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    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』(Beasts of the Southern Wild) ルイジアナのおとぎ話は宮崎駿の世界観【2012年9月25日たまむすび】

  1. スタジオ  田中みな実(TBSアナウンサー) 山里亮太(お笑い芸人、南海キャンディーズ)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    赤坂からお台場の告知をしちゃう町山さん

    田中 赤江珠緒『たまむすび』、3時台はコラムコーナー『たいしたたま』。今週火曜日はアメリカ在住の映画評論家、町山智浩さん。今週も、アメリカ、カリフォルニア州バークレーの御自宅から、お電話で御出演です。もしも~し、町山さん、初めまして。
    町山 あ、どうも初めまして。町山です。
    田中 TBSアナウンサー、田中みな実です、お願いいたしまーす。
    町山 はい。よろしくお願いします。
    山里 お願いします、町山さ~ん。
    町山 どうもです~。あの、先週はどうもでした。
    山里 お世話になりました。もう、町山さん、帰っちゃったんですね、アメリカに・・・。
    町山 そうなんですよ。もう・・・(笑)行ったり来たり、大変なんですけど、ハイ。
    山里 ねえ。でもそこでまた、凄い収録をしてきたんでしょ?
    町山 あ、そうなんですよ。そう、今日、告知がありましてですね、
    田中 ほう。
    山里 ね。
    町山 えーっと、スイマセン、他局なんですけども、
    山里 ハイ(笑)。
    町山 えーっと、今夜9時からですね、フジテレビで・・・
    山里 (笑)
    町山 『世界法廷ミステリー 推定無罪』っていう番組があるんですね。
    山里 はいはい。
    田中 ええ。
    町山 で・・・それに僕、出演してるんですが、あの、告知関係、一切、僕の名前、出てないんですよ。
    山里 あ、そうなんすか。・・・テレビ欄とかに?
    町山 (笑)・・・だからあの・・・ここで告知させて欲しい、って感じなんですけども(笑)、
    山里 (笑)

    町山 ハイ。すいませんね。全然有名じゃないんでねえ、外されちゃってんですけども。
    山里 いえいえ・・・何をおっしゃいますやら・・・。
    町山 え~・・・出てくる人はですね、
    山里 はい。
    町山 え~・・・荒俣宏さん・・先生ですね。
    山里 はいはい。
    町山 船越英一郎さん、伊集院光さんとか、そういった方々がですね、
    山里 ・・・面白そう・・・
    町山 あの・・陪審員として、アメリカやイギリスで実際にあったですね、今も決着がはっきりついてない、ま、殺人事件とかのですね、裁判の・・・ま、決着を勝手に日本人がつけてしまう、というですねえ、
    田中・山里 へ~!
    町山 陪審員として。
    山里 ふんふん。
    町山 そういう、かなりねえ・・・・「いいのか?オイ!」っていう番組なんですけども(笑)、
    山里 これ・・・町山さんの、ポジションはどんな感じなんですか?
    町山 僕はねえ、あの・・事件が起こってるのをずっとアメリカで見てましたんで、
    山里 はあはあ、はあ。
    町山 裁判の、なんていうかねえ、動向を全部知ってる人としてですねえ、
    山里 なるほど。
    町山 あの・・・出演してます。
    山里 ふ~ん、なるほど。
    町山 ハイ。え~、今夜9時からですんで、『世界法廷ミステリー』よろしくお願いします、ハイ(笑)。
    山里 いやこれ、町山さん。オレ今、冷静になって気付いたんですけど、やっぱりこれ、かなり異例のことでしたねえ、今ねえ。
    田中 アハハ・・・・
    山里 これ、赤坂TBSから、
    町山 そう。
    山里 お台場のフジテレビの、告知をするってのは・・・
    町山 トンデモナイですよ。
    山里 町山さんしか許されませんよ、これは・・
    町山 いやもう、TBSもつけといて、あの・・・テレビ2台で両方で見てください、っていうよくわかんないですけど(笑)・・・
    山里 そう!両方見ながら楽しんで頂けたら(笑)、と思ってます・・・
    町山 スイマセン。
    田中 まあね、でも、ここからは、町山さんの映画コーナー、ということで。
    町山 はい。

    ~Conflict~
    低予算ながらも全米大ヒットの宮崎駿風ファンタジーは日本公開が難しいという現状

    田中 早速ですけれども、今週はどんな映画をご紹介していただけるんでしょうか?
