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    町山智浩 映画 FC2 Blog Ranking

    『世界にひとつのプレイブック』(Silver Linings Playbook)ブチギレ男のラブロマンス【2012年12月4日たまむすび】

    映画本編解説部分の抜粋記事はこちら⇒
    『世界にひとつのプレイブック』(Silver Linings Playbook) 作品賞 監督賞 他計8部門ノミネート

  1. スタジオ 赤江珠緒(フリーアナウンサー) 山里亮太(お笑い芸人、南海キャンディーズ)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    「どんなに暗い日でも雲の上には銀の裏地があるよ」そんな諺から・・・(カリフォルニアは今が雨季)

    赤江 もしもし~、町山さ~ん。
    町山 はい、町山です、よろしくお願いしま~す。
    山里 お願いしま~す。
    赤江 もうカリフォルニア州も、随分とお寒いんでしょうか?
    町山 う~ん・・・寒く・・・ないです、ハイ。
    赤江 あれ?・・・あ、そうですか。
    町山 もう。1年中だいたい同じぐらいですよ。
    赤江 あ、そういう感じなんですね。でもなんか、クリスマスシーズンで、アメリカは盛り上がってきてるとか・・・?
    町山 う~ん・・・カリフォルニアはねえ、ずっと雨なんですよ。
    山里 あ、そうなんだ。
    町山 えっと、12月から2月くらいまで3ヶ月ぐらいず~っと雨季なんですよ。
    赤江 あ、そんなに?
    町山 ず~っと雨。
    赤江 あら、そうですか・・・
    山里 さみしい年末・・・
    町山 そのかわり1年の間で、ここしか雨降らないんです。
    赤江 あ、じゃあ、ハッキリ雨季なんですね。
    町山 そう。だからこの間に雨を全部貯めないと、農業ができないんですよ。
    山里 なるほど~・・・
    町山 飲料水も全部この時季に、この3ヶ月間だけで貯めるんですよ。
    山里 じゃ、めぐみの時季なんだ、今。
    町山 そう。だから、我慢しなきゃなんないけど、もうカビだらけで大変なんですよ。
    赤江 うわ~・・・ちょっと日本の冬とはまたねえ、趣が違う感じですね~・・。
    町山 東京は冬が乾燥するじゃないですか。
    山里 はい。
    町山 で、夏はジメジメするでしょ?・・湿気が多いですけど。
    山里 はい。
    町山 こっちは逆で、夏はカラッと、完全にもう、カラッカラなんですよ。
    山里 気持ちいい夏・・
    町山 そう。日陰に入ると、スーッと涼しいんですよ。
    山里 へ~・・・
    町山 日向と日陰の温度が全然違うんです、夏は。
    赤江 あ~、そっか、そういう感じなんですね。
    町山 そう。でも冬はず~っと雨。ず~っと。・・梅雨より長いですよ。
    赤江 へ~・・・
    町山 意外と・・・ず~っと降るんですよ。
    山里 今日はジメッとした中でお送りしていただけると・・
    町山 そうなんですよ(笑)、ハイ。
    赤江 ま、でも今ね、もうアカデミー賞も、候補が続々とということですから、今日の映画も期待しております、町山さん。

    町山 今日の映画もねえ、多分アカデミー賞のねえ、主演女優賞候補に入るんじゃないかと思うんですけれども、
    山里 はい。
    町山 え~とねえ、日本語タイトルがまだ決まってなくて、日本公開の日取りが決まってないんでねえ、すごく難しい英語タイトルなんですが、今回紹介する映画は。
    赤江 ええ。
    町山 え~・・・・(笑)、『シルバー・ライニングス・プレイブック』(SILVER LININGS PLAYBOOK)ってタイトルなんですよ。
    赤江 ちょっと・・番組冒頭で「プレイバック」って言っちゃったんですけど、「プレイブック」なんですね、正しくはね。
    町山 「プレイブック」なんですよ。「プレイブック」っていうのはね、アメリカンフットボールの・・・攻撃とか防御を上から見た感じで、「ここからショットガンだ」とか言ってさ、いろんな、「ここでクォーターバックを・・」とかやるじゃないですか。
    赤江 あ~・・作戦立てて・・・はい。指示出す・・・
    町山 そう、作戦を立てる・・・あれを「プレイブック」って言うんですよ。ノートに書いてあるのを
    赤江 はあ。
    町山 それとか、本に書いてあるんですね、こういうふうにやるんだっていうハウツー本ですね、戦術本。
