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    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    町山が30年追い続ける謎、日本映画界に君臨する「字幕の女王」とは

  1. スタジオ  小西克哉(国際ジャーナリスト) 松本ともこ(フリーアナウンサー) 山田五郎(タレント、コラムニスト)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    本日はいきなり本題、字幕の女王のアリエナイ誤訳から

    小西 はい、えー、火曜日2時で御座います。もうご存知、コラムニストはサイゾー、TVブロスなどでお馴染み、映画評論家、町山智浩さんで御座いますね。今日も、カリフォルニア州はオークランドからの出演で~す。町山さん、よろしくお願いします。
    町山 はいはい。
    松本 こんにちわ
    小西 え~、町山さん、今日はですねえ、スタジオには、あの・・・山田五郎さん、御一緒で御座います。
    山田 ご無沙汰しております・・・
    町山 あ、僕、会ったことはないんですよ。(笑)
    山田 (笑)ええ、ええ。会っては無いけどね、前もこの番組で・・・
    松本 そうですね。
    町山 ねえ。でも、なんか全然会ったことが無い様な気がしない、不思議な・・・
    山田 しないですね・・(笑)・・・
    町山 不思議な、不思議な関係で・・・
    山田 古くから知ってるような気がしますよねえ。
    町山 ねえ。
    山田 はい。(笑)
    町山 元々編集者同士ですよね?
    山田 そうですね。はい。
    小西 あ~、そうそう、そう。そうですよねえ、編集者どうしですよねえ。
    山田 はい。
    町山 あの、ヤクザな・・・編集者、ですね。
    小西 わりと仕事を頼んでた人が似てたわけですよね?
    町山 そうなんです。おんなじ人と付き合ってたんですよ、みうらさんとか・・・ね。
    小西 あ~、なるほど、そうかそうか。
    山田 (笑)
    小西 いやいや、町山さん、今日はちょっとねえ、原稿を見て山田さんがねえ・・・
    山田 あ、やりますか、と。(笑)
    小西 「切り込むな~?」と言ってましたよ(笑)。
    町山 (笑)
    山田 やりますか!と・・・思いましたよ(笑)
    一同 (笑)
    小西 さて、「150分バカニュース、世界一周スペシャル」という今日のストリームですが、
    松本 はい。
    小西 町山さんからはですね、お題はこれです。「字幕翻訳界の女帝による、おバカすぎる誤訳の数々」、ということで、まあ、地上波のテレビじゃ絶体、100年たっても出来ないことをヤリましょう!
    町山 これもう、絶体出来ないですよね!
    山田 (笑)
    町山 もう、NHKとか出まくってますからね、この「字幕の女王」っていう人はね。

    小西 ま、先週のですね、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(Star Wars Episode III: Revenge of the Sith)の、まあちょっと、日本の公開をめぐるお話しの、ま、続編ということで町山さん、よろしくお願いします。
    町山 そうですね。前回はあの、日本の映画界を裏で仕切ってる暗黒の帝王の話をしたんですけども
    山田 あれ、しちゃったんですか!
