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    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    『愛、アムール』(Amour) これでアカデミー作品賞候補作がたまむすびで出揃いました!【2013年1月15日たまむすび】

  1. スタジオ  赤江珠緒(フリーアナウンサー) 山里亮太(お笑い芸人、南海キャンディーズ)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    アカデミー賞、ノミネート作品発表

    赤江 もしもし~、町山さ~ん。
    山里 もしも~し!
    町山 はい、町山です。よろしくお願いします。
    赤江 よろしくお願いしま~す。
    山里 お願いします~。
    町山 どうもです。
    赤江 町山さん、山ちゃんがね。
    山里 町山さん、『LOOPER/ルーパー』(Looper)、観て来ました。
    町山 あ、どうでした?
    山里 おんもしろかった~!
    町山 ねえ。
    山里 途中からずっとドキドキして観てんだけど、途中、「あれ?今オレ、こいつ応援してていいんだけど、あ、こいつ・・・今、あれ?どっちが?・・・あ、そっか、ここでこれが・・・・」
    町山 そうそう、そう。
    山里 この伏線・・・・あ、繋がった!・・・みたいな、あの快感・・・
    赤江 へ~・・・
    町山 そうそう、立場が変わっていくんですよ、登場人物たちの・・・・
    山里 そうですよねえ、そう。
    町山 で、誰が正しくて、誰を応援したらいいかわかんなくなってくるとことかスゴイですね。
    山里 そう。だから、いろんなドキドキのパターンができて、凄い楽しかったです。
    赤江 ふ~ん。
    町山 はい。・・・それで後半、あの展開になるとは思わないですよねえ。
    山里 そう!
    赤江 が~、これはやっぱり、観ねば、観ねば。
    町山 突然、シモンのような展開になってくんですよね。
    山里 そう!
    赤江 ちょっともうねえ、日本ではこれから、町山さんにご紹介していただいた作品が目白押しなんですよね。
    山里 そう。
    町山 あ~、はいはい、はい。そうなんですよ。それで、今日もそういう話なんですけども、
    赤江 ええ。

    町山 えーと、アカデミー賞のノミネートがですね、候補作品が発表になったんで、そうしたら、それがずっと、『たまむすび』で紹介してきた作品がズラッと並びましたんで、
    山里 ホントだ・・・・
    赤江 並びました・・・・
    町山 はい、で、この間、水曜日かな?あの・・・ハリウッド行ってきてノミネートのあの・・・発表会に行ってきたんですけどね、
    山里 はい。
    町山 あの・・・なんだっけ、中野美奈子さんと一緒に行ってきたんですけどね、
    山里 あら、ナカミー。
    赤江 おう。
    町山 はい。WOWOWの番組なんですけど(笑)・・・ま、今それはイイや(笑)。
    赤江 あ~、出られてますもんねえ。
    町山 はい。でねえ、作品賞はですねえ、一応言いますとですね、
    山里 はい。
    町山 まずね、え~、本命が『リンカーン』(Lincoln)ですね。
    赤江 うん。
    町山 はい。アメリカの憲法修正第13条の奴隷を禁止する・・・まあ、法律を成立させるまでの話ですが、これが、スピルバーグの映画、これがまあ本命で、
    赤江 うん。
    町山 で、あと・・・次にですね、『ゼロ・ダーク・サーティ』(Zero Dark Thirty)。
    山里 あの・・・・
    町山 はい。これも紹介しましたが、オサマ・ビン・ラディン暗殺計画の、まああの、顛末を描いた、CIAの人達の話ですね。
    赤江 はい。
    町山 で、もう1本CIA物で作品賞で『アルゴ』(Argo)。
    山里 『アルゴ』も面白かった・・・・
    町山 これは御覧になりましたよね?
