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    アメリカ経済100年史・2大政党の政策の違いの根底にあるモノ【2008年10月7日 ストリーム】

  1. スタジオ  宇多丸(ミュージシャン、RHYMESTER) 松本ともこ(フリーアナウンサー)
  2. 電話出演 町山智浩(映画評論家、コラムニスト)
  3. ~Setup~
    『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない 』

    宇多丸 今日は、サイゾーやTVブロスなどの連載でお馴染み、アメリカバークレー在住、「文化のオタッキーニスト」、町山智浩さんです!ど~も~・・
    町山  はい、町山です。ど~も~、こんにちは~、宇多丸君、こんにちは~。
    宇多丸 ど~も、御無沙汰してま~す。
    町山  あの~、新しい本が出ます!もう、早く言います!
    宇多丸 は、早いな・・・
    町山 明後日ですね、書店に、町山智浩の新刊『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』、長いんですけど、『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』!
    松本 ・・2回言ってる(笑)
    町山 出ますんで、よろしくお願いします!
    宇多丸 これ・・ねえ、この本の話、行っちゃいますか?
    町山 はい、読んでくれました?
    宇多丸 読みました、読みました!もう・・素晴らしい本でしたよ。
    町山 どこが面白かったですか?
    宇多丸 やっぱり・・例えばアメリカの保守層というか、福音派とかが、物凄い政治を支配・・というか、介入しているあれとか・・・アメリカは一応、世界一の国というか、日本はそれに確実に振り回されている、大国なわけで、・・・こういう視点でアメリカの実像みたいなのを描いている日本語の本てなかなか無いし、なおかつそれが笑えて面白いっていう・・・・
    町山 ま、そんな難しい本じゃ無いでしょ?(笑)
    宇多丸 うん・・だからスッゴい読みやすいんだけど、でもやっぱり、例えばアメリカ映画とかいろいろ見るにあたって、こういう視点とかが基本的に無いと、それこそ町山さんもよく仰っているように、理解もなかなかできないようなアメリカ映画も結構、あるなあ・・とか思ったりして、・・・という所で、ホントに必読の本だと思いました。
    町山 あ、どうもアリガトウございました、はい、皆さん、明後日、書店に、よろしくお願いします。
    宇多丸 ・・(笑)オレの褒めをわりとどうでもいいような流し方を・・(笑)
    町山 いやいや、どういうことを言ってももう、次に言うことは決めてたから・・(笑)

    宇多丸 ・・そうですよね。(笑)え~と、文藝春秋から、・・・税別、1000円なのか・・
    松本 安い!
    宇多丸 で、今週金曜日発売ということです!
    松本 はい、実はですね、すごいんですよ。この本をなんと20名!の方にプレゼントいただきまして、ありがとうございます!
    町山 20名ってすごいですよね・・・・それだけ配っちゃったら売れなくなっちゃうじゃん、ねえ?
    宇多丸 今、すぐ応募すれば確実に当たるぐらいですよね、もうね!
    町山 ねえ・・・それ「持ってけ!」の世界じゃん、ねえ?
    宇多丸 いや、でもあれですよ、友達とか親族に配れって話ですから・・・
    松本 そうそう、しかもいっぱい、たくさんの人が読んだほうがいいですよ。
    町山 はい、それでちゃんと書店でも買うと、もらっても・・
    松本 ご希望の方、今日、20名プレゼントいただきましたので・・・・
    (応募方法告知・・・略)
    宇多丸 さて、ということで、今、アメリカはホントに大変なことになってるわけですよねえ?