    町山 こっちは「暗黒の女王」の話ですけどね、はい。
    小西 (笑)
    町山 もう、僕、これでもう、日本の映画業界に、戻れないですね。・・もう、自分でもう、橋を片っ端から帰れないように焼いてますからね、ハイ。
    小西 もう・・・戻る、つもり無いんじゃないですか、町山さん。
    町山 もう、なんでもいいですよ!もう。
    一同 (笑)
    山田 そんな、やけになって・・・・
    町山 ゴタゴタすることがあるとなんでも言わざるを得ない人間なんで、大人げないですから。
    山田 う~ん・・・(笑)
    小西 大人げない(笑)・・・・
    町山 はい。でまあ、とりあえずですね、早速いってみたいと思うんですが、
    松本 はい。
    町山 え~、「字幕の女王戸田奈津子の、珍訳その1!」
    小西 ・・・実名出してるよ(笑)・・・
    町山 あ、なんか誰か、名前が聞こえましたけどなんか気のせいだと思いますが・・・
    小西 (笑)
    松本 え、原稿には「Tさん」てなってるのに!(笑)・・・
    山田 「T」ってなってます・・・
    小西 町山さん、これ、原稿には・・・
    町山 大変な話題になってることがありましてですね、
    松本 え、あ、もういっちゃってるし・・・
    小西 いっちゃってるし。
    町山 まあ、またスター・ウォーズネタなんですが。
    山田 はい。
    町山 『スター・ウォーズエピソード3』っていうのは、まあ、あの、「悲劇」って話はこの間もしたんですけれども、
    山田 そうですよね、うん。
    町山 その1番最後で、物凄い悲劇が訪れるんですね。
    山田 うん。
    小西 へ~。
    町山 ま、言えませんけれども、
    小西 ええ、ええ。
    町山 ま、主人公が地獄のドン底に突き落とされるんです、主人公アナキンが。
    山田 はい。
    小西 あ~、そう。
    町山 絶望のドン底でですねえ、こう叫ぶんですね。
    小西 うん。
    町山 ま、英語で、「NO!」(ノー!)って叫ぶんですよ。
    山田 はい。
    小西 ほう・・
    町山 これはまあ、「ノー」ですよね?
    山田 はい、ノーです。
    小西 (笑)
    町山 あの、どんなに聞き取りの出来ない人でも、どんなに英語が出来ない人でも、「NO」は「ノー」ですよね?
    山田 「ノー」です。
    小西 ま、「ノー」ですよねえ、うん。
    山田 はい。
    町山 これがですね、字幕の女王、某戸田先生のですね、
    山田 はい。
    町山 あの、字幕ではですねえ、
    小西 うん。
    町山 「アリエナイ!」ってなってたんですよ。
    山田 「ありえな~い!」ってなってましたよねえ、はい。
    小西 (笑)
    松本 え?
    山田 いや、これはもう、だって、みんなが話題にしてる話ですよ、これ・・・(笑)
    小西 そうそう、そうなの、そうなの・・・これ、誰が叫ぶんですか?最後に。
    町山 これはその、主人公のアナキンが最後に・・・
    小西 アナキンが
    町山 「NO!」って言った時に、字幕が「アリエナイ」と出たんですよ。
    小西 (笑)・・・・
    山田 アナキン、いきなり女子高生。
    町山 いきなり女子高生の、なんか日本での、今流行ってる流行り言葉を突然叫ぶんですよ。
    山田 (笑)
    小西 すごいな・・・「アリエナイ」という字幕が有りえないってことですね?
    町山 これ、有りえない。だってさ、20何年間、30年間近く続けてきたね、大河ドラマですよ。
    小西 ええ。
    町山 その悲劇の1番最後のセリフが、
    山田 1番大事なシーンで(笑)
    町山 「アリエナイ」ってそんな女子高生言葉になって、どうするのか?!
    山田 ホントですよね。
    小西 あ~・・・そうなんだ・・・
    松本 あら、なんかショック・・・
    小西 いや、ちょっと、ここまで言われたら映画観てないけど、
    町山 はい。
    小西 最後のその字幕、早く見たいな・・・(笑)
    町山 いや、それがですね、試写の段階で、もう抗議が物凄くてですねえ、
    小西 ほう、
    町山 「こんなバカな!」と。1番泣かせるとこで、
    小西 うん。
    町山 1番重要な、その、1人のルーカスって男が30年近くかけて作ってきた話を、この女子高生言葉でブチ壊すのか!って皆怒ってですねえ、
    小西 はあ、はあ。
    町山 で、結局映画会社が、フィルムを、プリントを焼き直して字幕を修正したらしいんですよ。
    小西 あ、修正したんですか。
    町山 はい。
    小西 じゃ、今話題になってる・・・これはいかがなものか?は、試写会で出た?