    山里 はい、観ました。
    赤江 これも重厚なんですよね。
    町山 はい。イラン革命の時、大使館の職員達を脱出させる話ですけど、
    赤江 うん。
    町山 これはあの、昨日のですね、えー、ゴールデングローブ賞で、作品賞と監督賞を受賞しましたね。
    山里 はい。
    町山 ゴールデングローブってのは、アメリカにいる、その、ま、海外の人、海外の映画ジャーナリストが投票する賞なんですけども、それでまあ、作品賞を獲りました、はい。
    赤江 へ~。
    町山 それが『アルゴ』、はい。
    赤江 うん。
    町山 で、その次、『ライフ・オブ・パイ』(『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』Life of Pi)
    赤江 うん・・・これはあの、トラとね、漂流するという・・・うん。
    町山 はい、これも紹介しましたが・・・はい、あの・・・救命ボートに乗ったら、え~、(笑)救命ボートにトラが乗ってた、って話ですね。
    赤江 ねえ・・・
    山里 (笑)・・・ざっくり説明しましたね。
    町山 (笑)、ざっくりしてますが・・・
    赤江 いや、これでも今、日本でも話題になってますよ。
    町山 はい。で、もう1本はですね、『ジャンゴ 繋がれるざるもの』(Django Unchained)っていう映画で、
    山里 うん。
    町山 これあの・・・黒人のガンマンがですね、あの・・・南部で奴隷をいじめてる白人を皆殺しにするという(笑)、素晴らしい映画ですが、ハイ。
    赤江 (笑)・・・そう言ってしまうと・・・
    町山 これは、脚本賞・・・・ハイ、ざっくりしてますね(笑)、ハイ。
    赤江 ざっくりしてますけど。
    町山 え~、これはゴールデングローブ賞、ゴールデングローブであの、最優秀脚本賞を獲りましたね。
    山里 へ~。
    町山 で、その次のね、紹介してないのはね、えっと、『レ・ミゼラブル』(Les Miserables)って映画なんですけども、
    赤江 はい。
    町山 これはあの、日本公開のほうが先だったんで、僕、紹介出来なかったんですけど、観てなかったんで。
    赤江 あ~、なるほどなるほど。
    町山 はい。日本は確か、全世界最初の公開だったと思いますけどね。
    赤江 そうですね。
    山里 あ、そうなんだ、ねえ。
    赤江 今まさに、まだ公開してますね、ええ。
    山里 いや、もう、今、スゴイ入ってる。
    町山 これはもう、『レ・ミゼラブル』と言えば劇団四季であの・・・鹿賀丈史さんがあの・・・やってたやつですね。
    赤江 はい。
    町山 はい。あの・・・観ました?これ・・・新しいバージョン。
    赤江 いえ、まだ拝見してないですけども
    山里 映画ですか?
    町山 今劇場でやってますけど、日本でね。
    赤江 ええ。
    町山 物凄くエグいですよ。
    山里 え?そうんですか?
    赤江 あ、そうですか・・・
    町山 これ、1番、クライマックスのとこであの、ジャヴェールっていうあの、警察官、悪い警察官があの、セーヌ川に飛び降りて死ぬとこあるじゃないですか。
    赤江 はい。
    町山 有名なシーンで、ドボ~ン!て落ちるんですけど、普通はね。
    赤江 ええ。
    町山 いつものバージョンだと。
    赤江 うんうん。
    町山 今回、川が浅いんですよ。
    赤江 え?・・・じゃ、あっさり死ねないんですか?