    赤江 うんうん。
    町山 それを「プレイブック」って言うんですね。
    山里 はい。
    町山 で、「シルバー・ライニングス」っていうは、これ、まためんどくさいんですが、「ライニングス」ってのは「ライナー」と日本語でも言いますけど、服の裏地です。
    山里 はあ。
    町山 「シルバー」だから、「銀の裏地」って意味なんですね。
    赤江 「銀の裏地」・・・はい。
    町山 これね、ことわざがあるんですよ、英語に。
    赤江 はあ。
    町山 あのねえ、「どんな雲でもどんなに曇っていても、その雲の裏側は太陽によって光り輝いているはずだ」と。要するに、下から見ていると雲は真っ黒に見えるけど、雲の上側は太陽で光り輝いているはずだ、と。
    赤江 はあ・・・
    町山 「それは銀の裏地なんだよ」って言ってんですよ。
    赤江 はあ~・・・そういう・・・
    町山 「どんなに暗い日でも雲の上には銀の裏地があるよ」って言葉があるんです。
    赤江 ふ~ん。
    町山 「どんなに辛くても、希望は絶体あるんだ」っていう言葉が「シルバーライニングス」って意味なんですね。
    赤江 あ、じゃあ、「止まない雨はない」みたいな・・・
    町山 そうそう、そうそう。そんな感じです。
    赤江 日本語で言うと・・・はい。
    町山 この『シルバー・ライニングス・プレイブック』っていうのは、そういう、「希望を持つための戦術」っていう意味なんですね。
    山里 ふ~ん・・前向きなお話しっぽい?
    町山 これね、ロマンチックコメディです。
    山里 あら、ロマンチックコメディ・・・
    町山 すごい、あの・・・素敵なね、クリスマス向けのロマンチックコメディで僕が紹介するのにね、全然似合わない感じがしますけども(笑)
    山里 町山さん、そういうのも紹介していただけるんですねえ!
    町山 ちゃんと紹介しますよ!ちゃんと・・・映画評論家ですから(笑)
    赤江・山里 (笑)

    ~Conflict~
    『強き二人の愛 / Zep』と共に、甘く激しいラブロマンス・・コメディ?

    町山 でね、これねえ、主役の男の人はですねえ、「アメリカで最もセクシーな男性」と言われてる人ですね。
    赤江 へ~・・・どなたでしょう?
    町山 これね、ブラッドレー・クーパーっていう人で、日本では多分知られてないですよね。
    山里 初めまして、な感じですね。
    町山 はい。でもこの人ね、2011年に、『ピープル(People)』っていう雑誌が毎年選んでる、『世界で最もセクシーな男性』のトップに選ばれてるんですよ。
    山里 へ~・・・
    赤江 あ、お写真ありますけど確かに、美形・・・
    山里 男前・・・
    赤江 ねえ。・・
    町山 この人ね、カラダもスゴイんですよ。
    赤江 ほう・・・
    町山 あの・・・(笑)腹筋が。
    赤江 脱いでもスゴイ。へ~・・・
    町山 アメリカはね、結構ね、セクシーな男に選ばれる条件はね、腹筋なんですよね。
    赤江 なるほど・・・・
    山里 割れてるんだ、バッキバキに。
    町山 そう。ライアン・ゴズリングとかね、ベッカムとかね、みんなね、腹筋が割れてるかどうかが結構ね・・・重要なんですよ、アメリカでは(笑)
    山里 シンプルなポイントですねえ。
    町山 ポイントなんですよ(笑)。でねえ、女の娘の方、恋する相手の女の娘の方はね、ジェニファー・ローレンスっていう娘で、この人もあんまり日本では有名じゃないんですよね。
    山里 はい。
    町山 ただ、この人はいきなり、デビュー作に近い映画でアカデミー主演女優賞候補になった、ものすごい演技派なんです。
    赤江・山里 へ~・・・
    町山 『ハンガー・ゲーム』(The Hunger Games)って映画があって、これ、日本でも公開されたんですが、『バトル・ロワイアル』のアメリカ版があったんですね。
    山里 あ、ありました、ありました。ハイ。
    町山 はい、それの主演女優で、アメリカでは大人気なんですよ。『ハンガー・ゲーム』ってのはアメリカでは大々、大ヒットしたんですよ。
    山里 へ~。
    町山 日本ではね、あんまり当たらなかったんで、このジェニファー・ローレンスって娘は知られてないんですけども・・・・あの、オッパイ大きいですよ。
    山里 おっと!・・ちょっと・・『ハンガー・ゲーム』まだやってますかねえ?