    町山 はいはい、株価がめちゃくちゃ落っこちてですねえ・・今日はその話をしたいんですけど・・・
    宇多丸 はい。

    ~Conflict~
    リーマン・ショック直後のアメリカを100年前から紐解く

    町山 これ、1929年にあった大恐慌の再来って言われてるんですね。
    宇多丸 うん。
    町山 29年の大恐慌ってのは、世界を巻き込んで大世界恐慌になって、それが結局第ニ次世界大戦まで繋がっていったという、世界破滅状態という感じになったんですけど、
    宇多丸 はい。
    町山 それがもう一回起こりつつあるんじゃないかっていうふうに言われてるんですけど、今日はちょっとその話でね、
    宇多丸 はい。
    町山 これ、まあ、ちょっと見っていうか、短い目で見るとですね、いわゆるサブプライムローンていうデタラメな住宅ローンと、投資銀行の暴走、を野放しにしちゃったブッシュ政権の責任ていうことは、ま、短い目で見ると言われてるんですけども、
    宇多丸 はい。
    町山 あの~、もうちょっと長い目で、100年・・ていうかね、まあ、60年から70年ぐらいの目で、今日は見てみようっていう話をします。
    宇多丸 はいはい、はい。
    町山 で、まずその、ブッシュがなんでこの金融の暴走を野放しにしちゃったんだと思います?
    宇多丸 う~ん・・・・なんででしょう?・・ちょっと、僕はわかんないですけど・・
    町山 これもう、「バカ」っていうことが理由なんですけど、1つはね(笑)
    宇多丸 「バカ」・・うん、はいはい。
    町山 で、もう一つは、もっと根底にですね、ブッシュっていうかですね、共和党のイデオロギーで、「ほっとく」っていうイデオロギーがあったからなんですよ、経済は。
    宇多丸 ほうほう、ほう。
    町山 「ほっとけ主義」って言うんですけども・・・・言わないですけど(笑)、今言ったんですけども(笑)
    宇多丸 「ほっとけ主義」ってね、そんな用語は無いっていう・・・
    町山 あの・・難しく言うと「自由放任主義」ってやつがあって・・
    宇多丸 「自由放任主義」、はい。
    町山 経済における「自由放任主義」が原因なんですよ。
    宇多丸 ほうほう。
    町山 それで、これはですね、実はもう80年代の共和党のレーガン政権以降、30年ぐらい続いてきたんですね、アメリカで、実は。
    宇多丸 ええ。
    町山 で、今度もう、こういうことになっちゃったんで、結果として、これを立て直すためには、それと逆の「ほっとけない主義」、の方のですね、
    宇多丸 はい。
    町山 ま、これは「リベラル経済」と言われるようなですね、規制とかコントロールが必要だってことで、それをやる民主党の、オバマさんが今物凄く支持率を伸ばしてるんですね。
    宇多丸 なるほど、なるほど。どんどん市場に介入していこうということですよね?
    町山 そうそう、そうなんですよ。で、この2つの対立があるわけですよね、今言った・・
    宇多丸 はい。
    町山 で、これはまあ単純に、日本だと、アメリカで対立してるのは「共和党」と「民主党」で、「保守」と「リベラル」って言われるじゃないですか。
    宇多丸 はいはい。
    町山 で、「・・でも、「保守」と「リベラル」っていったいどう対立してるの?」ってことと「何故「共和党」と「民主党」っていう2大政党があるの?」って話をちょっとしたいんですね。
    宇多丸 うん、なるほど。
    町山 で、これがわかると、今の金融崩壊の理由とか、大統領選挙とかわかりやすくなるんでね。
    宇多丸 ふんふんふん。
    町山 はい。で、「保守」と「リベラル」って言うけれど、じゃあ、その「保守」っていうのはいったいどういう思想を「保守」って言ってるか?なんですよ。
    宇多丸 はい。
    町山 どういう思想でしょう?
    宇多丸 う~んと・・・まあ、例えば、キリスト教のガチガチの・・・が、ベースになってる、とかってのが想像しやすいですけど・・
    町山 はい、今、経済の話なんですけど、経済的な「保守」ってのはどういうことか?なんですよね。
    宇多丸 ・・・はいはいはい、アメリカの場合?
    町山 はい。
    宇多丸 ・・ま、先程おっしゃられてた、「放任主義」っていう・・
    町山 そうですね。だから、「自由主義」なんですよ。
    宇多丸 はいはい。
    町山 ね?経済における「保守」ってのは「自由主義」なんですけど、これ、英語に直すと「リベラリズム(liberalism)」なんですよ。
    宇多丸 あ~・・・イメージ的に、さっきの話とちょっと逆になっちゃうわけですね?