    山里 グキッと・・・
    町山 で、ジャヴェールが飛び降りると、川底が見えてるとこに当たって、
    赤江 うん。
    町山 ボキッて音がして身体が折れるんですよ。
    赤江 うわ~・・・・・
    町山 意味無くエグいのが、今回の『レ・ミゼラブル』ですけど(笑)・・・
    山里 (笑)・・・意味無くエグい・・・・
    赤江 へ~・・・
    町山 なんでこんなエグいんだろ?と思うんですけど(笑)、これはまあ、あの・・・ゴールデングローブ賞で、あの、ミュージカル部門で最優秀作品賞を獲りましたね。
    赤江 う~ん、名作ですもんね。
    町山 で・・・次はですね、『世界にひとつのプレイブック』(Silver Linings Playbook)っていう・・・
    山里 これも・・・面白いかなあ、と・・・
    町山 これも作品賞に挙がってますね、アカデミー賞。これもゴールデングローブでねえ、えっと、主役のあの・・・ジェニファー・ローレンスちゃんがですね、ヤリマンを演じてましたけども、
    赤江・山里 (笑)
    赤江 そんなに短縮するとねえ・・なんかあの(笑)
    町山  それで賞を獲りましたね。ハイ、ヤリマン賞でしたね。
    山里 (笑)・・・ヤリマン賞じゃないよ(笑)・・・
    赤江 違う違う、もう(笑)・・・
    山里 スゴイ名誉ある賞でしょ(笑)・・・
    町山 これはまあ、あの、すごく、ブチ切れると何するかわからなくて、あの、自分のかみさんの浮気相手をボコボコにして半殺しにした男がヤリマンと恋をするという、素晴らしい映画でした、ハイ。
    赤江・山里 (笑)
    町山 それが『世界にひとつのプレイブック』で、はい。
    山里 そんな話だったかな・・・
    町山 これはあの、試写・・とか、確か招待しましたね、はい。
    山里 ええ(笑)・・・
    町山 その次はですね、これ、タイトルが変わったんですが、これ、『たまむすび』でやっぱり紹介した、『ビースト・オブ・サザン・ワイルド』(Beasts of the Southern Wild)っていうタイトルだったんですけれども、
    山里 あ~!
    町山 あの・・・はい、宮崎駿の世界をルイジアナの大洪水で描いたというですねえ、映画で、
    赤江 ええ。
    町山 これはねえ、日本語タイトル決まりまして、『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』っていうタイトルになりましたね。
    赤江 バスタブ島?
    町山 はい。で、これはねえ、ハッシュパピーってのは女の子の名前なんですけど、この女の子のはあの・・・撮影時8才でしたが、
    山里 ふん。
    町山 アカデミー主演女優賞候補にもなりましたね。
    山里 へ~・・・
    町山 で、これ、賞獲ったら多分ねえ、最年少記録なんですよ。
    山里 ほう。
    町山 8才なんで・・・
    赤江 ええ、ええ。
    町山 はい。・・・で・・・、まあ、それと、あと今回紹介する映画が最後でですね、アカデミー作品賞候補で、今回9本あるのかな?
    山里 はい。

    ~Conflict~
    見たくないものを見せ続けてきたエグイ監督が「老々介護」を描いた、アカデミー賞候補作

    町山 ・・・で、フランス映画なんですけども、『愛、アムール』(Amour)っていう映画ですね。
    山里 ほう。
    町山 「アムール」ってのはフランス語で「愛」ですけども(笑)、
    赤江 うん。『愛、愛』になりますねえ。
    町山 はい。なんか繰り返してるだけなんですけど、それが今回、ま、紹介する映画で、えっと、それが作品賞で、まあ2月に発表になるんですが、
    山里 ふん。
    町山 え~・・・で、今回その『愛、アムール』について紹介したいと思います!
    山里 はい。
    町山 はい。で・・・これですね、ミヒャエル・ハネケという監督の映画なんですね。
    赤江 はい。
    町山 で、このハネケっていう人は、ホントウに嫌な、映画ばっかり撮ってる人なんですよ!
    赤江 (笑)・・・そうなんですか。
    町山 観た後もう、ムカムカする映画なんですよ。観てる最中も。
    赤江 ふん。
    町山 で、最後まで観てられない、っていうねえ・・・
    山里 へ~・・・
    町山 例えば、『ファニーゲーム』(Funny Games)って映画で、ま、これが1番有名な映画なんですけども、
    山里 はい。
    町山 これは、まあ、のんびり暮らしてる・・・っていうか、まああの、結構金持ちのですねえ、一家にですねえ、突然2人の男が入って来てですね、
    山里 うん。
    町山 旦那さんをボコって、・・・で、奥さんと子供とかをみんな監禁してですねえ、
    山里 ふん。
    町山 散々いたぶって殺す、っていうそれだけの話しなんですよ。
    山里 え?!