    町山 はい。えっと、今日はですね、『カンヌ映画祭』っていう、ま、映画祭がありますけど。
    山里 はい。
    町山 え~、それで新人賞を受賞した映画なんですが。
    山里 うん。
    町山 これね、日本語タイトルがまだついてないんでねえ、すごく判り難い英語タイトルで言いますが、
    山里 はい。
    町山 え~、『ビースツ・オブ・ザ・サザン・ワイルド』(Beasts of the Southern Wild)っていうタイトルなんですね。
    山里 はい。
    町山 『ビースツ・オブ・ザ・サザン・ワイルド』って、これね、日本語に訳すと、「南部の、野生の、獣たち」っていう、まあ、意味になりますけれども、
    山里 はい。
    町山 ・・ハイ、そういう映画をちょっと紹介したいんですが。
    山里 はいはい。
    町山 これはねえ、おとぎ話なんですよ。
    山里 あ、そうんですか。・・・なんか、自然の・・話とかじゃないんだ・・・。
    町山 これねえ、あの、6歳の、あの・・・女の子が主人公のおとぎ話で、
    山里 はい。
    町山 あの・・語り部もその6歳の女の子がですね、たどたどしくね、「アタシのナマエはハッシュパピーっていうの・・・」って話していくんですね。ナレーターとして。
    山里 ふんふん。
    町山 で、あの・・・このハッシュパピーちゃんはですね、あの、ま、見ると明らかに南部の、ルイジアナに住んでるんですね。
    山里 はい。
    町山 はっきり説明は無いんですよ、子供だから。自分が何処に住んでるかわかんないから(笑)。
    山里 なるほどなるほど。
    町山 でも、見るからに完全に、その、ルイジアナにはミシシッピっていう川の河口がありまして、
    田中 はい。
    町山 下のほうがね、「ミシシッピデルタ」って言われる、なんていうか、湿地帯みたいになってるんですよ。
    山里 はい。
    町山 ちっちゃい川がいっぱい入り組んで、林の中をこう、流れてて、こう・・・沼地のような感じになってるとこがあるんですけれども。
    山里 はい、はい。
    町山 そこにまあ、お父さんと一緒に住んでんですね。
    山里 ふん。
    町山 はい、2人で。
    山里 はい。
    町山 で・・・あの・・・この、お母さんはいないんですよ。
    田中 ええ。
    町山 で、お母さんは何処に行ったのか、っていうと、まあ、お父さんは「遠くに行った」みたいなことしか、曖昧なことしか言わないんですね。
    山里 ふん。
    町山 まあ、それで・・・いつかお母さんに会える、ってことを、こう・・・夢見てる女の子がハッシュパピーちゃんで。
    山里 はあ。
    町山 この子がですね、まあ物凄い、芸達者なんですねえ。
    山里 ふん。天才子役みたいな・・・
    町山 これ、黒人の女の子なんですけど、
    山里 ふん。
    町山 えっとねえ、映画に初めて出た・・子で。
    田中 へ~。
    町山 そうなんですよ。もう、凄い、あの・・・主演女優賞とかにねえ、いろいろ賞で挙がってくるんじゃないか、って言われてる子ですけども。
    山里 へ~・・・。
    町山 え~・・名前がねえ、すごく難しくて(笑)、これ多分フランス系なんですけども、え~・・・「グベイン・ゼイン・ワリス」(クヮヴェンジャネ・ウォレス)っていう女の子なんですね(笑)。
    田中 グベイン・ゼイン・ワリス・・・さん。
    町山 グベイン・ゼイン・ワリス(笑)っていうんですけど、ま、あの、多分、ルイジアナってのはフランス系の名前の人が結構多いんで、
    山里 ふんふん。