    赤江 (笑)
    町山 やってますよ、ハイ(笑)
    山里 え・・・
    赤江 急に調べない!(笑)
    町山 ハイハイ、それでね、え~っと、この2人が、アメリカではトップ、トップトップ俳優同士の共演作なんですけど、日本ではこれからって感じですけどね。
    赤江 へ~・・・
    町山 ものすごい評価が高い映画なんですが、これねえ、『Shall we ダンス?』って映画がありましたよね?前ね。
    赤江 はい、はい。周防監督の。
    町山 社交ダンスの・・・ボールルームダンスの、ペアのね。
    赤江 ええ。
    町山 それをねえ、まあ、していく話なんですけども・・・
    赤江 うん。
    町山 え~と、これねえ、主題歌がねえ、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のですねえ、『強き二人の愛』(What Is And What Should Never Be)という歌なんで、ちょっとそれを聴いていただけませんか?
    赤江 はい。
    ( What Is And What Should Never Be / Led Zeppelin )
    町山 はい。これはねえ、歌詞はねえ、「もし僕が君に、ついて来いって言ったら、君はついて来るね」っていう、「君は僕のものだ!」っていう歌詞なんですよね。
    赤江 へ~。
    山里 あら、情熱的な・・・
    赤江 ねえ、最初ちょっと艶かしい感じから、パーン!と来ましたねえ。
    町山 ねえ。これ、最初すごく静かに、「イフアイ、セッ、トゥユートゥモ~ロ~♪」ってゆっくり始まって・・・
    赤江 (笑)
    町山 (笑)・・途中で、「ダンダダ、ダンダダ、ダダダンダン!」てなるじゃないですか。
    赤江 はい。
    町山 この映画、そういう映画なんですよ。
    赤江 は~・・・
    町山 これねえ、主人公のブラッドレー・クーパーはねえ、いわゆる、なんていうか・・・・「ブチ切れる」人なんですよ。
    山里 キレちゃう・・・
    町山 キレちゃうんですよ。・・・・普段はゆっくり喋ってんのに、静かに喋ってんのに、突然、「ア”~!!」ってなっちゃうんですよ。
    山里 は~・・・まるで今の曲の様に。
    赤江 ちょっと厄介な人ですねえ。
    町山 そうなんですよ。アメリカではね、こういう人達は、「アンガーマネジメント(anger management)が必要な人」って言うんですね。
    赤江 ええ。
    町山 これねえ、日本ではあまり知られてない言葉なんですけども、要するに、「ブチ切れちゃう」人なんですよ。
    赤江 ふ~ん。
    町山 カンニングの竹山さんとかは、あれは、キレる「芸」ですけども、
    山里 (笑)ま、冷静に言っちゃうとね。
    町山 そうじゃなくて本当にキレちゃう人ってのは、職場とか、1番アメリカで怖いのは自動車で運転してる時にそれが起こることなんですね。
    山里 へ~・・・
    赤江 突然キレちゃう・・・うん。
    町山 ピストル持ってますからね、みんなね。
    赤江 あー、そうですねえ。
    町山 後ろから「プッ、プッ、」って鳴らされたっつって、「ブー!」って止めて「バーン!」ですから、いきなり。
    赤江 いや~・・・
    町山 で、そういう世界なんで、とにかく、職場とか結婚関係とかで、怒り始めると止まらなくなる人っていうのは、強制的に、病院に行かされるんですよ。
    赤江 ふ~ん・・・
    町山 非常に危険だってことで。
    赤江 はい。
    町山 主人公はそういう人で、まず最初に、ま、主人公は学校の先生で体育の先生かなんかだったんですけども、たまたま学校が早くはけたんで、家に帰って奥さんと会おうかな、って行ったら、奥さんがシャワー入ってるんですね。
    赤江 はい。
    町山 で、シャワー行って、いきなり抱きしめたらいいかな?って思って裸になってシャワー行って、抱きしめようとしたら、違う男がいるんですよ。
    赤江・山里 うわ~!