    町山 そうです。日本での試写で、もう大抗議が発生しまして・・・
    山田 ええ。
    松本 あらでも、試写って大事なんですね・・・
    小西 いや、そりゃそうだよ・・・
    町山 ま、大変なねえ・・・要するにまあ、直すだけでもお金かかったと思いますけどね。
    松本 あ~、そっか・・・
    山田 試写本来の役割をはたしたと。
    松本 役割を果たしましたね。
    町山 (笑)・・どういうことなのか?っていう・・・
    小西 試写、やってみるもんだねえ、やっぱり。
    山田 (笑)
    町山 抗議してみるもんなんですけど・・・
    山田 だけどさ、町山さん、あそこのシーン別に字幕いらないよね?そもそも・・・
    町山 「NO!」だから字幕いらないんですよ!(笑)
    山田 ねえ(笑)・・・
    町山 でね、これはねえ、特にファンが怒ったんですね。スター・ウォーズはファンが多いから。
    小西 そりゃ怒るでしょう。

    ~Conflict~
    もはや英語力の問題にあらず、一般教養の問題か?

    町山 で、この前に大変な問題になった事件てのがあって、
    山田 はい。
    小西 え、なんですか?
    町山 え~、また行きますが「字幕の女王、戸田先生の珍訳その2!」
    小西 うわ、もう、自分でふっちゃったよ。
    町山 あ、なんか名前が聞こえましたねえ
    松本 (笑)
    小西 聞こえましたねえ、はい。
    町山 で、それはですね、この前にですねえ、『ロード・オブ・ザ・リング』(The Lord of the Rings)っていう、まあ、ファンがすごく多いですね、3部作の映画があったんですけど、
    山田 はい。指輪物語ね。
    小西 ええ。
    松本 私も大好き・・・
    町山 ご存知ですよね。
    小西 指輪物語。
    町山 それの第一作目のですね、
    小西 うん。
    町山 ま、『ロード・オブ・ザ・リング』の第一作目でですね、えーと、指輪の魔力に取り憑かれて魅入られたですね、ボロミアっていう戦士がですね、
    小西 ふんふん、ふん。
    町山 指輪を持ってるフロドっていう主人公の男の子のところに、「指輪を貸してくれ」って
    松本 うんうん。
    町山 「指輪をちょっと付けさせてくれ」って言うシーンがあるんですよ。
    小西 なんかあったなあ、そういうの・・
    松本 あるある。
    町山 それで、言われた方のフロドの方が、
    小西 うん。
    町山 あの・・こう言うんですね、英語で。「You are not yourself」って言うんんですよ。
    小西 うん。
    町山 これ、非常に簡単な中学英語で、「You are not yourself」、あなたはあなた自身では無い、ですね。
    小西 うん・・・
    町山 つまり、「あなたは我を失ってる」って言ってるんですね。
    山田 はい。
    小西 はあ、はあ。
    町山 これ直訳で十分なんですね。
    小西 うん。
    町山 とこらが、この、え~、某、字幕の女王の訳はですねえ、
    小西 うん。
    町山 「嘘をつくな!」ってなってるんですよ。
    山田 うん・・・
    小西 ん・・・?
    町山 で、これは要するに、「指輪をちょっと貸してくれ」って言ってるんで、それに対して「嘘をつくな!」って言ったセリフにしちゃってるんですけども、
    小西 はあ、はあ。
    町山 でも、これ、「You are not yourself」っていうセリフが聞き取れちゃうんで、誰でも!