    赤江 え~?救いが無い・・・・
    町山 それをしかも『ファニーゲーム』つって、ヘラヘラ笑いながら「楽しいでしょ?!」って言いながらやるんですよ。
    赤江 え~・・・
    町山 もう、観てられないんですよ、酷くて。
    赤江 ほう・・・・・
    町山 で、それが『ファニーゲーム』で、これでまあ、世界をビックリさせたんですけども、
    赤江 ええ。
    町山 他にはですねえ、まあ、『隠された記憶』(Cache)って映画がありまして、これはフランスが舞台なんですけども、
    赤江 はい。
    町山 まあやっぱり、結構金持ちの良い家の、フランス人の家庭がある、と。そこに突然あの、えー、その家を隠し撮りしたビデオが送られてくるんですね、ビデオテープが。
    赤江 ふん。
    町山 それで、どうもこの家に侵入してる奴がいるらしい、ってことで、それを探っていく内に、その家の旦那さんがですね、昔、え~、自分の所で働いてたアルジェリア人の子供を、酷いことをして、酷い目にあわせた、ってことが段々、暴かれていく、っt話なんですね。
    山里 ふ~ん・・・
    町山 で、これ、アルジェリアってのは第二次大戦までその、後、までですね、フランスの、ま、領土だったんですけども、植民地で。・・・その・・・だから、アルジェリア人てのはフランスに住んでんですね、結構。あの・・・だから、日本と韓国の関係みたいなもんなんですよ。
    山里 ふんふん、ふんふん。
    町山 で、その人達に対する差別とか、そういったものがえぐられていく、というですねえ、で、最後、家庭がめちゃくちゃになっていくんですけども(笑)・・・
    山里 おう、おう・・・
    町山 それが『隠された記憶』・・・
    赤江 なかなか陰湿な感じですねえ。
    町山 そうなんです。だから、見たくないものを見せる監督なんですね、この人は。
    山里 へ~・・・
    町山 で・・・『白いリボン』(Das weise Band ? Eine deutsche Kindergeschichte)ていう映画はドイツが舞台で、
    山里 はい。
    町山 で、なんていうかまあ、すごく厳しく、厳しく、子ども達を教育してる村があってですねえ、
    山里 ふん。
    町山 あまりにも厳しく教育された子供達は、その・・・間違ったものが嫌いになってですね、
    山里 ふん。
    町山 あの・・・真っ直ぐに、正しいもの以外はダメだ、っていうふうに粛清を始めるんですよ、そうじゃない人達を。
    山里 ふんふん、ふん。
    町山 で、身体障害者とかを殺し始めるですよ。
    山里 え~・・・
    町山 ナチみたいになっちゃうんですね。
    山里 ふんふん、ふん。
    町山 頭が可怪しくなってきて、その子供達が・・・・。それで、そういう映画を撮って、この人、ドイツ人なんですけども、ミヒャエル・ハネケって人は。
    赤江 うん。
    町山 え・・・そういう感じでその、ヨーロッパにある、その、嫌なこととか見たくない物をどんどんエグッていく監督なんですね。
    山里 うわ・・・・・
    町山 で、『ピアニスト』(La Pianiste)っていう映画では、その、ピアノの先生なんですけれども、「変態」、の女の人が出てきてですね(笑)、
    赤江 ええ。
    町山 で、まあ・・・人のセックスを覗き見しながらオシッコを漏らしたりするんですけども(笑)・・・
    山里 ええ?
    町山 そういう映画ばっかり、撮ってる人なんですよ!
    赤江 うわ・・・ここに監督の写真がありますけどもねえ、確かにちょっと・・・
    山里 「確かに」って言っちゃダメだよ!
    赤江 (笑)
    山里 今の話を受けて、顔を見て「確かに」って言っちゃダメだよ!
    赤江 いやいや、いや(笑)・・・そうですね・・・
    町山 (笑)・・・そういうね、もう、嫌いな人は物凄く嫌いな人なんですよ、このハネケっていう人は。
    赤江 う~ん・・・・
    町山 「この人の映画は二度と見たくない!」とか。
    山里 え~・・・・
    町山 それぐらい言われてる人なんですけども、今回の『愛、アムール』は・・・「ハネケにも心があったのか!」とかですね、
    赤江 (笑)・・・そんな言われよう・・・・
    町山 「ハネケの映画を観て初めて感動した!」とかですね、
    山里 へ~!