    町山 あの、その名前じゃないかと思うんですけども。えーと・・・この子はねえ、ま、いわゆるその、アフロヘアーなんですけど、それを伸ばしっぱなしでライオンみたいになっててですね、
    山里 ふん。
    町山 で・・・ま、汚い下着・・の上下にですね、
    山里 うん。
    町山 いつも長靴を履いてる、っていうねえ。あの・・・ホントになんか、マンガの中に出てきそうな感じで出てくるんですね。
    山里 うん。
    田中 ふ~ん・・・
    町山 あの・・・ま、『長くつ下のピッピ』(Pippi Langstrump)とか、ああいう系ですよ。
    山里 なるほどなるほど、おとぎ話の主人公的な感じで。
    町山 そうそう、野生の女の子なんですね。
    田中 なんか、私達さっき、予告編の映像を見させてもらったんですけれども、
    町山 はい。
    田中 なんかとっても可愛らしい・・・
    山里 そうそう。
    田中 女の子で。でもなんか、ドキュメンタリーなのかな?って最初、思ったぐらい・・・・
    町山 はい。
    田中 ちょっと、リアルな感じで描かれてたな、って思ったんですけど・・・
    町山 あ、その通りです。これねえ、すごく不思議なんですけど、
    山里 うん。
    町山 あの、映画の撮り方自体をドキュメンタリータッチで撮ってるんですよ。
    田中 はあ。
    山里 へ~、なるほど。
    町山 すごくリアルに。でも、語ってるその女の子の語り口とかは、要するに、現実が起こってるのに、子供ってほら、・・・なんていうか、現実とおとぎ話の区別がつかないじゃないですか。
    山里 なるほど。
    田中 はい。
    町山 その感じなんですね。だから、これ、ルイジアナが舞台なんで、ハリケーンが起こって大洪水が起こるんですよ。
    山里 あ・・・実際にも・・ありましたよね?昔、大きな・・・
    町山 ありました。2005年にその・・・ま、堤防が決壊してですね、ルイジアナが全部水没しましたけれども、
    山里 はいはい。
    町山 それが起こるんですよ、この映画の中で。
    田中 へ~・・・
    山里 なるほど。
    田中 なんかちょっと、現実と空想とが入り混じった、感じっていうことですか?
    山里 ・・・に、なってるっていうことですよね。
    町山 そうなんです。だから、子供にとっては多分、あの・・水没した時に、「もう、この世の終わりだ」と思ったと思うんですよね。
    山里 うんうん。
    町山 実際に、ちっちゃい子達は。
    田中 うん・・・
    町山 そういう感じで撮ってて、ホントに世界が水に水没してしまったんだ、みたいな感覚になってるんですよ。この主人公の女の子は。
    山里 うん。
    町山 で、しかもですね、あの・・北極でですね(笑)、突然、北極の話が出てくるんですよ、この映画の中でね(笑)。
    山里 ふん。
    町山 あの、地球温暖化のせいで北極の氷も溶けてるから水の量が増えてる、みたいな話が出てくるんですね。
    山里 ふんふん、ふん。
    田中 ほう。
    町山 それがなんか、この、ハリケーンと入り混じってるんですけど。
    山里 ふん。
    町山 さらにその、北極の氷の中に閉じ込められている、
    山里 うん。
    町山 あの、原始時代の怪物、
    山里 ふん。
    町山 超巨大生物の、
    田中 ほう。
    町山 (笑)・・・え~、ウォーロックスというですねえ、
    山里 ふん。
    町山 超巨大生物が蘇って・・・地上を荒らしてくる、っていう話になってるんです、途中から。
    山里 あ、ここで一気にファンタジー感が出て来ましたねえ、急に。
    田中 ホントですねえ、ウォーロックス?