    山田 はいはい。
    小西 あ~、なるほどね。
    町山 (笑)・・これは全然意味違うじゃないか、って言って皆が凄く怒ってですね、
    小西 うん。
    町山 特に『ロード・オブ・ザ・リング』のファンがすごく怒って、
    小西 うん。
    町山 物凄い抗議の手紙を英語でですね、監督のピーター・ジャクソンのところに送りつけたんですよ。
    山田 はい。
    小西 うん。
    町山 それで、ピーター・ジャクソンの方がですね、今度の字幕はちゃんとしてくれ、と。「誰がやったのか知らないが、その人は代えてくれ」っていうふうに言ったんですけども、
    小西 はあ、はあ。
    町山 とこらが、映画会社は代えなかったんですよ。その字幕の女王にやらせたんですよ、その後も。
    小西 ふんふん、ふん。
    町山 で、これは一体どういうことなのか?っていう・・それで、結局ですね、原作の指輪物語を翻訳してる人がですね、
    小西 うん。
    町山 その字幕をチェックする、ってことで、えっと、その字幕の女王の字幕を更にもう一回チェックをして、
    山田 うん。
    町山 え~・・・完成版に持っていったんですけど、その後の『ロード・オブ・ザ・リング』って・・・
    小西 そうかそうか、その本の方の翻訳者の人が、字幕の翻訳者をチェックした、と。
    町山 そうなんですよ。でもなんでそんな手間をかけるのか?(笑)っていうか、
    小西 うんうん。
    山田 そうですよね。
    町山 普通の人にやらせりゃいいじゃないか、そんな間違いが生じない人に、と思うんですけども。
    小西 うんえ、うん。
    町山 え~と・・・実はこの字幕の女王はですね、過去にあの・・・スタンリー・キューブリック監督の『フルメタル・ジャケット』(Full Metal Jacket)って映画をですね、
    山田 はい。
    町山 翻訳してですね、字幕をつけたんですが、
    小西 はい。
    町山 キューブリックがその字幕をチェックしたら、『ぜんっぜん、これはダメだ!」って言って却下されて、
    小西 うん。
    町山 原田眞人さんて映画監督が字幕をやり直した、っていう経緯があるんですよ。
    小西 あ~・・ありましたねえ。
    町山 で・・・この人、監督とかからですねえ、この人にやらせるな、とまで言われてるのに日本の映画会社はこの字幕の女王にやらせ続けるんですよ。
    小西 ほう・・・・
    町山 ナゼ?!っていう・・全然わからないんですが、
    山田 はい。
    町山 で、先程からこの話をしてるとなんか、英語の問題なんじゃないか?、と。
    小西 うん。
    山田 どのミスも基本的なねえ。
    小西 まあ、そうですねえ。
    町山 そうなんですよね。ま、基本的な英語で中学英語なんですけども、「NO」ですからね(笑)・・中学じゃないか、これは(笑)・・
    小西 (笑)
    町山 で、「イエス・ノー枕」ってのがあるぐらいなのにね、
    山田 何を言ってるんだか(笑)・・・
    町山 無いか、もう。
    小西 何を言ってんだか(笑)・・・
    山田 あ、なんか昔ほら、あの、プレゼンテーションをプレゼントって訳しちゃったのも、あの人・・・(笑)
    小西 そう、それちょっと説明してもらえますか?町山さん。
    松本 プレゼン?
    町山 え?なんですか?
    山田 プレゼンテーションのところをさあ、プレゼントって訳しちゃったことなかったっけ?