    町山 そうそう、さっき「保守」と「リベラル」が対立してるって言ってたのに、「保守」の思想っていうのは「リベラリズム」なんですよ。
    宇多丸 はいはいはい。
    町山 どっちも「リベラリズム」じゃないですか。
    宇多丸 ややこしいですね、これ・・
    町山 ややこしいでしょ?これ、どういうことかって話をしますけど、まずねえ、アメリカができた頃の話に遡るんですけど・・・
    宇多丸 はい。
    町山 アメリカは元々イギリスの植民地で、そこで移民してきた人達はイギリスに税金をたくさん納めなきゃならなかったわけですね。
    宇多丸 はい。
    町山 でも、税金をいくら納めても、何もしてくれないのに税金を納めるっていう、ひどい、奴隷みたいな状態になってたわけですね。
    宇多丸 ふんふん、ふん。
    町山 で、頭に来て、その・・・、具体的に言うと経済的な奴隷、経済的な自由が無かったんで、戦争を起こして革命を起こして独立してアメリカを作ったわけですね
    宇多丸 はいはい。
    町山 その時の彼らの1番の目的は、経済的自由の獲得だったわけですよ。
    宇多丸 うん。
    町山 で、その思想の根底にあったのが、まあ、高校でやりましたけど(笑)、アダム・スミスって人の考え方なんですね。
    宇多丸 はい、はい。
    町山 アダム・スミスって人が言ったのが「自由主義」なんですよ。
    宇多丸 うん。
    町山 これが、「自由主義」なんですね、「リベラリズム」なんですね。
    宇多丸 はい。
    町山 で、そのあといろんな「リベラリズム」が出てくるんで、このアダム・スミスの「リベラリズム」は「古典的リベラリズム」って言われてるんですね。「昔のリベラリズム」・・・
    宇多丸 はい、「古典的自由主義」。
    町山 そうですね。で、これはどういう考えかって言うと、まあ、とにかくみんな自由にやればいい、と。
    宇多丸 うん。
    町山 で、なんにも規制なんか必要ない、と。
    宇多丸 うん。
    町山 ルールも無しでいいと。で、とにかくみんな自由に商売して経済活動を行ってれば、自由に競争をするだろう、と。
    宇多丸 はいはいはい。
    町山 で、そうすると、安くて良い商品を作っている人は勝つだろう、と。
    宇多丸 うん。
    町山 良心的な商売をしてる人だけが勝って、悪い商売をしてる人は負けるだろうと。
    宇多丸 ふんふん。
    町山 すると、結果として、みんな便利になって良い物が出回って、技術もどんどん、良い商品を作るために革新されていくと。
    宇多丸 はい。
    町山 で、世の中、どんどん良くなるじゃないかと、ほっとけば。
    宇多丸 うん。
    町山 で、雇用条件が良い会社に良い労働力が集まるでしょ?
    宇多丸 はい。
    町山 すると、雇用条件も良くなるわけですね?だんだん。 ・・で、儲けがどんどん増えてけば、企業の儲けが増えていけば、それは給料とか良い商品として、社会に還元されていくと。
    宇多丸 はいはい。
    町山 つまり、経済はほっとけば、どんどんどんどん世の中は良くなっていくよ、と。
    宇多丸 うん。
    町山 と、いう考えが「古典的自由主義」なんですよ。
    宇多丸 はいはいはい。
    町山 で、これはどういうことかって言うと、要するに、ほっとけば、「神様」がいるはずだから、
    宇多丸 うん。
    町山 「神様」が結局世の中を良くしてくれるよ、って考え方が根底にあるんですね。
    宇多丸 はあ・・・「神の見えざる手」って言うけど、それはただの例えじゃなかったんだ。ホントに「神様」が見えざる手で招いているんだという・・・
    町山 例えじゃなくて、そういう考えがあるんですよ。
    宇多丸 ふんふん。
    町山 実は、この「自由主義経済」っていうのは、実は宗教なんですよ。
    宇多丸 あ~、なるほど。
    町山 だって、「ほっとけば神様がなんとかしてくれるよ!」って「ホントかよ、オメエ?」とか思うじゃないですか。
    宇多丸 うん。
    町山 でも、ホントに信じてるんですよ、それを。
    宇多丸 それがあの、キリスト教の?
