイ赤毛のくるくるが全部動いてますから。コンピューターで計算して動いてますからね。
    赤江・山里 へ~・・・
    町山 はい。
    赤江 またねえ、娘さんにはじゃあ、宿題は、「ガンバッテやろうね。」って言っといてください。
    町山 (笑)ハイ・・・大変なことになっちゃうぞ、って・・・
    赤江 (笑)ハイ、町山さん、ありがとうございました。
    山里 ありがとうございました!
    町山 はい、どうもでした。

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