    町山 奥さん、国語の先生なんですけど、歴史の教師のハゲオヤジとシャワーでイチャついてるんですね(笑)
    赤江 そっちか~・・っていう・・・
    町山 そう、それで、「テメエ!浮気してんのか!」つって、相手の男をボコボコにしちゃって警察を呼ばれて、病院に入れられちゃうんですね、主人公は。
    赤江 ふ~ん。
    町山 で、奥さんにも二度と近づいちゃいけない、っていう、接近禁止令を出されて・・・まあ、奥さんとは離婚はしてないんですけども、二度と会えない状態になって、保護管理する人が必要なんで、自分の実家に帰ってくるってとこから話が始まるんですね。
    山里 ふんふん、ふん。
    町山 で、実家に行くとお父さんはですね、なんとロバート・デ・ニーロなんですよ。
    山里 お、豪華な・・・
    町山 ロバート・デ・ニーロも昔からブチ切れると何するかわかんない人なんですよ。(笑)
    赤江 あ、そうなんですか?
    町山 映画の中ではね。
    山里 あ、映画の中ではね。
    町山 映画の中ではそういう役ばっかやってる人ですからね(笑)。
    山里 (笑)
    町山 で、このお父さんてのもダメな人でですね、まず事業に失敗して、事業を立て直すためのお金を、なんと、スポーツ博打で儲けようとしてるお父さんなんですよ、ロバート・デ・ニーロは。
    山里 あ~、ダメだ。
    町山 これ、舞台がフィラデルフィアなんですけど、フィラデルフィアにはスポーツチームが2つあるんですね、有名なのは。
    赤江 うん。
    町山 アメフトの方は「イーグルス」っていうチームなんですね。
    山里 はいはい、はい。
    町山 野球チームが「フィリーズ」っていうんですよ。
    山里 うん。
    町山 で、それにお金を賭けて、たくさん儲けて、お店を立て直そうと思ってるんですね、このデニーロさんは。お父さんは。
    山里 ふんふん。
    町山 ところが、「フィリーズ」と「イーグルス」ってのは、ダメチームなんですよ!
    赤江 ふ~ん。
    町山 いつも、優勝直前までいって、大失敗するってことが多いチームなんですね。
    赤江 はあ~・・・
    町山 1番悲惨な例だと、NFLの、フットボールでは、1番大事な試合でもって、タッチダウンする寸前に、タッチダウンした!と思って、「やった~!」って、手を上げた時にボールを落っことして、点が入んなかった、それで勝てなかったとかですねえ。
    赤江 ええ。
    町山 「フィリーズ」の方は、もう、地区優勝の決定戦だ!っていうところで、ボールをトンネルして負け、とかですね。
    赤江 そんな、詰めの甘いチームなんですね(笑)。
    町山 詰めの甘いチームで有名なんで(笑)、普通このファンやってるとですねえ、だんだん、神経症になるって言われてるんですよ。
    山里 へ~。イライラしちゃって・・・
    町山 時々ねえ、優勝して・・・この間優勝したりして「フィリーズ」とか、なまじ優勝するだけに、ますますファンが辛くなってくるんですけど(笑)、
    山里 なるほど(笑)
    町山 ま、ちょっと阪神・・系なんですね。
    赤江 なるほどなるほど。
    町山 で、それにお金を大量に賭けて、どんどん、どんどんお金を失っていってるんですよ、このお父さんは。
    山里 は~・・・・
    町山 ところが、それでも、どうしようもない家庭になってて、なんとか救いがあるな、と思うのは、近所にいた可愛い女の娘に会うんですけれども、
    赤江 うん。
    町山 それがジェニファー・ローレンスって女の娘で、意気投合するんですね、主人公がね。
    赤江 うん。
    町山 で、どうして意気投合するかっていうとですね、「僕はねえ、最近ね、『セロクエル』っていう精神安定剤を飲まされてるんだよ、病院でね。」っつって、
    赤江 うん。
    町山 「知ってるかい?」って言ったら、「知ってるわ!」って言って、「ワタシ、『アビリファイ』っていう、大塚製薬の双極性障害の薬を飲んでるの!」って言われるんですよ。
    赤江 (笑)
    山里 明るく、スゴイトークを・・・
    町山 「『ザナックス』、飲んでる?鎮静剤なんだけど。。」って言うと、「飲んでるわ!アタシ、『エフェクサー』も飲んでるのよ!不安神経症にいいのよ!」って。
    赤江 弾むなあ、トークが(笑)
    町山 その女の娘のほうもですね、病院に入ってるんですよ(笑)
    山里 なるほど。心がちょっとねえ・・・
    町山 そうなんですよ。その女の娘の方はですね、旦那さんと、高校時代の友達だった旦那さんと結婚したんですけど、旦那さんは死んじゃうんですね。
    山里 ふ~ん
    町山 旦那さんは、エッチしようと思って、エッチ屋さんにですねえ、え~、奥さんのエッチ下着を買いに行ったら、
    山里 はあ。
    町山 慌てて買いに行って、慌てて帰る途中で、慌て過ぎてですね、交通事故で死んじゃったんですよ。
    山里 え?!