    町山 キリスト教のプロテスタントの人達は。・・これはねえ、「予定説」っていうイデオロギーがあってですね、プロテスタントに、
    宇多丸 うん。
    町山 で、「世の中の全ては神様の計画通りだ」という考え方があるんですよ。
    宇多丸 はいはいはい。
    町山 それがこの「自由主義経済」の根底にあるんですね。
    宇多丸 なるほど。
    町山 これが、アメリカの「保守主義」なんですよ。
    宇多丸 これが、「保守主義」。世界ってのはほっとけば良くなるってのが「保守主義」ということですね?
    町山 そうそうそう。で、「ほっとけ」ってのは、要するに、「経済に政府は関わるな」と、「政府はとにかく何もするな」と。
    宇多丸 うん。
    町山 で、政府は小さければ小さいほど良いと。
    宇多丸 はいはいはい。
    町山 という考え方が、これが、「保守」の思想ですね、アメリカの。
    宇多丸 うん、なるほど。
    町山 で、その対立する話をしますけども、いわゆる「リベラル」の方ですね。
    宇多丸 はい。
    町山 で、経済ってのは実際ほっとくとどうなるかっていうと、良くなんないんですよね(笑)
    宇多丸 ほっといても良くなんないってのはね、例えば貧富が広がったり・・・
    町山 そうそう、弱肉強食になっちゃいますから、金持ちはどんどん威張っていく、と。
    宇多丸 はい、そうですね。
    町山 で、バブルも発生しますよね。暴走するから、投資とかが。
    宇多丸 うん。
    町山 で、独占市場になっちゃって一人勝ちした企業が独占しちゃう、と。
    宇多丸 はいはいはい。
    町山 それで競争が起こらなくなる。で、殿様商売をはじめるでしょ?
    宇多丸 はいはいはい。
    町山 で、経営者が利益を独り占めして労働者に給料をあんまり払わなくなる。福利厚生をしなくなる、と。
    宇多丸 はい。
    町山 あとまあ、雇用差別をするとか、いろんな貧乏人差別をするとか差別が撒き散らされて・・公害も撒き散らされるわけですね?
    宇多丸 はいはい。
    町山 あと、儲からないとどんどんクビにしちゃう、その部門を縮小しちゃうっていう・・
    宇多丸 はいはい。
    町山 世の中の役に立とうが立つまいが構わない、と。
    宇多丸 うん。
    町山 「儲からないから切る!」っていうやり方ですね?それになっちゃうわけですよ、ほっとくと。
    宇多丸 はい、世界中で繰り返されてきた構図が・・
    町山 そうそう、そうそう。だから、これは何とかしなきゃってことで、政府が介入するわけですよね?
    宇多丸 はい。
    町山 これが「リベラル」って言われるやつで、具体的には「ソーシャルリベラル」、「社会的リベラル」って言うんですけども、これは、政府が介入してそういうめちゃくちゃになっている暴走を食い止めようとする動きですね。
    宇多丸 うんうん、うん。
    町山 つまり、企業に働きかけて、規制して、無茶な公害とか出さないようにして、
    宇多丸 はい。
    町山 あと、差別を無くしたり、金持ちや企業からたくさん税金を取ってですね、公共事業をしたり福祉で貧しい者に分配する、と。
    宇多丸 うんうん。
    町山 つまりこれは、社会的平等を政府がかなり強引にやるっていう方法ですね。
    宇多丸 はいはい。
    町山 これが「ソーシャルリベラル」なんですね。
    宇多丸 ある意味、社会主義的なのをちょっとミックスしてるようなってことですよね?
    町山 そうそう、そうそう。だから「ソーシャル」って言うんですけども、
    宇多丸 ふんふん。
    町山 これが、「保守」と「リベラル」なんですよ。
    宇多丸 なるほどなるほど。
    町山 だから実はどっちも「リベラル」なんですよ、本当は。
    宇多丸 なるほどね。
    町山 ただ、一方は「古典的リベラル」で、もう一方は「ソーシャルリベラル」で「修正的リベラル」なんですよ。
    宇多丸 なるほど、ちょっとこっちは、不備の部分をちょっと補っている「リベラル」ってこと・・・
    町山 そうそう、そうそう。で、これは別の言葉で言い換えると、「保守」の方は「自由主義」ですね?