    町山 ウォーロックスっていうのはねえ、なんかね、えー・・・体長が30メートルぐらいある、ま、怪物なんですけども、
    田中 えー!
    町山 あ、30メートルもねえや、10メートルぐらいしか・・(笑)
    田中 (笑)・・・だいぶ違いますねえ・・・
    山里 ・・に、しても、凄い・・・
    町山 えっと、それが何匹もですね、氷の中から出てきて、「ドドドドドド!」っとこうねえ、えー、地面を走りながらですねえ、
    山里 うん。
    町山 建物を全部、なぎ倒して進んで行くんですよ。
    山里 ふ~ん・・・
    町山 それがどうも、襲って来るらしい、と。
    山里 うん。
    町山 で、「この世の終わりだ!」っていう、なんか、おとぎ話みたいな話かと思うとですねえ、
    山里 はい。
    町山 この・・・その・・・女の子とお父さんがですねえ、突然、ヘリコプターによって助けられて、
    田中 ん?
    町山 避難所に連れて行かれるんですよ、アメリカ政府の。
    田中 ふん。
    町山 で、そこで避難民として生活させられたり、その部分は非常にリアルなですねえ、あの、洪水の時に実際に起こった、避難を描いてたりねえ、
    山里 ふん。
    町山 どこまでが、その・・なんていうか、ドキュメンタリーで、どこまでがおとぎ話か、よく分からないように撮ってる、ふしぎ~な、不思議な映画なんですね。
    田中 へ~・・・
    山里 なるほど・・・
    町山 はい。でまあ、その、水没した世界で生きていこうとして、その村の人達がですねえ、・・・ま、自給自足で生活を始めるんですね、水の上で。
    山里 ふん。
    町山 あの・・・なんていうか、水の上に、その、浮かぶ家を作ってそこで全員で共同しながら・・・・。で、その辺の人達ってザリガニを食べるんですよ。
    山里 はい。
    町山 あと、ナマズとザリガニが、一応主食なんですね。
    田中 へ~・・・
    山里 ほうほう。
    町山 ザリガニとナマズを獲ってね、みんなで食べて生活をしながら、その、子供にそのお父さんが、ハッシュパピーちゃんに、ナマズの捕まえ方とかですね、
    山里 ふん。
    町山 え~、ザリガニの捕まえ方とかカニの食べ方とかをですね、教えて、「お前は、1人で生きていかなきゃなんないんだ」って言うんですね。
    山里 ふんふん、ふん。
    町山 で、「どうして?」って聞くと、お父さん、死にそうなんですよ。
    山里 は~、なるほど。
    町山 お父さん、段々身体が弱ってきて、その・・・「オレはもう死ぬから、お前はオレが居なくても1人で生きていくように頑張るんだぞ!」って言うとハッシュパピーちゃんが、「ウン、ガンバル!アタシ、強いから!」つって頑張るんですけど(笑)。
    山里 (笑)・・・ふんふん。
    町山 そういう、こう、なんかほのぼのとした話と、凄くリアルなその、え~・・・ルイジアナが受けた災害とかねえ、その・・・地球温暖化とかが絡んでくる不思議な映画なんですけども。
    山里 はい。
    町山 これを観ててですねえ・・・、
    山里 はい。
    町山 あ、これねえ、スゴイ低予算なんですよ。
    山里 あ、結構、壮大な感じですけどねえ。
    田中 うん・・・
    町山 壮大なねえ、あの・・・・・風景で、壮大に撮ってるんですけど、実際は制作費が1億5千万ぐらいなんですね。
    田中 でも、ねえ、ウォーロックスとか、なんかその、大きな獣も出てきたりとかして・・・撮影も大変そうですけど・・・。
    町山 これねえ、怪物がねえ、その、街を破壊したりするシーンとかねえ、怪物の巨大さとかすごく良く出てるんですけど。
    田中 はい。
    町山 あの・・・撮影現場の、なんていうか、あのねえ(笑)、裏ビデオみたいな物を見つけちゃったんですよ、僕。
    山里 (笑)・・・編集前の!