    赤江 そんな死に方~・・・
    町山 エッチ下着持ったまま。
    赤江 え~!
    町山 でもう、恥ずかしいわ、悲しいわで、その奥さんのジェニファー・ローレンス、ま、幼妻なんですけども、おかしくなってですね、職場の人と、全員とヤッちゃうんですね。
    赤江・山里 え?!
    町山 要するに、自傷癖みたいな感じでね。辛いから。
    山里 あ~、なるほど。
    町山 それを聞いた主人公がですね、「え?職場の人全員とヤッタって何人なの?」「11人よ」って言って、「その中に女性もいるの?」「いたわよ!」って言うんですけど(笑)
    山里 何?この、・・赤裸々?話、一気にそこまで行ける?普通・・
    赤江 (笑)ねえ。
    町山 それでもう、この、おかしな2人がですねえ、
    赤江 うん。
    町山 え~、なんとか、社交ダンスに出て・・・勝とうとする、っていう話なんですよ。
    赤江 これ、ホントにロマンチック・・・あの・・・(笑)
    山里 コメディの要素が強いですよねえ
    赤江 ・・ラブ・・・え?コメディですか?
    町山 (笑)・・これ、どうしようもない人ばっかりがゾロゾロ出てくる映画なんですよね。
    山里 へ~・・・
    町山 この主人公はまだねえ、奥さんとやり直せると思ってて、奥さんが国語の先生だっていうんで、どういう国語を教えてるか、つってヘミングウェイの『武器よさらば』(A Farewell to Arms)を読んでる、っていうことを調べてですねえ、
    赤江 ええ。
    町山 奥さんとまた再開できた時に、話題が無いと困るってことで、『武器よさらば』を読むんですね、夜中に。
    赤江 (笑)ちょっと可愛いですけど。
    町山 読み終わったら突然ですね、夜中の3時に暴れだすんですよ。
    赤江・山里 え??
    町山 「ギャ~!!」って暴れだして、もう近所の人、全部起きてくるんですけど。
    赤江 うん。
    町山 「せっかく一生懸命読んだのに、ヒロイン死んじゃうじゃねえかよ~!!」って怒ってるんですよ。
    赤江 (笑)
    町山 「ヘミングウェイ、カネ返せ!!!」とか言ってるんですよ。
    赤江 ちょっとその、怒りのスイッチが入るとこが、いろんなとこがあるんですね・・・
    町山 そう、怒りのスイッチが入りだすと止まらなくなっちゃうって人なんですよ。
    山里 へ~・・・・
    町山 で、今度はその奥さんのことを思い出して、
    赤江 ええ。
    町山 「結婚式の時のビデオ、なかったっけな?」って家中探して、ビデオ見つからないんですよ。
    山里 うん。
    町山 で、「結婚式のビデオどこだ!結婚式のビデオ~!!!」つって、また警察が来るんですよ。
    山里 ええ?