    宇多丸 はい。
    町山 で、もう一つのほうの「ソーシャルリベラル」の方は「平等主義」ですよね?
    宇多丸 あ~、なるほど、はいはい。
    町山 で、これ、「自由」と「平等」っていう2つの概念なんですけども、この「自由」の方を代表しているのがアメリカの「共和党」で、「平等」の方を代表してるのが「民主党」なんですよ。
    宇多丸 なるほど。これはわかりやすい。
    町山 わかりやすいですよね?
    宇多丸 うんうん。
    町山 ところが、この「自由」と「平等」ってのは対立するわけですよ、さっき言ったみたいに。
    宇多丸 はい。
    町山 ぶつかる概念ですね。
    宇多丸 うんうん。
    町山 どっちかが暴走してもダメなんですね。自由が行き過ぎると貧富の差が広がるし、
    宇多丸 はい。
    町山 平等化が行き過ぎると共産主義になっちゃうわけですよね。
    宇多丸 なるほど、いろいろ停滞してきたりとかするっていう・・・
    町山 そうそう、自由競争ができなくなっちゃうわけですから、官僚的になるわけですから・・・
    宇多丸 うんうん。
    町山 だから、どっちにも行かないように両方が綱引きをし合って、バランスを取り合いながら進んで行くのが、アメリカなわけですね。
    宇多丸 なるほど、だから、2大政党の間で行ったり来たりが起こるという・・・
    町山 そうなんですよ!それがわからないと、なんで2大政党になってるかわからないっていう感じになるんですけども、
    宇多丸 はいはい、はいはい。
    町山 で、実際の話をすると、さっきの1929年の大恐慌の話をしますと、金融バブルが崩壊をした時に、その時、共和党のフーバーっていう人が大統領だったんですけども、「神の見えざる手」を信じてたんですね。
    宇多丸 うんうんうん。
    町山 で、自由放任主義にしてほっといたんですよ。ほっとけば神様がなんとかしてくれると思ったんですね(笑)
    宇多丸 今、恐慌になってるけど、市場が働けば大丈夫なんだよと・・・
    町山 そうそう、そうそう。そう思ったら、スパイラルを起こして経済は急降下をして行ったわけですよ。
    宇多丸 どんどん悪くなっちゃう・・
    町山 で、次に、フーバーはクビになってですね、民主党のフランク・ルーズベルトって人が大統領になったんですね。
    宇多丸 はい。
    町山 今度は彼は、さっき言った「ソーシャルリベラル」の立場で、積極的に政府から経済に介入していってですね、いわゆる「ニューディール政策」を展開したんですね。
    宇多丸 はいはい、はいはい。
    町山 で、公共事業をガンガンやってですね、ちょっと社会主義的なんですけども、政府が失業者に仕事を与えたり、金融を物凄くコントロールしたりして、経済を立て直すんですよ。
    宇多丸 うんうん。
    町山 で、この「ニューディーラー」・・、「ソーシャルリベラル」な経済がその後30年間続くんですよ、アメリカでは。
    宇多丸 はいはい、それは上手く行ってたわけだ、その期間は。
    町山 上手く、行ってたわけですね。まあ、途中で共和党政権とかになったりするんですけれども基本的にはこの政策で行くわけですね、ずっと、戦後アメリカは。
    宇多丸 はい。
    町山 ところが70年代にアメリカ経済ってのは沈滞化しちゃうんですね、ズルズルっと。
    宇多丸 あ~、やっぱり弊害が出てくる・・・
    町山 そうなんですよ。自由競争がどんどん抑圧されてって、公企業ばっかりになっちゃって、なんにも自由な行動ができない、と、なっていくんですね。
    宇多丸 うんうん。
    町山 で、実際、70年代初めのアメリカ映画って、みんなもう、廃墟でしょ?
    宇多丸 そうですねえ!荒れたニューヨークみたいなのがいっぱい出てきますもんねえ!