    町山 「泣いた!」とかですね、
    赤江 ええ。
    町山 ・・・言われてる、感動的な映画で、アカデミー賞の、まあ非常に有力な候補になってるんですよ。
    山里 へ~・・・
    町山 フランス映画にもかかわらず、作品賞の可能性も出てきてるんですね。
    赤江 ふ~ん。
    町山 で、ええと、どういう話かって言うと、物凄くストレートで、80才過ぎの夫婦がいまして、元ピアノ教師なんですけれども、2人とも、
    山里 うん。
    町山 え~・・・旦那さんがですね、ご飯を食べてると、奥さんと。・・・と、奥さんが突然、旦那さんが何か話しかけても、何にも言わなくなっちゃうんですよ。
    山里 はい。
    町山 で、「怒ってるのかな?」と思って、いろいろ、「どうしたの?どうしたの?・・・お前、どうしたの?」って言っても何にも答えないんですね。動かなくて。
    赤江 ええ。
    町山 で・・・・「え?どうしたの、あなた?・・・何かあったの?」とか言うんですよ、突然。奥さんが。
    赤江 ふんふん。
    町山 止まっちゃったんですね、奥さん。
    赤江 ほう。
    町山 80幾つで。
    赤江 ええ。
    町山 で、それから段々、麻痺が始まっていくんですよ。
    赤江 あ~・・・
    山里 なるほど。
    町山 はい。で、まあ、あの・・・この映画は、その、夫婦2人のいわゆる「老々介護」みたいなね、
    赤江 うん。
    町山 旦那さんが奥さんを、その、介護していくんですけども、それをアパートの中から一歩も出ないで、ただ介護だけをず~っと見せていく映画なんですよ。
    赤江・山里 え~・・・・
    町山 で、しかも凄いリアルでですね、え~・・・だから、いわゆる「下の世話」であるとか、
    赤江 うん。
    町山 あの、床ずれして、そのクリームを塗る、とかですね、
    赤江 ええ。
    町山 そういったところを、ただ緻密に見せていく映画なんですね。
    山里 ふ~ん・・・・
    町山 で、これねえ、旦那さんを演じてる人はですねえ、えー、ジャン=ルイ・トランティニャンていう俳優さんなんですよ。
    山里 うん。
    町山 で、この人は日本では物凄く有名な俳優さんなんです。
    山里 え?
    町山 あのね、1966年にクロード・ルルーシュ監督の『男と女』(Un homme et une femmeっ)ていう映画の主役だったんですね。
    山里 ほうほう。
    赤江 ええ。
    町山 『男と女』ってのは日本では、モンの凄い大ヒットしたんですよ。
    山里 へ~・・・・
    赤江 あ~、そうですか・・・『男と女』、うん。
    町山 これはねえ、あの、主題歌がですねえ、
    赤江 ええ。
    町山 「ダバダバダ、ダバダバダ、・・・」っていう・・・
    赤江 あー!
    山里 おー!
    赤江 知ってます・・・
    町山 有名ですねえ!