    町山 そういう人なんですよ(笑)・・・主人公は。
    山里 そこは、これ、見てる人って、そこら辺ドーンて笑ったりするんですか?やっぱ。
    町山 笑いますよ、やっぱりこれはねえ。
    山里 あ、そこは笑っていいポイントなんですね。
    町山 こう、ヒキながら笑う感じ。
    赤江 へ~・・・
    町山 引きつり笑いですけど、ハイ。
    赤江 そっか、こんなカッコイイのにねえ・・・・
    町山 カッコイイのに。・・・なんかねえ、顔だけじゃなくて、そういうバカ演技もできるってところを見せてねえ、すごくこれで評価されてるんですけどね。
    山里 は~・・・・
    町山 で、さっき掛けた曲の、レッド・ツェッペリンの歌っていうのは、
    赤江 はい。
    町山 『強き二人の愛』っていう歌なんですけれども、「僕が何処にでも行こう、って言ったら、君はついて来てくれるね!君はオレのもんだから!!」って言ってんですけど、
    山里 はい。
    町山 これ、主人公は、自分から逃げた奥さんに対して、この歌を聴くわけですよ。
    赤江 ほう。
    町山 これストーカーだよね?(笑)
    赤江 そうですよ。
    山里 警察からも離され・・・
    町山 そう、だからねえ、ラブソングってねえ、やっぱり怖いですよ。あの・・・相手が嫌ってる場合は怖いんですよ(笑)。
    山里 そうですよね。
    赤江 ホントですねえ・・・
    町山 嫌がってる場合は怖ろしい歌なんですけど。
    赤江 うん・・・上手くいってればいいけどねえ・・・
    町山 上手くいってればいいんですけどね、ハイ。
    赤江 ホントですよ・・・

    ~Resolution~
    ブチギレ監督のアンガーマネジメント映画も、最後はウットリ

    町山 そういう映画なんですけども、これねえ、面白いな、と思ったのはですねえ、これ監督はデヴィッド・O・ラッセルっていう監督なんですね。
    赤江 はい。
    町山 この人はねえ、『ザ・ファイター』(THE FIGHTER)っていう映画でもって、アカデミー賞をいっぱい獲ってですね、有名な監督なんですけれども、その前は干されてたんですよ、ハリウッドでは。
    赤江 へ~・・・
    町山 仕事が無かったんですよ、ずっと。・・・・どうしてかっていうと、凄く天才的な監督って言われてたんですけども、現場でキレちゃうんですよ、この人。
    赤江 え?
    町山 現場で、「そうじゃねーよー!!」とか「わかんねーのかよ~!!!」ってやっちゃうんですよ。
    赤江 (笑)・・この、監督が?!
    町山 監督が。・・・まず最初に、『スリー・キングス』(Three Kings)っていう戦争映画を撮って、すごく映画も当たって評価も高かったんですけども、それに主演したジョージ・クルーニーっていう俳優がね、
    山里 ああ、はい。
    町山 「ホント、に地獄だった。」と、現場では。監督がすぐブチ切れるから、と。
    赤江 へ~・・・
    町山 「彼は天才かも知れないが、ゼッタイに、仕事は二度としねー!」っつったんですよ。
    赤江 あ、そう・・・でもこれ、お写真だけ見てると、すごい穏やかなそうな・・・
    町山 インテリなんですけどね。
    赤江 インテリな顔をされてますけどねえ・・・・わかんないもんだなあ・・・
    町山 やっぱり、ブチ切れるってのは、精神的な状態なんでねえ、
    赤江 はい。
    町山 ジョージ・クルーニーって人は凄く力を持ってる人なんで、彼がもう二度としないよ、って言ったら結構大きかったんですね。
    赤江・山里 へ~・・・
    町山 その後もう1本、『ハッカビーズ』(I Heart Huckabees) って映画が出た時に、今度は、ベテラン女優のリリー・トムリンていう女優さんがいるんですね。すごいベテランなんですよ、もう。
    赤江 うん。
    町山 その人を現場で怒鳴りつけて、「お前、わかんねーのかよ!バカヤロー!!」とか言ってるところを、あまりにも酷かったんで、現場のスタッフが携帯でですね、ビデオを撮っちゃったんですよ。
    山里 ほう。
    町山 で、それをユーチューブに流しちゃったんですよ。
    山里 うわ~・・・
    町山 このデビッド・O・ラッセル監督が「ギャギャギャギャギャ~!!!」ってやってるとこがユーチューブで流されたために、もう誰も一緒に仕事しなくなっちゃったんですよ。
    赤江・山里 へ~・・・
    町山 だから、自分の話なんですよね、コレ(笑)。
    山里 なるほど・・・
    赤江 ホントですねえ。
    町山 そうなんですよ。でね、面白いのは、このデビッド・O・ラッセルって監督が、復活したのは『ザ・ファイター』っていうボクシング映画だったんですね。
    山里 はい。
    町山 それは、、マーク・ウォルバーグっていう俳優さんが、・・ずっとデビッド・O・ラッセルと映画を撮ってる人なんですけども、その人が自分でプロデュースしたんですけども、
    山里 うん。
    町山 どうも干されてて、どうしようもないデビッド・O・ラッセルに「最後のチャンスをあげるよ」って言って、その『ファイター』って映画を撮らせてあげたんですね。
    山里 はあ。
    町山 彼がプロデューサーだから、ウォールバーグが。・・・・その時に、ウォールバーグの、兄貴役で出た人っていうのが、クリスチャン・ベールですけども、
    山里 うん。
    町山 クリスチャン・ベールがその前に出た、ターミネーターの続編で、やっぱり現場で、スタッフを怒鳴りつけているところをユーチューブにあげられちゃった男なんですよ。
    山里 あら!