    町山 これはもう、結構有名で、
    小西 はい。
    町山 えーと、これは『海辺の家』(Life as A House)っていう映画だったんですけれども、
    小西 はあはあ、はあ。
    町山 「後で説明する」っていうセリフがあって、
    小西 うん。
    町山 後でプレゼンテーションをする、っていうふうに英語で言ってるんですよ。
    小西 ふんふん。
    町山 それをこの人はプレゼンテーションを
    小西 うん。
    町山 ・・・日本でもプレゼンテーションって「説明」って使いますけど、
    小西 うん。
    町山 この人はですね、「後でプレゼントがあるよ」って訳したんですよね。
    山田 贈り物にしちゃったんだよね。
    町山 (笑)・・・贈り物じゃねーだろ、っていう・・・
    小西 これはまあ、明らかな誤訳になっちゃいますねえ。
    町山 で、結構それって、日本語になってる英語が多いんで、
    小西 はあ、はあはあ。
    町山 英語が難しいから、その字幕論争みたいなものがあるとしても、
    小西 はい。
    町山 「私はわからない」っていう立場を取る人もいると思うんですけど、
    小西 うん。
    町山 実は英語の問題で、既に無いんですね。
    山田 う~ん・・・
    町山 簡単すぎて。
    小西 あの、町山さん、だからその、例えば「NO!」の場合とかね、
    町山 はい。
    小西 そういうふうに明らかに誤訳の場合というのと、
    町山 はい。
    小西 あとちょっと、やっぱり確かにその・・・訳として、いろんなその・・訳・・ま、翻訳や通訳の場合にはやっぱりその、「芸風」ってのがありますから、
    町山 そうなんですよね。
    小西 その辺のとこのグレーゾーンって、ちょっと、分ける必要があると思うんですねえ。
    町山 ま、僕は先程からグレーゾーンの話はしないようにしてるんですけども、
    山田 (笑)
    小西 プレゼンテーションをプレゼントってのは・・・
    山田 もう、完全アウトの話だよ・・(笑)
    小西 そうそう、そう。
    町山 もう、黒か白かなんですよ。
    山田 はい。
    町山 で、あと、英語の話もしたくないんですよ。
    小西 うんうん。
    町山 英語の問題ではないんで、この人の場合の、問題は。
    小西 何の問題・・・
    山田 何処に問題があるんですか?
    小西 何の問題ですかねえ?
    町山 この人のは、一般教養の問題なんですよ。
    山田 一般教養の問題ですか。
    小西 ほう・・・
    町山 まあ、えっと、「字幕の女王、戸田先生の珍訳、その3・・かな?」『オペラ座の怪人』(The Phantom of the Opera)ていう映画があるんですけども、
    山田 はい。
    小西 はいはい。
    町山 これはまあ、非常に日本で何度もあの、劇団四季とかがやってるんで誰でも知ってる映画ですけども・・え~、話ですけど、
    山田 はい。
    町山 この中でですね、「パッション・プレイ(passion play)」っていうセリフが出てくるんですね。
    山田 はい、はい。
    小西 うん。
    町山 「パッション・プレイ」っていうのは、あの・・この間『パッション』(The Passion of the Christ)て映画が日本で公開されましたけど、
    小西 ありましたねえ・・・
    町山 これはキリストが、十字架にかけられることを言いますね。
    山田 「受難」ですね、いわゆる。
    小西 うん。
    町山 そうです。「受難劇」と訳されるんですけども、
    小西 はい。
    町山 とこらがそれをですね、この『オペラ座の怪人』の中で、この字幕の女王はですね、
    山田 ええ。
    町山 「情熱のプレイ」って訳したんですよ。
    山田 (笑)
    小西 あ~・・・なんか、別のことを考えちゃいますね!(笑)
    山田 パッションだからね。
    町山 (笑)・・・だからちょっと、ラテン系のセックスのようなイメージがあるんですけど、
    山田 そうだよねえ・・・
    小西 なんかちょっと覗いてみたい感じがしましたけどもね。
    松本 (笑)
    町山 実際はですね、イエスキリストが十字架に架けられるという悲劇を指してるのに、
    山田 受難劇です、受難劇・・・
    町山 この人は「情熱のプレイ」って訳しちゃったから、
    小西 ええ、
    町山 「パッション・プレイ」が突然なんかすごく、汗みどろでですねえ、ラテン系の男がなんかすごい、ランバダを踊りながらセックスしてるみたいなイメージになっちゃったんですよ・・・
    山田 (笑)
    小西 私もちょっと別のこと考えちゃいましたねえ・・・
    町山 いろんなことを考えますけどね、
    小西 マズイですよねえ・・・
    町山 はい、で、「パッション・プレイも知らないの?」っていうか、この間『パッション』が公開されたばかりなのに・・っていうねえ。
    山田 そうですよねえ・・・
    小西 あの翻訳は誰だったんですか?
    町山 あ、それは僕知らないんですけども(笑)、多分、本人じゃ無いと思いますが。
    山田 『パッション』の翻訳ですか?