    山里 はい。
    町山 ギャグにまでなってますけど、いろんな・・・
    山里 はい。
    町山 コントとかに使われてる、「ダバダバダ」の、映画なんですよ、『男と女』は。
    山里 (笑)・・・あ、そうなんだ。
    赤江 へ~・・・
    町山 はい。で、レーサーの役を演じたのがトランティニャンで、この人自身がレーサーだったんですけどね、
    赤江 ふ~ん。
    町山 で、えー、この人がもう、現在82、3歳になってですね、映画に出てきて、それで、奥さんの方の人も、凄く日本では有名な女優さんなんですね。
    山里 へ~。
    町山 奥さんの女優さんは、えっと、エマニュエル・リヴァって人が、その、えー・・・だんだん麻痺していく、奥さんを演じてますけども、
    赤江 はい。
    町山 この人はあの、『ヒロシマ・モナムール』(Hiroshima, mon amour)っていう映画の、主演女優なんですよ。
    赤江 ふ~ん。
    町山 これ、1959年の映画なんですけども、
    赤江 ええ。
    町山 フランス人女性が、あの・・・ま、原爆を落とされたですね、広島に来てですね、その、被曝の、まあ、非常な惨状を見てですね、心に傷をおって、しかも、そこで、あの、家族を失った、あの・・・日本人の男の人、この人は岡田英次さんが演じてますけど、大映の俳優さんのですね、
    赤江 ええ。
    町山 で、その人と、その、恋に落ちるんだけれども、2人とも心に傷を背負っていて、それで愛し合えるのだろうか?っていうドラマが、『ヒロシマ・モナムール』っていう・・・
    山里 ふ~ん・・・・
    町山 これ、「アムール」ってのは「愛」ですから、「広島、私の恋人」っていう意味なんですね、『ヒロシマ・モナムール』っていうのは。
    赤江 ふ~ん・・・・
    町山 で、その映画に出たんで、凄く、日本では有名なんですよ。
    赤江 ええ。
    町山 で・・・あんまり映画に出てない人なんですよ、凄く寡作で。
    山里 ふ~ん・・・・
    町山 でもその、広島に行った時にその、広島で撮った写真とか、あの・・・最近、写真展を日本で開いたりしてる人なんですね。
    赤江 は~、綺麗な方ですもんねえ。
    町山 スゴイ、美人なんですけど、
    赤江 はい。
    町山 で、現在85歳ですけど、やっぱりあんまり、昔、綺麗だった人っていうのはわかりますよね?年取ってもね。
    赤江 うんうん。うん、品がある感じでね、ええ。
    町山 すごく・・・そう、日本でもほら、あの、お婆さんなんだけど「あっ、若いころ、綺麗なお嬢さんだったんだろうなあ・・・」って思う人っているじゃないですか。
    山里 はい。
    町山 そういう感じなんですよ。・・・で、でも、それでも、身体が動かなくなっていくんですねえ。
    山里 うん・・・
    町山 それで・・・まあ、介護士の人とか来るんですけども、
    赤江 うん。
    町山 ・・・やっぱ、恥ずかしいんですよ。
    赤江 まあ、それはねえ・・・・うん。
    町山 自分はちゃんとした人だ、ちゃんとしてると思ったたら、こう・・・上手く身体が言うことを聞かなくて、その・・・ねえ、・・・何にも出来ないわけじゃないですか、洗ってもらったり、ね、
    赤江 うんうん。
    町山 オムツ替えたりとか。
    赤江 はい。
    町山 で・・・段々こう、悲しくなってくるんですよ。
    赤江 うん。
    町山 でねえ、これねえ、この女優さん、現在85歳なんですけども、あの・・・身体を洗ってもらうとことかを、オシメを替えてもらうとことか、全部自分で演じてるんですよ。
    赤江 え~・・・・
    町山 で、全裸のシーンまであるんですよ。
    赤江 あ、そうなんですか・・・
    町山 凄い演技なんで、
    赤江 ええ。
    町山 この人今、アカデミー賞の主演女優賞候補になってるんですね、エマニュエル・リヴァさんは。
    赤江 うん。
    町山 ただ、この体当たり演技で、多分、獲るんじゃないかと思うんですよ。
    山里 は~・・・
    町山 で、そうすると、もし獲ると、アカデミー映画史上、最年長になるんですよ(笑)。