    町山 編集前の!
    山里 うん。
    町山 そしたらこれねえ、30センチぐらいの子豚ちゃんに、角とかねえ、牙をつけて撮影してましたねえ。
    田中 (笑)
    山里 え?!
    田中 え~!それ、映像的にはどう仕上がってるんですか?
    町山 これがねえ、スゴイ迫力なんですよ。映画で見ると。
    田中 ホントですか。
    山里 知恵でなんとかなるんだねえ・・
    町山 スゴイ、ミニチュアを使って。
    山里 ふん。
    町山 30センチぐらいの(笑)子豚ちゃんにねえ、ミニチュアの家とか破壊させてるんですけど、
    山里 (笑)
    田中 へ~!
    町山 撮り方が上手いからねえ、ホントにでかく見えるんですよ。
    山里 へ~!
    町山 大昔ね、僕が子供の頃はねえ、本物のトカゲとかを、ミニチュアを破壊させてね、大怪獣の映画に見せた映画があったんですけど。
    田中・山里 は~。
    町山 それに近い感じでしたね、懐かしい・・・はい。
    山里 特撮とかもそうですもんね。
    田中 でもリアルなんですよねえ・・・
    町山 だって1億5千万ですから。制作費。
    山里 そっか、映画としては、もう、物凄い低予算で作ってる、と。
    町山 アメリカ映画としては物凄い低予算なんですよ。それで、これ、監督もですね、もう今まで映画撮ったことの無いですね、わずか30才のベン・ザイトリンていう人が、初めての映画なんですね。
    山里 へ~・・・30歳・・・
    町山 で、このお父さんとか、みんなですね、素人なんですよ。
    山里 え?!・・・で、その、さっきから言ってる、スゴイ、子供の役の子もですか?
    田中 グエインゼイんワリスさん・・・
    町山 あのね、子供は素人ですね、もちろんねえ(笑)。
    山里 えー?!
    町山 仕事無いですから(笑)。・・・でも、このお父さんとかもねえ・・・
    田中 子役さんじゃなくって?
    山里 みんな?
    町山 はい。素人で。お父さんはねえ、この映画関係者が通ってたパン屋さんの親父さんらしいです。
    田中 えー!
    町山 ハイ。(笑)ただのパン屋さんでした、ハイ。
    田中 え、なんかちょっと、手作り感満載な、感じがしますけど、でも、中身はちゃんと本格的な・・・
    山里 いや、全然・・・そうやって感じさせないものがあったんだけど・・・
    町山 ま、凄いですね。あの・・・やっぱりね、撮り方が上手いんでねえ、
    田中 うん。
    町山 すごくリアルに撮れてるんですけれども、で、これがもう、アメリカでは既にですね、1千万ドルも稼ぎ出してて、大ヒットしてるんですけども。
    田中 へ~・・・
    山里 は~・・・10億円以上・・・
    町山 これねえ、観てねえ、とにかく・・・思ったっていうかねえ、「あっ!」と思ったのはですねえ、
    山里 はい。
    町山 宮崎駿の、アニメーションの世界に非常に近いんですよ。
    田中 あ~・・・
    山里 いや、確かにそうだ。
    町山 はい。
    田中 なんか、ちょっと、『もののけ姫』とか・・・うん・・
    山里 『もののけ姫』とかの感じ。
    町山 そうなんです。その、まず、水没した世界っていうね、世界が全部水に沈んちゃった、っていうのはですね、
    田中 あ、わかった!それ、ポニョだ!
    町山 ポニョなんですよ!