    小西 『パッション』・・・
    山田 『パッション』はだって、あれ、なんか・・・ヘブライ語とかだったからね。
    町山 ヘブライ語ですからね(笑)
    小西 そうだよねえ
    山田 違うと思いますよ。
    町山 ヘブライ語の英語字幕でしたけど・・・(笑)、ハイ。
    小西 原語でやったんだ・・・
    山田 ええ・・女帝では無いと思いますよ。
    町山 でね、僕がですね、この字幕は変だと思い始めたっていう、きっかけになった話をちょっとしたいんですけども
    小西 はいはい。
    町山 えっと・・・これはですねえ、昔々、『インディ・ジョーンズ』(Indiana Jones)っていう映画シリーズがありましたよね?
    小西 はい。
    山田 ええ、ええ。
    町山 あん中でですね、インディ・ジョーンズが探してる宝をですね、
    小西 ええ。
    町山 インディ・ジョーンズが「ヌハチの宝」って、セリフで言うんですね。字幕で。
    小西 ん?「ヌハチ」?
    町山 「ヌハチ」って何だろう?って僕が思ったら、
    小西 うん。
    町山 それ、どう見ても、「愛新覚羅ヌルハチ」のことを言ってるんですよ。
    松本 あ~!
    山田 あー!「ヌルハチ」、はい。
    小西 「ヌルハチ」ね、はいはい。
    町山 これは中国清朝の初代皇帝の名前なんですよね。
    山田 はい。
    町山 で、これは変だ、って思ったのが最初なんで、実はもう、1970年代っていうか、80年代頭ですよ!
    松本 (笑)
    小西 はいはい・・・
    松本 長い・・・
    町山 その頃から僕は「この人の字幕は変だ」とずっと想い続けてるんですけども、
    山田 ええ。
    町山 はい。
    小西 なるほど。
    町山 えっと・・その次ですね、「字幕の女王、戸田先生の珍訳その4」!
    小西 (笑)
    町山 伝説になってる字幕の間違い、ってのがこの人でありまして、
    小西 はい。
    町山 クエンティン・タランティーノの映画の『パルプ・フィクション』(Pulp Fiction)でですね、
    小西 はい。
    町山 1番最後の、最後の方なんですけども、
    小西 うん。
    町山 ブルース・ウィリスがバイクに乗って登場するシーンがあるんですよ。
    山田 はい。
    町山 で、そのバイクを見た、ま、ヒロインがですね、
    小西 うん。
    町山 「凄いバイクね」って言うと、ブルース・ウィリスは「これはなあ、チョッパーなんだよ」って言うんですよ。
    山田 はい。
    小西 うんうん。
    町山 で、「チョッパー」っていうのは、まあ、『イージー・ライダー』(Easy Rider)で主人公達が乗ってたオートバイですよね。
    小西 うん。
    山田 そうですよね、あのハンドルが上にあがったような・・・
    町山 そうです、そうです。あの、凄く前の前輪のとこの・・・アレが長くて・・
    山田 上がってて、はい。
    小西 反り返っちゃうようなバイク・・・
    町山 で、「改造バイクだよ」っていうふうに言うんですよ。「チョッパーだよ」って。
    小西 うん。
    町山 とこらが、これ、戸田先生の字幕はですね、
    小西 はい。
    町山 「ヘリコプターだよ」って訳してたんですよ。
    山田 (笑)・・・どう見てもバイクなのに・・・
    松本 それ・・ちょと、面白い・・・
    町山 どう見てもバイクなのに(笑)
    小西 画面を・・見て、翻訳をしてないんですか?
    町山 画面を見てないんですよ。この人、出来上がった映画に字幕がついた状態のを見て、チェックしてないとしか思えないんですよ。
    小西 な~るほどねえ・・・
    町山 で、1番恐ろしいのは、チョッパーを辞書で、最初に英語辞典で引くと、1番最初に「改造バイク」って出てるんですよ。
    小西 お~・・・・
    山田 辞書を引いてない!