    赤江 へ~・・・
    町山 「バカヤロー!!」ってやってるところを。
    赤江 うん。
    町山 それでもう、みんなに、「アイツなんなんだ?クリスチャン・ベール、天狗じゃねえの?」「おかしいんじゃねえの?」って言われて、仕事が無くなるかもしれない、っていうところで、その、ユーチューブにブチ切れをあげられて、ヤバかった2人が合体して『ザ・ファイター』で復活したんですよね。
    山里 スゴイ話・・・
    町山 すごい話なんですよ。それで『ザ・ファイター』でクリスチャン・ベールはアカデミー賞を獲ったんですよ。
    山里 へ~・・・・
    町山 ・・て言うねえ、ブチ切れのドン底から立ち上がるっていうねえ(笑)・・よくわからないですけども、(笑)
    赤江 ホントですねえ。・・アンガーマネジメント、まさに、・・みたいな2人が・・へ~・・・
    町山 そうなんですよ。でね、この映画はね、そのアンガーマネジメントをどうやってコントロールするかっていうと、自分よりもおかしな人と付き合ってると(笑)、自分が客観視できるっていう話なんですよ。
    山里 ほえ~?!
    町山 だからこれ、彼女もおかしいでしょ?
    赤江 はい。
    町山 で、お互いにどっちも、相手がおかしいと思ってる同士で付き合ってるから・・・・・・だんだん治ってくるって話(笑)なんですね。
    山里 スゴイ治療法ですねえ!
    赤江 毒は毒をもって制す、みたいな話ですけどねえ・・・
    町山 そうそう、そうなんですよ(笑)。でねえ、最後はねえ、クリスマスでホントにロマンチックなハッピーエンドで終わるんですよね。
    赤江 ロマンチックになるんですか?コレ(笑)・・・ホント?
    町山 なるんですよ!これがナント!・・・ホントにクリスマスラブストーリーで終わりますから、最後、コレが。
    山里 今んトコロ・・だいぶ面白そうな・・・
    赤江 クリスマス(笑)・・・の雰囲気、無いですけどねえ・・・
    町山 もう、「ウットリよ」って感じですよ。
    赤江・山里 (笑)
    町山 もう、デート映画になってますよ、最後は。
    山里 ホントですか?
    町山 前半、グチャグチャですけど、ハイ。
    赤江 いや~・・・これはでも、面白い設定でね。
    町山 面白いんです。
    山里 ブットンだ人々がいっぱい出てきてグッチャグチャになっていって、最後は、ラブロマンス。
    町山 最後は、もう、「ウットリ」ですから。ハイ。
    山里 「ウットリ」できんのかな?(笑)
    町山 ていうことでねえ、日本公開は多分、だいぶ先なんですけども、
    赤江 はい。
    町山 ハイ、『シルバー・ライニングス・プレイブック』日本語タイトルどうなるか、ちょっとわかんないですけどね(笑)。オススメですね。
    赤江 うわ・・・これも是非観てみたいですね。
    山里 ねえ。
    赤江 現実にだって、こういう、アンガーマネジメントが必要、みたいな人もねえ、いっぱいいますもんねえ
    山里 いっぱいいるでしょ・・
    町山 キレやすい人ね。ハイ。
    赤江 その中のラブストーリーってのはねえ、面白いかもしれませんねえ。
    町山 はい。
    赤江 わかりました。ありがとうございました。
    町山 はい、どうもでした。
    赤江 今日は歌まで歌っていただいて・・・町山さんに(笑)
    町山 (笑)
    山里 可愛い歌声でしたから!町山さん!(笑)
    町山 (笑)
    赤江 (笑)・・・えー、アメリカ在住の映画評論家、町山智浩さんに、異色のラブコメディー『シルバー・ライニングス・プレイブック』ご紹介いただきました。ありがとうございました!
    山里 ありがとうございました!
    町山 どうもでした!

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