    田中 『崖の上のポニョ』
    町山 『崖の上のポニョ』なんですよ。
    山里 あー、そっかそっか。
    町山 でね、宮崎駿さんてのは、こう、世界が水没してしまう、っていうイメージをね、むか~しから何度も繰り返してるんですね、作品の中で。
    田中 ふ~ん。
    町山 『ルパン三世 カリオストロの城』でもそうですし、
    山里 そうだ。ありましたねえ。
    町山 あと、その前に撮った『パンダ・コパンダ 雨ふりサーカス』っていうのもねえ、町全体が水に沈んじゃうんですよ。
    田中 へ~・・・
    山里 『パンダ・コパンダ』・・ほう。
    町山 で、あと、『千と千尋の神隠し』でも、水に沈んだ世界で電車に乗って移動する、っていうシーンが出てくるんですね。
    田中 あ~!ありました!
    山里 ありました、ありました!
    町山 はいはい。・・で、それに凄く近い・・・イメージなんですよ。
    山里 これって、じゃ、影響を受けてる、っていうことなんですかねえ?
    町山 これはね、絶体に僕は、影響を受けてると思ってるんですよ。ほかにもねえ、そっくりなシーンがいっぱい出てきて、例えばその、巨大なその、怪物ウォーロックスっていうのが「ドドドド!」っと、こう、迫ってくるっていう。文明の終わりにですねえ。
    山里 はい。
    町山 それはやっぱり、あの、『ナウシカ』の「王蟲(オーム)」に、似てるし。
    田中 「オーム」だ・・・
    山里 「オーム」!あ・・
    町山 はい。あと、『もののけ姫』にもねえ、イノシシの怪物が出てくるんですね。
    山里 出てきますねえ。乙事主(おっことぬし)。
    田中 あ、そうだ。
    町山 あれにも似てるんですよ。
    田中 そうですねえ。
    町山 はい。
    山里 は~・・・なるほど。
    町山 でね、凄くね、これねえ、面白いのは、この・・・宮崎駿の世界ってのは非常に日本的なアニメーションの世界じゃないですか。
    田中 ええ。
    町山 これがあの、ルイジアナで、その、ま、ほとんど黒人の人が住んでるような地域、での物語に、置き換えられてるっていうのは物凄い不思議なことですねえ。
    山里 そう・・・ですよねえ・・・
    町山 ・・・全然違う(笑)、物ですからねえ。
    山里 そう。どっから情報を得てねえ・・・そんだけ影響が出てる映画を作ってるっていうのは・・・・
    田中 え、この監督が・・、
    町山 はい。
    田中 日本に影響を受けた、とかっていう話は、あるんですか?
    町山 これはね、まだ言ってないんですよ。多分ね、日本で公開されることになればインタビューとかができてねえ、聞けると思うんですけれども。
    田中 あ、ということは日本での公開もまだ決まっていない、ということですね。
    町山 まだ決まってないですね。ていうのはね、こういうねえ、低予算の映画は、ま、これはねえ、20世紀フォックスって会社が配給権は持ってはいるんですけれども、
    田中 はい。
    町山 今、フォックスに限らず、大手の配給会社は、ちっちゃい映画を公開出来ない状態にあるんですよ、日本では。
    山里 え?なんで・・なんでですか?