    町山 辞書引いてねーじゃん!・・て言うのと、
    小西 う~ん・・・・
    町山 あと、まあ、2番目に出てくるのが警察用語で「ヘリコプターのこと」って書いてあるんですよ。
    山田 なるほど・・・
    小西 ま、チョッパーをヘリコプターって、確かにいいますよね。
    町山 そうなんですよね。ただ、ナゼ、警察用語で2番めの意味として出てくるものを、画面にバイクが映ってるのに・・(笑)
    山田 わざわざ引っ張ってくる・・
    町山 ヘリコプターってしたのかってのはわからないんですけど(笑)、
    小西 なるほど・・・
    町山 それで、これを映画会社でやった試写で見たですねえ、
    小西 はい。
    町山 僕の友達の柳下くんていうですねえ、
    山田 はい。
    町山 翻訳家がですね、
    山田 困った人ですけどねえ、
    松本 あ、そうなんだ。
    町山 あの・・試写を見た途端に、もうビックリしてですね、映画会社の人に「あれヘリコプターじゃないよ!バイクでしょ!」って言ったんですよ(笑)。
    山田 (笑)
    町山 そうしたら、映画会社の人が真っ青になって、「あ、もうすぐ公開だけど、直します!」とか言って、
    小西 うん。
    町山 公開直前で慌ててその字幕全部直したんですよ。
    山田 あ、直したんですか。
    松本 お~!柳下くんすごい・・・
    山田 あ、柳下さん、いいことしましたね。

    ~Resolution~
    それでも女王を使い続ける映画業界が最大の謎

    町山 そうなんですよ。ただ、いいことした、っていうか、映画会社の人も何で気が付かないの?(笑)
    山田 ホントだよね(笑)
    町山 誰も、「あれヘリコプターじゃないよ」って言わないの?(笑)
    小西 これはあの~・・・、いや、いろいろ、な、不思議なことがあるんですけども、
    町山 はい。
    小西 そういう、いろいろこう、まあ、70年代からねえ、そういうような指摘はあったんですが、
    町山 はい。
    小西 ・・にも関わらず映画会社の人がこの戸田さんに、頼むということは、何でだと思われます?町山さん。
    山田 うん、なんでだろう
    町山 これが最大の!謎ですね。
    小西 うん。
    町山 これが現代最大の謎で、
    山田 ええ。
    町山 というのは、先程から言ってるように、それぞれが字幕が間違ってるっていうだけの問題じゃなくて、
    小西 うん。
    町山 プリントを焼き直したりですね、それも公開直前に。・・あと、尚且つですねえ、DVDになった後とか、ビデオになった後は、その指摘されてた字幕がよく直ってるんですよ、この人の場合。
    山田 あ、じゃあ結構大問題になってお金がかかってるわけだ。
    町山 そうなんです。
    山田 その結果・・・
    町山 で、あと、直してるってことは、誤訳だっていうことを本人も認めてるってことですねえ。
    小西 あー、そういうことですね。
    町山 あと、映画会社の人とか関係者も認めてるってことなんですよ。
    山田 うん。
    町山 認めてなければ直さないはずですよね?
    山田 はい、はい。
    小西 これ、どうなんですか?やっぱりこれ、忙しすぎるとか、あと例えば、なんか分業でですね、漫画家の人みたいにですねえ、
    町山 はい。
    小西 え~例えば、弟子にやらせるとか(笑)・・・
    町山 弟子にやらせてる可能性は非常に高いですねえ。
    小西 そういうのもあるんですか?