    山里 うわ、今回、最年長と最年少候補が・・・
    町山 そうなんです(笑)、今回アカデミー主演女優賞は、「最年長」対「最年少」の闘いになってるんですねえ(笑)。
    赤江 え~・・・・
    山里 スゴイ(笑)・・・
    町山 その歳の差、10倍以上というですねえ(笑)・・・
    赤江 いやあ、ホントですねえ・・・
    町山 「8才」対「85歳」ですからねえ(笑)。
    山里 (笑)
    赤江 うわあ・・・
    町山 スゴイことになってますけどねえ・・・
    赤江 ねえ・・・
    町山 人生ってのは長い、ってのがよくわかりますけどね、ハイ。
    赤江 凄いですね、リアルな、ねえ。でも、あの・・・身につまされるというか、誰もがねえ。
    山里 介護という・・・
    町山 そうなんですよ。
    赤江 うん。
    町山 でねえ、もう・・・あの・・・言葉が喋れなくなってくるんですね。右半身が動かなくなって、その・・・奥さんが。
    赤江 はい。
    町山 でね、何度もね、「マー、マー」って言うんですよ。
    赤江 うん。
    町山 で、介護士の人に身体を洗ってもらっても、「マー、マー、」って言うんですね。
    山里 うん。
    町山 で、これが、「ママ」にも聞こえるし、
    赤江 うん。
    町山 フランス語で「マー」っていうのは「痛い」っていう意味なんですよ。
    山里 はあ、はあ。
    町山 身体を洗ってもらったりしてる時とかに、「痛い、痛い、」って言ってるのか、それとも身体の麻痺とかが進んで、身体が痛いのか・・・
    山里 ふん。
    町山 わからないんですけど、とにかく、「お母さん」て言ってるのか、「痛い」って言ってるのか、そればっかりを繰り返すんですね。
    赤江 うん。
    町山 するともう、見てらんなくなっちゃうんですよ、旦那さんはもう・・
    赤江 うん・・・
    町山 「どうしたの?どうしたの?」って言って。・・・で、これがねえ、ま、ずっと続く映画なんですけれども、
    赤江 ほう・・・・

    ~Resolution~
    歳を重ねて改心したハネケ監督が問い詰めていく、愛のかたち

    町山 これねえ、なんでこんな映画を、今まで酷いことばっかり、描いてきたミヒャエル・ハネケ監督が、
    赤江 そうだ、そのハネケ監督が、はい。
    町山 そう、突然こんなですねえ、非常にもう、真面目で真摯な愛の物語をねえ、作ったのか、って聞かれてて答えてましたけど、
    山里 うん。
    町山 この人ねえ、おばさんがいて、おばさんに育てられたらしいんですけども、
    赤江 ええ。
    町山 そのおばさんが92歳で、やっぱり身体が動かなくなって、で、その、ハネケに、「もう、恥ずかしいし辛いから、殺してくれ」って言ったらしいんですよ。
    山里 うん・・・
    町山 そうしたら、そのおばさん、結構お金持ちなんで、その、相続人になってるんですね、ハネケは。
    赤江 はい。
    町山 遺産の。・・・「・・・だから殺せないよ」つったらしいんですよ(笑)。
    山里 あ~、そっか・・・なんかそういう目当てみたいにねえ・・・
    赤江 (笑)・・・まあ、他の理由もつけれたと思うんですけど・・・・
    町山 「オレ、逮捕されちゃうからよお、おばさん」つって(笑)
    山里 (笑)
    町山 「シャレになんねーんだよ!」つって断ったらしいんですけど、
    赤江 (笑)・・・はい。
    町山 それでも、見てられなかったらしいんですよ、辛そうで。
    赤江 ええ。
    町山 で、その体験をもとにして、描いた映画なんで、今までよりももう・・凄く、本人の心が描かれてるんですね。
    赤江 ふ~ん・・・・
    町山 で、しかもその、ジャン=ルイ・トランティニャンていう俳優さんが、まあ、旦那さんで、もう、とにかく奥さんのためになんでもするんですよ。ずっと。
    赤江 うん。
    町山 この人この間ねえ、えー、今まで映画出てなかったんですね。
    山里 ふ~ん。
    町山 何年か前に、娘さんが殴り殺されたんですよ。
    赤江 え~!