    町山 ねえ、もう、怖い、『フレンチ・コネクション』な世界じゃないですか。
    宇多丸 はいはい。ま、僕の大好物の時代ですけどね~
    町山 ま、カッコイイんですけどねえ、物凄く(笑)。カッコイイんだけどめちゃくちゃ怖い世界になってますけど(笑)
    宇多丸 はいはい、はいはい。
    町山 で、やっぱり自由競争を取り戻すしかないんだ、ってことでですね、80年代の共和党のレーガン政権が出てくるわけですね。
    宇多丸 はい。
    町山 で、彼が言い出したのが、いわゆる「新自由主義」なんですね。
    宇多丸 うんうん。
    町山 これは、それまでの「古典的自由主義」じゃなくて、「神様」じゃなくて、「政府」の力で自由競争を活性化させるって考え方なんですね。
    宇多丸 これはまたややこしいですねえ・・・「介入」して、さらに「自由」にする・・・
    町山 そうなんですよ!・・・だから要するに、政府がたくさん持ってるいろんな企業、電力会社とかそういったものをどんどんどんどん、民営化していって、それも自由競争の中に放り込む、と。
    宇多丸 あ~・・・本来なら物凄く公共性が高いような物を民営化しちゃうという・・・
    町山 民営化しちゃうんですよ。何もかも、自由競争の世界に持って行っちゃう、と。
    宇多丸 どっかで聞いたような話だけども・・
    町山 ・・ていう考えなんですね。これが、ずっと、その後の、イギリスから、アメリカだけじゃなくて世界中に広がってゆく「新自由主義」の流れなんですよ。
    宇多丸 なるほど・・・・
    町山 ただやっぱり、この根底には、ほっといて完全に自由にしておけば世の中はよくなるっていう宗教が、また根底にはあるんですよ。
    宇多丸 なるほどね。
    町山 やっぱり、あるんですよ。・・だから、この、「自由」と「平等」の対立っていうのは、「保守」と「リベラル」の対立っていうのは、実は、「有神論」対「無神論」の対立なんですよ!
    宇多丸 あ~・・なるほど・・・そうかそうか・・
    町山 これは大変な対立なんですよ。
    宇多丸 じゃ、最初に僕が言ったイメージも、結局はそこに集約されるんだ、やっぱりね・・・
    町山 そうなんですよ!実はそこなんですよ。・・それがわからないと、何故対立してるのか?とかわからないし、日本における新自由主義云々とかと、ちょっと違うんですよね、実は。ヨーロッパやアメリカの経済における「自由」と「平等」の対立っていうのは・・
    宇多丸 はいはい、はい。

    ~Resolution~
    何も無くなったアメリカの金融崩壊はかつての世界恐慌よりも深刻

    町山 で、結局、レーガンの時にですね、何でもしていいってことにしちゃったわけですね、儲けるためだったら。
    宇多丸 うんうん。
    町山 で、やったことはどういうことかって言うと、物を作るのをやめちゃったんですよ。
    宇多丸 うん。
    町山 物を作っても儲かんないわけですよ。・・つまり、たくさん人を雇って福利厚生しなきゃなんないし・・
    宇多丸 は~・・手間がかかる、と。・・物なんか作ってると・・
    町山 そうそうそう、もう・・コストばっかりかかってどうしようもないってんで、じゃあ、物を作るのをやめちゃって、金だけ動かそう、ってことになるんですね。
    宇多丸 ほう・・・
    町山 それで、物を作る産業から、金融型の経済に移っちゃうんですよ、アメリカは。国家が。
    宇多丸 う~ん・・・
    町山 金貸しみたいなことばっかりやる、と。投資ばっかりやる、と。
    宇多丸 バブル経済ですね、まさに・・はい。
    町山 で、そこから「グローバリゼーション」っていう方向に行くんですけど・・・、世界全体をこういった経済に巻き込んでしまえば、世界中がゲームに使っている貨幣ってのはドルだから、アメリカはなんにもしなくても儲かるわけですよ、世界中をドル経済に巻き込んじゃえば・・
    宇多丸 はいはい、はい。
    町山 要するに、まあ、カジノのディーラーなわけですね、チップはドルだから。
    宇多丸 ・・という読みだったわけだ。
    町山 そういう読みだったんです。それをどんどんやってったんですけども、で、結局それが30年間続いて、ま、自由競争を全世界でやってみたら、アメリカは負けちゃったんですよね。
    宇多丸 あの~・・要は、賃金とか全然安いとこはいくらでもあるし、とか・・・
    町山 いっくらでもあるし、技術的にも全然優れてるし、他所の方が・・・
    宇多丸 自由競争でやればうちが勝つと思ってたのに、全然、負けちゃったみたいな・・・
    町山 いや、自由競争でやって勝つって言うよりは、うちがディーラーだからと・・
    宇多丸 そうかそうか、ドルだから、なにせオレは儲かるんだと思ってたら・・
    町山 そうそう、だってみんなそのドルをチップとして買わなければ経済ができないわけだから・・
    宇多丸 はいはい、はいはい。
    町山 だから、ほっといても儲かると思ったんですけども、金融を野放しにしてたら、めちゃくちゃになっちゃって、金融のほうが崩壊したでしょ、現在。
    宇多丸 もう、ドルの信用自体が、もう、崩壊しちゃってるからっていうことですよね?