    町山 はい。あお・・・やっぱりあの・・弟子にやらせても別に構わないんですけど、
    小西 うんうん。
    町山 その後のチェックを怠ってるっていうのが、やっぱり画面と絵がつながらない、画面と字幕がつながらない、って問題になってて、
    小西 うん。
    町山 えっと、『ハムナプトラの秘宝』(ハムナプトラ/失われた砂漠の都 The Mummy)ってミイラ映画があるんですけど、
    小西 うんうん。
    町山 その中で棺を開くシーンがあって、
    山田 うん。
    町山 「棺を開け」って「Open the chest」って言うんですよ。
    小西 うん。
    町山 で、その場合、チェストってのは日本語にもなってますけど箪笥とかはチェストですね。
    小西 うん。
    町山 引き出しとかね。
    山田 ええ、ええ。
    町山 ああいうのをチェストって、日本語にもなってますが、
    小西 ええ。
    町山 要するに、棺を開け、っていうシーンなんですが、
    小西 うん。
    町山 戸田さんの字幕では「胸を開け」になってるんですよ。
    山田 はい・・まあ、胸という意味もありますからね。
    町山 ね、でもこれ、画面見れば棺が開くシーンじゃねーかよ!っていう(笑)
    小西 画面見りゃすぐわかる、と。
    町山 だから多分これ、チェックをしてないんですね。出来上がったあとに。
    小西 なるほど。
    町山 あともっと大きな問題で、基礎教養があまりにも欠けているっていうことが大きいんで、これが1番僕はちょっと、非常に、問題があるな、と思ってるとこで、
    小西 うん。
    町山 例えば、『ナショナル・トレジャー』(National Treasure)ってこの間公開された映画では、「北極大陸」ってセリフが字幕の中に出てくるんですけど、
    小西 うん。
    町山 北極には大陸は無いんですよ。
    山田 (笑)、無いですねえ・・(笑)、南極にはあってもねえ・・・
    町山 北極に大陸が無いってことをまず、知らない。この人。
    小西 (笑)
    町山 これは中学の地理でやります、ハイ。
    山田 (笑)・・・
    町山 あとねえ、最近では『ブリジット・ジョーンズの日記』(Bridget Jones's Diary)っていう映画の続編でですね、
    小西 はい。
    町山 『ダロウェイ夫人』(Mrs Dalloway)ていう小説が出てくるんですね、セリフの中で。
    小西 はい。
    町山 それを、この人は、「エッチビデオ」って訳したんですよ。
    山田 (笑)・・・いや、エッチビデオじゃない!ヴァージニア・ウルフ?・・
    小西 え・・・ちょっと困ったもんですねえ・・・
    町山 これ、ヴァージニア・ウルフ、女流作家で、イギリスのですね、代表的な女流作家の代表作である、『ダロウェイ夫人』を、
    山田 エッチ小説・・・
    町山 「エッチビデオ」っていうふうに、戸田奈津子先生は訳しました!
    山田 ね、夫人=エッチだと思ってんだ!
    町山 この人、英文科卒業ですか?
    松本 (笑)・・・
    山田 「夫人」てつくとみんな「エマニエル」だと思ってんだ・・
    小西 (笑)
    町山 「夫人」てつくとみんな「エマニエル」だと思ってんですよ(笑)・・・
    小西 (笑)
    町山 「夫人」てついただけで興奮しちゃう、っていう人なのかなあ・・
    小西 いやあ・・町山さん、ちょっとねえ、時間がホントねえ、もう無くなってしまいまして、
    町山 はいはい。
    小西 まだまだこれ、例をあげれば尽きないと思うんですけどもね、
    町山 はいはい。
    小西 え~、この辺にしたいと、(笑)・・・思います(笑)・・・
    山田 (笑)
    町山 (笑)・・恐いですか?・・(笑)
    小西 はい。私はねえ、この業界はねえ、競争が無いのが1番の欠点だと思いますねえ。
    町山 そう思いますね。
    小西 この辺が通訳業界なんかと大違いだと思うんですがね。
    町山 はい。まあ、リクエストがあれば、もっととことんやりたいと思います、ハイ。
    山田 (笑)
    小西 (笑)・・・詳しくはまた、あの、ネットで見てもらったら、沢山出てますよね。
    町山 まあ、そうですけどね。もっといろいろありますんで、ハイ。
    小西 え~、火曜日のコラムの花道、カリフォルニア州オークランドから映画評論家、町山智浩さんでした。ありがとうございました!

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