    町山 これはねえ、コストパフォーマンスが悪すぎるんですね、ちっちゃい映画だと。
    田中 あ~、採算がね・・・
    町山 今ねえ、日本の映画会社っていうのは大抵ですね、例えば、100億円ぐらい制作費をかけた映画を、
    山里 うん。
    町山 3億円とか4億円の宣伝費で宣伝して、
    山里 ふ~ん・・・
    町山 10億円とか20億円の、興収を狙う、っていう商売になっちゃってるんですよ。
    田中 はあ~・・・
    山里 ふ~ん、なるほど。
    町山 これぐらい大きい規模でバーンとやらないと、ちっちゃいのでやっても、それなりに儲かるかもしれないんだけども、あまりにもビジネスが小さすぎるんですね。
    山里 ふ~ん・・・
    田中 そうですねえ・・・
    町山 そうしたらもう、じゃ、無理して公開しない、っていう感じになっちゃうんですよ。
    山里 そっか・・・・
    田中 今・・・なんか、ミニシアターもどんどん減ってる、って言いますもんねえ。
    町山 ミニシアターはどんどん減ってますね。恵比寿にあったとこも、もう無いですし、渋谷にあった『シネマライズ』も、もう、無いですし、
    田中 ねえ・・・単館系のところがどんどん・・・
    町山 あの、『シネセゾン』とかも無くなったですしねえ。
    田中 ええ。
    町山 枠自体が無いんですよ。小屋が無くなっちゃってるんですね。
    山里 なるほどな・・・
    田中 そっか・・・
    町山 小屋があればそういうとこに入れられたんですけど、それが出来ないし、あとやっぱり、テレビコマーシャルとか自分で打たなきゃならないですけども、そのお金も無いから・・・制作費がちっちゃいと。ま、今、テレビ局の映画ばっかりになっちゃう、っていうのは、あの、(笑)TBSさんも含めてですね。
    田中 いや、ホントそうですね・・・
    町山 要するに、テレビでコマーシャルするのがタダで出来るからなんですよ。
    山里 なるほど。
    町山 これを、そうじゃない、テレビ局じゃない映画会社がやろうとするとお金かかっちゃうんですよね。
    田中 う~ん・・・
    山里 そっか・・・
    町山 するとね、どんどんコストが悪くなっちゃうんで、こういう映画はねえ、ホントになかなか日本では観難くなってる、状態があるんですけども、
    山里 ふん。
    町山 ただ、やっぱりこの、明らかに宮崎駿の影響を受けている映画っていうのはねえ、やはり日本で観て欲しい、というねえ・・・
    田中 なんかねえ、受け入れられ易い、というか・・・
    山里 これはやっぱ、日本で公開される予定も、今のところ全く無い・・・感じですか?
    町山 ・・・なんとかしてほしいな、というとこなんですけど。
    田中 う~ん・・・

    ~Resolution~
    『千と千尋』のウラ設定まで引用されている?

    町山 あとね、面白いのはですね、
    山里 はい。
    町山 この、全て水没した世界でですね、
    山里 ふん。
    町山 「水平線の彼方に何かがある」って言うんですよね。
    山里 はい。
    町山 で、この女の子が、ハッシュパピーちゃんが水平線の彼方を目指すんですよ。
    田中 ええ。
    山里 はいはい。
    町山 するとね、水平線の彼方にこう、浮かんでる島みたいなものがあって、それは人工の、なんていうか船みたいな物なんですけども、
    山里 ふん。
    町山 そこにネオンが出ててですね、「エリーシアン」ていう名前の、その、バーがあるんですね、酒場が。
    山里 はいはい。
    町山 「エリーシオン」ていう名前のバーがあるんですけども。・・・で、その「エリーシオン」(Elysion)ていうのはギリシア神話に出てくるねえ、「浄土」、いわゆるなんて言うのかな、え~、いい人達の魂が行く島のことなんですね。
    山里 ふんふん、ふん。
    町山 で、それがその・・・ま、海の彼方にある、島なんですけれども。・・・で、そこがですね、中に入ってみると酒場になってて、
    山里 ふん。
    町山 その、なんて言うか、いわゆるその・・・・なんて言うか、(笑)なんていうかですねえ、いわゆる、娼婦の人がいる・・・店になってるんですよ。
    山里 はいはい。
    町山 ね。そこにいるオネエチャン達と、ま、お酒飲んだあと、まあ、エッチする、みたいな店になってるとこに、その、主人公の女の子が行くんですよ。
    山里 ふん。
    町山 これはね、『千と千尋の神隠し』に影響を受けてると思うんですよね。
    山里 なるほど。・・・湯屋。
    町山 これね、『千と千尋の神隠し』っていう宮崎駿さんの映画はですね、え~、お風呂屋で、湯女として働く女の子の話なんですけども、
    田中 はい。
    町山 「湯女風呂」っていうのは江戸時代にあった「ソープランド」のことなんですよ。
    田中 へえ!