    町山 そうなんですよ。ところが、金融一辺倒の社会になってたから、金融が崩壊したらもう、なんにもあとが無いんですよ、なんにも作ってないから。
    宇多丸 はいはい、はい。
    町山 だから、大崩壊になっちゃったっていう話なんですね。
    宇多丸 な~るほど・・じゃ、これは、より、前の恐慌より深刻なんじゃないんですか?
    町山 かなり深刻です!前は工場とかあったわけですから(笑)
    宇多丸 そうですよねえ・・・
    町山 で、公共事業をやることができたんですけど、現在、公共事業をやる時、外国の力を借りないとできないですよ、アメリカは。
    宇多丸 ほう・・もう、そんぐらいまで来ちゃってる・・・
    町山 そうなんですよ。・・今、すごく公共資金を投入してますけど、経済を救うのに・・
    宇多丸 うん。
    町山 投入してる資金のうちの半分近く・・っていうか、アメリカの国債っていうのは、半分、日本と中国が買ってるわけですからね。
    宇多丸 あ~、はいはい、はいはい。
    町山 これ、どうしようもない状況になってるっていう・・・
    宇多丸 なんかやろうとすると、今度はアジアのこっちに頭下げなきゃいけないし・・
    町山 そうなんですよ。・・それで、国債をめちゃくちゃ発行すると、国債価格が下がると日本や中国も大打撃になるんですね。
    宇多丸 はいはい、はい、そうですよねえ・・・
    町山 でまあ、こういう状況になっちゃったから・・・あとどうするんだ?ってことで、オバマさんしかいない、って言われてるのは、もう、ずっとやってきた保守的経済っていうものは破綻したからなんですよ。
    宇多丸 うんうんうん。なるほどね。
    町山 これは実はもう、30年ぐらいのデカいサイクルで起こっている事件なんですね。
    宇多丸 なるほど、大きなうねりの揺り返しなんだ、ということなんですね・・
    町山 はい、そういうことで見ると、2大政党制の、今回は大きなですね、30年ぶりのサイクルが回ってくるんだな、ってことがわかるかな?と、いう話です。
    宇多丸 う~ん、なるほど・・・
    町山 はい。
    宇多丸 ありがとうございました。すごい、100年の、100年近くの歴史を、一気に、18分で・・
    町山 一気に、十何分でやりました!はい。
    宇多丸 いや、でも、すごいわかりやすかったです!
    町山 ありがとうございます。はい。
    宇多丸 すごい勉強になりました、ありがとうございました。
    町山 て、ことで、あの、本買ってね!
    宇多丸 あ!素晴らしいです!『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』、らしいですよ!
    町山 はい、よろしく!
    宇多丸 町山智浩さんの新刊です!
    町山 あさって発売!
    宇多丸 はい!(笑)・・コラムの花道、今日はカリフォルニア州バークレーから、映画評論家の町山智浩さんでした。町山さん、ありがとうございました!
    松本 ありがとうございました。
    町山 どうもでした!

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