    町山 それからショックで映画に出てなかったんですけども、ハネケが引っ張り出してきたんですね。
    赤江 ええ。
    町山 で、この、トランティニャンていう人は、娘が死んでから、自殺しようとしてたんですね。
    赤江 うん・・・
    町山 で、それを止めるためでもあって、「自殺してもいいから。この映画、出たら、ね。」って言って(笑)・・・引っ張り出して。
    山里 お~、さすがハネケ・・・
    町山 「取り敢えずこの映画に出ろ!」つって、出したらしいんですけどもね。
    赤江 へ~・・・・
    町山 はい。で、そういう、非常にその、「友情」とかですね、「愛情」とか、その、作ってる側、演じてる側が全部リアルに、こう・・・込められた映画でですね、
    赤江 うん・・・
    町山 もう、最後はホントに泣けてしょうがないんですけど、僕は凄く、あの・・・観た時に、物凄い感慨深かったのは、ハリウッドで観たんですが、映画館で、
    山里 うん。
    町山 満員だったんですけども、
    赤江 はい。
    町山 僕以外の客、全員、老夫婦だったんですよ(笑)・・・
    赤江 あ~・・・そうですね・・・
    山里 たしかにねえ・・・このテーマだったらねえ・・
    赤江 うん・・・
    山里 観に行く人、限られてきそうな感じがしますけども。
    町山 もんの凄い、これ、愛が試される話なんですよね。「あなたは本当に愛してるのか?」っていう・・・この、結婚相手を。
    赤江 はあ・・・
    町山 「こんなになっても愛せるのか?」と、「なんでも尽くせるのか?」ってことを、突きつけていく映画なんで、
    赤江 ええ。
    町山 それを、もう、みんな老夫婦だから、異常に切実な映画館空間でねえ、
    赤江 うん。
    町山 大変な状況で観ましたけれども(笑)・・・
    赤江 (笑)・・・
    山里 これ・・・町山さん、僕らみたいな世代でも、観に行っても楽しめる感じですか?
    町山 これはやっぱり、先に観といたほうがいいですよね。
    山里 あ~、なるほど。
    町山 あなたは、その・・・奥さんをこういう風に、もう、世話できるのか?ってことも含めてね。
    赤江 うん・・・
    町山 で、その時にどうするのか?とか。
    山里 そっか・・・・・
    町山 こう・・・どんどん試されていくんですね、主人公のジャン=ルイ・トランティニャンが。
    赤江 はあ・・・
    町山 でもね、最後はね、すごくホッとさせる、ホロッとさせる終わり方で・・・あの、救われますけどもね。
    赤江 あ、良かった・・・・
    山里 救われないパターンばっかの人だからねえ。
    赤江 ねえ・・・
    町山 はい。だからねえ、改心したみたいですね、このハネケ監督は。
    赤江 (笑)
    山里 遅かったな!改心するの・・・・
    町山 「今まで酷い映画ばっかり作ってスイマセン」てことだと思いますけど(笑)・・・
    赤江 (笑)
    町山 はい。・・・で、この映画観て感動した人が「ハネケって人は良い人ね」って、ビデオ屋行って、ビデオ借りて、過去の作品を観ると「ナニこれ!!」ってビックリすると思いますけども・・・
    赤江・山里 (笑)
    町山 はい・・・・「酷い映画だわ!!」っていうね・・・
    山里 (笑)・・・
    赤江 作風がこんなに変わるとは、というねえ・・・へ~、そうですかあ・・
    町山 そうなんですよ、ハイ。・・・ま、この人自身も70になっていろいろ、あの、老後のことを考えて、ってことらしいですけどもね、はい。
    赤江 ふ~ん。
    町山 これが『愛、アムール』っていう映画で、日本公開はもうすぐですね。
    赤江 はい。3月9日から、ということで。もう、高齢化社会と言われて久しい日本ですから。
    山里 うん。
    町山 はい。
    赤江 これは、観たいという方も多いと思います・・・
    町山 ま、でも若い人も観た方がいいと思いますけどね。
    赤江 ねえ。
    山里 愛のかたち。
    町山 はい。
    赤江 はい。ありがとうございます。えー、今日の『たいしたたま』はアメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんに、アカデミー賞の作品賞にもノミネートされているフランス映画、『愛、アムール』、ご紹介頂きました。町山さん、ありがとうございました!
    町山 ハイ、どうもでした!
    山里 ありがとうございました!

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