    山里 ・・・田中みな実が今日1番大きい声を出しましたねえ。
    田中 (笑)・・・
    町山 はい。これ辞書を引くと、「湯女風呂」で引くと出てくる・・はい。
    山里 はあ。
    町山 あの(笑)、・・・昔あの、「ソープランド」って名前は、ある、国名からですね、「ソープランド」って名前に変える時に一時、候補として挙がってたのは「湯女風呂」だった、っていうぐらいなんですね。
    山里 へ~・・・
    町山 だからね、宮崎駿さんはそういうイメージをね、『千と千尋・・・』の中で、ま、描いてるんですけれども、
    山里 ふんふん、ふん。
    町山 あの・・・それとかもね、この映画の中に出てくる感じで、ま、凄い、こう・・・宮崎駿的世界のですね、子供が・・・とんでもない所で、アメリカの南部の(笑)・・・湿地帯で生まれてくる、というですね、不思議な映画でしたね。はい。
    山里 確実に影響を受けてますよね。もう、今だってもう、ホントに当てはまるのがいっぱいありましたからね。宮崎監督の、作品に。
    町山 これ、スゴイんですよ。・・・でも、絵柄は全然違うんですよ。非常にリアルな南部を描いてる、ってのはまた面白いですよねえ・・・。アニメじゃなくて。
    山里 あの、ホントだったら、宮崎さんだったらファンタジーな色が強いけど、
    町山 はい。
    山里 真ん中に散りばめられてるのが、リアルなとこと近いから・・・なんか不思議な気持ちで観れそうですね。
    町山 そうそう、そうなんですよ。だから、それをまた、ちっちゃい子供の目から見てて・・・っていうとこがまたね、上手い映画でしたねえ、はい。
    山里 実際、これ町山さんね、こういう映画がちゃんと日本でも公開出来るように、なっていかなきゃ、ちょっと・・・いけない、っていう感じはありますよね、なんかね。
    町山 はい。僕もあの、いろいろ応援しますんで(笑)、
    山里 そう!
    町山 なんとか、配給会社の人、お願いします、って感じですね。
    山里 ねえ。
    町山 はい。これがね、『ビースツ・オブ・ザ・サザン・ワイルド』っていう、ま、タイトルがね、判り難いんで、これなんかね、可愛いタイトルにすると日本でもお客さん入るかな?と思いますね。
    山里 それこそ、あの・・宮崎監督がつけてるようなね、ああいう・・・タイトルにしたらねえ、
    町山 そうそう、ああいうタイトルね!だから、ハッシュパピーちゃんの話なんで、『ハッシュパピーと、ケモノたち』とかなんかそういう(笑)、可愛いタイトルでですね、
    田中 お~!
    山里 いいですねえ(笑)。
    町山 絵本みたいなタイトルでやるといいと思いますが。ハイ。
    山里 そうですよねえ。・・・なるほど。
    田中 そうですね。是非ねえ、監督にもお話伺ってみたいですもんね。ホントに影響を受けたのか、とか・・。
    山里 そう。
    町山 はい。もう是非、日本公開すれば監督にインタビューできると思いますんで、はい。
    田中 ねえ、ベン・ザイトリン監督・・・はい。
    町山 はい。・・・ということで、今日は『ビースツ・オブ・ザ・サザン・ワイルド』って映画についてお話しました。ハイ。
    山里 ありがとうございます。
    田中 ありがとうございました。今日の『たいしたたま』は、アメリカ在住の、映画評論家、町山智浩さんに、『ビーストオブザサザンワイルド』を、紹介して頂きました。

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